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これまでにないハラハラの帰国となりました。

帰国した夜のサクラ。今年花見ができてしまうとは思わなかった。

緊急帰国の少し前、バンコクで人と会う用事があり、17日にバスでラオス第二の都市、サワンナケートへ。

民泊のようなホテルにはアルコールジェルがおいてあり、少しの緊張があるもののラオスはいつものように牧歌的な雰囲気が流れていました。

翌18日、9時半の飛行機でパクセー経由のバンコクへ。欧米系の乗客が多く、60%以上はマスクをしていて、日本では普通の光景がとうとう世界標準になったんだなぁと。タイ入国にあたり、日本などの蔓延国にこれまで14日以上滞在したことがないことを記入する用紙を渡されました。

バンコク、スワンナプーム国際航空につくと、その用紙では足りずアプリのインストールを要請されました。こちら。

アプリで個人情報の送信が確認されたら、入国手続き。

空港スタッフはみなマスクをしており、アルコールジェルも完備。電車に乗り換えたあと、バンコクのセントラルプラザで少しばかりの買い物をして

マックでてりやきマックバーガー(サムライポークバーガー)を食べ

すると先方からなんと、「発熱した」との連絡があり、ミーティングは流れることに。無念。と思ったんですがこのご時世ですし仕方ないですね。経費で負担してくださるとのことで、私はバンコクで少しの買い物をしてラオスに戻りました。

バンコクで宿泊して19日、バンコクのもう一つの空港、ドンムアン空港に行くとこちらも出入り口が一つに制限されていて、国際線と国内線の動線が分断されており、国内線であってもスタッフはマスクをつけ、アルコールジェルがいたるところに設置してありました。

国内線で移動後、ナコンパノム発の国際バスに乗り、第三友好橋を経由してツーリストビザを取得。

マスク装備のスタッフばかりだったタイ側に比べラオス側はゆるく、アルコールジェルはビザ窓口にあるものの係員はマスクなし。何度も「ラオスで仕事があるんだよね?」 と念を押され、入国を許可されました。そしてラオスの家に帰宅。

海外滞在者は外務省の「たびレジ」に登録すると在ラオス日本大使館からのメーリングリストが配信されますので、まじでオススメです。確認するとタイ側にいたときに国境封鎖の第一弾が発令されていました。

20日、ラオスへ戻った翌日金曜日、続けて不穏なメールが届きます。

よく情報を集めてみるとPCR検査に陰性との証明書がないとタイの航空便をつかうことができない。トランジットも含めて。

この週にベトナムも同様の条件になっていますし、ラオスには数件しか検査のできる病院がありません。これは事実上の国境封鎖です。

つい数日前まで使っていた経路が次々と封鎖していく様子は、なかなか逼迫感がありました。2月25日から3月前半にかけては「要請」はするものの強制力はなく、ラオス国内で感染者が確認された3月12日から急激に、一日一日、移動制限のレベルが上がっています。私もバンコクに行って帰ると「自己観察」となると考えていたのですが、どうにも事態は緊迫していきます。

20日午後の発表で事実上の民間航空の国境閉鎖が起こり、ビザが発給停止となり、在住25年以上のラオス猛者たちも帰国を始めたとの情報が入ってきました。

それから20時間ほどで今後の事務所の方針を話し合い、出国の準備を終え、私達が首都ビエンチャンに移動した21日の午後には、私が19日に入国したばかりの陸路での入国、すべての国境において商業的流通以外の観光・訪問・買い物及び小規模の商売での出入国がストップされました。そしてバンコク行きに使ったラオス航空が、国内国際便をすべて停止。国際バスおよび国内長距離バスも停止。

タイでも物資の輸送に限り通行許可、となりました。運転手及び補助者はウイルス検査を受けないといけないという条件付き、

そして昨日、私が帰国した日に、ラオス政府は滞在外国人について、「感染症が収まるまで」ビザの延長が延長申請可能になったとのことです。つまり缶詰。

私もラオスに缶詰になるのはやぶさかではなかったのですが、ラオスでの長期滞在はどうしても近隣国の医療レベル、物流に大きく依存しています。国境が封鎖され、ASEANの中でも最もレベルが低いと言われるラオスの国内医療しか頼れるものがなく、緊急時以外の国境が封鎖された中で、長期間待機する選択はできませんでした。

とはいってもゾウムシは育ちますし、2月にはこうなる可能性も含めて、直接手渡しではなく、公共交通機関に荷物を預けて村まで届ける実験をしたところですので、ゾウムシの供給だけは今後3ヶ月間、続けることにしました。

ラオス人スタッフが引き継ぎ、どこまで続けられるのか。そしてほぼ完全自給の田舎にウイルスを届けてしまうことなく、街で収束させられるのか、今後を見続けないといけません。

「発熱できない」という縛りがあることで行動はいつにも増して緊張感がありました。20日はほとんど寝れてませんし、疲労感がもしかしたら発熱の兆候では、と体温を測りながらの不眠不休の出国作業でした。

本当にギリギリでの出国でしたのでストレスもマックスです。ひとまず日本に戻り、自己観察として毎日検温をすることにしています。

そんな中ですが、今年度まで3年間、助成してくださった味の素ファンデーションの動画が完成したとのことです。ぜひご覧ください。見どころは「昆虫食で栄養改善」をガチでやるとこうなるぞ、というところです。当初考えていたタンパク質は不足しておらず油のほうが重要で、キャッサバを植えようといっても土地が痩せるからと断られ、ゾウムシが気持ち悪いと養殖に参加しないヒトもいて、そういった「現場」のロジックではない折衝の結果として、この動画の後に追加で参加したヒトもいて16人のパイロット農家の育成に成功しています。その中には妊娠出産のあとから参加したり、ゾウムシは気持ち悪い「けれども」参加したりと、なかなか新しい風が吹いているところです。ここを手放すことは、とても重要な「プロモーションの手法の技術開発」をみすみす見逃してしまうことになるのです。なのでラオスに戻らないといけなくて、このラオスで得たノウハウは、全世界に拡張する最初のモデルになっていきます。

私達の挑戦はこれからだ!というところでコロナにストップをかけられてしまいましたが、村で生産される産品を使って、高値で売れる、かつ売れなくても栄養になるというゾウムシとのマッチングに成功しつつあることは、この3年の重要な成果です。そして大事なのは「売ったときに栄養のあるものを買う購買行動」です。栄養教育と栄養モニタリングなしに「栄養のあるものを養殖すれば解決」なんてことは決して起こりません。

この件を受けて、彼らにも村での自給の重要性をさらに強調し、キャッサバの自給率を上げて、感染症が収まった頃にゾウムシがふんだんに輸出できるまでをやりたいと思っています。

それにはどうしても追加のお金が必要なので、クラウドファンディングなどの方法もとっていきたいと思います。またよろしくお願いいたします。

日本の加工食品がおいしいです。ひとまずゆっくり寝ます!

趣味で飼っていたタガメや、タンパク質が比較的足りていたことから、優先度の低いバッタはすべて処分しました。ラオス事務所の業務を絞り、ゾウムシに集中させることでスタッフの負担を下げつつ業務を続けてもらおうとしています。

自分で育てた昆虫は、自分の意志で収穫し食べることに喜びがあるものです。このような外からの理由で、食べごろかどうかにもかかわらず収穫しなくてはいけない、こんな悲しい収穫はもうゴメンだと思いました。

悲しいけれど仕方ない。絶対に再挑戦してやろうと闘志を燃やしつつ、日本の我が家のリモートワーク環境を整えました。14日間は打ち合わせを入れませんので、リモートでできる有償の仕事をお待ちしております。寄付をいただける方はこちらからお願いします。

私個人を応援してくださる方はほしいものリストを公開しています。安いものがラオスでの必需品です。高いものは私の夢です。見ていってください。

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以前に購入した、GXR 50mm macroがラオスの景色を撮影するのに大変によかったのですが、防塵防滴ではない、この古くて弱々しいカメラに、そろそろラオスにも雨季の気配がやってきました。ちょっと心もとない。そこでレンズ検討をしました。

マイクロフォーサーズのマクロレンズには4種類があります。

ひとつは愛用している60mm 防塵防滴でカメラ内深度合成にも対応。

 そして軽くて安くてお手軽にしっかり寄れる、30mm 深度合成にも対応。これが防塵防滴なら完璧なんですが。惜しい。

そしてパナソニックから。こちらも防塵防滴ならラオスに持っていきたいんですが、日本でよく使っています。いいレンズです。

そしてやや発売年が古いですが45mm、これもいいらしいですね。

さて、GXRの50mmマクロを使ってみると、なかなか料理が美味しそうに撮れる。そしてこのカメラの案件はかなり遅いオートフォーカスと、防塵防滴がないので村に持っていくには心配なことです。

ということで更に古いレンズを探って、これにたどり着きました。

新品こんなにするの! 中古品で12000円のを買いました。

今回の帰国時に日本で動作確認をする予定だったのですが、予定がキャンセルになり動作確認をしないといけないので、厳重に梱包してEMSでエイヤッと送ってもらいました。必需品の粉アクエリアスと一緒に。

無骨でかっこよい。

位相差AFのみの対応なので、使えるボディはE-M1のみ。しかし、いい感じに写ります。すごい。

ううむ。すごい。

うまそうですね、GXRの50mm相当ハーフマクロと比較して、画角は半分、お皿を撮るにはちょっと離れないといけないですが、なかなか美味しそうに写りますね。カメラボディは新しいので手ブレ補正や高画素で、たよりがいがあります。そしてすべて防塵防滴。

AFが遅い、というレビューもあったんですがGXRよりはマシだし、レンズも300gとそこまで重くもないし。ということでかなり満足度が高いです。中古が安いので何本かストックしておこうかと思います。

ラオスの撮影条件はなかなかきびしくて、粘土質の赤土が粉になって舞い上がる乾季と、何もかもをカビさせる長い雨季、そして日本で言うところの真夏の日差しが年中斜めから降り注ぐ逆光の怖さ。そして薄暗いところはとことん暗く、明るいところは底抜けに鮮やか。こういったラオスの良さを描写できるのはこれではないかと思います。エクステンションチューブも同時購入したのですが、ピントの合う範囲がかなり狭くなるので今持っている60mmマクロを置き換えるほどではないかな、と。

テレコンEC-14を使えばパンフォーカスも可能と。こんなのもあるんですか、、、試してみたい。

ひとまずさらっと撮ってみました。接写キョウチクトウスズメはエクステンションチューブを使ってます。

いろいろキャンセルになって日本に帰れない日々が続いていますが、またしばらくラオスで楽しくやれそうです。

今回、研究費から渡航費を捻出し、リバネス研究費日本ハム賞の助成をうけたことから超異分野学会で発表する予定でしたが、この学会が延期となり、4月から始まるJICA助成の安全講習も延期となり、研究費を使って帰る主な理由がなくなってしまったことが帰国キャンセルの原因です。キャンセル料120ドルは研究費から出しますが、これで買えたものを考えると(乾燥キャッサバが一年分買えます。)なかなかつらいです。ご支援くださる方はこちらを見てくださるとありがたいです。安いものはラオスでの必需品、高いものは私の夢です。

オフィシャルな寄付先はISAPH食用昆虫科学研究会にいただけると、領収書も発行できますし、助成金以外で自由に動かせるお金が増えることで、ちょっとした挑戦もでき、事務手続きの手間が減るので少額でも、とてもうれしいです。団体の実績にもなり、認定NPO法人(寄付により減税されます)にも近づきます。よろしくお願いいたします

このタイミングにあわせて打ち合わせとか、訪問とか、フェモラータオオモモブトハムシを食べる会への参加を予定していたのですが、私が参加できなくなっちゃいました。こちらは三重県の郊外の野外ですので、屋内で閉じこもって飽き飽きしている方や、お時間のある方はぜひご参加ください。

感染症対策として、ラオス政府も日本などの感染国との入国審査が厳しくなるとのことで、14日間の自主的、自宅健康観察の要請や、スタディツアー延期要請など、観光にはなかなか来にくい感じになってしまいました。週の前半にNGOの会合で首都のビエンチャンに言ってきましたが、タクシーやトゥクトゥクのドライバーがマスクをしていて、ほんのり影響を感じました。あからさまな差別にはさらされていなくて、世間話程度にドライバーと話すこともありました。流しのトゥクトゥクが持ちかけてくる料金が普段の倍ぐらいふっかけられて、交渉するとすぐに半額になり、なかなかお客がいなくて大変なんだろうなと思います。

いちおうクレジットカードの更新とか、JICAの安全講習とか、学会が4月に延期されたのでそこに対応とか、4月に帰国できたらいいなとは思いますが、こればっかりは感染症なので未定です。キャンセル料も痛いのでまた状況に応じて航空券をとろうとおもいます。

今週ビエンチャンでみた花。サガリバナ科ホウガンノキと教えていただきました。仏教にまつわる花かとおもったら熱帯アメリカ原産とのことでおどろき。