2017年に開業した本格昆虫食レストラン、Insects in the backyard. 予想以上にすごいレストランだったので感想を書きます。単純に「高級料理に昆虫をのっけただけ」にならないようになっています。そしてシェフが英語をしゃべれる人だったのと、空いている時間帯だったので色々話すことができました。まずは外観から。
来たぞ。insects in the backyard。シェフとお話しできた。
— 蟲喰ロトワ 蟲ソムリエ しばらくラオス🇱🇦 (@Mushi_Kurotowa) 2019年5月26日
すごい未来を見ている。 pic.twitter.com/6tAoaWJdep
昨日のメニューのレビュー。
— 蟲喰ロトワ 蟲ソムリエ しばらくラオス🇱🇦 (@Mushi_Kurotowa) 2019年5月27日
貝柱のカルパッチョ ツムギアリ載せ。プチッとした食感と
後味にフワッとコクを与えるために参加。貝柱の強い味が女王ツムギアリの生臭さをマスクし、みずみずしいパプリカとシャキシャキの玉ねぎが口をスッキリさせる。レシピの設計がうまい。初心者向けに。 pic.twitter.com/FKqnAFZltN
スズキの焼き魚 ツムギアリ女王成虫載せ。
— 蟲喰ロトワ 蟲ソムリエ しばらくラオス🇱🇦 (@Mushi_Kurotowa) 2019年5月27日
ほのかにすっぱいツムギアリが香ばしさをプラスし、
焼いた魚の皮の香ばしさに合わせてある。ソースにはなめらかなアリノコが入っていて使い分けがうまい。こちらも初心者向け。 pic.twitter.com/oyHlGFOq55
トノサマバッタのサラダ。食用花の彩りがよい。バルサミコ酢のすっぱい爽やかドレッシング。少し口に引っかかるバッタの食感に対して、ローストしたスライスナッツを当てることで歯ごたえを揃え、違和感を消している。 pic.twitter.com/LeE6QAnEJL
— 蟲喰ロトワ 蟲ソムリエ しばらくラオス🇱🇦 (@Mushi_Kurotowa) 2019年5月27日
コオロギのジェノベーゼパスタ。しっかりバジルとチーズが効いている。この料理だけコオロギの脚が全て取り除かれている。なめらかなパスタの食感を邪魔しないためと思われる。バジルや香草の使い方が上手なのはタイ料理とも共通する。昆虫とハーブの組み合わせはよく合う。 pic.twitter.com/LkxAdMGxMO
— 蟲喰ロトワ 蟲ソムリエ しばらくラオス🇱🇦 (@Mushi_Kurotowa) 2019年5月27日
タガメのラビオリ。タガメのほぐし身を使い、臭みを消した後に鶏肉?と合わせて香りの強さを調整したあんが入っている。未加工のタガメは香りが強すぎるが、この料理はたべたあと後半にふわりとフルーティーに香る絶妙な塩梅。初心者向け。 pic.twitter.com/fEQYRpqc8U
— 蟲喰ロトワ 蟲ソムリエ しばらくラオス🇱🇦 (@Mushi_Kurotowa) 2019年5月27日
カイコのレアチーズケーキ。クリームチーズとカイコの香りとなめらかさ、風味を合わせており、ザクザクとしたベースがカイコの外皮の違和感を完全に消している。新鮮なカイコはクリームチーズのよう、という形容を見事にスイーツに昇華している。 pic.twitter.com/JrLka6BjuA
— 蟲喰ロトワ 蟲ソムリエ しばらくラオス🇱🇦 (@Mushi_Kurotowa) 2019年5月27日
カイコとマンゴーのアイス。
— 蟲喰ロトワ 蟲ソムリエ しばらくラオス🇱🇦 (@Mushi_Kurotowa) 2019年5月27日
カイコはなめらかなソースに包まれて食感がやさしい。鮮度のいいサナギのためか特有の臭みもほとんどなく、バニラアイスとマンゴーが強いので風味が影に隠れているので初心者向けだがカイコの存在感がなくなってしまった。 pic.twitter.com/gdYLXHsj28
コオロギとチョコがよく合うことは知られているが(知られていない)ヨーロッパイエコオロギのチョコブラウニー。これはハズレがないけれどチョコからコオロギ風味を感じることが難しいのが欠点であり利点。 pic.twitter.com/NZREeoc3Vn
— 蟲喰ロトワ 蟲ソムリエ しばらくラオス🇱🇦 (@Mushi_Kurotowa) 2019年5月27日
ちょうどシェフとお話できて、彼が英語も喋れ、タイの伝統的な食材を国際的にアップデートしなくてはいけない、ということ。そしてタイにまだまだいる農村部の貧困家庭を助ける方法として、昆虫養殖は正しい産業として成長すべきだろう、という壮大なビジョンを聞かせていただきました。
まずは初心者を逃さない。そして上級者をうならせる、という一見相反する目標を両立するためにかなり料理の試作を繰り返し、レシピをしっかり設計している様子が伺えました。すごい。しっかりお金をとり、昆虫料理が「仕方なく食べるもの」ではなくて「しっかりお金を出して買うもの」という方向性を目指した最も先進的なレストランであると言えます。オススメです。そのうちラオスで養殖した美味しいゾウムシを彼に仕入れてもらいたいなぁと。
おしゃれなHPもすごい。予約もネットから簡単にできます。バンコク郊外なんですが、バンコク中心部からタクシーで200バーツぐらいでいけました。
ピンバック: タイのコオロギ加工場と養殖場を見学してきました。 | 蟲ソムリエ.net