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サイエンスアゴラ2013

久しぶりの更新です。
11月9日、10日はサイエンスアゴラに出展してきました。

9日の午前中、という微妙な時間帯ながら
30人以上のお客さんに恵まれ、講演会をしてきました。
「 国連が薦める昆虫食~昆虫を食べる時代がついにやってきた~」
という題で
FAO報告書を中心に90分で解説しました。
質問も活発で、スピンオフ研究
「蟲ソムリエへの道」「むしぎらい文化研究所」
へつながる質問もいただいたことで、研究の方向性にも自信がつきました。
なかなか手応えのある講演会となりました。

9日午後と10日はブースで
試食昆虫を出しながら一対一で話しました。
今回は
「食べない人向けアンケート」も取ることで
ブースに来た方全てから情報を得ることにしました。
300を超えるアンケートが集まりました。
ご協力ありがとうございました。
これから集計にかかります。
さて、今回の収穫ですが
「日本は昆虫食文化がある先進国である」
ことを再認識したということです。
昆虫食文化が失われて久しい欧米では、
再導入するには文化的素養がありません。
そのため、
1,「経済的な強制力」(他のどれよりも安い!)
2,「一過性の流行」(今、昆虫食がカッコイイ!)
3,「ロジカルな意識の改革」(将来を見越して昆虫食にシフト)
のいずれかが主にヒトの食生活が変わる要因になると考えられます。
1は最も避けたいことです。昆虫は他の畜産物に比べ、初期投資がいらず、
作物のように自給自足が行い易い生物ですので、
経済力のある富裕層だけが今までどおり肉を食べ、
貧困層は肉の副産物や廃棄物を昆虫で食料に転換して食べる、
という所得別の強制的な食の断絶が起こることは大変に非文化的です。
2については、
フランスで昆虫食レストランが開店したとのニュースもあったことから
「流行の兆し」はありますが、
3の、継続的な意識の改革につながるか、というと
まだまだ先は見えないのが現状です。
また、
流行してもそれらは今のところタイから輸入した食材ですので、
経済力の強い欧米がタイなどの発展途上国の市場をかき回すことは
現地の低所得な農家の家計を翻弄することになります
流行によって設備投資をした瞬間に廃れ、借金まみれになる、という
最悪のシナリオは避けたいものです。
タイの昆虫養殖は、我々やFAOが主張するような持続可能な食料生産に
繋げるためのものではなく、あくまで経済的に儲かるからやっていることです。
そのため、先進国が昆虫食を受け入れると、最も1の弊害を受けやすく、
2の一過性の流行による経済的ダメージも多く受けることでしょう。
やはり、
3「ロジカルで穏やかな意識の改革」が必要なのでしょう。
そう考えると、日本の良さが際立ちます。
今回のサイエンスアゴラのような一般向けの科学イベントが
休日の娯楽として成立するような、「教養の高い」日本が
未来の昆虫食のあり方を、
経済とは直接繋げずに、科学的に考えて、意識を変えていくことが必要でしょう。
そして
4,文化的に好ましいと感じ、賛同する
という要素もあります。
年配の方を中心に「イナゴだったら食べたよね」
とおっしゃる方が多く、ロジカルな話をする前提として
昆虫食をノスタルジックな田園風景の象徴、と
好ましい印象をお持ちの方がいることが、
3を推進する上でとても重要な要素であるといえるでしょう。
ということで
「好ましい昆虫食文化」を
科学的・文化的に成熟させていくべきだと考えています。
そして、それが出来るのは日本しか無い!のです。
ということで
アゴラのような科学的イベントの次にお勧めする
文化的イベントの宣伝です。
11月23日 「東京虫食いフェスティバル 番外編!」


栄養豊富で健康的! 未来の有望な食料として、ますます盛り上がってきた昆虫食!
そんな中、新たな昆虫食本が2冊続けて発売されることになりました。

まずは11月上旬に虫食いライター・ムシモアゼルギリコ著『むしくいノート』(カンゼン)が、

続けて12月中旬に、昆虫料理研究家・内山昭一監修の『食べられる虫ハンドブック(仮)』(自由国民社)が発売となります

そこで今回は、新刊発売記念イベントを「虫フェス★番外編」としてお届けします!

実質上5回目の開催となる今回の虫フェスでは、著者による本の見どころ紹介のほか、
蟲喰ロトワ氏による「蟲ソムリエへの道」講座や、
豪華ゲストによる虫トークを予定。

そして会場でご注文いただける「虫フード・虫ドリンク」の目玉メニューに、
伊勢うどん大使・石原壮一郎氏監修による特別メニュー
「開運!伊勢虫うどん」をご用意します(数量限定)。

昆虫食の繁栄を願い、虫フェスのために特別開発してもらいました。

もちろん恒例のタガメ酒や虫スナックもちゃんとスタンバイ!

え? お土産を買いたい? そんな方もご心配なく。

虫フェス特製“昆虫食雑貨ガチャ”の販売も予定しております。

今年話題の昆虫食を、バラエティ豊かに楽しめるイベントは、虫フェスだけ。



今回は中野の桃園会館ではなく、
ロフトプラスワン(予約はコチラ)にて行います。
当ブログ、
「蟲ソムリエへの道」にも
1コーナーいただきましたので
記事化されていない、
サイエンスアゴラでも触れていないアノ昆虫

ついて、熱く
そして科学的に語ろうと思っています。
ご期待ください!

3 thoughts on “サイエンスアゴラ2013

  1. うるこさん

    こんにちは、
    始めてコメント書きます、宜しくです。
    いつも記事楽しく拝見させていただいてます。
    虫食は、エビやカニにアレルギーのある方には向かない物が多いと聞きました。私自身もアレルギーなので、どの虫が食べられどれが食べられないのか興味があります。
    もしそのあたりご存じの事があれば併せて記事にしていただけると嬉しいです。
    宜しくです。

    返信
  2. soy

    なんて楽しそうなイベントなのでしょう!
    昆虫食のイベントは大変興味があります。
    実物の昆虫料理を拝見したい!ですし、講座の内容が気になります!
    しかし食べる覚悟のない人間が参加しても迷惑でしょうし、その覚悟が出来るまでは大人しくしていようと思います。
    味にも興味があるというのに、何かが…何かが食べることに対して身を竦ませるのです…!

    返信

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