月: 2018年6月
第一回ラオスのハムシ味比べ選手権
さて全国のハムシの味が知りたいファンのみなさん。
やってまいりました。
ハムシの味を食べ比べる選手権こと第一回ハムシ味比べ選手権 in ラオスであります。
初開催、ですね。だれがやるんですかね。
わたしだよ。
ラオス人スタッフに確認したところ、
食べないそうですので、これはラオスの昆虫食文化とは独立した
私の興味の範囲のアレということでご理解ください。
ハムシの写真はまぁとりにくい。
ひたすら動くいて静止しないし、飛ぶし、
構造色できらめくのに、フラッシュで撮影すると暗くなってしまう。
ハムシハンドブックの尾園さん、どうやってとられてるんですか。
きらめく甲虫の丸山先生、どうやってとられてるんですか。
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見よう見まねでやってみましたが
いろいろと説明できる技術と、熟練の技術とがあるようです。
さて、選手入場と参りましょう。
フェモラータオオモモブトハムシ
三重に定着した外来種。クズをたべて拡大中。
ここラオスでは在来種。マメ科をかじって繁殖中。yeah
4月に食べたら苦かった。三重で食べたのより苦かった。
味見してみたら
うまくなってる!苦味が消え、香ばしさが増し、三重産のおいしさに近づいている。繭に入っているときはずっと苦かったので、動けない時期に苦味を保つのは意義があるかと。成虫になってから蓄養して美味しさを上げる、という楽しみ方がありそう。
ジンガサハムシ Aspidomorpha indica
陣笠のように中央が突起になって、周囲にひらべったくスカートになる形状。
金色にきらめくのも特徴。透け感ときらめき、色味が絶妙で美しいハムシ。
4月に幼虫、蛹、成虫を味見したが、もう一回味見してみる。
ジンガサハムシを茹でて冷蔵庫に入れといたらグリーンに輝くようになってた。なんだこの現象は。
構造色が熱か水の影響で変化する、ってことなんだろうけど不思議。標本屋さんはここらへんご存知ないだろうか。 pic.twitter.com/buR1YZNi1Y— 蟲喰ロトワ 昆虫農家 蟲ソムリエ 6月からラオス (@Mushi_Kurotowa) 2018年6月16日
ジンガサハムシ Aspidomorpha indica ? 成虫。
あまり金色じゃないけど脱皮直後だからか。やっぱり少し苦い。蛹や幼虫よりも苦味は薄いものの、成虫になって脱皮直後のため身の詰まりはあまりなく、歯ごたえやコクも感じられない。 pic.twitter.com/GlCLacTrCf— 蟲喰ロトワ 昆虫農家 蟲ソムリエ 6月からラオス (@Mushi_Kurotowa) 2018年4月28日
蛹 苦い。どくだみ茶のような風味のよい苦みではあるが、あまりうま味やコクは感じられなかった。脱皮殻はシュクっとした食感で味もなし。ティッシュを濡らしたような微妙な食感。 https://t.co/JnWgABcVfx
— 蟲喰ロトワ 昆虫農家 蟲ソムリエ 6月からラオス (@Mushi_Kurotowa) 2018年4月17日
茹でて冷やして翌日見るとグリーンがかってた。構造色の色変わりの
メカニズムがあるらしいんだけどよくわからず。
すこし苦味があって、食草のあおくさい匂いもあってあまりおいしくはなし。彩りとして美しいので使える程度の味。
Oides andrewesi
飼育実験中の大豆にやってきたハムシを逮捕。家庭菜園警察です。これカンボジアで味見して丸山先生に教えていただいた Oides andrewesi ではないか。
大豆を食っていたので安心して味見することにする。 pic.twitter.com/qAE35qN8Wx— 蟲喰ロトワ 昆虫農家 蟲ソムリエ 6月からラオス (@Mushi_Kurotowa) 2018年6月15日
カンボジアで見つけたときは
丸山先生から毒草食べるので注意とのご指摘をいただきました。
Oides andrewesiですけど、毒草食べてますので、気をつけてください。
— 丸山宗利 (@dantyutei) 2018年6月8日
栽培実験をしている大豆の葉を食べているところを現行犯で捕まえたので
少し味見。やはりゴボウ臭がある。苦味はないのでカンボジアで味見した同種とは食草で味を変えられる可能性がある。要検討
ミドリサルハムシ属のハムシ
昨年8月以前に食べたものと同じもの。前回は白バックで写真をとれていなかったので再度挑戦。
サルハムシの仲間?ブルーとレッドが美しい。
かじるとパリパリと外皮がくずれ食感がよい。ゴボウのような良い香りがした。 pic.twitter.com/z0WFMBK5JM— 蟲喰ロトワ 昆虫農家 蟲ソムリエ 6月からラオス (@Mushi_Kurotowa) 2017年8月4日
ザクッザクとした歯ごたえがよく、日本のミドリサルハムシも同様。
苦味があとから響いてくる。ゴボウ臭があり、これと毒草との関係を知りたい。
さて、
ハムシの実用可能性について。ですが。
いかんせん鱗翅目の幼虫にくらべると食べ方が荒い。
イモムシは食べ残しなく、きれいに食べきるのですが
ハムシは食害に応じて放出される植物の防御物質と正面から向き合うこと無く
途中まで食べて放置し、また新しい部位にかじりつく、という飛び飛びの食痕をつくります。
歩留まりという意味では悪いですが、葉を切り取らず、生きた植物に発生させるのがいいかもしれません。
ハムシはほどほどにやわらかく食べやすく、彩りもゆたかですが、風味が食草に影響されるのと、意外と採集時期によって、味も変わるので、これからしっかり見ておきたいと思います。
ジンガサハムシ・フライアウェイ pic.twitter.com/xAHmph1yjA
— 蟲喰ロトワ 昆虫農家 蟲ソムリエ 6月からラオス (@Mushi_Kurotowa) 2018年6月16日
食べてはいけないキョウチクトウスズメ
キョウチクトウスズメ Daphnis nerii
美しいですね。いまラオスにいますが、
先日、夕方、玄関に来ていたんです。会いたかった。食べられないけど。
昨日の玄関先にキョウチクトウスズメ飛来!初対面! 味見はできないけど美しい。キョウチクトウは毒がヤバいので手が出せないです。 pic.twitter.com/npynqE8Htr
— 蟲喰ロトワ 昆虫農家 蟲ソムリエ 6月からラオス (@Mushi_Kurotowa) 2018年6月13日
さて、キョウチクトウスズメはその名の通りキョウチクトウを食べます
キョウチクトウの毒はオレアンドリンという強心配糖体というもので、心臓にアタックします。
まぁこれの急性毒性がすごい。枝を箸の代わりにつかったら中毒、バーベキューの串の代わりに使ったら中毒。
そして神経活動に欠かせない、すべての細胞の膜電位を司る
ナトリウムカリウムポンプを阻害するとのこと。これは怖い。
というかキョウチクトウスズメはなんで耐えられるのか。メカニズムを調べた論文があれば教えてください。
さて、完全に解毒しているのか、単に耐性が高いだけなのか、どちらか一方ということはあまりなく
解毒しつつ耐性もたかい、ような生き物なのでしょう。
なので今回は味見しません。キョウチクトウスズメをキョウチクトウ以外の無毒な葉で育てたことのある方、
教えてください食べたいです。
ともあれ、まぁ美しいですね。
じっくり見惚れてしまいました。
そして、キョウチクトウスズメを目にした翌日
街路樹としてまちなかに大量のキョウチクトウが生えているのが目に入るようになりました。
キョウチクトウスズメをみかけてから急にキョウチクトウが目に入るようになった。街路樹でいたるところに生えてるし、たしかに虫食いがない。
「見る」というのは脳内で認知するまでのプロセスなんだなと実感。
はたして自分はラオスを「見えて」いるだろうか。見えてないなりに何ができるか。 pic.twitter.com/ZWDSncxxkh— 蟲喰ロトワ 昆虫農家 蟲ソムリエ 6月からラオス (@Mushi_Kurotowa) 2018年6月14日
「見える」というのはなかなか難しいものです。
PITTAマスクとノイズキャンセリングヘッドホン
ラオスに来ています。
カンボジアでエリサンプロジェクトを見学したあと、プノンペンバンコク間の飛行機を
寝過ごすというアクシデントもありましたが
プノンペンバンコク間を寝過ごしたけどアポイントメントはない日なのでよかった。
LCCなので損失は13000円だけで済んだので致命傷ではなし。
でもつらいので公開しておきます。
蟲喰ロトワのほしい物リスト https://t.co/chNWs6Jifk @amazonより— 蟲喰ロトワ 昆虫農家 蟲ソムリエ 6月からラオス (@Mushi_Kurotowa) 2018年6月8日
イオンはカンボジアでもイオンだった。 pic.twitter.com/kKaRRKMEgN
— 蟲喰ロトワ 昆虫農家 蟲ソムリエ 6月からラオス (@Mushi_Kurotowa) 2018年6月8日
どうにかやっています。とても暑い。そして雨。
草の隙間に虫たちが。元気だ! pic.twitter.com/C9jya6tqcY
— 蟲喰ロトワ 昆虫農家 蟲ソムリエ 6月からラオス (@Mushi_Kurotowa) 2018年6月9日
スコールだ。 pic.twitter.com/JEsYyT848I
— 蟲喰ロトワ 昆虫農家 蟲ソムリエ 6月からラオス (@Mushi_Kurotowa) 2018年6月9日
ラオスでもケラは可愛い。 pic.twitter.com/SSJdV1Rms8
— 蟲喰ロトワ 昆虫農家 蟲ソムリエ 6月からラオス (@Mushi_Kurotowa) 2018年6月10日
4月に準備したことが、報われていたり予想外だったり、
いろいろと計画の変更をせまられていますが
このスピード感がすごく熱帯らしい。そして楽しく生きるには、このスピードから「降りる」のも
一つの選択肢かもしれないな、とラオス人を見ながら思います。
せっかくの長距離移動なので、オススメでもしときますかね。
「粘膜を保護する」というものです。
熱帯といえども空調の効いているところは寒くて乾燥しますし
飛行機内も乾燥気味です。
だからといって息苦しいマスクでは就寝時につかえないですし、飛行機だと酸欠みたいになります。
オススメがこちら。
発泡ポリウレタンのマスクで、ホワイトも売ってはいるのですが、あっという間にポリウレタンの加水分解で黄ばみます。
グレーだと数ヶ月洗って使えるのと、こちら東南アジアでは黒とかグレーのマスクが普通ですので、むしろ目立ちません。
これのおかげで、ラオスでの就寝が快適になりました。内陸国のためか意外と夜は冷え込むこともあり、なかなか空調の設定が難しいんですが、これでどうにか喉を快適に保っています。
もう一つ導入したのがこちら。
Bluetooth ノイズキャンセリング・ヘッドホンです。
この特徴は2017年モデル
の26時間と比べて35時間と大幅に電池持続時間が向上したことです。
乗り継ぎや待ち時間を含めて一日がかりでの移動でも、しっかりノイズキャンセリングできます。
また、飛行機の離着陸時にはノイズキャンセリングの強度を再設定することで、強いノイズもしっかりキャンセルしてくれます。かなり耳からのストレスが減ったように感じます。
ホテルの空調のノイズが気になる場合でもおすすめです。
それではみなさま、粘膜を保護して、やや怪しげな格好で
快適な移動をお楽しみください。
イカリジンの虫除けの話
虫のいる地域において悩ましいのは虫よけです。
私は特に虫を育てる立場なので、殺虫剤は忌避目的としても使いたくないです。
万能の虫除けとして知られるのがDEETで、N,N-ジエチル-3-メチルベンズアミドという物質。
水に溶けにくいの油状の成分なのが特徴であり、悩みでもあります。
昆虫学者の丸山先生も、おっしゃるように高濃度のDEETディートは
プラスチックを変質してしまう危険もあります。
ディート30%の虫除け! 飛行機にも持ち込める霧吹き仕様。マラリア流行地でもこんな強いのは要らないので、国内のマダニ予防にこそ役立てるべきものかもしれない。普通の山遊びの蚊ならば、これまでの弱いもので充分。ディートが強いとメガネのフチとか靴が変質するでご注意。 pic.twitter.com/r1oYERyqdE
— 丸山宗利 (@dantyutei) 2017年5月28日
10%くらいのをマメに塗る方がいいですよー。汗っかきなら別ですが。
— 丸山宗利 (@dantyutei) 2017年5月29日
そして
最近(2016年認可)でたのがイカリジンという有効成分のもの。
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ラオス行きではDEETタイプと併用しているのですが、使ってみたレビューです。
注意事項は
蚊、ブヨ、アブ、マダニの4種類しか効かないということ。
ディートは上記の4種に加えて、ノミ、イエダニ、サシバエ、トコジラミ(ナンキンムシ)に忌避効果はあります。
メコン川流域であること、そして雨季が近いことから蚊とマラリアの対策として使いました。
ホテルの部屋の密閉が悪く、就寝時の蚊よけとしても使いました。
使ってみたところ、体感としてはめっちゃ汗をかいても8時間ぐらいは忌避効果がある模様。
だいたい一日2回、30日でこれ200mlを一本使い切るようです。(666回分と書いているのでそのとおりですね)
特徴としてはベタベタしないので風呂上がりに吹いても気持ち悪くないところ。
プラスチックに悪影響があるようですが、いまのところ15%ですので感じていません。本当はただしく比較するにはDEET15%と比較しないといけないんですが、いまのところ30%との比較です。吹いても皮膚がピリピリしないので、お子様にもいいと思います。
就寝時に塗ってもベタベタしないのと、効きが長いのでオススメです。
ディートと違ってノミ、イエダニ、サシバエ、トコジラミに効かないので注意。
一本で一ヶ月が目安です。
→ 天使のスキンベープ 虫よけスプレー ミストタイプ プレミアム 200ml https://t.co/mfaPmnenuP @さんから— 蟲喰ロトワ 昆虫農家 蟲ソムリエ 6月からラオス (@Mushi_Kurotowa) 2018年5月8日
飛行機の預け荷物にできるミストタイプをオススメします。
機内持ち込みの場合は、更に小さいこちら。
100ml以下の液体とみなされるので、透明バッグに入れて持ち込みましょう。意外と国際空港のトランジットで蚊がいます。
スプレー缶タイプは虫除けの場合だけ許可されたりするらしいですが、めんどいのでできるだけ持っていっていないです。
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虫を殺さずうまいこと忌避してコミュニケーションをとる、というツールとして
虫と出会う季節を乗り切ってみてはいかがでしょうか。
私は10本持っていきます。