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今まで分散していました、昆虫食情報発信ブログ

蟲ソムリエへの道

蟲ソムリエの実践ですが

こちらにまとめることにしました。どうぞこれからもご贔屓にお願いいたします。今年は散らかっている情報をまとめて整理して発信していく年にしようと意気込んで、いや、ほどほどに思っているところです。

ひさびさにバズりました。

旅行です。有給をいただいて、街全体が世界遺産になっているというラオスの北部の街、ルアンパバンに旅行してきました。

ラオスの大変なところを支援しに来ているわけですが、平行してラオスの自慢のところも見ておこうというわけです。

朝は昆虫の世話。ラオス人スタッフに引き継ぎ、
ビエンチャンまで片道7時間のバス。ビエンチャン泊
そしてワットタイ国際空港から空路でルアンパバン空港へ。

そしてなんと現地で風邪(?)でダウン。
食欲不振と高熱でもしかしてもしやデング熱か、と焦ったのですが、無事一日で熱は治まり、回復してしまいました。
なんともよくわからない状態。まぁ休暇中にダウンしてよかったです。昆虫の世話をしつつだとキツかった。

そして回復した最終日の朝、朝市に行き、タサール蚕を購入できました。

ビエンチャンのホテルで何度か持ち込んでいた昆虫が死んだことがあったので、何らかの殺虫剤が散布されているだろうと思い、
タサール蚕を窓の外に吊るしたりしながら、なんとか死なないようにして帰ってきました。殺さずに帰ってこれるならもうちょっと大量に買えばよかったかな。さて、優雅な休暇と療養をすごしたわけですが、ルアンパパンのお土産屋にはタサール蚕の織物は見つかりませんでした。
 
少数民族がいろいろな蚕をつかって織物をつくっていることは店員も知っていて、それらを見学するスタディツアーのようなものはあると
教えてもらいましたが、街中でそれを扱っている店をみつけることはできませんでした。

タサール蚕の購入にあたっては、繭付きで売られていたことから、繭はあくまで梱包材で
その後の繊維利用はないようです。

また、タサール蚕はヤママユガ科ではあるものの、カイコガと同様に糸口から一本の糸をとることができるので、
食用に切り開かれた繭と、繊維用の繭の用途を同時に満たすことはなかなか難しいと考えられます。
なので朝市で食用にしたあとの繭を回収するようなことができれば、もうちょと用途が開けるかもしれません。

ルアンパバンでおもしろかったのはこれ。

そしてお土産で買って帰ったこれ。

きちんとデザインをすれば、ラオスの産品は世界に通用する。そしてその実践がすでにルアンパバンにある、ということを
知ることができました。がんばります。

帰ってきてタサール蚕を味見。

サナギ
う、うまい。。
たっぷりとした量感と裏ごしした栗のコクとかおり。
エビの殻の旨味。すっと広がる汁そして圧倒的なコク。

成虫
表面にまぶした塩が効いて胸部のうま味とタンパクな筋肉の食感
腹部に格納された大量の卵がバチンバチンと弾けるメス。あぁ最高。

前蛹
やはり前蛹のバランスは外せない。噛みごたえのしっかりした幼虫の外皮をのこしつつ
消化管内容物は押し出され味がピュアになり、そして食感の悪い絹糸腺は繭となって包んでいる。
見事。やっぱこの段階がベストだろうなと。

意外と成虫の味のまとまりがよかったです。サナギはちょっと味がが強いので他の材料とあわせると落ち着くかと。
いくつかのレシピも考えていきましょう。

こんなニュースをみかけました。

引用します。

市によると、複数の市民からセミの幼虫を大量に捕っているという苦情を受け、6月に設置したものだ。

とのこと。苦情?

「やめさせてほしい」が苦情でしょう。
大量に捕っているというのは目撃情報です。そして彼らの用途が食用であるとの勝手な断定をして、このような看板を出したのでしょうか。
十分な説明とは言えないと思います。

噂レベルですが、関東でも関西でも、昆虫食文化をもつ外国人(であろう集団)が、
自分用か飲食店用かはわかりませんが捕っているという話はセミ食愛好家から伝え聞いています。

さて、ここで追記しておくのですが、
「食用に大量のセミを取る方法」が意外と皆さん知らないことをTwitterで知りました。

「土をほって植物や景観を破壊する」
という話を聞いてあれ?と思ったのです

セミ会のガイドラインにも書きましたが、

基本的に羽化のため登ってくるセミを10分サイクルでとる、というものです。
看板が夏限定というのもその反映です。

通報があったということは、その通報をした人を含めて
これらの看板製作に関わった人は「食用に」「見慣れない量の」セミが採られていることに驚いたのでしょう。
そこからあまり深く考えずに作ってしまったものと思われます。

セミの独占を防ぎたいのであれば「大量の採集を禁止」すればいいのであって、用途を限って禁止する理由に合理性はあるでしょうか。

また、食用にすることと、子供が採って遊ぶことのどちらが「守られるべき文化」でしょうか。

いま私はラオスにいますが、日本の都市公園ほどセミが大量に乱舞している場所はこちらにはないです。
落ち葉が取り除かれ、土が乾燥し、硬い土を掘り進むことができるセミだけが、都市公園に優占していると思われます。
それが「守るべき生態系」でしょうか。

さらにいうと、樹木は資産です。自治体の公園ですと樹木を破壊すると器物損壊になります。
大量のセミによってそれらの樹木が弱体化することがあるかもしれません。それらを採って食べることは
自治体にとって喜ばしいことであったとしても、禁止すべきことでしょうか。

というか生態系を意識して公園なんか作ってないですよね。

さて、なぜこんなにヒートアップしているのかというと
「食文化への差別的扱い」になっている危険性があることと、そうでないことを説明する責任が自治体にはあると考えるからです。
現在の説明では合理的でも十分でもないと思います。

例えば
ある生魚をたべない外国で「生魚を店で出すことを禁止」したときに、日本食を楽しみたい日本人に抑圧的なルールでしょう。
生魚による食中毒の発生があるなど、文化の制限には合理的な理由が必要になります。

法的には、食用にセミを採ることを許可するルールもないですし、禁止できるルールもないです。
なので、好ましいのは地元の合意を得ることです。地元の人たちがこの土地をどうやって活用していきたいのか。
保全生態学の作法にのっとって、セミとのあり方を考えていくことが望ましいでしょう。

少数の苦情?というか目撃情報によって自治体が勝手に決めてしまうのは、その土地に軋轢を残します。

少数の人による大量のセミの独占を防ぎたいのであれば、潮干狩りのように遊漁料をとる、量の制限をするなどの
建設的な方法もあります。街路樹は健康になり、自治体には収入が入り、いいことだらけではないでしょうか。

研究会が主催するセミ会では、毎度数を数えて、「数年以上にわたって減少傾向がある場合はその場でのセミ採集を中止する」
という方針です。

今後はデータが集まってきたら、参加者数、年、天気によるバラツキや、その土地から一年にどの程度のセミが発生しているのか
どの程度であれば問題ないといえるのか、調査できたらと思います。

調査にもなって、おなかもふくらんで、生態系も学べて、そして地元の交流になる。
セミ会から派生して「セミ祭り」のような地元の集まりをつくりませんか。お手伝いします。

さて、

セミ禁止令という語感の面白さが気に入ったので、SFを書いてみました。

以前に開催された昆虫食展でもだいぶお世話になった西塚emさんが二冊目の単行本を発売!

電子書籍版も同時発売なので、ここラオスでも手に入れることができました。

アプリでもアクセスできるので、おいかけていたんですが
単行本で一気読みするとなかなかすごいものがあります。

私なんかは虫がでてくることにたいして違和感がないんですが、おそらくこんなに「ありのままの」虫たちがワサワサする漫画はそうそうないでしょう。ホラーなのかギャグなのか。
ジャンルすらもおかしくなるような不思議なストーリーです。

注目は第二話。単行本を通して読んで、あらためてみてもその異質さ、第2話といういつでも無料で読めてしまう導入の話に位置するはずなのにこれをもってくるとは。すごい。というかここからモザイクなんだというその配慮がナゾ。
作者も編集者も出版社もどうかしてしまったんではないか。そういうタイプのアレに脳がアレされてしまったのではないか。と心配になるので一読の価値あり。

ということで作品に登場した虫たちの写真やら味見やらをまとめました。

第二巻か三巻あたりでは「昆虫料理部」とかと生物部が戦ってほしいなぁ。






全国の保護者のみなさま、そして保護者からその子の監督を任されている、であろう
夏休みの教育関係者のみなさま、そろそろこんな問題に直面する例がちらほら見られています。

「昆虫が食べたいという子」の出現です。

これは非常に難問ですが、多くの保護者のみなさまはモニョモニョと回避してきたのではないでしょうか。

というのも、夏休み子ども科学電話相談にこのような質問がきたそうなのです。

私の答えとしてはこちらです。

さて、昆虫を食べたいという子供に私たち大人はどう答えられるでしょうか。
相談の子は知識欲で味を知りたいとのことで、とても共感してしまいました。

以前に某学校の研修会で使ったスライドを紹介いたしましょう。

これをもとに再構成したものが、「食べていい昆虫の5原則」
です。

 

 

さて、私達、君たち大人は「昆虫を食べたい子供」にどう応えるか。

もし実践されている方がいらっしゃいましたら教えてください。

私は「一緒に食べよう」といえますが、そうでない方がほとんどでしょう。

どう応えるか。どう答えたいか。そのためには何が必要か。リクエストをお待ちしております。

はい。こちらはラオスです。

ここから350kmほどメコン川下流のほうで、痛ましいダム崩壊の事故がありました。ひとまず私は無事と報告します。
私が活動している保健NGO関連にも、いろいろと情報が来ています。まずは72時間の緊急の救出活動、
その後の住民の生活基盤の回復など、いろいろな支援が必要とされるでしょう。
日本でも豪雨災害がありましたが、募金などがありましたら積極的に支援をお願いします。

ラオスは水力発電ダムを多く作り、電力自給率も100%を超え、外貨獲得の大きな柱となっています。
当然ですが、水のリスクも少なからず抱えてしまうのです。

大気循環における水の物理エネルギーはすさまじく、治水が進んだ日本といえども、想定外の降水量にあっという間に構造物が壊されていきます。
災害が起こることは避けられないにしても、起こったときの対処はだいたい同じです。「万が一」が起こったあとのことを、不謹慎等と言わずに
考えておくことが大事でしょう。

さて、今日の話はこちら。

最初これを見たとき、あ、寄生されてるなと勘違いしました。

アオスジコシブトハナバチ Anthophora senahai かその 近縁種

こんなTweetもしました。

昨日までいないと思ってたのに突然現れたように見えて、あぁ本当に気づかないところにいろんな生き物がいるんだなぁと思っていたら
とつぜんその夜に「寝るために」こんな集団就寝をしているなんて。

これをつぶやいたあと、Twitter上で「いや寄生じゃなくて寝てるのでは」との指摘をいただき、舞い戻って確認しました。

確かに寝てるだけだった。

なんとも不思議で理解がしにくい光景です。

論文も紹介していただきました。

もちろん茹でて味見もしておきます。

なんとも不思議で、そして愛らしい光景なので、こんな提案をしてみました。

早速、創作クラスタのみなさんが反応してくださいまして

これは期待です。次はいきもにあか昆虫大学か、博物フェスは最近終わりましたね。

情報は日本から入ってくるのですが、なかなか実物を日本からこちらに入れることができないので、もう嫉妬の嵐ですよ。博物フェスの戦利品をみせびらかしたみなさん、ラオスから恨まれてますよ

それでは創作クラスタさん向けのギャラリーに参りましょう。

基本的なルールですが、一般的なウェブ上の写真と同じです。
作品のモチーフとして使う場合は私に許可を取る必要は全くありません。
もし使ったことを事後でもいいので教えてくださると、私はとても喜びます

写真をなにかに使ったり、どこかの媒体で使ってくださる場合は、研究費を得る必要があるので、お金をください。

最近現像ソフト(および写真管理ソフト)にLightroomを導入しました。いままでPhotoshopCS6付属のAdobe Bridgeを使っていたんですが、古いのでTG-5のRaw現像が対応してないんですね。同じAdobeですし、使い方もだいたい同じで助かってます。

アオスジコシブトハナバチ Anthophora senahai かその 近縁種
アオスジコシブトハナバチ Anthophora senahai かその 近縁種
アオスジコシブトハナバチ Anthophora senahai かその 近縁種
アオスジコシブトハナバチ Anthophora senahai かその 近縁種
アオスジコシブトハナバチ Anthophora senahai かその 近縁種
アオスジコシブトハナバチ Anthophora senahai かその 近縁種
アオスジコシブトハナバチ Anthophora senahai かその 近縁種
アオスジコシブトハナバチ Anthophora senahai かその 近縁種
アオスジコシブトハナバチ Anthophora senahai かその 近縁種
アオスジコシブトハナバチ Anthophora senahai かその 近縁種
アオスジコシブトハナバチ Anthophora senahai かその 近縁種
アオスジコシブトハナバチ Anthophora senahai かその 近縁種
アオスジコシブトハナバチ Anthophora senahai かその 近縁種
アオスジコシブトハナバチ Anthophora senahai かその 近縁種
アオスジコシブトハナバチ Anthophora senahai かその 近縁種
アオスジコシブトハナバチ Anthophora senahai かその 近縁種
アオスジコシブトハナバチ Anthophora senahai かその 近縁種
アオスジコシブトハナバチ Anthophora senahai かその 近縁種
アオスジコシブトハナバチ Anthophora senahai かその 近縁種
アオスジコシブトハナバチ Anthophora senahai かその 近縁種
アオスジコシブトハナバチ Anthophora senahai かその 近縁種
アオスジコシブトハナバチ Anthophora senahai かその 近縁種
アオスジコシブトハナバチ Anthophora senahai かその 近縁種
アオスジコシブトハナバチ Anthophora senahai かその 近縁種
アオスジコシブトハナバチ Anthophora senahai かその 近縁種
アオスジコシブトハナバチ Anthophora senahai かその 近縁種
アオスジコシブトハナバチ Anthophora senahai かその 近縁種
アオスジコシブトハナバチ Anthophora senahai かその 近縁種
アオスジコシブトハナバチ Anthophora senahai かその 近縁種
アオスジコシブトハナバチ Anthophora senahai かその 近縁種
アオスジコシブトハナバチ Anthophora senahai かその 近縁種
アオスジコシブトハナバチ Anthophora senahai かその 近縁種

ブログの引越をして3ヶ月になりました。

まだまだ旧ブログへのアクセスが多く、引っ越しをスムーズに進めるにはなかなか難しいなと。

新アドレスへの移行をすすめるべく、過去記事ボットをつくりました。

新記事と過去記事を順次入れていってます。どうぞご覧ください。

そして3ヶ月後をめどに旧ブログを閉鎖しようと思いますので

リンクをお貼りの際は、新アドレスをご利用ください。

お久しぶりです。ラオスに来て1ヶ月半が経ちました。

とうとう、出会うことができました。
断片的な情報はあったものの、出会うことができなかったこの昆虫。

ヤシオオオサゾウムシRhynchophorus ferrugineus

1998年ごろに宮崎に侵入したときに大騒ぎになり、宿主は基本的にサゴヤシ。広食性でヤシ科のカナリーヤシに被害が多くでたとのことです。
宮崎県におけるヤシオオオサゾウムシの発生について(PDF)

サゴヤシ学会という、現在トップページが更新されていないHPの中に、昆虫食のすばらしい著書のある三橋淳博士のまとめ(PDF)がありました。

当時、私の興味は味見にしかなく、ヤシオオオサゾウムシの駆除に携わった、という方まで到達することもできたのですが、見つけ次第すぐに駆除するとのことで
結局手に入れることはできませんでした。

タイに行けば食えるとの話でもありましたが、それが養殖できるという話もあれば
採集だけしか無理だから高いのだ、という話もあって、いまひとつ解像度の高い情報が得られない状況でした。

ゾウムシはサゴヤシの成長点を食べること、そして日本においてヤシの大部分は更新を想定していない鑑賞木であることから、
経済的損失が大きい、そして成長点をやられたヤシは死んでしまうことから、食べ残しの多さもあって、カミキリムシと同じように
たとえ美味しくても養殖利用の将来性は低い、と考えていました。

ところが、ところがです。
どうやら、とあるデンプン質に微量栄養素を添加したら飼える、との確かな情報を得ました。
というのも、こちらのラオス人スタッフの義理のお兄さんが、家庭用に飼っているとの情報をくれたので、
早速行ってみました。

養殖の詳細はいまのところナイショにしますが、うまくいったら公開します。

…うっま。うまいです。これはすごい味。そして唯一無二の食感と芳香。見事。これは高値だわ。すごい。

さて、これが単にビジネスにとどまらず、
なぜラオスの食生活を改善する可能性があるのか。

1,飼育がそもそもラク
今まで候補としていた葉を食べるタイプの昆虫は、どうしても生の葉を食べさせる必要があるので、手間がかかり、マメさが必要であることがネックになりそうでした。
こちらは、培地となるデンプン質+添加剤を用意したら、1週間に1回の追加の餌だけ、そして一ヶ月後の収穫までほぼメンテフリーです。
昆虫養殖ビギナーなラオス人にとって、これはなかなかいいスタートになるのではないか、と思いました。

2,アリの襲撃がほとんど起こらない
多くの昆虫養殖で、熱帯地域ではアリの襲撃が大きなリスクであることを確認しています。
複数のアリが、入れ代わり立ち代わりアタックしてくるので、脱皮時や孵化幼虫の大きなリスクになっています。
しかしこの養殖では地面に無造作に置かれただけでした。「アリは全然きにしなくていい」とのことです。
何が起こっているのか、いまのところ仮説レベルですが、おもしろいことになっています。キーワードは好気発酵です。

3,タンパク質価はそこそこで組み合わせ次第。
アミノ酸スコアは先の三橋博士の報告によるとシステイン、トリプトファンがおそらく少ないとのことで、
それらの多いバナナなどをエサとして与えたり、ヒトが食べる際に組み合わせたりすると、より栄養価を高くすることができそうです。
ラオス人の食生活も自給的米食のおかげでデンプンが十分で、それ以外の栄養が不安定という状態なので、デンプン質を主体とするエサを濃縮・転換して
タンパク質や脂質を得られる系は(葉を食べるタイプと同様に)将来性があります。

4,豊富な脂質とおそらく密度効果による蛹化抑制
脂質が多いことから、飽食の日本人にはあまり大量にはオススメできませんが
ラオスの村民では脂溶性のビタミンへの欠乏が調査により明らかになったので、これらの脂質を食べてもらうことで
より健康的な食生活へと近づくでしょう。
そして、蛹化にあたってはいくつかの条件が必要であることと、高密度で蛹化が抑制されそう、という話も聞きました。
これも飼育実験により確認しますが、密度効果によって蛹化を抑制できれば、ミールワームのように食べごろの最大体重の幼虫のまま
長期間、新鮮な昆虫を常温保存できる可能性があります。冷蔵庫が普及していない村落にとって、これもまた有望そうです。

5,どこまで吸収できるかわからないがミネラルが豊富
アフリカの一部の地域では、近縁のヤシオサゾウムシが生計向上に役立っているとの記事もありました。
亜鉛、鉄なども含まれているので、微量栄養素としての寄与も期待できるかもしれません。
重金属はアゴに蓄積して強度の向上に貢献しているとの論文もありましたので、アゴのある昆虫のほうが、ないウジタイプよりも
ミネラルが豊富、といえるかもしれません。こちらはまだまだ未確定な情報ですが、養殖が軌道にのれば、そのような部位ごとの成分解析もできると思います。

ともあれ、まだまだ養殖している人はラオスに少ない、とのことで
これからレシピの開発をして村落の反応をうかがおうとしているところです。

これまでの昆虫に加えて、ヤシオオオサゾウムシの養殖試験にも許可が出ましたので、チャレンジしてみようと思います。

一つ、未確認なため、日本のみなさんに情報を集めたいことがあります。

成虫の雌雄を外見で見極めることです。

口吻の細長いほうがメス、とのことですが、いまひとつ確証がありません。もしご存知の方いらっしゃいましたらコメントいただけませんでしょうか。

メスが左、オスが右、と教えてもらったけれど。。。
サゴヤシオオゾウムシ成虫メス?
サゴヤシオオゾウムシ成虫オス?
サゴヤシオオゾウムシ成虫
サゴヤシオオゾウムシ成虫

さて、ここでもう一度考えておきたいのは
「害虫」という概念です。

この虫の養殖を日本で行うことはまず無理です。植物防疫法にひっかかる他
大きいものでは数千万円する鑑賞木を枯死させてしまうのですから、もし逃したら損害賠償請求も膨大になるでしょう。

ではラオスにおいてはどうなのか。
一言でいいますと「蔓延しすぎて害虫とはみなされていない」のが現状です。

サゴヤシを含めヤシ科は成長点を食害されると枯死します。
この虫はヤシが傷ついたときに出る匂いに反応して卵を産むそうなので(このゾウムシ自体に成長点まで侵入できるほどの傷害を与えられるパワーはないようです)
熱帯地域特有の大きな風水害や雷、そして、ほかの昆虫によってあたりまえの傷害をうけ、ゾウムシが発生し、あたりまえに枯死していく、と考えられます。

これが「害」だという社会のコンセンサスがないために、ウンコにハエが発生して分解されていくように、「自然現象」としてとらえられています。

そうなのです。「害」とは通常起こらないことに対して名付けられる政治的な概念なのです。

例えば震度4の地震が他国では大災害になっても、日本ではTwitterが少し賑わうぐらいの効果しかありません。

更に言うと、殺虫剤が生まれる前は「害虫」という概念がありませんでした。

殺すことによる収量増加が「当たり前」になったからこそ、それを阻害する昆虫が「害」とみなされるようになったのでしょう。(家庭における「当たり前」が昆虫がいないこと、となっていくコンセンサスもそれはそれで再考する必要があると思います。)

当然ですが、土地を均一化し、単一の植物を栽培すれば、それを宿主とする昆虫を誘引し、半養殖しているのと変わりません。昆虫養殖は農業においての「当たり前」に疑問を呈し、本当にその土地から単一の植物を得るのが「当たり前」なのか、生態系レベルで見直すためのツールになる、とも考えています。

ゆくゆくは、将来的な話ですが
「地域における望ましい生態系モデル」というコンセンサスを、様々な行政区画に応じて組むことで、ある場所では害虫になり、一方である場所では特産品になる、といった、パッチ状の生態系利用ができてくると面白いな、と思います。生態学者は隣接する行政区画によって異なる政策が行われている場合、政策によって無意識的に行われている「実験」をとらえ、解析し、その効果を示していく、そんな研究者は非介入型の実験的生態学が展開できるのではないか、と妄想しています。

ひとまず出会いはこれまで。こっから具体的な養殖と、村落への提案のフェーズに入っていきます。

昆活写真
昆活写真

[caption id="attachment_1251" align="alignnone" width="4608"] キョウチクトウスズメ

キョウチクトウスズメ
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
キョウチクトウスズメ
ミバエの一種
コガネムシの一種
ジンガサハムシ
Oides andrewesi
ギンヤンマの仲間
フェモラータオオモモブトハムシ
マメハンミョウ

さて全国のハムシの味が知りたいファンのみなさん。
やってまいりました。

ハムシの味を食べ比べる選手権こと第一回ハムシ味比べ選手権 in ラオスであります。

初開催、ですね。だれがやるんですかね。

わたしだよ。

ラオス人スタッフに確認したところ、
食べないそうですので、これはラオスの昆虫食文化とは独立した
私の興味の範囲のアレということでご理解ください。

ハムシの写真はまぁとりにくい。
ひたすら動くいて静止しないし、飛ぶし、
構造色できらめくのに、フラッシュで撮影すると暗くなってしまう。

ハムシハンドブックの尾園さん、どうやってとられてるんですか。
きらめく甲虫の丸山先生、どうやってとられてるんですか。

見よう見まねでやってみましたが
いろいろと説明できる技術と、熟練の技術とがあるようです。

さて、選手入場と参りましょう。

フェモラータオオモモブトハムシ

Sagra femorata

三重に定着した外来種。クズをたべて拡大中。
ここラオスでは在来種。マメ科をかじって繁殖中。yeah
4月に食べたら苦かった。三重で食べたのより苦かった。

味見してみたら
うまくなってる!苦味が消え、香ばしさが増し、三重産のおいしさに近づいている。繭に入っているときはずっと苦かったので、動けない時期に苦味を保つのは意義があるかと。成虫になってから蓄養して美味しさを上げる、という楽しみ方がありそう。

ジンガサハムシ  Aspidomorpha indica

陣笠のように中央が突起になって、周囲にひらべったくスカートになる形状。
金色にきらめくのも特徴。透け感ときらめき、色味が絶妙で美しいハムシ。

4月に幼虫、蛹、成虫を味見したが、もう一回味見してみる。

Aspidomorpha indica
Aspidomorpha indica
Aspidomorpha indica

茹でて冷やして翌日見るとグリーンがかってた。構造色の色変わりの
メカニズムがあるらしいんだけどよくわからず。
すこし苦味があって、食草のあおくさい匂いもあってあまりおいしくはなし。彩りとして美しいので使える程度の味。

Oides andrewesi

Oides andrewesi

カンボジアで見つけたときは
丸山先生から毒草食べるので注意とのご指摘をいただきました。

栽培実験をしている大豆の葉を食べているところを現行犯で捕まえたので
少し味見。やはりゴボウ臭がある。苦味はないのでカンボジアで味見した同種とは食草で味を変えられる可能性がある。要検討

ミドリサルハムシ属のハムシ
昨年8月以前に食べたものと同じもの。前回は白バックで写真をとれていなかったので再度挑戦。

ザクッザクとした歯ごたえがよく、日本のミドリサルハムシも同様。
苦味があとから響いてくる。ゴボウ臭があり、これと毒草との関係を知りたい。

ミドリサルハムシ属のハムシ

さて、

ハムシの実用可能性について。ですが。
いかんせん鱗翅目の幼虫にくらべると食べ方が荒い。
イモムシは食べ残しなく、きれいに食べきるのですが

ハムシは食害に応じて放出される植物の防御物質と正面から向き合うこと無く
途中まで食べて放置し、また新しい部位にかじりつく、という飛び飛びの食痕をつくります。

歩留まりという意味では悪いですが、葉を切り取らず、生きた植物に発生させるのがいいかもしれません。

ハムシはほどほどにやわらかく食べやすく、彩りもゆたかですが、風味が食草に影響されるのと、意外と採集時期によって、味も変わるので、これからしっかり見ておきたいと思います。

4

キョウチクトウスズメ Daphnis nerii

美しいですね。いまラオスにいますが、
先日、夕方、玄関に来ていたんです。会いたかった。食べられないけど。

さて、キョウチクトウスズメはその名の通りキョウチクトウを食べます
キョウチクトウの毒はオレアンドリンという強心配糖体というもので、心臓にアタックします。

まぁこれの急性毒性がすごい。枝を箸の代わりにつかったら中毒、バーベキューの串の代わりに使ったら中毒。

そして神経活動に欠かせない、すべての細胞の膜電位を司る
ナトリウムカリウムポンプを阻害するとのこと。これは怖い。

というかキョウチクトウスズメはなんで耐えられるのか。メカニズムを調べた論文があれば教えてください。

さて、完全に解毒しているのか、単に耐性が高いだけなのか、どちらか一方ということはあまりなく
解毒しつつ耐性もたかい、ような生き物なのでしょう。

なので今回は味見しません。キョウチクトウスズメをキョウチクトウ以外の無毒な葉で育てたことのある方、

教えてください食べたいです。

ともあれ、まぁ美しいですね。

じっくり見惚れてしまいました。

Daphnis nerii
Daphnis nerii
Daphnis nerii
Daphnis nerii
Daphnis nerii

そして、キョウチクトウスズメを目にした翌日

街路樹としてまちなかに大量のキョウチクトウが生えているのが目に入るようになりました。

「見える」というのはなかなか難しいものです。