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オフタイムの合間を縫って書いているエッセイのようなものが

第二回、配信されました。今回は毒があるかもしれないケムシに対して一喜一憂しながらどうにかして食べることを考える話です。突然昔の記憶がリフレインされました。どうぞご確認ください。記事には出てきませんが蛹はこんな姿です。

 Euthalia aconthea 蛹。なめらかな内部と適度な噛みごたえの外皮がおいしく、渋みも苦味もまったくないスッキリした味わい。 マンゴーから豆腐がとれたようでうれしい。 美しい多面体でどこから見てもエッジが美しい。

美味しいタガメアイス。近所で売ってるココナッツアイスにちょい足し。

近頃暑いですね。アイスの美味しい季節です。今日の気温は33℃。これから乾季の後に「暑期」というものが来ます。ラオスでは6月から10月が長い梅雨、雨季でそのあと10月から3月中旬ぐらいまでを乾季、そして3月から6月まで最も暑くて乾燥する暑期が来るそうです。4月には仏教正月「ピーマイ」があり、1週間ほど公的機関はお休み、市民の人たちも4月後半は休み休みダラダラしていて、道端でビニールプールを出し、道ゆく人に無差別で氷水をぶっかける活動(?)に勤しみます。熱中症対策として素晴らしいと思います。東京オリンピックでもボランティアはプールに浸かって案内するといいと思います。

近所に「ファミリーミニマート」というお店ができました。ファ(ミリー)ミ(ニ)マ(ート)、ファミマです。

ファ(ミリー)ミ(ニ)マ(ート)

ラオスに日本のファミマは進出していないので商標権とかは多分大丈夫です。ここの店主が英語を少し話せるのでよく行くのですが、そこで美味しいココナッツアイスを出しています。今回はそれをベースに使わせていただきました。70円でトッピングを2つ選べるココナッツアイス。

今日はお昼の休憩時間に数日前に作っておいたタガメアイスをトッピングしに行きました。タガメアイスのレシピはこちら。

  • タガメ(フン抜きしたもの)       2頭
  • 生姜                                         5g
  • バニラアイス           50g
  • ゴマ              適量
  • タピオカ粉            50g
  • 屋台で売っているココナッツアイス1人前

タガメを清潔な水に入れて5日間、毎日水を換えてフン抜きをし、横開き(ハサミで片側面を切り落とし、横に開く)してから、腹部の脂肪体と胸部の翅と脚の基部の筋肉をスプーンでこそげ落とす。生姜をみじん切りにしてタガメを合わせ、包丁で細かくたたく。なめろうを作る感じ。

タガメのなめろう

筋状の肉がほぐれ、脂肪体と混ざり合い、生姜の粒が見えなくなったら一旦容器ごと冷凍し、しっかり冷えたらバニラアイス50gと練り上げる。翅と脚は水で溶いたタピオカ粉とゴマに浸してから油でさっと揚げて冷やす。

揚げタガメの脚と翅

ファミマのココナッツアイスを購入し、アイスにトッピングしてタガメの翅を飾り付けて完成。

タガメアイス完成。木漏れ日がいい雰囲気。紫のご飯は仕様。スイーツによく合うよう甘めに炊いてある。

口に含むと先にやってくるタガメの強い香りと、後から生姜の粒をかみしめることで広がる爽やかな生姜のピリッとした味と香り。バニラの香りに負けていない。トッピングのグミのフルーツ香料にもふんわりと合うウソくさいフルーツ臭さ。そしてフン抜きのおかげで水臭さはほとんど感じられない。肉質の旨味はアイスとして吸収されていて違和感もない。見事なバランス。ココナッツアイスと負けないぐらいの個性があるので味比べも楽しい。ゴマの香ばしさをまといパリパリとした翅も具材として調和している。揚げてしまうとタガメの風味は消えてしまうことからこれまで揚げ調理に消極的だったが、「風味担当」の中身と「食感担当」の外皮を分けて料理し、後で合体する、という今回の調理法は風味と食感を同時に楽しむ上で効果的と思った。ごちそうさまでした。

動物倫理がここまで来たかと、感心してしまうイベントが開催される模様です。引き続きウォッチしていきます。

名付けられたゴキブリ

こちらの記事によると、アメリカテキサス州のエルパソ動物園で、別れた恋人の名前をゴキブリにつけて、昆虫食性のミーアキャットに与える様子をライブストリーミングするというもの。Quit bugging me! イベントなので「五月蝿い黙れ!」といったニュアンスでしょうか。嫌な思い出として葬り去りたい過去の名前を、ミーアキャットに食べてもらおうという企画です。

金銭のやり取りはないですが、SNS拡散を狙ったネーミングライツのようなもの、と言えそうです。ミーアキャットは相変わらずいつもと同じ養殖昆虫を食べるだけですので悪影響はないですし、育てられた生き餌用のゴキブリも名前をつけられたからといって食べられる運命に変わりはありません。なので先にはっきりさせておきますが、動物福祉、アニマルライツ、どこから見ても全く問題のないイベントです。問題ない、ということはここからいろんな派生を想像して教材として利用することができます。それでは参りましょう。

ゴキブリをヒヨコかハムスターにするとどうか。

めっちゃ触れる動物園、という色々と飼養に問題が指摘されている個人経営動物園があったのですが、そちらではめっちゃ触られたヒヨコとハムスターが他の肉食動物の餌として使われていました。

PIECEという動物愛護団体がこちらに挙げた質問書では、それそのものへの嫌悪感が書いているわけではなくて、それにより感染症などの悪影響を増大する可能性はないか、質問としてあげています。なので今回の場合、名付けイベントによって衛生状態が悪化することはないでしょうから、ゴキブリをヒヨコにしても衛生上の問題はないでしょう。少なくともバレンタインイベントとしての楽しみ方は少し減るような気もします。

金魚ならどうか。

多くの子赤(縁日の金魚すくいでよくいるシュッとした赤いフナ)が肉食魚の餌として使われています。赤い色合いもバレンタインらしくいいでしょう。魚に関する「苦痛」の研究は盛んですが、現在の効率的な漁業のあり方がだいぶ魚に肉体的な負担をかけるものなので、研究が魚全般の扱いを変えるまでの政治運動になるのはちょっと時間がかかるような気もします。イベント参加者が金魚がかわいそう、となるのか。ここら辺が分水嶺として気になるところです。ライブストリーミングをした映像とその食べ方(丸呑みタイプの方がいいかもしれないです)にも影響される気もします。

藁人形ならどうか。

ここからトリッキーになってきます。

「クソがきども」などと脅し文句を書いたわら人形を小学校の通学路につるしたとして、東京都江戸川区の男性(41)が9月27日、脅迫の疑いで警視庁小松川署に逮捕された。

https://www.bengo4.com/c_1009/c_1403/n_6816/

なるほど。イネ科の植物の死体を束ねて人型にしたものを吊るし、不特定多数の不幸を願う文言を書いて吊るすと脅迫罪。

さてこうするとゴキブリをミーアキャットに食わせるという「呪術」が公知の事実として知られている、恐怖感を感じるかどうかが争点になりそうです。逆にいうと、ゴキブリを食わせるという露悪的なイベントが「もともと一般市民がゴキブリへ感じている恐怖感を殺して減らす」という効果があるならば、そこに批判(嫌悪)は生じないような気もします。

スーパーでやると威力業務妨害

スーパーマーケットの店内にゴキブリ10数匹をまき散らして業務を妨害したとして、兵庫県警垂水署は5日、威力業務妨害容疑で、神戸市西区学園西町、市立小学校事務員の女(56)を逮捕した。「ゴキブリを生かしておきたくて、逃すなら餌がたくさんあるスーパーだと思ったが、業務妨害をしようとは思っていない」と容疑を否認しているという。

https://www.sankei.com/west/news/160705/wst1607050024-n1.html

証言だけ見ると心優しいゴキブリ飼育者に聞こえるんですが、どうやら言い逃れのようです。私も日本でゴキブリ飼育をしていましたが、絶対に逃さないよう、皆様気を付けましょう。

すると「ゴキブリに元恋人の名前をつけてミーアキャットに食わすという呪術」が一般的でないからこそ脅迫罪に問われず、動物園で隔離された状態でライブストリーミングするので衛生的に問題がないため威力業務妨害にならず、ミーアキャットは名付けられたゴキブリといってもいつもの食事をするだけで、それでいてSNSで拡散するので宣伝にもなる、というなかなか多方面に配慮の行き届いた、そして攻めた企画であることがわかりました。

ゴキブリがおもちゃにされて殺されるイベントに不快感を覚える人や、本来生き餌用に衛生的に養殖されたゴキブリと、全く別種の、別の場所の衛生害虫としてのゴキブリ嫌悪を混同したような、分類学を無視したイベントの悪趣味さ、それを学問を司るという建前の公立動物園で開催するという点に辟易する人も、私を含めているかもしれません。

もしやめさせたい場合は、狙い目は脅迫罪です。人型に整形した稲ワラでいけるわけですから「ゴキブリに元恋人の名前をつけてミーアキャットに食わすという呪術がある」という都市伝説(今時はフェイクニュースといいますか?)を広めることで、悪趣味に嫌悪を煽られて消費されるゴキブリが救えるかもしれません。戦略的に参りましょう。

Twitterでお声かけいただいて、こちらのラオスでの活動の自由時間(オフタイム)に何をしてるのか、まとめて連載をすることになりました。こちらのメディアはこのブログとは随分と異なる読者層とのことをお聞きしましたので、今までお会いしたことのない読者層方面に向けて届いたらいいな、と思って文章を書いています。日記形式のブログではなく改めて昆虫ごとで情報をまとめると、なかなか面白いものだなと思います。アドベンチャー枠ではなく「ライフスタイル」としての参加をしておりますのでよろしくお願いします。

先日公開したゾウムシ養殖の動画、とても反響が良いとISAPH事務所からもお褒めの言葉をいただきました。動画パワーはやはりすごいです。「写真よりも動画の方が美味しそうに見える」との面白いコメントもいただきました。人の動きが入ることで、虫が社会的存在になって、得体の知れない違和感、というのがなくなっていったのだと考察しています。なので動画パワーをもっと使っていこうと考えています。


昨年に公開された、助成元である味の素ファンデーションからも、動画が公開されています。この時はGH4を持ったプロのカメラマンさんに撮ってただきました。

... "動画パワー" を続けて読む

現在、味の素ファンデーションからの助成を受け、国際協力NGOであるISAPHの協力のもとで昆虫養殖普及のためのパイロット農家の育成を行っています。
ゾウムシはあくまで「斥候」のようなもので、簡単で養殖しやすく、飼料も比較的安くバランスがいいため一番手にしました。その後には少し養殖に手間のかかる昆虫や、市場ニーズの強いもの、あるいは養殖コストが安く効率の高いものが二の矢、三の矢として控えています。そのような段階を踏んて効果測定をしながら活動を進めていくことを、こちらの業界では「ラダー(ハシゴ)を組む」と呼ぶそうです。それが単に徐々に難易度を上げることで離脱を防ぐ効果だけではなく、昆虫養殖への動機付けが促進したり、今後の課題の理解が促進するようなスペキュラティヴ(問題を提起する)な効果があったと感じたので、その経過をここにまとめておきます。これまでの活動の動画を作りました。村での会議でも上映してもらい、好評だったとのことです。

初めはみなさんドン引きでした。私も(今思い返せば)安易なもので、昆虫を食べている地域であれば、昆虫を養殖して食べることも受け入れてくれるだろう、と気軽に構えていたのです。ところが。この8月の写真。

... "スペキュラティヴ・ゾウムシ" を続けて読む

ものすごい本が出ました。一般書です。公衆衛生学の教授が、妻と息子を共著者としてチームで作った、という家族崩壊しかねないのではないかと心配してしまう本です。これは全くの邪推で、素晴らしい良書に仕上がっています。公衆衛生学のはじめの教科書としても読めますので、私のラオスでの活動の意義を知りたい時の下地となるデータ集としても、もちろんオススメですが、私の驚きはそこではないです。

「平均」以外の統計用語を使わず、「GDP」以外の経済用語も使わずデータの重要性と、そこからファクトに近いものを選んでいこうという心構えを平易な文章で説明しています。本文で語られるいくつかの心構えのうち

直線本能 世界の人口はひたすら増え続ける、という思い込み

なんかは以前の記事「昆虫食は未来の食糧問題を解決しない。」とも直結する話です。


感想を呟いたら翻訳者にお返事をいただきまして、原著の志を汲み取り、「偉そうな文章を書かない」ことを心がけたようです。すごい。「だ、である」調は学術書を書く時に普通の文体で、翻訳版の価格が上がらないよう、紙の節約ぐらいの意識で使われてきたように思います。それを「偉そうに感じる」という理由でですます調を選んだ、というところに、やはり不特定多数の社会に向かって情報発信するからには、非専門家と専門家がタッグを組むことの重要性を改めて感じたのでした。専門家が一般向けに書籍を書く場合、専門書を読む前の要約入門書、のようなものになりがちです。しかし往往にして、ある分野の専門家になりたい人、というのはこういった本を読まずにガチの教科書に当たることが多く、専門家になりたくない人はそこまで興味を持ちません。この本は専門家の実体験や統計を駆使したデータの読み方、そしてデータは大事だけれども、それだけでは真実にたどり着かないことなどの失敗経験を通じて、「ファクトフルネスという態度」に気づかせようと作られたものです。なので専門家のスキルや経験はあくまでファクトフルネスに至るためのプロセスであって、それを手法としてうまいこと利用している、という点でものすごく一般書のあり方に自覚的であると思います。

そして見事な13問。バイアスを引き出すという意味で、3択の問題は恣意的にコントロールされています。これは回答者のありのままの考えを引き出すアンケートとしては良くないのですが、公衆衛生学の教授なのであえてバイアスが見えるようにやっていると思われます。世界はよりスリリングでドラマティックであるかのような思い込みを引き出された回答者は、ランダムに3択を答えるはずのチンパンジーの回答率を下回ってしまうのです。

もう一つお勧めしたいのが、この回答をチンパンジー以上に答えられた知識のある人です。統計や公衆衛生、世界の問題に自覚的に取り組んでいる方だと思います。統計の用語を理解しないとここら辺の理解は不可能だろうと私は思っていたのですが、この本は統計によってデータを扱うスキルではなく、その大切さ、というエッセンスを伝えることに成功していると感じました。伝え方。コミュニケーションの方法として、ものすごくストイックで、そのストイックさがとっつきやすさにつながっていますので感心することしきりです。つまりこの13問に答えられた人も、答えられなかった人もこの本のターゲットなのです。すごい。これぞ一般書。

そして、日本語訳者の宣伝の仕掛け方が新しくおもしろい。冒頭の13問(サービス問題を除く12問)に到達するには、本来ですとKindleの試し読みをダウンロードする必要がありますが、そのアクセシビリティを高めるためにウェブサービスとして実施しています。

このブログも多くはスマホで読まれているようです。一般向けにどう情報発信していくか。今は多様な手段がありますので、バチっとハマれば大きな資本がなくてもできてしまいます。すごい時代になったものです。それだけにどれを選んでいいかわからない。同じ分野の前例に習えばいい、となりがちです。

この宣伝活動を見て専門家が、非専門家とタッグを組んで、新しい価値を社会に向かって創り出せる時代がやってきた。未来は明るい、と感じました。

一方で、主著者の専門である公衆衛生で「世界は良くなっている」とは述べつつも、彼は専門外では「わからないことはわからないと言う」という態度ですので、もうちょっと生態系と人間とのこれからの付き合い方について「ファクトフルネス」の続きが読みたいな、と思えてきました。

残念ながら「世界の生態系は悪くなっている」というのはドラマティックな思い込みではないです。また、1日2ドル以下でくらす最貧困層は生態系への依存度が高い自給的生活をしていますので、その土地の生態系を抜きに現金収入だけで一括りにすることもできません。また、気候変動に大きな影響を受けるのは私たち現金収入が十分なレベル4の人ではなく生態系依存度の高い彼らである、という非対称性があります。この非対称性が、生態学の専門知識をもって最貧困層を支援すべき理由へと繋がると、私は考えています。今年は持続可能な開発を掲げたSDGsなんかが盛り上がっており、国際協力とビジネスを組み合わせて(寄付助成金だけに頼らない)持続可能にしよう、という経済的持続可能性はよく話題に登るのですが、その活動が現場の生態系に対してどこまで負荷をかけるのか、その活動の拡大がどこまで持続可能か、アセスメント がなされることがほとんどありません。経済的持続可能性をアピールするあまり、無限に活動が広まったら(ビジネス的に)無限に持続可能だ、といった有限な環境収容力を無視した言い方をしてしまうアピールをしばしば見ています。

つまりSDGsの流行にはサステナビリティの語源となったはずの生態学が、なんとも不足しているのです。生態学の専門家と、おそらく非専門家とのタッグがいいと思います。ファクトフルネスの生態学分野での続きを、どなたかよろしくお願いいたします。

Twitterで反響がありまして、いくつかライフハックもおしえていただきましたので紹介しておきます。きっかけはこちら。

モンベル、すごかったんですよ。こちらの街に来ている日本人の方でもお腹の弱い方が多いようで、暑くて汗かいて汗冷えしてもまたお腹を下してしまう。トイレのグレードが日本のものには程遠く、なかなかいい環境のトイレにめぐりあえずにストレスになってしまうなど、暑い地域でのお腹の問題はなかなか困ったものがあります。個人差があったり、プラセボに近いものがあるとは思いますが、とりあえず自分のものと教えてもらった情報をまとめておきます。

私がこちらにきてからまだ半年ですので、そのほかライフハックがありましたらおしえてほしいです。

お寿司、というたいへん有名な日本料理があります。Sushi と呼ばれ、もう世界中でメジャーな存在となってきました。こちらラオスでも屋台でたまに見ます。カニカマが使われたり、鮮やかに色付けされた、とびっこが使われたりと、なんらかのアレンジが効いているのがいいですね。「寿司」というのは縁起を担いだ当て字で、魚を使ったものは「鮨」が一応の本来の漢字のようです。

ラオスの屋台のSUSHI

では魚を使わずに虫を使った鮨はどうなるか。探してみたら中国語にこの漢字がありました。𧊙 。虫偏に旨いと書いてzhiという読みで、意味がよくわからないのですが中国語を理解できる方がいらっしゃいましたら教えてください。

ということで今回はラオスで「お𧊙」を作ります。2キロほど離れた市場にいけば買える昆虫に対して、「鮨」の材料はきわめてアクセシビリティが悪いものです。とにかく日本食材が売っていない。いろんなもので代用していきます。まず台座。寿司下駄みたいなやつがほしかったので、二百円ほどでラオスで使われている木を輪切りにしたまな板を購入してその代替としました。笹みたいな敷き紙も欲しかったので、借家のバナナの葉をとってきました。長粒種のうるち米、カオニャオを買い、パイナップル酢とみりんの代わりにパームシュガー、そして味の素(こちらの味の素はキャッサバ由来)でつくります。そして海苔。これは代替はどうにもなりません。市場のお店でたまたま安売りしていた(とは言っても日本の倍ぐらい高い)味付け海苔があったので、購入してみました。次に無事熱帯の素材で「酢飯」らしきものができました。正直昆虫以外の食材を揃えて味を整える方が大変でした。

次に具材を決めましょう。養殖したゾウムシをピュアな味にしたかったので、一晩臭みのない食材をたべさせる、という従来の糞抜きではなく背開きにして消化管を取り除く、という物理的な背わた抜きで対応しました。背開きの後、脂肪が流れないよう注意してバナナの葉の上に置き、2分トーストしてから常温に戻すと溶け出した脂がチーズのように固まり、滑らかな脂肪の表面があらわれます。

ツムギアリは年中手に入る食材ですが、今の時期はちらほら女王アリを含む幼虫が売られていることがあります。女王は体積にして10倍程度でしょうか。食感としてはちりめんじゃこぐらいだった働きアリの幼虫に対して、プチプチ感がたまらず、イクラぐらいあります。プチっとした食感と、深いコクが特徴です。小さい皿で価格も2倍くらい。彼らも女王がおいしくて高いことを知っています。ツムギアリはさっと茹でた後、すぐに氷水に入れるとプリッパチッとした食感が戻ります。

Pupae and larvae of Oecophylla smaragdina ツムギアリの働きアリと女王の幼虫、成虫の比較。

それでは盛り付けて完成です。

ツムギアリ女王の前蛹と幼虫だけの軍艦。働きアリと混ざって売られていたものから箸で一頭一頭つまみ上げ、さっと湯通しして氷水に入れるとプリッとして透明感も戻る。イクラと甘エビのような味。陸上生物なのに磯の香りもする。白イクラと名付けようか。ネギがシャキッと磯臭さをまとめあげる。
ツムギアリ女王サナギだけの軍艦。サナギになると味が澄むかわりにコクは減り、シュクっとした食感。コーンで甘みとプチプチ感をプラス。成長段階の味の違いをはっきり比べられる軍艦に。
ゾウムシの開き。背ワタを破らないよう慎重にとりのぞき、トースターで2分。脂がこぼれないよう数分待って、とろけるチーズぐらいの硬さになったらトッピング。木の香りがするトロ。トロに比喩するのが失礼なリッチな森の味わい。

残念ながら、「𧊙」の字はブラウザによって文字化けするようです。

おつきあいいただきありがとうございました。いい字が見つかったので積極的に使っていきたいと思います。

まとめていなかったのでまとめ直しておきます。

2017年、初めてラオスに訪れた際に、村人からドクバッタをもらいました。
「誰も食べない」と言われたドクバッタ。笹を食う、とその時は教えてもらいました。教えていただきましたがAularches miliaris が一番近そうです。

ということで結局味見はしていません。大発生して稲を食害する、という話もあるので、キョウチクトウなどの毒草を食べさせずに無害化できたら、彩りがよく動きも遅く、捕食者に狙われにくいので素晴らしい家畜になると思います。完全養殖したいですが、もうちょっと生態についても調べておきます。