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クロホウジャク; Macroglossum saga
ユズリハの木を食べていた終齢幼虫。

スズメガ科はエビガラスズメが美味しいことが知られており、
ギューノーという名でボツワナのサン族が好んで食している。
(エビガラスズメ実食は別の項にて。)
そのためクロホウジャクにも期待していたのだが、
内部の食感はプルプルしているものの、外皮が堅く、身はタンパクで味気ない。特徴なし。期待値が大きかっただけにだけに残念。ユズリハにはアルカロイドも含まれるためオススメしない。
クロホウジャク前蛹

幼虫の見つかった所から少し離れた花壇の整理中に
土中から発見。土中から採集したものは土臭さが気になるものが多いが
これはあまり土臭くない。終齢幼虫とは異なり、
ぎゅっと身が締まり外皮がサクサクと歯切れがよい。味はほろ苦く、うまみもある。
クロホウジャク? 蛹

同じく花壇の整理中に発見。形からクロホウジャクと思われるが
未同定。
内部は臭みのない茶碗蒸しのような味、プルプル感、滑らかさ。うまみも適度で美味しい。ただ外皮が口に残り固いのが難点。中身を取り出しねぎとろのようにたべたい。若干土臭さはあるがゴボウ程度なので許容範囲内。
鱗翅目はステージで食感も味もガラリと変わる。
これからぜひ掘り下げたい。

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シンジュサン(樗蚕)Samia cynthia pryeri はチョウ目、ヤママユガ科のガの一種である。朝鮮半島、中国、国内では日本全土に分布する。
開張すると110-140mmほどの大きなガである。翅の色は褐色で、全ての翅に1つずつ三日月形の紋がある。出現期は5-9月頃。 幼虫は毛状突起を持つイモムシで、柑橘類、ニガキ、ヌルデ、クヌギ、モクセイ、クスノキ、エノキ、リンゴなど数多くの樹木の葉を食べる。(wikipedhiaより)
ヤママユガ科の食用昆虫で有名なのはモパニワーム
イギリスの通販サイトで見つけて乾燥のものを食べてみたが、
けっこうおいしかった。(e-ism記事参照)
シンジュサンもヤママユガ科なので
美味しい可能性が高いので挑戦。
…見た目はビビッドでとても食欲をそそらない。
茹でてポン酢ジュレでいただく。
外皮がやわらかく、トゲ状の突起も固くない。
内部は小松菜のような香り。豆腐のような淡白な味もあり
「小松菜の白和え」のような味。かなり食べやすく、美味しい。
7月の阿佐ヶ谷昆虫食のよるべではクスサンの前蛹とサナギを食べたが
こちらも美味しかった。
やはりヤママユガ科は期待大。
養殖できればアフリカに高く売れるかも。

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<味見ルール>
料理をする前に食材の味を確かめます。
昆虫は概して「普通の味」です。
そのため、味の強い料理では風味が消えてしまいます。
味見ではその風味をきちんと把握するため、
「しゃぶしゃぶぽん酢」で統一しています。
非加熱で生の味も確かめたい所ですが、
昆虫はヒトと共通で感染する細菌や微生物、寄生虫について
ほとんど調べられていないので必ず加熱するようお願いします。
記念すべき第一回。トノサマバッタ

日本でもありふれた普通のバッタです。
イナゴに似ているので食べることへの抵抗感は低いと思います
今回は「フン抜きの有無」をメインの話題とします。
用意するもの
1,バッタ
2,鍋
3,ぽん酢
A,フン抜きせずに茹でていただく
フンの香りが強く、あまり美味しくない。
B,冷蔵庫で2日置きフン抜き後、茹でていただく
フンがぬけ、バッタ本来の枯れ草のような香りがする。
考察
茹でて食べる場合、香りがつよいものは食べにくいが、
A、Bのバッタを200℃オーブンで30分加熱すると
どちらもカリカリになったが、
Aの方がえびせんのような香りがのこり美味しかった。
Bはすこし味気ない感じがした。
エビやカニの味噌はいわゆる消化途中のもの。
独特の風味や旨味は未消化物由来なので、
バッタも同様といえます。
風味や旨味が消えがちな揚げなどの高温調理は
フン抜きをしないほうがオススメ。
佃煮や茹で、串焼きのような素材の風味を活かす料理には
フン抜きがオススメです。
イナゴの本場、福島でも
フン抜きをする地域が多いのですが、
フン抜きをしないほうが「コクが出る」とのことで
しない地域もあるとのことです。
さて、そのフンですが
カイコのフンを乾燥させた漢方薬として「蚕沙」があります
これをお茶のように煎じて飲みます。
桑の葉の香りが濃縮され、とても美味しいです。
このようなことがトノサマバッタのフンでもできないかと。
サトウキビを食べさせたバッタのフンをフライパンで煎り
お茶にしました。
サトウキビの甘い香りが濃縮し、しかしバッタが
甘味などの栄養成分を吸収してしまったので
味は甘くありません。普通の麦茶に似た味です。
「植食性昆虫のフン茶」
新しいジャンルになりそうです。