ブドウスカシクロバ Illiberis tenuisの幼虫が
昨年ブドウスズメがいた所に発生していたので採ってきました。
逆に今年はブドウスズメが見られません。
昆虫は地球上の半数の種を占めることから、
その種の多さが注目されていますが、
「種」の概念自体が我々哺乳類と単純比較できないような気がします。
昨年他の昆虫がいたところに、今年は別の昆虫がいる。
種は異なりますが、「昆虫群としての戦略」が成功していると言えそうです。
この時、このブドウにありつく可能性を高める進化は
どの生物も繰り返してきたことですが、それでも様々な偶然に左右されます。
どうがんばっても「毎年単一の種が同じ場所に生息し、同じ物を食べる」
ことはものすごいエネルギーが必要です。
毎年少しだけ違う条件の中で、確実に「ここのブドウを食べて成長する昆虫がいる」
というのは昆虫の多様性とゆる〜い(競争を含む)連帯のお陰ではないかと思います。
さて
採集したときはこんな黄色なのですが、
前蛹になるとこんな色に。
ラズベリーですね。
とても美味しそうです。
味見
予想を大きく裏切り、
苦味があり味が悪い。
ブドウスズメの方がだいぶおいしい。
前蛹になっても苦味がのこっており、あじわいも薄く微妙
見ためだけジューシーで酸っぱそうでも、味は簡単には似てくれないようです。
残念。ブドウスズメ戻ってきてほしい。