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イナズマチョウ幼虫と文化的ベイツ型擬態

なんだそのyoutuberみたいな煽りは。

幾つかの噂が歩いていた「イナズマチョウは無毒か否か。」

ある種は有毒で、ひどく痛く、またある種は無毒らしい、とのこと。

網羅的に有毒と無毒を区別した文献も見当たらず、そもそもイモムシで同定できるかもわからない。

日本語文献で見つかった、実際の体験談では

Euthalia moninaの幼虫は有毒か? [in Japanese]

アカメガシワにつくモニナイナズマ Euthalia monina と
マテバシイにつくビャッコイナズマ Euthalia byakk を比較。この文献でもラオス産が使われた模様。

日本の充実した医療体制で、何か起これば最悪救急車も可能、という状態で皮膚に当てるのと、ラオスのアレな医療情報を聞きつつ、これを試すのは大きく違います。すごい。この方はすごい。
考察の中で、黄色の背部の棘にある黄色の球状部に含まれているのでは、と仮説を述べています。

さっそく話はそれますが、皮膚科医が自分の皮膚で実験を繰り返した教科書「Dr.夏秋の臨床図鑑 虫と皮膚炎」は素晴らしい、そして痛々しい図鑑なのでオススメです。
私が今回試してみたいと思ったのは、夏秋医師への憧れもあったのです。

「マンゴーイナズマは無毒らしいとの話」で見られるのはこの写真

マンゴーイナズマの幼虫 - メコンの残翅 Ⅱ - Yahoo!ブログ #ブログ #生物学 #Nymphalinae

また話は逸れますが、
マンゴーは虫がつきにくく、ウルシ科ということもあり、これ以外に少しのミノムシが食っているぐらいで、食害の少ない植物です。

今の借家に入居するときに大家さんが「庭のマンゴー勝手に食っていいよ」
と言ってくれたのです。マンゴーを食べ放題なんて!なんて太っ腹な大家さんだと思ったんですが

この有様。時期さえ合えば、木を蹴ると5、6個落ちてくる。

美味しいけれどありがたみは薄い。

そして時期の異なる幾つかの品種もあるようで、とりあえずマンゴーが途切れることはないようです。

さて、

ここでマンゴーイナズマの写真を見てみましょう。

茹でるとオレンジ色にかわり、触っても大丈夫。シダのような毛はモシャッとした食感はあるものの問題なく食べられる。味は香木のような香りがあり、スッキリとした甘みがおいしい。ラオスでは食べないとのこと。

ありますよね毛の根元にある黄色の球状の部分。

もし先の体験談が示唆する「黄色い球状の部分は毒」説が正しければ、これも毒ありということになります。

味見をした昨年12月は短期滞在でしたので、その勇気(というか好奇心の暴走)を止めるしかありませんでした。

しかし今回は長期滞在!試したとしても病院に行くことぐらいはできそうです。

ラオス人スタッフに聞くと
「絶対触ってはいけない。電流が流れたかのように痛み、3日は寝れない。一週間は手首がパンパンに腫れて、腫れが引かない。」

とのこと。聞くんじゃなかった。これで触って腫れたらすごいバカじゃないか。

でも触る。

オォ。。痛くなかった。

痛くないとわかればモフるしかないでしょう。

うむ。満足。

さて、ここで面白いのは

「ベイツ型擬態」がラオス人の間で成立していることです。文化的ベイツ型擬態と言いましょうか。

彼らは毒がある、あるいは毒があって痛かったとの口伝をもとに、イナズマチョウ全てに毒があると信じています。

そのため、毒を作るコストを負担していないマンゴーイナズマのような無毒種も、むやみに手を出されない、という恩恵を受けています。

彼らのデザインも独特で、一度刺されたら忘れられないようなトゲトゲしい姿をしておきながら、

葉っぱに潜むとこんなにも隠蔽してしまう。

茹でるとオレンジ色にかわり、触っても大丈夫。シダのような毛はモシャッとした食感はあるものの問題なく食べられる。味は香木のような香りがあり、スッキリとした甘みがおいしい。ラオスでは食べないとのこと。

背景によってこんなにも違う印象を与えるデザインとは。お見事です。

そして私はマンゴーイナズマを克服し、彼らを天ぷらにして食べたいと妄想を膨らませているのです。

すると、昨年の味見は「無毒化に成功した」というのではなく「もともと無毒だった」のでしょう。

毒針毛と違って、毒棘は茹でると無毒化することが多いんですが、有毒のイナズマチョウでもそうなるのか、試したいとは思いますが、

それを知るためには、その前に「有毒であること」の確認が必要です。

つらいなぁ。一度痛い目に合わないと「無毒化」と言えない。まだその勇気は出ません。

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