オナガミズアオを飼育しておよそ一ヶ月、
オナガミズアオとよく似た種、オオミズアオとを食べ比べてみたい、
と思うようになりました。
両者の成虫はよく似ており、いくつかの同定ポイントを比べても
個体差が大きく、確定的なことはいいにくいとのことです。
一方幼虫はトゲの基部に黒い部分があるのがオナガミズアオ、
黄色しかないのがオオミズアオと、比較的見分けは簡単です。
そんな中、栗の木についたオオミズアオ幼虫を見つけました。
「コレでオナガミズアオとオオミズアオを食べ比べることが出来る!」
喜んだ私は栗の枝とともにオオミズアオを持ち帰りました。
ところが、
栗の葉が気に入らないのか、
殆ど食べません。
すると数日後
何やら白いモヤモヤが出てきたのです。
コマユバチでした。
コマユバチは寄生蜂の一種で、鱗翅目の幼虫に卵を産み付け
産み付けられた幼虫は生きたまま無数のハチノコに食べられ、ハチノコが十分に育つまで絶命しない
というなんともホラーなハチなのです。
プツプツとハチが脱出した跡が残り、
大変痛々しい姿のオオミズアオ。
モサモサとこれでもか!という勢いで脱出して繭をつくるコマユバチ。
虫嫌いの方にはショッキングすぎる光景です。
虫好きの方にもかわいい幼虫の痛々しい姿は胸が痛みます。
養殖しているオナガミズアオへの寄生するのを防ぐため、
速やかに全てのコマユバチを駆除する必要がありました。
さて
私はどうするべきか
そうですね。
茹でて味見ですね。
オオミズアオ幼虫
しっかりとした木の香りがする。オナガミズアオと異なる香り。やはり食草によって昆虫の香りは影響され、木本の方がその影響が大きそう。何も食べていなかったので消化管内にはほとんど食草はなく、肉薄な印象。内部にもまだまだコマユバチが残っており、とてもかわいそう。
コマユバチ幼虫
茹でるとカタめ。味はほとんどわからず、固めのインディカ米のような印象。
鱗翅目の終齢幼虫はとても強度の高い外皮を持ち、髪切るのが困難なほど。
その中から脱出するので、けっこう固いのでは。固いことで寄主の体液を漏らさずに
脱出することができるのでは。。。養殖昆虫の敵ながらあっぱれ。
コマユバチ繭
繭になってしまったものは口に入れても繭の強度が高すぎて
全く噛みきれず、あじわうことができなかった。
大変ショッキングですが、この後にオオミズアオの写真を掲載します。
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