「ことしの年越しそばはバッタにしよう」
と
決心していたものの、
年末年始はパートのおばさんおねえさんたちが来ないので
今日のバッタの世話はなかなか忙しく、
夕飯を食べてちょっと仮眠したら23時。
除夜の鐘が響く中、裏の雑木林に笹の葉を取りに行き
揚げ物の準備を開始しました。
今回は「天ぷら・かき揚げ蕎麦」
成虫はハネをとって天ぷらに。
3令幼虫は大葉と玉ねぎとかき揚げに
温かい蕎麦と一緒に頂きます。
天ぷらは、熱した油に具材と衣を同時に投入すると、
加熱で油面に散ったトゲトゲの天カスが
数秒遅れて具材の水分に集まってくることで
あのサクサクの衣が形成されます。
バッタの場合、外皮が水をはじくこと、
水分が少ないことから、天カスが集まりにくいので
すこしトリッキーな方法で揚げます。
まず、ハネをとり、衣にくぐらせると、
一度油に入れ、バッタの水分がなくならないうちに
油から上げ、二、三度衣を付け直します。
すると、海老天のような全体的に衣がついた天ぷらになります。
次に、かき揚げ。
バッタの三齢幼虫は実験で余ったものを使いました。
トノサマバッタの幼虫はアタマが大きく、アンバランスな体型をしています。
まず食べて体を大きくすることに重点が置かれる形です。
体の大きくなったトノサマバッタは、
カマキリでもなかなか手が出ません。
小さく弱い時期をできるだけ短期間に駆け抜けることで
生存率を上げているのでしょう。
さて
かき揚げは衣の中に幼虫と玉ねぎをいれ、
バッタが飛び出さないようかき混ぜながら
大葉の上に具材をのせます。
幼虫、成虫ともに、加熱するとエビのように赤く色づきます。
この色は「アスタキサンチン」という色素で
通常はタンパク質とくっついていて茶色ですが
加熱するとアスタキサンチンだけが遊離して鮮やかな赤に変色します。
まさに「エビのよう」です。
同様に
茹でると赤くなるバッタ、イナゴは地方によって「オカエビ」
と呼ばれますが、系統分類と調理後の色の変化に着目した
秀逸な命名といえるでしょう。
さて、
出来上がりはこんなかんじです。
今年は激動の一年でした。
沢山迷惑をかけ
沢山の出会いがあり
沢山の恩を受けて
どうにか一年生きることができました。
来年も更に激動でいてくれないと逆に困ったことになりますので 笑
年々加速していければと思います。
バッタとの出会いは今年を象徴する出来事です。
思えば今年の1月、
「バッタ食べさせてくれませんか?」
と
現ボスにメールを送ったのが始まりでした。
偶然モーリタニアから一時帰国中のバッタ博士に会い
一夜飲み明かし そこから全てのことが動き出したような気がします。
今日逃げ出したバッタたちにごちそうさま
明日のバッタ達によろしく。
あと一年。がんばっていきましょう。
ブログをご覧のみなさま
始まってまだ6ヶ月ですが
当ブログ共々よろしくお願いいたします。
あけましておめでとうございます。
2013年 1月1日 蟲喰ロトワ