今日トノサマバッタを探しに圃場に出ていたら
こんな虫が。
ツルマメというマメ科の植物をモシャモシャ食っておりました。
近づいても動じない、図々しさ、赤ら顔。
そして大阪のヤクザのような悪趣味なストライプ
確信しました。「こいつには毒がある」
恥ずかしながらこの幼虫しか画像で知らなかったため。
研究室で画像検索して同定しました。
マメハンミョウ Epicauta gorhami
昆虫食を始めた時から、噂はかねがね伺っておりましが
出会ったのは初めてです。
掴むとてんとう虫のように節足のすきまから黄色い汁がでてきます
この汁や体液には猛毒のカンタリジンが含まれています。
以下引用「昆虫食文化大全」三橋淳 著
多くのツチハンミョウ類は乾燥重量の0.6%から5.0%のカンタリジンを含んでいる。水泡は触れてから2〜12時間以内、粘膜では十数分で発生する。飲食すると、急速に吸収され、激烈な症状を引き起こす。
まず吐き気がし、血液を含む嘔吐、強烈な腹痛、血液や粘液を含む下痢、血尿、女性は子宮内出血、流産も起きる。死に至ることもある。
致死量は大人で0.01〜0.08gである。
引用終わり
乾燥体重を0.3gほどとすると、一匹で最悪死ねるということです。
恐ろしいですね。
その他にもツチハンミョウ類、ジョウカイボン類、カミキリモドキ類にもカンタリジンが含まれるとのこと。
カミキリムシは美味しいのでカミキリモドキには注意が必要ですね。
昆虫は毒のある種類は日本では比較的少ないですが、
マメハンミョウにはくれぐれも気を付けたいものです。
さて、このマメハンミョウ。
不思議な生態をもっています。
幼虫時代は土中に埋まっているバッタ類の卵塊を食べる肉食ですが、
成虫は写真のようにマメ科の植物を大量に食べるのです。
我々バッタを扱うものとしては天敵といえる害虫ですが、
農業的にはバッタの方が害虫なので、
マメハンミョウは幼虫だけ益虫、成虫は害虫となんとも変な感じになっています。
手についた体液は洗えば大丈夫とのことです。
このように
味見できない昆虫もいますので、観察も兼ねて、
同定してからの昆虫食をオススメします。