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味見 ビネガロンの酢の味 

世界三大奇虫、と呼ばれる陸上節足動物がいます。サソリモドキ、ウデムシ、ヒヨケムシですが、まぁなにをもって「奇」か、と言われると、、うーん。楳図かずおが書きそう、といった感じでしょうか。クモ、サソリ、ゲジ、シャコとともに昆虫とエビカニの間に見えるので、さほど食べにくそうにも感じないです。

そしてこちらがビネガロンことサソリモドキ。サソリにシルエットが似ていますが、しっぽに針がなく、代わりに細い管から酢が出てくる。そしてハサミに見えるのは噛み込みのギアのようになっていて、コオロギを与えると左右からグリグリと巻き込んで口に運んでいく、一方通行の地獄のギアなのです。食べっぷりのかっこよさはすばらしい。SFっぽさではトップクラスではないでしょうか。

サソリモドキ ビネガロンの一種。

いきなり話は飛びますが、昆虫のレシピをラオス人スタッフと作っていたときに、「特に女性はラオス人でも昆虫がうねうねしているのを嫌がる人が多いので、すりつぶした料理はどうか」と提案され、「自分は昆虫が大好きなので、姿が美しいと思うし、かじったときの食感が失われてしまうのもあまりいい気がしない」と言ったところ「それはあなたの感覚でしょ?」と言われました。そうなのです。まさにそのとおりで、私のセンスは日本からも、そしてラオスからもまた遠く、好奇心というエンジンに駆動され、文化から乖離した明後日の方向にむかっているのです。おもしろいとは言われるけれども参考になるとは言われない。

話を戻しましょう。実はこのサソリモドキ、一度食べるチャンスがありました。

2015年4月、私は飼っていたのです。買ったのか頂いたのか、わすれてしまったので、もしいただいていたら大変申し訳無いんですが、しばらく飼い続けて結局死なせてしまったので、大変深い後悔の思い出があるのです。

さて今回は、絶対に死なす前に食べようと、写真撮影もそうそうに食べます。捕まえた時に酢の強い匂いがあり、わくわくです。

一緒に村に来ていたラオス人スタッフと匂いをかいで酸っぱ!とこれを見つけた集会所の裏ではしゃいでおりました。この容器はラオカオと言われるラオス焼酎の空き容器です。

かっこいい。
立体構造が複雑なのでなかなか写真にとりにくい。

立体的な複雑さと、ダンシが考える「かっこよさ」がなんだか相関しそうな気がするんですが、なかなか見ていて飽きない虫です。果たして酸っぱいのか。

実は以前に、「ビネガロンで酢飯をつくる」という企画案をいただいたのですが、量的に難しそうだ、と計算してお断りしたことがありました。実際にどれほど酸っぱいのか、茹でて食べてみましょう。

サソリよりだいぶうまい!ビネガロンの名前の通り茹でると酢の匂いがしたが、茹でたあとは少しの爽やかさをプラスする程度でバランスが良くまとまっている。捕まえる時に酢酸を放出させたのも効いたかも。酢飯に甘エビのようにうまみと甘みの強い体液が口に広がり、タランチュラのような毛もなく、食べやすい!

世界三大奇虫、食べ比べてみたいですね。

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