ナナフシモドキ Baculum elongatum いわゆる普通のナナフシ。
近縁種のエダナナフシは触角がずっと長いことで区別できます。
これは短いのでナナフシモドキ
体は軽いですが手のひら一杯に広がるサイズ感はなかなか見応えがあります。
このナナフシモドキという名前。本家「ナナフシ」という昆虫がいるわけではないそうです。
ナナフシ=枝に擬態している=モドキというのが本当のところだとか。
とても納得です。
今まで「モドキ」の用法には気に入らないところがありました
今まで食べた中でもいくつかありました。
ショウリョウバッタモドキ ショウリョウバッタ
クルマバッタモドキ クルマバッタ
サトクダマキモドキ クツワムシ(別名クダマキ)
いずれも互いに近縁種で、区別できる特徴=識別点がはっきりと定義されているにもかかわらず
和名にはそれが反映されていません。
ハチやアリなど、攻撃性や毒のある昆虫を擬態するなら
「モドキ」という擬態目標を示すことでその生物の特徴を表現できるのですが、
同種の似た生活史の昆虫の間で「モドキ」とはなにごとかと。
見ためが似ていて別種ならば何らかの区別できる特徴があるはずで、
それを名前につけるべきだ、と思います。
ともあれ 味見です。
木に擬態しているだけあって本当に枝や葉のよう。かるい消化管内容物の苦味と固く弾力のあるクチクラ、内部の味はほとんど感じられない。「細くて大きい昆虫」は外骨格への投資量が多いので、身と外皮のバランスが悪いようだ。世界最大のマダガスカルオオトビナナフシとかも固いと思う。
ナナフシモドキは味までナナフシ=枝に似せている、
正真正銘のモドキの用法といえそうです。
話は変わりますが、
今年度も私が所属する
食用昆虫科学研究会 は
サイエンスアゴラ2013に出展します。
サイエンスアゴラとは日本科学未来館で毎年開催されるブース形式の一般向け科学イベントです。
毎年昆虫食のブースを売店の隣で開いています。
ぜひお越しください。
ここで「のぼり」のような客引き用の広告があればと
いろいろ探したのですが
1,一つしか作る予算がない
2,印刷物の場合、複数作るほうが安くなる
ことから、のぼりをつくると版型の価格が高くなってしまいます。
そこで
「もう手作り一品物のほうが安いのではないか」
と思い始めました。
そして、「のぼり」で伝えたいことは何か。
1,昆虫を出すブースである
2,光る
3,食欲をそそる
ここから得られる答えは
そうですね。 提灯です
※画面は開発中のものです
これは近くの百均でみつけた提灯に
印刷したものを貼り付けた試作品ですが
現在注文中のものは
浅草の職人が一品ずつ手描きしたものになります。
サイエンスアゴラで
食欲をそそる赤ちょうちんを見かけましたら
我々のブースですのでぜひお立ち寄り下さい。
お酒の一杯は出せませんが、なにかをご用意しております。