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新たなる支配者は(ネタバレ)バッタだった、ジュラシックワールド。

はじめにお断りをしておきます。私はこの映画に文句を言うために観ています。

前作、「炎の王国」の段階で、あぁこの映画の路線はもうノットフォーミーなんだな、と気づいてしまったわけで、一作目のファンとして、潔くこのシリーズから離れよう、としたところ、最新作は「バッタ映画である」との噂をききつけてしまい、興味をそそられてしまいました。さすがに映画館で観るものでもないなと待ち、アマプラでみることにしました。

あ、バッタ映画だ!

そうなのです。恐竜たちは今回、人間とかバイクとかゾイド、カバに置き換えても全く問題ないです。Vtuberが選ぶアバターぐらい、恐竜のガワである必然性はまったくなく(恐竜であることの必然性は前作でぶち壊したわけですが)、観客に3Dで映えるスパイスを提供するだけのアトラクション的存在で、物語の主軸からは大きく外されてしまいました。

主役はバッタ。伊勢エビぐらいの、トゲトゲとして、ほどほどのむっちり感に巨大化をした、白亜紀のDNAをもつバッタが、ずっと物語を引きずり回していました。バッタをどうにかしないと食糧危機がうんぬんかんぬん、だそうです。

サイズといい体重といい、このぐらいの伊勢エビ感。

以下ネタバレしますが、ファンはもう映画で観ていますよね。いいですよね。

炎の王国のラスト、突然、最終作のキーマンみたいな感じをプンプンさせる、クローン少女が現れます。最終作には一作目の主要人物、いうてみればおじいちゃんおばあちゃんが再登場するわけですから、ファミリー向けエンタメ映画である以上、年齢構成は大事ですよね。これは、、、恐竜たちに同類的な憐れみを感じて逃がすためのキャラクターですね。時代を飛び越えるというなんかそのアレみたい外来生物問題は気にしない少女。そして闇のオークションにかけられそうになっていた恐竜型遺伝子組み換え動物たちは、野に開け放たれるのです。

そして今作、4年後、主人公カップルは少女と山奥に同居し、悪徳な(?)やつらから恐竜型動物たちを保護する(?)活動をする一方で、開け放たれた恐竜たちは野外に定着し、いろんな人身事故を引き起こしていました。

侵略的外来種としてすでに定着しているにもかかわらず、相変わらずマフィア的な人たちによって行われる闇(?)のオークション。もうすでにわかりにくい!
「麻薬王のカバ」的な話、と考えればいいんでしょうかね。
※麻薬王のカバ、というのはコロンビアの麻薬王が密輸したカバが繁殖・野生化して外来種として問題になっているものの、地元住民にはそこそこ愛されてしまい駆除が進まない、的な状況です。

写真はコビトカバ
カバの頭骨はわりと恐竜と戦えると思う。

とにかく逸出した恐竜型遺伝子組み換え動物の分布が示されていないので、野生なのか飼育なのか、養殖なのかがわかりにくい!これはノネコ問題、としてみればいいのか、、、?外来種でありならが高級食材のシャンハイガニ的なものなのか、、?とにかくオリジンの人たちの飼い方がマズいので、飼い方が確立していない大型の動物、買いたい人ってどのくらいいるのか、、、?

んでさ、シリーズを通して、人間のみなさんがウッカリすぎて、セキュリティがいつものごとくガバガバで、恐竜型クリーチャーがどこにいるか、どこにいないか、ワチャワチャになっていることが明らかになっていきます。もう人類滅びていいぐらい。これは正規の方法では航空機が飛ばないんじゃないかなぁ。滅ぼしたほうがいい気がするぞ、、、

さて、ワチャワチャしますが、結局恐竜はあんまり問題とされてないらしいです、、、が。恐竜の問題をきっちりとらえないと(危険度が上がりすぎてまともなフィールドワークもできないでしょうから、保全生態学はかなり後退していると考えられます)最後の判断、バッタ殲滅もちょっと怪しくないかと思ってしまうわけです。

バッタの話をしましょう。

白亜紀バッタのDNAをサバクトビバッタに組み込んで巨大化したバッタと、そのバッタに耐性のあるコムギを販売することで、バイオシン社はセコイ商売をしようとしていたっぽいんですね。そんなんすぐバレるじゃんと思うんですが、なぜか(生の草でなく)実が乾燥して収穫どころになったコムギで育つのを食べている、よくわからないバッタなんです。生の草を食べるサバクトビバッタのケースにも、エサが置かれていないのであんまり飼い方の様子がわからないです。

そしてこのバッタ、なぜか知らんけれど人間の服を噛む行動をします。これもよくわからん。んで、この人為的に逸出した恐竜型クリーチャーについて、外来種問題にしたくない、っぽいんですよね。なぜかバッタが大きな部屋で、フタのないケースで飼われている。もーこれは逸出させたいとしか思えない。最後の方、バーナーで焼いたらなぜか通風孔から燃えたバッタが逃げ出すという、設計段階から狂っている、まったくよくわからないアクシデントがあるんですが、これまで一度も試運転しなかった装置をいきなり使うんですか、、、?

「人間に対するバッタの被害」に注目しだすと、恐竜のほうが被害出るじゃん、とかバッタによる食糧危機と恐竜による食糧危機(逸出したやつらが繁殖しているし、農作業に対する危険度がバク上がりしているし、すでに食糧危機だと思いますが)を比較するのを避けている様子があります。

んで、一作目ファンへの介護(笑)として、博士三人衆、古生物学者グラント博士、植物学者サトラー博士、数学者マルコムを再登場させなくてはいけないわけですから、植物学者の出番をひねりだすための苦肉のバッタなのでしょう。

恐竜による被害から目をそらすための苦肉のバッタ、これしっかり直視しないと、「肉食恐竜がバッタを食べるシーン」があるんですね。これ、、、恐竜による人的被害、食糧危機が(見かけ上)起こっていないのは、バッタが支えているから、という可能性すらあります。

池でかいぼりをしてブラックバスを駆除したら少し遅れてアメリカザリガニが大発生したり、小笠原諸島でヤギを駆除したら、競合だったネズミが増えてしまい、希少種が食べられてしまった、なんて話もあったりするので、外来生物同士の競合についても、しっかりふまえたうえで対策を検討しないと、「バッタで食糧危機」なんて単純な話をするサトラー博士、、、これ、買収されてませんか?

そして最後、ラボを失ったウー博士が、病原体を感染させた一匹のバッタを放つところで話は終わります。え、解決しないの???モニタリングをだれがするの? 不妊虫放飼みたいなのってもっとたくさん放つ必要があるんじゃないの?

結局バッタ対策がグダグダになったまま、シリーズを通じてCRISPERみたいな特異性の高い遺伝子編集技術もできてしまい、ほとんどの人類がmRNAワクチンも打ったばかりですし、不妊虫放飼による外来種対策なども成功事例が出てきてしまった以上、なんだか、、コンセプトが古い、、んですよね。しかたないこれで最終作だし、、、

ドジスンぐらいしか面白シーンなかったじゃねえか。あとCGちょっと荒くないか、、、
やたら丁寧にいろんなバージョンでおどかしにくるバッタにも第一作にも興味がない人たち、大丈夫だったんでしょうか、、、、


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