昆虫料理の開発をしているとよく言われます。
「すりつぶせば食える」
見た目が気に入らないために昆虫食ができない。すりつぶせばいいのに。
はたしてそうでしょうか。
「エビはグロいがえびしんじょなら食える」
という方を見たことがありません。
そもそも、昆虫の食感の魅力として外皮のパリパリ感があります。
腹部のプチッ感も魅力の一つです。そんな食感を犠牲にしてまで
見た目に拘る必要があるのでしょうか。それは豊かな昆虫食生活といえるでしょうか。
ともあれ、
グダグダ言っていないでやってみる ことが何よりも大事です。
幸い実験に使用したバッタを茹でて冷凍保存したものが豊富にありますので、
この機会に食べてみるのもいいとおもいまして。
正直に申しますと実験の度にバッタを冷凍保存しておりまして
冷凍したバッタが実験のジャマ
という本末転倒な事態に陥っておりまして、その解消といったことが
今回の主な理由だったりします。
さて
今回はバッタのハンバーグを作ります。
それはこのニュースのためです。
「蚊100%のハンバーグ」
湖で大発生したフサカを捕まえ、練って焼き、
じゃこ天のようなハンバーグを作るのです。
羨ましい。ぜひアフリカに行ったら食べるんだ、と心に決めておりました。
ところがどこからか声がしたのです
「蚊がなければバッタを食べればいいじゃない」
まずバッタを160度のオーブンで60分加熱します。
本来の香りを逃さないため、ビビって低温に設定しましたが、
180度ぐらいで香ばしく仕上げても良かったかもしれません。
次にフードプロセッサーで細かくします。
もうハンバーグのタネにしかみえませんね。
1/4量の豚挽肉、卵、牛乳、「挽肉だけでできるハンバーグの素」
を入れます。
そして焼きます。
全くハンバーグにしかみえません。
このハンバーグを美味しくいただくためには。。。。
アフリカ式というよりも日本の洋食がよさそうです。
以前食べた「つばめ風ハンブルグステーキ」
が美味しかったのでできるだけ忠実に作ってみます。
そういえばツバメも昆虫食です。
むしろこちらのほうが本家ツバメ流ハンブルグステーキ
といえるかもしれません。
すみません言い過ぎました。すみません。
深夜のテンションはヒトを愚かにします。
さて
こんな感じに焼きあがりました。
包み焼にしました。ワクワク感が大事です。
ワクワク
うん。美味しそう。
見た目にも全く問題ありません。
挽肉に比べ、弾力がないので若干物足りないですが、
臭いも全く臭くなく かなりの量すんなり食べることができます。
ただ、
昆虫料理の紹介に使えないレベルであります。
写真を使って私は何を伝えたいのか。
こんなものでは「つくレポ」と変わりません。
写真で昆虫料理を伝えたいという強い思いが
一部の方には不評な「形の分かる昆虫料理」になるということを
ご理解いただければと思います。
もう一つ分かったことがあります。
「ハンバーグは肉の味を反映した料理ではない」
バッタで作ってもまったくハンバーグの味がします。
我々がハンバーグ=肉だと思っている味。それは
玉ねぎとパン粉とスパイスの味だと思ってよいでしょう。
バッタでもハンバーグの味になると聞いて、なるほど大変興味深く思いました。
個人的にハンバーグの肉の役割というと肉汁と食感を思い浮かべます。
想像の域を出ませんが、バッタですと豆腐ハンバーグのような感じになるのでしょうか?
気になります。
かなり昔の記事
かなり昔の記事へのコメントですがお許しください。
記事最下層の虫の串カツ(?)の写真ですが、
小エビの鬼瓦焼きをバリバリ食べるのが大好きな自分には非常に美味しそうに見えます。
調理した虫の赤はどちらかというと赤茶色や赤黒い感じであまり食欲をそそらないのですが、
これは衣が全体を明るい狐色にしてくれてとても美味しそうです。
ある程度の形を保ちつつ抵抗を減らす調理法として、フライは割と優秀なのかもしれません。
私もそのうち試してみたいですが、家族が皆虫大っ嫌いな人ばかりなので当分先になりそうです(汗)
練り製品は塩で粘り気を出させているみたいですが、虫だとどうなんでしょう