半翅目(カメムシ目)は、大きなグループで、味が種によって大きく異なるので
食用昆虫の開拓が望まれる分野ですが
以前キバラヘリカメムシが青りんごの香りがする、との記事を書きました。
また、ホソヘリカメムシ
は、典型的なカメムシ臭でしたので、
てっきり「ヘリカメムシは種によって大きく異なるので、味見しないことには類似性はわからない」
と思っておりました。
ですが、勉強してみるもんですね。
キバラヘリカメムシはヘリカメムシ科、
ホソヘリカメムシはホソヘリカメムシ科
ということで、科が異なるようなのです。
そこで、「ヘリカメムシ科」を探した所、荒地に繁茂するクズに
ホシハラビロヘリカメムシ がいました。


もし美味しければキバラヘリカメムシより大型で、
クズのようなそこらにある植物にいるので
有望なカメムシといえるでしょう。
味見。
強烈な青りんご臭。刺激的な味。キバラヘリカメムシよりも
柑橘系の突き抜けるつよく清涼感のあるにおい
噛んでいると次第にゴマのような風味が感じられる。
これは有望です。ホシハラビロヘリカメムシウォッカの誕生も近いかと。
注意なのですが
傷口にこのニオイがつくと大変シミます。ケガのない手で捕まえましょう。
カテゴリー: 味見
味見:シオヤアブ
マメコガネを捕獲していた所、
「俺のメシの邪魔するでねぇ」と威風堂々とマメコガネを噛りだした
シオヤアブを捕まえました。
ゆっくりと雄飛する貫禄、しっかりした脚、モフモフの毛、捕食者として
抜群のかっこ良さですが、いかんせん美味しそうでない。

日本でのマメコガネ大発生を食い止めている優秀な天敵ですので、
食うのは気がひけるのですが、味見してみましょう。
味見
外皮が柔らかく、かなり美味い。苦味も全くなく、トゲや毛も気にならない。
見ためが悪いのだけが難点。味の絡みにも毛が役に立っている。
見ためは悪いアブですが、サナギも美味しかったことから、
かなり食用昆虫としては有望なのかもしれません。
ただ、噛まれるのが怖いですね。
味見される方は噛まれぬよう注意して下さい。
引き続きアブに注目したいと思います。
味見:国産外来種の雄 マメコガネ
マメコガネ Popillia japonica ブドウの葉を食べている所を発見。
日本在来種でありながら、北アメリカに渡り重大な農作物被害をもたらしている。
ウィキペディアによると、
「1919年には、たとえば桃が56本植わっている果樹園で、二時間に採集した量が945リットル」
とのこと。

味が良ければ「食べて駆除」も可能かとおもいますので
味見してみましょう。
味見
茹でて味見。
香ばしさが強く、マメコガネの名にふさわしい本当に炒りダイズに近い味。
コガネムシの中で抜群に味が良い。少し固いので軽く揚げたほうが良いかと。
さて、
大発生した外来種を「食べて駆除」する理想はよく語られるのですが
実際にうまく行った話をあまり聞きません。なぜでしょうか。
害虫捕獲は安定的な雇用を生まない
というのが最も大きな理由かと思います。
問題となる外来種は既存の農作物の害虫であることがほとんどで、
速やかな殲滅が求められます。
採集場所は農場で、人の手がどうしても必要です。
そして「どのくらい=何人の雇用が必要か」は発生状況によって異なり、
安定的ではありません。
そのため、雇用やビジネスとして成立せず、
あくまで農業を守るためのリスク低減、公共事業的な側面が強くなります。
また、
量が少なくなった時こそ徹底的な捕獲が必要になるので、
防除がうまくいくほど害虫の単価は高くなってしいます。
このような価格の上下の激しい生産品は市場のリスクになるので、好まれません。
そのため、
天敵製剤のような、「害虫の発生によって増え、殲滅後はすみやかに死亡する」特異的な天敵が
最も害虫防除に適した人員であるといえるのでしょう。
もしマメコガネの量に応じて分身ができ、
雇用の不安定も気にしないようなヒトがおりましたら、
害虫防除の救世主ですので、ぜひ農場へ就職して下さい。
そう考えると多重影分身ができて、生活力があり、楽天的な
NARUTO なんかは
農業従事者に適した素質なのかもしれません。
「農業ニンジャ」は海外でも引っ張りだこのグローバル人材といえるでしょう。
ぜひ農業忍術を取得された方は懐にマメコガネを忍ばせて海外へと翅を広げてはいかがでしょうか。
味見:コロギスはコオロギかキリギリスか
コロギス Prosopogryllacris japonica

この昆虫との出会いは強烈でした。
4階の研究室の机の上で、いきなり威嚇してきたのです。
触角をふりみだし、翅を広げ、前後に体を揺すりながら威嚇する様はとてもかっこよく、
「なぜこんなところに?」と しばし呆然としていました。
激おこ。ですね。
おそらく樹上性のコロギスが、灯火にくる昆虫に誘われやってきて、侵入したのでしょう。
コロギスの由来は
コオロギとキリギリスの中間 であることから命名されたと言われています。
味で確かめてみましょう。
キリギリス系の甘みがつよくコクのある強い味。美味しい。コオロギ系のフェロモン臭はない。
脚のトゲが気になるので取り除いた方がが良いかと。
つまり味的にはコロギスはコオロギでなくキリギリスに近い仲間
クビキリギスに似たキリギリス系の昆虫は
アフリカのマラウィにおいて、季節の変わり目に大発生し、
現地の作物の端境期=作物が不足する時期での
栄養補助食品になっているそうです。

肉食性がつよく、
ケンカも多いのであまり高密度での飼育養殖には適さない昆虫ですが、
このような採取食文化のために生息地を保全する、
という取り組みも将来必要になってくることでしょう。
味見:ウスバカゲロウ
栗の木のまわりにウロウロしていたトンボに似たこいつ。

アリジゴクで有名なウスバカゲロウの成虫です。
ホシウスバカゲロウ?かもしれません。
4枚の羽を独立させてふわふわと飛ぶ様は
このロボットによく似ています。
味見
華奢で食べる所がほとんどないが、食感がやわらかくたべやすい、
味はトンボにちかいが胸肉もほとんど発達しておらず、味気ない印象
同じアミメカゲロウ目だと
ヘビトンボあたりが食べごたえがありそうです。
あとはアリジゴクも食べてみたいですね。
味見:タイワンツチイナゴ終齢幼虫
以前沖縄産の成虫を食べたのですが、
今回は幼虫を頂いたので味見。

成虫は茶色っぽいのですが、幼虫はこのように綺麗な緑色をしています。
成虫も幼虫も茹でると赤くなります。バッタ科、イナゴ科の特徴です。
なぜかキリギリス科では赤くなることはありません。謎です。
味見
甘みが強く、草の香りもあり食べごたえがある。口にクチクラが残るものの、
成虫ほどでなく茹でても十分味わえる。
色がグリーンから鮮やかな赤に変化し見た目にも食欲がそそる。
栄養を溜め込んでいる幼虫によく見られるのが、
特徴的な甘みのある粒感のあるタンパク質?のような食感です。
タガメの卵やギンヤンマの胸肉にもあり、この幼虫を食べた時も舌に感じられたのですが、
小豆あんの粒のような感じ。
もしかしたら未分化の細胞塊かもしれません。要調査です。
タイワンツチイナゴはタイでよく売られているのですが、
熱帯地方でも年一化で、冬を超えて春になってから性成熟するので
一世代がとても長いのが特徴です。
トノサマバッタに比べて飼育も難しく。卵をとるのは困難だそうです。
養殖昆虫食を始めたい方にはオススメしないバッタです。
味見:マツモムシ
近くの溜池のようなところに多く発生。網ですくいました。


マツモムシ Notonecta triguttata
幼少の頃田んぼにたまにいたので比較的親しみのある昆虫です。
その頃読んでいた図鑑に「口吻で刺されると非常に痛い」
と書いており、
同じカメムシ目の水生昆虫の中でもマツモムシだけ妙に
素手で触ることを怖がっていました。
オールのような後肢を使い、背面で泳ぐ
ステキな姿の昆虫です。薄い水色がきれいですね。
味見
臭みが全くなく、食べやすい。カメムシにありがちなスカスカ感もなく、うまみが感じられる。タガメのような特徴的な香りはかんじられないがほのかに藻類?の良い香り。
思いの外美味しかったので
他の水生昆虫にもチャレンジしてみたいですね。
タイコウチとかミズカマキリとか。。。。
味見:かわいいコスズメ
近くのブドウの葉についていた
コスズメ Theretra japonica の終齢幼虫を見つけました。

昨年は同じ場所でブドウスズメを見つけたので、同じように美味しいことが期待されます。
コスズメ緑型は尾角が赤で、脚は赤と白のストライプ。
眼状紋は瞳がグリーン、という可愛らしいデザインをしています。
イモムシハンドブックの表紙にも採用されたぐらいで、
以前に新宿のブックファーストで特設コーナーが設置された際には
巨大フィギュアにもなりました。

改めて見るととても可愛いですね。
味見
美味しい。
スズメガ系の甘みのある爽やかな味。外皮も食べやすい硬さで適度な噛みごたえ。
ブドウスズメと甲乙つけがたいが、コスズメの方がかわいいのでコチラを推します。
味見:渇望のオニヤンマ
オニヤンマ。Anotogaster sieboldii
幼少の頃、溜池の多い地域だったことから、
高い土手の上を悠々と回遊している姿をよく見ました。
私の差し出した虫取り網を直角に避け、飛び去る姿は力強く、
憧れの存在でした。
このブログを始めた当初、ギンヤンマが美味しいことを知った時、どうしてもオニヤンマが食べたい!
と思いましたが、昨年は会えずじまいでした。
そして今年、階段に迷い込んでいるオニヤンマを発見。
かっこよいです。

トンボに比べ、力強くグングン飛ぶ「ヤンマ」ですが、
オニヤンマは「オニヤンマ科」で、
ギンヤンマ等の「ヤンマ科」とは異なる科に属します。
そのため、ギンヤンマが美味しいからといってオニヤンマが美味しいとは限りません。
確かめてみましょう。
味見
ウマイ。外皮が体重に比べ柔らかいので茹でて食べやすい昆虫の一つ。脚が口に残るが胸部は柔らかく甘い筋肉が。ギンヤンマとよく似た味がして、香ばしい風味も良い。腹部は空洞で味が薄い。少し金属臭があった。胸部がオススメ。
食べてよかった。大変美味しい昆虫です。ヤゴも食べたいですね。
余談ですが、昆虫の目は複眼構造をしているので、
角度によって異なる像が見えます。
ヒトは両眼視をする生き物なので、虫の目を覗きこむと
そのズレが3Dで迫ってきて、刺激的です。
そんな「虫の目」は、写真では伝わらない特徴です。
伝えたいのでこんな擬似3D画像(GIFアニメ)を作りました。
角度によって目の表情が変わる様子が見えるでしょうか。
やっぱりかっこいいですね。左目がウインクしているようにも見えます。

味見:ブドウスカシクロバ幼虫:ラズベリー似
ブドウスカシクロバ Illiberis tenuisの幼虫が
昨年ブドウスズメがいた所に発生していたので採ってきました。
逆に今年はブドウスズメが見られません。
昆虫は地球上の半数の種を占めることから、
その種の多さが注目されていますが、
「種」の概念自体が我々哺乳類と単純比較できないような気がします。
昨年他の昆虫がいたところに、今年は別の昆虫がいる。
種は異なりますが、「昆虫群としての戦略」が成功していると言えそうです。
この時、このブドウにありつく可能性を高める進化は
どの生物も繰り返してきたことですが、それでも様々な偶然に左右されます。
どうがんばっても「毎年単一の種が同じ場所に生息し、同じ物を食べる」
ことはものすごいエネルギーが必要です。
毎年少しだけ違う条件の中で、確実に「ここのブドウを食べて成長する昆虫がいる」
というのは昆虫の多様性とゆる〜い(競争を含む)連帯のお陰ではないかと思います。
さて
採集したときはこんな黄色なのですが、

前蛹になるとこんな色に。

ラズベリーですね。
とても美味しそうです。
味見
予想を大きく裏切り、
苦味があり味が悪い。
ブドウスズメの方がだいぶおいしい。
前蛹になっても苦味がのこっており、あじわいも薄く微妙
見ためだけジューシーで酸っぱそうでも、味は簡単には似てくれないようです。
残念。ブドウスズメ戻ってきてほしい。