コンテンツへスキップ

食用昆虫科学研究会と、昆虫料理研究会が主催するイベントでは
昆虫食を提供する前に、参加者に説明して同意していただくことがあります。
アレルギーのリスクです。
いくら食品の衛生管理に気を使っても、アレルギーはどうにも100%防ぎようがありません。
食物アレルギーの発症は予測が難しく
いままで大丈夫だった昆虫でも起こりえますし
もちろん甲殻類アレルギーと交差することもあるでしょう
これから昆虫食を再導入するにあたって、
低確率ですが必ず昆虫アレルギーの反応を示す方も出てくると思われます。
今のところ、我々は食物アレルギーを対象とした保険に加入していないので、
何が起こっても補償できないことをあらかじめ、同意頂いています。
また、
アレルギーを起こした時に一番苦しむのは食べた本人ですので
事前にそのリスクがあることをご理解いただく、というのも
昆虫食の普及にむけて大事なことです。
私が把握する限りで、強い食物アレルギー症状を起こした方は
1000人に一人ぐらいです。他のアレルギーに比べて多いか少ないかはまだわかりません。
以前に弁護士の方に相談させてもらったのですが、
昆虫は食品として一般的ではないので、
常識に照らし合わせると、食べるヒトが予めリスクを知っている、とは残念ながら判断されないようでです。
昆虫を提供する側が、食用リスクをきちんと説明した上で、時には提供を断るような態度でないと、
食品の善管注意義務違反として、賠償請求を受ける可能性があるそうです。
最近の論文を紹介しておきます
エビ・カニと近縁なので、エビ・カニアレルギーを持つ方は、交差反応をすることがあります。
参考文献
コオロギから新規のアレルゲンと、テナガエビと交差するものが見つかったとのこと。
Identification of novel allergen in edible insect, Gryllus bimaculatus and its cross-reactivity with Macrobrachium spp. allergens

このような研究はあまり量を必要としないので、食用昆虫の市場が小さいうちにやっておきたいものですね。
また、Twitterで
参考になりそうな論文をおしえていただいたので、読んでみました。
コチニールを対象にした論文です。
コチニール色素によるアレルギー
山川有子
横浜市立大学大学院医学研究科環境免疫病態皮膚科
日本ラテックスアレルギー研究会会誌 17(1): 49 -53 2013

コチニール色素はサボテンにつくエンジムシ(コチニールカイガラムシ)をすりつぶして
水またはアルコールで抽出したものです。

古くから使われてきた色素で、ある意味人体実験がしばらくされているので
大きな問題が起こらないことが確かめられている、伝統的天然色素です。
ここで「伝統的」「天然」が必ずしも安全であること、とはなりません。
コチニール色素では、は生物体から抽出したものであるので、不純物としてのタンパク質が
問題になっているようです。
もちろん、色素本体であるカルミン酸へのアレルギーのある方もいます。
さて、この症例研究で注目されているのが、
「コチニール食物アレルギーについて成人女性の発症が多い」ということです。
男性が1、女性が19名
女性は23から35歳のいずれも成人だったとのこと。
海外のコチニール色素製造業の喘息性アレルギーの発症は、男性のほうが多いので、
この偏りは「成人女性」に何らかの意味がありそう、と推測できます。
数を統計検定をしても有意といえば有意なんでしょうが
少ない報告数を元に、性比が偏っていることを単に統計検定するのはなんか変な気がするんですが、そこらへん症例研究ではどう述べるのがいいんでしょうか。
また、コチニールの喫食経験が初めてでアレルギー反応をした方もいるので
事前に別のアレルゲンへの暴露があった可能性を推測しています。
この論文が気にしているのは
「経皮刺激誘発型の食物アレルギー」
いわゆる茶のしずくで有名になったもので、小麦の加水分解物を肌に接触させていることで
食物アレルギーが発症したものがこの事件でしたが、同様の発症の仕組みがコチニールで起こったのではないか、というもの。こういう発症の因果関係を推定するのは、症例数の少なさや、個々人の症状の多様性、
アレルゲンが環境中にありふれたものであることから、なかなか難しいものです。
低濃度の経皮刺激が食物アレルギーを誘発し、消化管への高濃度暴露によって脱感作を誘発する、という仮説はLackさんによって2008年に提唱されたものだそうです。
DUAL-ALLERGEN-EXPOSURE HYPOTHESIS と言います。
いくつかの状況証拠はあるそうなのですが、
環境中の低濃度アレルゲンをなくすこと、というのは
実験的に困難です、高濃度の経口摂取による減感作療法というのはすでに実用化されています。
この
コチニール色素に含まれる主要アレルゲンである38kdの機能不明タンパクは
ミツバチで報告されている分泌型ホスホリパーゼとの高い相同性がみとめられました

つまり、
コチニール色素にアレルギーを持つ人が、ミツバチをはじめとする昆虫にも、アレルギーを持つ可能性もあるでしょう。


さて、
そろそろ私の言いたいことがわかってきたでしょうか。
コチニール色素をはじめとする経皮刺激型の昆虫製品や
昆虫が豊富な日本において、低濃度の昆虫との皮膚接触は決して避けては通れません。
そんな中、
「高濃度の昆虫摂食を避け続ける」というここ50年ほどの新しい生活は、
アレルギーのリスクを向上させてしまうのではないでしょうか。
つまり
「環境中にあるものを摂食する習慣」
というのは、人の免疫を健全に保つ上で重要なのではないか、ということ。
昆虫と接触しながら、摂食しないという現在のいびつな昆虫消費のあり方は、様々な健康リスクを誘発するのではないか、ということです。
さて、
昆虫アレルギーの治療として、昆虫スナックが処方されたら、
どのくらいの人が昆虫をたべるものでしょうか。

 


ちなみに
スギ花粉は1g 6500円だそうです。 このぐらいの価格で昆虫も買ってくれたらいいなぁ。
http://www.wako-chem.co.jp/siyaku/product/life/Pollen/index.htm


脱皮したての白いゴキブリ。彩りにも美しく、かつ食感が良いためとても美味しいです。

驚愕の昆虫食フェス!「ゴキージョ」が大人気【あやしい取材に逝ってきました】


以前の虫フェスでは、「ゴキージョ」が振る舞われました。
養殖昆虫食が採集昆虫食に対するアドバンテージとして「成長段階を揃えられること」
があります。多くの昆虫は脱皮直後は体が弱く、多くの捕食者に狙われてしまいます。
そのため脱皮してすぐに酸化反応によって黒くなり、硬化してしまうのです。
これをどうにか遅らせられないか、と考えていたところ、
ブルークラブというカニの文献をみつけました。
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0044848600006037
Calcium concentration in seawater and exoskeletal calcification in the blue crab, Callinectes sapidus
甲殻類は昆虫と違ってカルシウムが甲殻の硬化に必要であることが知られています。
適度な濃度にカルシウム濃度を下げ、かつ同時に海水も希釈することで
死亡率をあげないように数時間はやわらかいまま維持できるとのことです。
当然、長期間やわらかいままですと移動や捕食に影響しますし、
カルシウムが不足しているわけですから他の生理的な影響もあるのでしょう。
「ずっとソフトシェルのままのカニ」というのは存在できないのです。
では、カルシウムを用いない、昆虫の場合、どうでしょうか。
ここで、黒化と硬化の最先端、クロカタゾウムシに登場してもらいましょう。

カタゾウムシはほんとうに「硬い」ことだけで生きています。
翅を背中に接着してしまい、スキマのない曲面を構成することで
ものすごい強度になっています。動きが遅く、擬態もしていないので
目立つはずですが、コレを噛み砕ける昆虫食の動物はなかなかいないのでしょう。
茹でて味見してみます。
硬い!けどザクッバシッと弾ける食感は、パッションフルーツの種のようで面白い。カタすぎて弾力がなく、口に残りにくい。内部はナッツの香りと甘みもある。71点
意外と人の奥歯は優秀でした 笑
カタゾウムシの共生細菌の研究から、こんなことが示唆されています。
クロカタゾウムシのクチクラの硬化と着色に共生細菌Nardonellaが果たす役割
http://jglobal.jst.go.jp/public/20090422/201302215006545271
学会で聞いたものの、文献はまだ公開されていないようなので
内容はぼやかしますが、共生細菌をなんやかすると
「シロヤワゾウムシ」になるとのことです。
つまり、共生細菌をいじることで、もしくは共生細菌を使わない生物では
何らかの栄養を制限することで「白くて柔らかい昆虫」
を作ることができるのでしょう。
もちろん、これをカニと同じように制限してしまうと
体調を悪くするでしょうから
成虫脱皮の後、体が硬化する前に、栄養制限を発動するような
高度な遺伝子操作をすることで
「食用シロヤワゾウムシ」ができるかもしれません。
クロカタゾウムシは比較的丈夫で飼いやすいとのことで、今養殖できないか試行錯誤しています。
また養殖に成功しましたらお知らせします。

続いて、料理開発に参りましょう。

フン茶は桜の香りが強く残っていて、少しの渋みもあり、素晴らしいお茶です。
桜風味の餡はこちらを使いました。
https://www.marumiya.co.jp/cms/web/viewitem/4183/1
期間限定で、今手に入らないのは残念。
蛹は外皮が硬めで、内部が柔らかいので、
今回は分離させてみました。
外皮は揚げてきな粉にまぶし、内部はトレハロース混ぜあわせて加熱し撹拌して餡にします。
とても美味しい。
ただ揚げただけでも揚げたては美味しいのですが
次第に外皮がしっとりし、内部は冷えてスポンジ状にスカスカになっていきます。
今回使ったマグカップは、透明感のある美味しそうな幼虫を描くことで
私の中で評価の非常に高い(世間的にも評価が高いですよ)西塚emさんの作品を使わせていただきました。
別バージョンで、大阪自然史博物館友の会にて制作した
http://omnh-shop.ocnk.net/product/1457  虫へん湯のみを使ったものも作りました。


ここで困ったのが
「季節感」です。オオシモフリスズメの旬は6月初めから中旬
サクラの葉も同じように青々しています。そろそろサクランボもとれます。
ですが、サクラの季節はなんといっても早春、雰囲気をどうすべきか
いまひとつはっきりしない仕上がりになってしまいました。無念。
この後、多めに作った揚げ外皮のきな粉まぶしを2日ほど常温においておいたところ
いつまでもサックサクで、嫌な香りもしないことに気づきました。
そして、冷蔵しておいたトレハロース餡も劣化していません。
「外はサクサク、中はしっとり」
という新鮮揚げたての蛹は大変おいしいものですが
揚げ置きや揚げ直しをしたり、古くなるとどんどん風味が悪くなります。
今、皮と内部を分離してそれぞれ調理することにより、
それぞれの風味や味を長期間楽しむことができるようになりました。
これは「脱構築」です。構造を一旦解体することで、
食材本来の美味しさを長時間楽しむことができるのです。
次にできることは「再構成」でしょう。
外はサクサク、中はしっとり、
そしてそれぞれを合わせても外のサクサクが失われない。
もうおわかりですね。
モナカです。

モナカの餡の特徴は、
「糖度を高く、甘みを少なく」だそうです。
糖度を高めることで餡のしっとり感が皮を湿らせることはなく
甘ったるくならないよう調整するとのこと。
トレハロースはショ糖の半分の甘さですっきりしているので、
モナカの餡にぴったりです。
そしてできたのがコレ

さて
ここまで考えて
将来の食のあり方について考えてみました。


オオシモフリスズメに将来性があるのは、全国津々浦々に
ソメイヨシノがあるからです。
また、ソメイヨシノは花見用でクローンですので、果実を付ける必要もありません。
秋には落ち葉がゴミになってしまいます。
それらの葉を有効活用し、このような甘味として味わえたら、バイオマスの有効利用ですし、大変に「粋」だと思うのです。
多くの人が自給的農耕をしなくなったことで、ほとんどの食品は現金で購入するものになりました。
そんな中、「現代人は情報を食べている」と言われます。
ですが、
そうすると、家庭菜園で育てたマズイ野菜を食べたがる気持ちがいまひとつ説明できません。
情報の信頼度という面から見たとしても、プロが作った野菜のほうがおいしく、安いことは明白です。(自分で作ったほうが安心安全、というウリ文句もなんだか違う気がしています)
また、
情報を食べるようになったことで、脆弱性も生まれました。
誇大広告であったり、食品偽装などの詐欺的行為によって
本来の価値のないものに高い値段をつけて購入してしまうのです。
そこで、未来の食料生産の健全化のために次の提案をします。
「システムを食べる選択」です。
情報は常に更新しないと、ウソが混じります。
また、ウソを暴けないシステムを構築しておくと、そのウソは長年にわたってまかり通ります。
そのため、
情報を更新し、ウソが混入すると明らかになる、排除できるシステムを食べる(お金を出して購入する)のです。
我々人間の体もシステムです。ウソが混入すると、最悪の場合食中毒で死に至ります。
訴訟しても健康は帰ってきません。
そのようなシステム管理は国際規格やHACCEPなどで認証が行われてきました。
将来的には昆虫生産も認証をとりたいものですが、今のところそこまでの市場がないのが現状です。
システムを食べる、という概念が普及すると、
昆虫には大きな利点があります。
「脱集中化」です。Decentralization とも言われます。
今の多くの食料生産は集中化によって価格を下げています。
郊外の広大な農地から自動で穀物収穫貯蔵するシステムであったり
畜産農場も悪臭や水質汚濁の懸念から都市部から大きく離れています。
ところが、昆虫は悪臭や廃液を殆ど出さず、
植物に比べて土地依存度が低い、しかも特別な処理をすることなく
キッチンでおいしく調理できる、という意味でも
消費地に近接した養殖に、昆虫食導入のメリットがあると考えられます。
そこで見られるのは、「食べる寸前まで元気で生きている家畜」です。
そこに与えるエサも見ることができます。
近くに生えているソメイヨシノであったり
家庭から出る野菜くずを使った雑食昆虫養殖であったり、
消費地に近接した養殖は、そのシステム全体を見渡すことができます。
そのため、ウソが混入しにくく、また緊急時にインフラが止まった時の頑強性も高いのです。
1ヶ月の食糧の10% つまり3日分備蓄があれば、災害時に大きなメリットになると言われています。食品残渣は購入食品の約40%と言われていますので、それらの10%を昆虫で再利用されれば4%の備蓄
更に、身近にある非食用のバイオマスを転換し、6%の食品生産をすることができれば
食品の10%を楽しく、災害に頑強な食料生産が都市部でできるようになるでしょう。
家庭菜園がここまで「赤字」なのに支持されるのも、
「システムが明朗でウソが入りにくく、見渡せる」ことがその大きな理由と考えられます。
システムの多くを生物に丸投げすることで、失敗した場合に枯れてくれる安全装置も魅力です。
つまり、もう私たちも、
情報ではなく、システムを食べる順応をすでに始めているのです。


それではもっと具体的に考えてみましょう。
わが家には野菜くずを利用してゴキブリを利用するシステムがあり
そこから出たオスゴキブリを主に間引いてアリを飼育しています。
近所からいただいたソメイヨシノの葉を使ってオオシモフリスズメは育てました。
ベランダではバッタ用の草も準備しています
できるだけ高密度、省スペースで飼育したいのと
取り扱いを簡単にしたいので、一つのモジュールは5kg以内、大きさは
タワー型PCぐらいにしておきましょう。
密度を高めるので、ガス交換と、湿度の管理を自動でできるとなお良いです。
機械的システムを作ると基本的に廃熱が出るので、昆虫の最適温度は
常温より少し高め、日本で言うと亜熱帯に適した昆虫を使うのがよいでしょう。
脱走した時も冬場の寒さで死ぬことが望ましいです。
グルメからすると、単一の種では飽きるので10種ぐらいを、2週間に一度の簡単な世話で飼え
半年に一度の大型メンテナンスをすることで維持できたらいいですね。
という感じのシステムを形にして見せるべく、

ちょっと動いています。

ワインのラベルのような紙に書かれた情報ではなく、食料生産の現場をそのまま見せることで
「美味しいシステムを食べる食事」が演出できれば、と思っています。
またご報告します。

今まで目をつけていたものの、味見に出会えなかった虫がいました。
オオシモフリスズメ Langia zenzeroides
シモフリスズメが美味しいことは以前に味見して知ってはいたのですが

それから更に大きく、
しかもサクラを食べるというのです。

しかしなかなか採集が難しい、
というか採集スポットが限られています。
そして、このネット全盛の世の中にあって
希少種の採集スポットの多くは「口伝」です。
流石に全国的な絶滅危惧種ではないのですが、
レッドデータブックではあまり状況はよろしくないとのこと。
富山県:絶滅危惧Ⅱ類
石川県:準絶滅危惧
滋賀県:情報不足
大阪府:準絶滅危惧
兵庫県:準絶滅危惧
高知県情報不足
佐賀県:絶滅危惧I類
少し話はそれますが
環境省の方針でも、希少種の詳細な生息地情報はかなりナイーブに扱われます。
希少種を保全するためには必要不可欠な情報ですが、「希少」というだけでプレミアム感を
感じてしまう人も多く、採集禁止などの具体的な規制を事前に公表してしまうと、
駆け込み乱獲も起こるそうです。
また、そのようなプレミアム感を商売にして希少種を高値で売り抜ける業者も
いるそうで、情報を保護の用途に限って公開することは難しく、
悩ましいものです。
科学の世界で再現性は重要とされますが
再現性もなにも生息地が破壊されてしまえば元の木阿弥。
生息環境は学術論文よりも重いのです。
それに習いまして、今回のオオシモフリスズメの採集場所もネット上には載せないこととします。
この場所は近年街灯として多く設置されていた水銀灯がLED化されたそうで、昔から水銀灯に集まって来ていたオオシモフリスズメが激減したそうです。
そのぶん産卵には成功しているでしょうし、食樹はありふれたソメイヨシノですので
この大きな美しい蛾が、あなたの街にやってくる日も近いかもしれません。
今後に期待しましょう。
さて
成虫から

以前に食べたクロメンガタスズメの成虫のように、密度の高い、しっかりとした剛毛です。
食べづらく、のどにひっかかるのでオススメはしません。
そこから卵を産ませて

孵化したものをサクラの葉で飼育し

フンを乾燥させて軽く煎り、お茶にしつつ
幼虫、前蛹から蛹までを集中的に味見します。
育ててみたところ、あまり難しさは感じませんし
カレハガのように、高密度で食欲が低下する(譲り合ってなかなか葉を食べ尽くさない)という現象も起きませんでした。
ふれあうと威嚇することもありますが、共食いや傷つけ合いもなさそうです。
惜しいところは年1化なので、春にしか発生しないところ。
もしかしたら冬眠状態を人工的に作ることで休眠を打破し、サクラのあるうちに何度も養殖できるかもしれません。
温度調節できるインキュベーターがほしいところです。
途中、脱皮の失敗によって口器がゆがんでしまった個体について、味見をしました。

…おいしい。。。
モンクロシャチホコのような濃い桜の香りはないのですが、全く苦味もクセもなく
外皮の食感、のどごしもすばらしい見事な味です。
トビイロスズメに比べるとややタンパクよりも脂質に寄ったコクの強さはあるのですが
いい味しています。
これを十分に育つまでしっかり育てて

前蛹と蛹を得ました

蛹は

前蛹はアワビのようなコリッコリの食感。
むしろアワビを食べるよりも昆虫を食べてきた歴史が長いのですから
「アワビを美味しいと思う我々の味覚嗜好の本来のターゲットは前蛹」
といえるかもしれません。

続いて次の記事では、オオシモフリスズメをつかった料理開発と、
「情報を食べる人類からシステムを食べる人類へ」という
未来の話まで考察していきます。

1

ディズニーの最新作
ズートピア

全く興味はなかったのですが、
ディレクターJared bush のこの発言を見かけて、私の心はざわつきました

「調べたんだけど、ズートピアの肉食動物は植物ベースのタンパク質と昆虫を食べているんだよ。バグバーガーは彼らのお気に入りのレストランさ」

初期段階では喋れないように「進化」した魚を食べていた設定だけど混乱するからやめた。

乳牛のような「家畜」哺乳類は避けようとした。そしてどこかにいたとしても、鳥は見せないようにした。
なんと、昆虫食映画だったのです。
バグバーガー店舗は残念ながら劇中には確認できなかったのですが、公式ですし
しかも養殖昆虫が使われている可能性が高いので、近年最も先進的な養殖昆虫食映画だといえるでしょう。
また、
昆虫食の様子が「劇中で触れられていない」というのもなかなかおもしろい話です。
物語の本筋自体は、レイシズムを動物に置き換えた説教臭い優秀な教育映画でした。
更に、現在の動物福祉あたりの種差別もからめた皮肉だかユーモアを入れて脚本を仕上げるあたりが賢さ全開です。
全てのシーンに意味があり、最後まできちんと伏線として回収するあたりも見事
天才をとりあえず集めて、一人の天才ではできないことを集団で成し遂げるという
世界最先端の知的生産物だといえます。
つまりはいい映画です。これから設定をいろいろ考察できるのも、
脚本に破綻のない素晴らしい映画だから楽しめることです。
昆虫食に興味が無い方にもおすすめです。
以下は
ズートピアの食料生産を考察するために、
ネタバレをしますので、未見の方は読まないことをお勧めします。


1,ズートピアの住民の権利「ZOO権」
はじめに、
ズートピアがパラレルワールドではなく、我々の地球の将来、と仮定して推測します。
「DNA」という言葉が出るように、姿形だけでなく、遺伝様式も彼らと
現在の動物とは系統関係にあるといえるでしょう。
その食料生産を考察する前に、
劇中の動物たちに認められている権利、「ZOO権」について
(あくまで独自のZOO権であってアニマルライツではありません)
考えてみましょう。
二足歩行で言語を理解し、衣服を着ることが「文化的」であり
食に関しては菜食と昆虫食が採用され、それが「進歩的」である、
というなんとも人間臭い社会常識のズートピア。
音楽やファッションなどの娯楽も守られています。
通貨での貨幣経済も成り立っているようです。
ドーナツを食べて太る自由もありますし
食に関する個人の自由は最大限に尊重されているようです。
婚姻の自由に関しては深くは語られなかったのですが
異種への転換をすること、異種間に子孫を残す技術はない模様です。
トガリネズミが出てくることから、最小の哺乳類までZOO権は付与されているようです。
唯一出てきた哺乳類以外の生物はハエ、意思のない、不潔の象徴として表現されていました。
彼らにZOO権はないようです。
衛生に関する法律があることも語られたため、バクテリアも存在するようです。
我々の現在の社会と近いものがありますので
違和感なくすんなり話に感情移入できますが、彼らがもともと
野生の哺乳類だったこと、また、栄養要求性に関しては
進化してもあまり変わっていないことを考えると
彼らのZOO権を、人権と同じように尊重すると大きな問題が生じていることが推測されます。
食糧問題です。彼らの食性は、ヒトとは大きく違うからです。
現在のヒトの食生活においては
ZOO権を認めておらず、多くの家畜からの搾取で成立していたので
それらからの搾取ができなくなったズートピアでは、
ヒトの真似事ではない、独自の食料生産を考えなくてはなりません。
また、鳥、両生類、爬虫類、犬猫、霊長類、ヒトが出てこないことから
ズートピアの生態系はかなり歪です。
ズートピアを「エコトピア」と呼ばないあたりに、生態系を正しく利用する理想郷を
想定していないところが、この映画のグロテスクなところです。
あくまで動物園にいた哺乳類たちの楽園、という感じですね。


ディレクターもこんなことを言っています。

ズートピアは哺乳類の主要都市で、他にも他の動物のための他の土地があるんだ。


2,ズートピアの成り立ち
彼らはヒトに近づく変化、二足歩行化と衣服、言語の理解を
「進化」と言っていますが、
我々の考える「進化」とは大きく異なっています。
奇妙なことに
「二足歩行化、言語習得」という人間にしか持ち得なかった能力を
多くの哺乳動物が同時に獲得したと思われます。
御存知の通り、
数万年前にヒトが知能を進化させた結果、
生態系は大きく変化しました。
もし
ズートピアが始まるときに知能を進化させたのが、
何らかの一種だった場合、その種が優占することとなり、他の動物にも影響するでしょうから
ズートピアで見られている種構成が大きく異なっているはずです。
いわゆるチンパンジーなどの数種の類人猿が寡占したのが
「猿の惑星ジェネシス」ですね。
「知能をもった猿が支配する未来」が来ていないことを考えると
「複数の哺乳類において同時多発的に知能向上が起こった」といえます。
そういえばズートピアにサルが出てきません。これも妙です。
つまり… 「ズートピアは猿の惑星の続編」という仮定が成り立ちます。
ヒトとサル、犬猫、先に知能化された霊長類があり
動物福祉の観点から「動物園の動物」が後追いで知能化されたと考えられます。
そして、、、、
ヒトの惑星から猿の惑星、そして動物園の動物の惑星へと、数百万年のタイムスパンで代替されてきたと思われます。
その代替が選挙によって穏やかに行われたのか、それとも種差別と殺戮の応酬によって
歴史ごと塗り替えられたものなのか、語るものはもういません。
もう一つ、気になることがあります。彼らの社会の進歩の無さです。
動物の種差別を乗り越えようとする段階は、まさに今のレイシズムを乗り越えようとする
人類の過渡期と同様で、数百万年の蓄積があるとは到底思えない「未熟な社会」です。
また、エネルギーの使い方にも浪費が目立ちます。
エンジンを使った車、ツンドラ地帯を人工的につくる巨大な熱交換器
熱帯雨林地帯を作り出すスプリンクラー
それらがいまひとつ断熱されていない地域の境界など
ヒトがいなくなる過程において、
エネルギー問題は恐らく核融合か核分裂などで解決されたとみえます。
しかし巨大な熱源をもつことはヒートアイランド現象を引き起こすでしょうから
ズートピアは夏めっちゃ熱い、と思われます。オフィスや公共交通機関の空調は
誰に最適化されていたのでしょうか。
以上から考えられることは、彼らの進歩のない、とってつけたような「人間化」は
進化ではなく、遺伝子編集によって人為的に付与されたものと考えられるのです。
そして、医学生物学研究は、暗黒の歴史として封印されているのでしょう、
ズートピアの医療システムは極めて稚拙です。植物毒の検出すらできなかったのですから。
時系列で整理します


1、動物解放論を端緒とし、ヒトに近い動物の権利「アニマルライツ」の向上が図られる
2、動物園で飼育する動物は「飼育動物の承諾をとること」という法律が可決、事実上の動物園廃止へ。一方で受精卵の遺伝子編集により人語を解する「本人の意思を確認できる動物」が生まれる
必ずしも二足歩行は必要ないのですが、
人語を喋れるように声帯の延長を起こすため、と脳が大型化しても脊椎が耐えられるように二足歩行にしたのかと。
かくして「動物園」が動物の承諾を得た上で成立するようになる
3,動物園の動物がヒトと同等の社会参加を訴える
4,動物・ヒトの混合社会の成立 もしくはヒト対動物の戦争状態
5,何らかの理由でズートピアからヒト、霊長類、犬猫が消える。
  同時に二足歩行でない哺乳類も消える。
  戦争かもしれないし感染症かもしれない
  ズートピアにいないだけで別の場所にいるのかもしれない。
6,現在のズートピアの成立。動物園由来の生態系なので、
  空調を用いて哺乳類個体に適した環境を作ることはあっても、
  本来の生態系に住む、という発想がないのが彼らの哀れなところです
  おそらく生態学などの学者もいないでしょう。
ズートピアは動物の楽園、ではなく、
あくまで動物園の動物達が楽園化した、といえるでしょう。
その成り立ちを住民が理解していないことから、
歴史上からヒトが消えたか、ヒトが彼らの見えない所で監視しているか、のどちらかだと思われます。交通監視システムから見ているのかもしれませんね。


さて、ついに本丸、昆虫食の生産について考えてみましょう。
劇中に出てきたドーナツやパイに、乳牛由来のバターや鶏卵を使えません。
ダイズや豆乳のような代替物を使うことでしょう。
また、イネ科系穀物とダイズだけではメチオニンが不足するので
合成メチオニンを添加 http://toyokeizai.net/articles/-/113049 していると思われます。
これらの石油化学工業は、だれの仕事なのでしょうか。
主人公のウサギの実家はニンジンをはじめとする植物農場でした。
ウサギのほとんどは伝統的に代々この職だそうです。
ニンジンはカロリーが低く、草食動物は食べられるものの
肉食動物にとっては腹の足しにはなりません。
単位面積あたりの生産量の高い牧草もいまいち見られませんでした。
ズートピア住民に反芻動物が多くいることから、大量の牧草を用意する必要があるはずです。
ウサギは「伝統を守る」目的でニンジン農場をあてがわれており
主な食料生産は公的に、他の場所で管理されていると思われます。
彼らの糞便が水洗トイレで流されていたところをみると、
公共機関がそれらを回収して植物栽培するのがよさそうです。
では
ウサギが「伝統的に」ニンジンを育てていることを誇りにしているのでしょうから
「昆虫を育てる」という伝統をもたないズートピアの住民のなかから
誰に育てさせることになったのでしょうか。
答えは恐らく
「囚人」でしょう。
ここから
「人語を介さない動物がいないこと」
「ヒト、犬猫、霊長類がいないこと」
の理由が見えてきます。逮捕起訴収監されたのです。
先の歴史「5,何らかの理由でズートピアからヒト、霊長類、犬猫が消える」
に追加しましょう
ヒトも犬猫も、霊長類も、そして最後に動物園の動物も
「人語を解する」ようになった結果、出生率の高い動物が増え
市民の大部分が動物園の動物由来になり
その中で先に人語を解するようになったヒト、犬猫、霊長類は
差別的な行為や行動をしたことにより
また、
遺伝子編集されていない原始的な動物は
捕食をすること(殺人)に相当するということで
みな「投獄」されたのです。
死刑制度という「野蛮な」制度はなくなっているでしょうから
終身刑で食料生産を担う、という囚人がたくさんいると考えられます。
食料生産の権限はおそらく市長がもっており
病院内を改造して刑務所のような区画を作ったり
逮捕された前副市長が囚人服を着ていたことからもわかります。
ライオン市長が最も凶暴化を恐れていたのは、食料生産を担う囚人だったでしょう。
なので、傷害事件の犯人にもかかわらず、市民がアクセスできる廃病院へと隔離したのです。
囚人を使った食料生産によって成立している社会ですから
法制度は厳しく、屈強な警察が必要です。
つまり、ズートピアは「夜警国家」なのです。
ようやく見えてきました。
強大な権力により「市民」と「囚人」に区画され
囚人が主な食料生産を担い
市民は「文化的」で「尊厳のある仕事」を任されます。
囚人がつくった昆虫などのタンパク質は国家が管理して粉末化され一括で価格が決められ
ドーナッツやパイの材料として「見えない形で」市民に供給されています。
では、その粉末化された昆虫とは何でしょうか。
それは市民権の与えられていない、かつ物語に登場した唯一の昆虫、ハエでしょう。
ハエは糞便からも養殖できますし、フスマや脱脂大豆などの食品残渣からでも養殖可能です。
動物は塩分摂取量が少ないでしょうから、塩分に強いアメリカミズアブを使う必要はないでしょう。
すると、ズートピアの周囲に農場があることも説明できます。
刑務所でハエによって作られた肥料を農地に販売しているのでしょう。
つまり
「ズートピアはハエを囚人が養殖して提供する夜警国家」だったのです。
続編は囚人の暴動に乗じてハエが脱走し、別のインセクトピアまで逃げ帰って
人語を解するハエが市民権を主張しながら移住を求める
「ザ・インセクトピア」あたりでしょうか。
ディズニーに期待しましょう。

後編です。
まず
一般的に「プラスチックは分解されない」
ということについてもうちょっと考えてみましょう。
我々が日常使っているプラスチックのほとんどは
炭素を含む高分子の有機物です。
そのため、
有機物を扱う生物の一部、特に莫大な種があり頻繁に変異する微生物は
プラスチックの成分を分解できるものがあります。
簡単に
土壌からスクリーニングできるキットもあります。
http://www.cosmobio.co.jp/product/detail/01650001.asp?entry_id=3134
つまり、生物がプラスチックを分解することはすでに可能で
ただその分布がヒトの活動に依存していること、
ポリマーが疎水性で強固なため、表面積を確保できず
酵素反応がうまく行われないこと
そして炭素以外の有機態窒素などの生物にとっての栄養をほとんど含まず
分解してもベンゼンなどの毒物質ができることから利益が薄いこと
などから、木質バイオマスと同様に、
生物の栄養源として優先度が低い状態なのが
「プラスチック」なのです。
分解性生物の優先度が低くなった結果、
残存量の多いポリマーとして「木質」も同様に考えられます。
木質は親水性の炭素骨格、セルロースを主体とするポリマーですが
他にリグニンやヘミセルロースなどの複数のポリマーががっちり絡みあった状態なので
なかなか酵素反応だけでは分解できません。
特にリグニンはフェノール基を含む疎水性の成分なので、プラスチックによく似ているといえるでしょう。
FRP(繊維強化プラスチック)あたりがイメージとして近いかもしれません。
そのため、セルロースをナノファイバー化してプラスチックと混ぜあわせた
セルロース型のFRPも開発されています。
それらと、紫外線への分解感受性を高める添加剤や
土壌微生物で完全分解できる生分解性プラスチック
などを組み合わせることで
木材以上の強度と、適度な分解性を備えたプラスチックの開発は可能でしょう。
また、
木材においてもアゴをもつ昆虫の侵入が大きな問題ですから
同様にアゴをもち、共生細菌によって分子レベルまで分解できる木質昆虫が
将来のプラスチック製品の「害虫」になるかもしれません。
今のプラスチックはあまりに生分解性がないために、
その処理が十分でなく、海に流れています。
一方で、あまりにありふれていてコントロールできない
環境中の微生物や紫外線のみで分解してしまうプラスチックでは
強度的に心もとないでしょう。
そこで、
「昆虫分解性プラスチック」と
「プラスチック特異的分解微生物」を開発し
「プラスチック特異的分解微生物共生昆虫」を養殖。
その防除法までを同時に開発することで
環境中にインパクトの少ない、そして
昆虫を利用することで、プラスチック製品の設置が間接的に食糧備蓄になるような
未来の形ができるかもしれません。


話はすこしそれますが、実は、そのような
技術は、木質昆虫ではまだなのですが、
カメムシで既に報告されています。
日本の産業技術総合研究所のグループでは
カメムシの共生細菌を抗生物質で殺し
遺伝子組み換えをした別の微生物で再構成する、という
「共生細菌サイボーグ」のようなものを作っています。
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2016/pr20160111/pr20160111.html
基礎的な知見として、今まで知られてこなかった
微生物と昆虫の共生関係を調べるとんでもないキレッキレの実験系なのですが
その中で殺虫剤耐性を環境細菌から獲得することも明らかになっています。
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2015/pr20150901/pr20150901.html
これは、昆虫という世代の比較的長い生物が
世代の短く、変異の多い細菌と同じ速度で殺虫剤耐性を獲得する可能性を示すものであり、
今の抗生物質、抗菌剤と同様に、次々と耐性菌が登場してその開発が追いつかない現状と同様に
「多剤耐性昆虫」が容易に発生する可能性を示しています。
そのようなことになれば、今のように環境中に殺虫剤を散布することは
無闇に抗生物質をばらまくことと同様のリスクであることですので
もっと特異的で、
土壌への散布を避けるような限定的な利用をしなければならなくなるでしょう。
その時、天敵農薬や特異的殺虫剤などのようやくの出番です。
全ての昆虫に効くような、細菌でいうところのバンコマイシンのような
「最終兵器殺虫剤」の日常使いは禁止されていくでしょう。


話をもどします。
未来の昆虫利用においては、
プラスチックだけでなく
殺虫剤も昆虫毒性高い高分子と考えると、
その分解という「生態系サービス」までを
含めた運用を提案することができれば、新しいシステムが見えてきます。
多くの場合、高分子は工場で集約的に大量生産されますが
その利用は各個人、各家庭、各地域へと「分散」されています。
その分散した有機物は、廃棄される段階になると「再集約」され
集中的に処理されています。

これでは、
処理の度に輸送エネルギー、回収エネルギーがかかってしまい
それらのエネルギーを使ってペイできないもの
たとえば、
バイオマス発電の発電量よりバイオマスの輸送エネルギーの方が大きい場合
腐りやすく含水量の多いバイオマスを飼料利用するため冷蔵輸送する場合
は、損益分岐点のハードルが高い状態ですので
利用されない「余剰バイオマス」ができてしまいます。
無理やり利用しても、かえって環境負荷が増えてしまいます。
そこで次に考えられるのは、集約生産されたものを分散利用した後、分散再処理して使うことで
輸送エネルギーを節約できるでしょう。

その時、昆虫のように容易に増やせ、処理能力が集約しても分散しても変わらず
メンテナンスも容易なシステムが有効です。
更に考えます。
いまの一次産品の多くは分散的に生産され、収穫されて集約されたものなので、
それらが分散的にそのまま利用でき、その不均衡だけを輸送する最適化システムができれば
自然エネルギーなどの分散的に発生するエネルギーを利用することになり
地下資源の枯渇後の生産システムとして有望でしょう。

この中で集中的に生産されるのは、
いわゆる「鉄器」のような耐久消費財だけになると考えられます。
最終的な3の状態になることは百年単位で当分先ですが
「脱集約 Decentralize」は、
この先のバイオマス利用においてホットなポイントになると思います。
電力、情報の脱集約化が起こりつつある現在、
次の脱集約は食糧で起こるべきだと思うのです。
その時、常温常圧で作動し、処理に失敗したら死ぬことでアラートを出してくれる
昆虫は、植物に寄って生産されたものを、
何度も分散再処理するシステムの中核を担うことになるでしょう。
また、そのシステムをよりコンパクトに、閉鎖系で設計することが
将来の食料生産システムにとって有用な知財であることをアピールし
多くのヒトに将来に思いを馳せさせる「デザイン」になるだろうと、予言しておきます。
そして、未来の脱集約食料生産モデルを見ながら食事をすることは
食品そのものではなく、そのプロセスを味わう
新しい「グルメ」の形で普及していくでしょう。

中編では、ミールワーム、
つまりチャイロコメノゴミムシダマシの生理と生態について、
「木質昆虫学」という視点から掘り下げます。
ゴミムシダマシという名前は大変に誤解を招きます。
ゴミムシとはけっこう遠い仲間で、全く別のグループと考えてよいです。
参考文献はこちら
木質昆虫学序説

森林利用、というヒト視点を軸に、概観した本なので、
昆虫の利用をヒトへの利益の視点から考えたいわたしにとっては
大変うれしいまとめでした。


話はそれますが、カミキリムシがおいしい、という話はここでもよくしますが
なかなか無料で、多くの人に提供できる数は手に入りません。
カミキリムシが薪の利用低下とともに入手困難な昆虫になってしまったからです
「カミキリが侵入した苗木を見分けるイヌ」とか(本来は植物防疫目的ですが)
とても食欲、もとい想像を刺激されます。


話を戻します。
この本は膨大な情報量と文献リストへのアクセスができるので
門外漢が分野の概要を知るのにやはり母国語のほうがスピードが節約でき
すごく助かりました。
木質という地球上における残存量最大の「やっかいな」バイオマスの
物理化学的性質、そして植物学的特徴という基礎的な面から
林業などの「実学」につながる部分
更に食用も含めた未来の
昆虫利用まで総合的に論じている点で非常にためになります。
また、
木質昆虫の飼育養殖は難しく、木材が巨大であること、
そして木材そのものが売り物ですから
それらを全て調べることは容易ではありません。

昆虫種や生態など、
研究観察しやすいものとしにくいものの間に、研究進捗のギャップがあることから
概論を導くためにかなりざっくりとした類推を含む部分もあるので、
この本の主張から引用して持論を展開するのはあまりよろしくないように思います。
原著に至るガイドラインとしてすごく役立つかと。
母語で新しい分野の概観を読むことができるというのはとても恵まれたことだと感じました。

お買い得ですが安くはない本なので、ぜひ最寄りの図書館に購入希望を出してみましょう。
図書館は不特定多数の人に安価で読書の機会を提供する裝置なので
こういう地雷を公的機関に仕掛けて、将来の昆虫研究者を増やす活動に勤しみましょう。
この本のガイドに従って、
木質昆虫、とくにゴミムシダマシについて
詳しく見ていきましょう。


昆虫が利用する木質の分類として大きく2つにわけられるそうです。
一つは生きている木を食べる「一次性種」と
もう一つは死んだ木を食べる「二次性種」です。
一番大きな違いは木の生理的食害応答があるかどうか、です。
カミキリムシなどの生木を食べる昆虫は、生木にある成長点などの
栄養豊富な部分をターゲットとし
食害に対する防御機構をかいくぐり、しまいには木を枯らしてしまいます。
枯死した木には、その分解状態に応じて生木食以外の二次性の昆虫が、
その分解を引き継いでいきます。
枯木のバイオマスは生木に比べて
炭素ばっかりでタンパク質の元となる有機体の窒素が少なく、
それでいて生木と同様に
セルロース、リグニン、ヘミセルロースなどの
多様な高分子が互いに強固に接着したままですので
その分解にはもちろん多様な酵素が必要でしょう。

そのため
「生木食のカミキリムシだけを生産し続ける林」というバランスを保つのは
なかなか難しいと思われます。
木材利用も含めて考えると、
木を枯らしてしまうと、木材としても使いにくい枯木になってしまうことから
一次性種であるカミキリムシはおいしいけれども、将来性があまりないのはこのためです。
薪利用とカミキリムシ食はセットで考えるのが良さそうです。


一方で、ゴミムシダマシの多くは
枯木を食べる二次性種です。一次性種であるキクイムシのフンを食べる
ものもあるようで、恐らくアゴの発達と機械的強度とも関連しそうです。
また、ゴミムシダマシの幼虫は脂肪が多く、タンパク質は少ないので
貧窒素・低湿度に耐える特徴があるのかもしれません。
ミールワームは特に乾燥に強く、コムギのふすまで飼育できますが
湿気を与えると一気にカビが出てしまいます。
飼育にあたっては野菜くずなども食べてくれるので
湿気の溜まらない排気システムを備えた
生ごみ処理機
Livin Hive 
もキックスターターで最近有名になりました。
http://www.livinfarms.com

これは見事に14万5千ドルの資金調達に成功し、現在製作中だそうです。
830 backers pledged $145,429 

先の論文のことを考えると、
これに、
プラスチック梱包材も入れられるかもしれません。
では、木質昆虫であったミールワームがなぜ、
スタイロフォームを分解できたのか、後編で考えてみましょう。
そして、ミールワームから、
昆虫によるバイオマス利用のブレイクスルーが起きるのかどうか、まで、
予想してみます。

昨年10月に、面白い論文が出ました。
ミールワームが共生細菌と一緒にスタイロフォーム(発泡ポリスチレン)を分子レベルまで分解する
というものです。
とても良い写真とともに。
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/acs.est.5b02661
確かにスタイロフォーム食ってる。
スタイロフォームとはいわゆる発泡スチロール。建築材で大量流通しているのでとても安く、
造形の世界でも大型の造形物の芯に使われたり、とっても便利な素材です。
二報にわたって示されたことには、ざっくり言うと
1,ミールワームはスタイロフォームを食って分子レベル(脱ポリマー化と二酸化炭素への分解)の分解をしている。コムギのフスマを食べさせたものとスタイロフォームを30日食べさせたものは、生存率に有意な差はなかった。食べたスタイロフォームのうち16日で半分程度がCO2へ。
放射性同位体の炭素C13を使った追跡によって確認
2,スタイロフォームポリマー(ポリスチレン)は消化管の共生細菌によって分子レベルにまで分解されているようだ
ディスカッション
プラスチック廃棄物の処理方法の1つの手段になるかもしれない。
とのこと
これはすごい。
やはり再現性が気になったのと、
30日間のその後の長期的なミールワームの健康が気になったので、
やってみました。
昨年10月から仕込んで、2パックほどの市販ミールワームを。
11月25日の写真がこちら。
 
食ってますね。底に水色の粉が溜まっているので
少なくとも粉末レベルで破砕しています。
そして4月

遅いですが食いっぷりは進んでいます。
味は。。。

あまり普通のものと代わりはない。プラスチック製品のような溶剤の香りもない。
もちろん無臭の成分でも体によくないものがあるのでおすすめはしません
追記です。
論文に記載されている分解については
ポリマー化しているα炭素とβ炭素についてラベリングしていますが
ベンゼンについてはまったくノータッチです。
C02として無機化しているということは、
好意的に見ればベンゼン環も分解されたと見えますが、
ベンゼン環はかなり安定した化合物で、分解菌も通常ほとんど分布していないこと、
変異原性があることから、分解の可能性は低いでしょう。
なので、せっかく安定していたポリスチレンからベンゼンを放出する「余計なことしい」
の可能性もあります。

続報を待ちましょう。というかベンゼンに標識した結果ってなんでないんだろう。。
なので試食はおすすめしません。今の段階では。

香ばしさが幼虫より強く、甲虫でも食感はとてもよい。揚げなくてもサクサクしている。
今のところ成虫までにはなったのですが、次世代が生まれていません。
完全栄養食とはなっていないのでしょうか。
引き続き観察します。
さて、
スタイロフォームの材料であるポリスチレンなどの
プラスチックはヒトの活動が近年生み出したもので、
自然界には本来分布していません。
こんな分子構造をしています。

紫外線でポリマーの分子結合が分解されながら
機械的な破砕とともに細かくなっていきます。
いったん表土などで被覆されたり
水に沈んだりすると
分解は相当に遅くなります。
機械的な破砕によって細かくなったプラスチック破片「マイクロビーズ」は
野生生物への悪影響があるのではないか、と懸念されています。
http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3725/3.html
今のところ野外での重大な影響は報告されていませんが、
実験室内での影響はあったとのことです。
そんな中で、
ペットの生き餌として使われる身近な生物、ミールワームと
プラスチックとのマッチングは
我々のプラスチック処理のシステムを大きく変えることになるかもしれません。
梱包材や衣服など、身の回りにあふれるプラスチック製品を
昆虫で転換して食べてしまう、という未来です。
はたしてこのマッチングは
「奇跡的」なものでしょうか。
そして
廃棄物処理の救世主になるのでしょうか
いまのところ結論を保留して
昆虫学のレベルからもうちょっと冷静に考えてみましょう。
中編に続きます。

2

2013年にゲジを味見してからもう3年にもなるんですね。
きっとオオゲジはおいしい、と思いながらのようやくの出会いです。

今回は他の昆虫を目当てで夜間採集に行ったのですが、
目的のものはとれず、でもオオゲジは二頭とれました。
ゲジは偽複眼、という単眼の集合体を一対もつことから
かわいらしいつぶらな目をしています。

長い多くの脚に隠れて見えませんが
竹林の隙間から見えるような可愛らしい顔。すばらしいですね。

味見のまとめでも気づいたのですが
「食べる前の見た目の印象」と

「食べておいしいとわかってからの見た目の印象」
は大きく変わってしまいます。
ゲジというとムカデの仲間で牙があって、動きが早くて足が多いし
すぐとれるから触るのが怖い。触って殺してしまうのも怖い、
という感じで、
どうにも猫の背みたいな「掴んでいい部分」が見当たらないんですね。
どう触っていいかわからない、というのはなんだかお近づきになりにくいです。
ところが、一度おいしいことが分かってしまうと、
そんなのは
大した問題ではなくなってしまいます。
食べて克服すること、というマウンティングによる自分の優位性が
確かめられたことで、
相手を過大評価しなくてすむようになるのかもしれません。
「苦手な虫を食べて克服」という昔の辞書の暗記のようなことが
将来起こるかもしれません。
そして、ゲジというネーミングも悪いと思います。
ゲジという濁音二音だけ、バカが考えたような短い名前。
食感も悪そうで、ジャリジャリしそうな名前ですよね。
オオゲジといういかにも大きすぎるような印象をあたえるのも良くありません。
私たちが食べる動物性食品のうち、オオゲジは小さい方です。
そこで、
コガタリクアノマロカリス
というかっこいい名前をつけました。
学名で奇妙なエビ、という意味を持つアノマロカリス、
彼らはただデカくて海にいるだけですから
イセエビと比べてもあんまり奇妙でもありません。
陸上で捕食者として走り回る彼らこそ、「奇妙なエビ」でしょう。
食欲をそそらない和名、というのもこれ以外にも改訂していいかもしれません。
ということで、味見をしてみましょう。
茹でるとあっという間に自切し、胴体だけになってしまいました。

足先はゼンマイのように丸まります。
色は不透明になり、青みがかりました。
味見
ゼンマイのように丸まった足先の食感はゲジよりだいぶ固い。
イモムシのようになった胴体はシコシコとした食感と芋のような甘い香りとやさしい甘み、
そしてエビに負けない強い旨味があって最高。あぁうまい
奇妙なエビ、コガタリクアノマロカリス、
特に苦手な方は、その克服にいかがでしょうか。

by ケミストリー

思いは思いのままで。と歌ったのはケミストリーですが
食材のにおいはにおいのままで楽しもう、というのが今回の趣旨です。
単に消そうとするだけでは
その臭みのない他の食材の下位互換でしかなくなってしまいます。
消すのではなくちょうどいい具合に弱めて他の食材と合わせる。
フードマッチングとかフードペアリングというイメージがいいですね。
何と合わせるか、もちろんわが家の大黒柱、ゴキブリです。

以前から、生ごみ処理機として
マダガスカルゴキブリを1kgほど飼育しています。
飼育容器の開発も第6世代に突入し
強制的な換気装置と、フン自動分離機構を備えたので
半年に一度ぐらいの大掃除をする以外はノーメンテ。

彼らの天敵はカビとハエです。
どちらも抗菌剤を出して高湿度に対応する生物です。
どちらもゴキブリの健康を著しく阻害するらしく、
死体にカビもしくはハエが増え、更にゴキブリが死ぬという
負の虐殺スパイラルになってしまいます。地獄絵図です。
ゴキブリの養殖経験の長い爬虫類愛好家の方は
生ごみなどの湿度リスクを考えて
乾燥した配合飼料と水のみを与えているそうです。


ともあれ、
マダゴキによらず
彼らのヒト住居への適応能力は高いものがあります。
よく誤解されがちなのが「ゴキブリは最強の生物」みたいなのです。
テラフォーマーズも影響しているかもしれませんが。
これは全くの誤解です。
「ヒトの好みのままに創りだした環境がたまたまゴキブリにも適していた」
のです。
決して他の昆虫よりとりたてて優れているわけではありません。


ではなぜ、
ゴキブリはヒトの住居に適応できたのでしょうか。
まずは
近年のヒト住居について、もう少し考えてみましょう。
まず野外の昆虫が入ってきません。
ゴキブリは特別な防御機構をもたないことから
野外では格好のエサとして消費されています。
オオゲジやアシダカグモなどの翅をもたない徘徊性の節足動物のエサです。
ですが今の密閉性の高い住居では人の出入りが唯一の侵入のチャンスですが
警戒心の強い大型の捕食者は、なかなか入ってきてくれません。
ヒトは無意識ですが、彼らにとって我々は決して勝てない捕食者なのです。


次に、優れた空調です。
ヒトに限らず、従属栄養生物はガス交換をしないと窒息してしまいます。
ですが、ふつう、ガス交換は同時に熱の移動も伴います。
なので、本来であればガス交換と、保温、保冷は
相反するものなのです。
風通しが良くて夏暑い、冬寒い家
風通しが悪くて夏涼しく、冬温かい家
というトレードオフではなく
夏涼しく、冬暖かく、かつ風通しが良い
という空間を少ない電力エネルギーで実現しています。
空調、つまり熱交換器の実用化によって、
ヒトの住居は圧倒的に住みやすくなりました。
そして断熱のよい構造体。鉄筋コンクリートですね。
ゴキブリは住居がビル化する前は、
家を通過するごくありふれた昆虫たちの一種でした。
ところが、気密性が高く、乾燥したビルに、
有機物を大量に置く、という
選択的ゴキブリ誘引トラップが設置されたことで
我々はゴキブリを誘引され、屋内で養殖して
そしてそれに人々が驚く、という
不幸なマッチポンプを生み出してしまったのです。


さて、
ゴキブリといえども、マダゴキはマダガスカル出身ですので、
日本人とマダガスカル人どころではなく、キツネザルぐらい遠縁のものを
ゴキブリという和名でくくって嫌がってしまうのも、なんだかかわいそうなものです。
なんとか印象を挽回する方法はないものか。
やはり、
彼らをおいしく食べる事を考えましょう。
今回使うのは、美しい脱皮直後のメス成虫です。
白い。美しい。

昆虫は、陸上での外皮の硬化に色の出る化学反応を使っているので、
残念ながら茶色っぽく、黒っぽくなってしまいます。
しかし脱皮直後は別です。色素の少ない、透明感のある美しい姿は
食感もよく、食べごたえもあり、最高の時期だと思うのです。
しかし、
ゴキブリにはゴキブリらしい臭さがあります。
ケミカルというか、ムレ臭というか、ゴキブリ臭とも呼べますが。
集合フェロモンだそうで、ゴキブリのフンからも同様のニオイがします。
以前にチョコを食べさせた時、そのニオイが低減したことから、
何らかの食事制限によって多少変動はさせられそうです。
今回目指すのは
「ゴキブリ臭い、けれどもゴキブリクサおいしい」という未来の料理です。
そして、以前の粉末バッタが粉末としての利点を活かしたことをふまえて
体のままであることを活かした料理とします。
「注入」です。
羊の腸の皮に他の畜肉を詰め込むという黒魔術のような料理、
ソーセージと言われるものは今では世界中に普及しています。
単なるひき肉つくねでは得られない、パシッとした食感が
その悪印象を払拭してくれる「おいしさ」なのでしょう。
そして、脱皮直後のゴキブリは柔らかく、中身が結構スカスカです。
脱皮時にしか外皮の表面積は増えませんので、
外骨格生物は脱皮すると先に外の大きさを決めてしまい、
後から中が充実してきます。
そのため、最も身が張っているのは脱皮直前なのです。


余談ですが、外皮が比較的柔らかいセミ幼虫は
肉がしっかり詰まっていて圧力の高い脱皮直前のものが一番おいしく、
脱皮直後のものは美しいですが、
濡らしたティッシュのようにやや味気なくなってしまいます。


話を戻します。
今回注入する液体は
「既存の料理に使う調味料」の組み合わせで作ります。
ムレ臭のような香りはニンニク、
フルーツのような華やかな香りはワインビネガー
注入する都合からニンニクのワインビネガー漬けを作りまして
苦味要因としてチーズ(材料にセルロースを含まないもの。含んでいると注射器が詰まります)
そして結着剤として卵を入れ、「ゴキブリ臭く」仕上げます。
ダイソーで売っている化粧品小分け用の注射器を使い
脱皮直後の余裕のある外皮に対して、尻から体側面にたっぷり注入します。

深海のヨコエビのような感じになりました。
これをバターと胡椒で低温じっくりと焼き上げ

トマトとアイスプラントで仕上げ。
 
おいしい。。確かにゴキブリ臭いけどだがそれがよい
プリっとふくらんだ腹部はパンと張り
チーズとニンニクの旨味がじわっと。
フレッシュトマトのジューシー感とアイスプラントのさくっとした食感と酸味。
いずれもすばらしい!おいしい!
マダゴキの新たな可能性を感じました。
同時に「言語化=情報化」と「見立て=抽象化」のパワフルさも。
ゴキブリの味の特徴を言語化し、他の食材で見立て、
相性をマッチングして作っていく、創作料理のエキサイティングな過程を体験できました。
プラモデルで言うところのキット改造からフルスクラッチへ。
昆虫料理を既存の料理のアレンジではなく、フルで創作する段階に来たのかもしれません。