以前「昆虫料理写真展」のご案内をしましたが
その写真展の内容に加筆修正を加え、レシピまでつけた
完全版、「昆虫食写真集」が完成致しました。
お問い合わせはむしくい.netまでお願いします。
私もこの写真集に企画から参加させて頂きました。
この企画にかける熱い思いは写真展の時に大抵書きましたが、
今回は更に補足。
各シーンのコンセプトを紹介。
むしの市 (ロケ地:都内某所のお祭り)
将来昆虫食が定着、日本の場合「復活」としたほうが良いかと思いますが、
伝統昆虫食が新しい形で文化として定着する、そんな未来を想定しています。
むしの市のお祭りの雰囲気の中、
リンゴ飴ならぬむし飴をかじりつつ
着物姿の女性が
虫のお面をかぶって
出店でイナゴをおみやげに。
今回ロケ地で偶然イナゴを売ってるオバちゃんに出会えたので、
そのまま撮影させて頂きました。
小規模ですが既にだるま市は一部むしの市であったといえるでしょう。
インセクトドーナツ ロケ地:某所某ドーナツ店の付近
ドーナツはアメリカ人が大好きなデブ食品です。
アメリカ人は同時に「ヘルシー」が好きです。
ヘルシーであれば、どんな新しい、奇抜なものでもすぐに取り入れてしまいます。
そんな自己矛盾を抱えたドーナツがアメリカから逆輸入、というコンセプトです。
油たっぷりのドーナツにチョコをかけ、ヘルシーな各種昆虫をトッピング
というナンセンスドーナッツ。
今後
昆虫食のブームはこのような病的に新しいものを求める集団から
起こるのかもしれません。
バグパエリア ロケ地:某所工事現場付近
バグパエリアは昨年、東京虫食いフェスティバルvol.4での企画、
「昆虫レシピコンテスト」においてグランプリを獲得した作品です。
海の幸や山の幸のそのもの味をシンプルな味付けでいただくスペイン料理パエリア。
山の幸昆虫をいただくにもピッタリの料理法といえるでしょう。
モデルにレシピ作者も登場するというご褒美感。来年もこのようにしたいですね。
コンセプトは「ブルーカラーの食事=丼飯」
某牛丼店をパロディしたパッケージに
たっぷりのバグパエリア。
労働者の食欲をウシに依存するのは環境に負荷が大きいので、
チェーン店各店舗での残渣や米ぬかを利用した自給的タンパク質生産により
実現した手軽でヘルシー、ガッツリ食べられる逸品です。
バグフラペチーノ ロケ地:某所某コーヒーチェーン店
香ばしいナッツはフラペチーノのトッピングとして最高。
それでもたっぷりかけるにはカロリーが心配。
そんなあなたにピッタリのトッピング「バッタ」
高タンパク低脂肪でサクサクパリパリ、香ばしい最高の食材です。
バッタはコーヒー園で発生するイネ科雑草の下草処理のために養殖されたもの。
もちろんコーヒーもバッタも無殺虫剤です。
De-caffeinated=デカフェではなく De-pesticides 殺虫剤抜き の商品を
選ぶことがクール、と思われる時代も来ることでしょう。
Mothバーガー ロケ地;某所某ファストフード店
ファストフード店に
ヘルシーなイメージを融合させたことで有名な
Mothバーガー。
完全農産物由来の昆虫バーガーが完成しました。
サツマイモのパティと、
そのサツマイモの葉から養殖されるエビガラスズメをたっぷり使った
トマトソースバーガー。
既存の農業では、サツマイモの葉はそのまま畑に漉き込まれてしまう
廃棄物ですが、このハンバーガーでは肉質の具材に変身してしまいます。
付け合せの揚げ物も二種類の蛾類の幼虫を使用し、
ドリンクはカイコのフン茶という徹底したMothっぷり。
サメハチ弁当 ロケ地;某所某公園
食糧資源の供給は時にアンバランスになります。それは
資本主義の貧富の格差拡大から生まれることもあるでしょう。
既に問題になっているフカヒレーサメ肉問題。
嗜好性の高いフカヒレの需要と、その数百倍の重量となるサメ本体の需要が
一致せず、サメ肉がどうしても余ってしまいます。
そこで賢い家庭はそのような「余剰食糧資源」をおいしくお弁当にしてしまいましょう。
きちんと処理されたサメ肉はササミのようで全く臭くありません。
同時に、近所に発生して駆除したもらったハチノコもトッピング。
食糧資源は地産地消が原則です。タンパクでウナギに似た味のハチノコは
サメ肉との相性もバッチリ。双子のお子様をもつご家族にモデルに成って頂きました。
虫BAR ロケ地:都内飲食店(よるのひるね)
虫はタンパク質を味わうものとは限りません。
含まれる微量成分による滋養強壮や、香り成分によるカクテルなど、
オトナの嗜好品として楽しむべく蒸留酒に漬け込んだものを作ってみました。
今回はタガメ酒、カメムシ酒、スズメバチ酒を作って
キャンディでコートしたコガネムシやバッタをつまみに飲んで頂きました。
タガメやカメムシはフェロモンや威嚇に使う強い匂いを蓄積しており、
数匹お酒に入れるだけでその香りが楽しめます。
このような嗜好性の高い昆虫食も、
これから豊かな食生活を楽しむ上で重要な要素になってくると思います。
最後に
「冊子として発行することについて」
この冊子の元データは文字も写真もすべてデジタルですので、
当初は
電子書籍で作り、売れば印刷代もかからないし、
在庫を抱えることもない、世界中の誰にでも届くし
いいことづくめだ、と思いました。
ただ、今回の写真集は
「今まで紙媒体で新しい刺激を得てきたヒト」に
届けたいと思い、
このような形(小部数の同人誌)にしました。
手に届くまでに時間と手間がかかるし、エコでもありません。
しかし、
今求められているのは
「自腹切ってまで発信したい責任のある情報」
ではないでしょうか。
まだまだweb情報には責任の所在が曖昧な情報ばかりです。
どんなにしっかりした根拠のある理論にも
「〇〇 トンデモ」と検索すれば陰謀論やウソ論がいくらでも出てきます。
web検索で自分の好きな情報は手に入れられるのですが、
自分と相容れない情報を受け入れる手段として、
やはり、
紙媒体の方が今のところ文化的に馴染んでいると思えるのです。
これから
全ての読み物をデジタルデータで読んできた次世代が
出てきます。
彼らにとっては紙媒体とデジタルデータへの
信頼度は同じようなものかもしれません。
このブログにも家庭でプリントアウトして読んでくれている
小学生読者が居ました。身の引き締まる思いです。
(将来が心配でもあります)
これからは、
ブログのように、
ベータ版のような新しく不完全な無料データと
書籍(電子書籍)にように
改変不可能で半永久的に残る有料データ
の2つになっていくと思います。
その点で電子書籍はまだまだ心もとないですね。
だれもがリーダーを持っているわけではないですし
端末の強度にも不安が残ります。
そして会社が倒産すれば
もう読めなくなってしまうという永続性がもうちょっとかな。。。。
と 思ったりしています。
この先、売れ行きによっては
電子書籍版がでるかもしれませんが。
というわけで
われわれ昆虫料理研究会は
写真画質フルカラー32pの冊子200部の在庫を
抱えております。
どういうことかお分かりですね。
買って下さい。
欲しい方はまずお問い合わせを。