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2000本のキャッサバ

さてひと段落ということで、昨年4月から取り組んでいた「蟲ソムリエ実験農園」のキャッサバ農場が完成しそうです。

最初に始めたのは私の借家の庭。200本ほど植えたでしょうか。6月に始まった雨季ですべて水没して枯死。

かなしいので街から30kmほど離れた場所の大規模キャッサバ畑をノンアポで突撃して、見学させてもらうことに。傾斜地に生え揃ったキャッサバたち。美しい。すべてデンプン加工用に来年5月に芋を干してタイかベトナムに輸出するとのこと。

ご近所に高台の農地を借りることができたのでスタート。最初は「キャッサバなんて枝切って刺しときゃ勝手に増える」とのラオス人の言葉を信じてそれをやってみる。どうにも成長が遅い。先のキャッサバ畑のよりずいぶんと成長が進まない。葉っぱが黄色くなっていく。ふとみると、キャッサバの枝の中身が空洞になり、泥が詰まっている。シロアリだ!

なんということでしょう。キャッサバはもうシロアリの住処になっていたのです。劇的アフター。

気を取り直して除草してから植える。これにより雑草と競合しないので少しは早く育つだろう。すると、なんということでしょう。近所のニワトリがつっつきに来るではありませんか!キャッサバは葉に毒を持つので害虫がほとんどいない、といいつつこちらではサラダがわりに葉を食べる人もいれば、このように食いに来る近所のニワトリがいる。フェンスを作ろう。

ニワトリがつついたキャッサバの苗
ニワトリ予防フェンス

そして草を取り、穴を開け、別の場所で発根させておいたキャッサバの枝を刺す方法でとりあえず600本。それでもまだ効率が低いのと、耕運機を入れずに穴を掘るのがなかなか辛い。乾季に入ってしまったので土は日に日に硬く固まり、そしてラオスで手に入る鍬は品質が低い。

もう怒ったぞ。ということでついに耕運機を招集。こちらの耕運機は日本の回転刃のついたチゼルプラウというものではなくて、ディスクプラウという効率が低い代わりに固い土もしっかり起こせるタイプ。反転させてふわふわになった土はなんとも穴が掘りやすいこと。

そしてエリサンは発根を促してから植えることに。直植えだと枝で待機する時間が長いので、そこをシロアリにやられる可能性が高くなってしまうのでスピーディーに。

拡大はしなかったけどコナカイガラムシの発生も。これは怖い。昆虫用途だと殺虫剤が使えないので、疾病対策にも生産拠点は分散させておきたいものです。

現段階では根出しをしたキャッサバの枝を耕起した後に掘った穴にエリサンのフンかゾウムシのフンと一緒に埋めるメソッドを採用予定。これも水だけのものを対照実験として実験しております。しばらく育ったら最も長い新芽の長さあたりで効果を比較しようかと思います。そして2000本、理論的には月産1000頭前後のエリサン、ゾウムシを養殖できるはず。これもデータを取ります。これによって村にどの程度キャッサバを植えれば、自給的に昆虫養殖が可能になるか、示すことができるでしょう。

あー疲れた。腰が、腰が辛い。

この作業はラオス人スタッフと二人での作業だったので暑い日に耐え、よく頑張ったと誰かに褒めて欲しくなってブログにしました。村に導入しているゾウムシ養殖は、他から購入したキャッサバを使っているので、これから自給できるよう村の農地を順次整えていく予定です。

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