まずはこのきらめきをご覧ください。
「きらめく甲虫」
という本があります。
- 作者: 丸山宗利,ネイチャー&サイエンス/構成
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2015/08/07
- メディア: Kindle版
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昆虫、とくに前バネの硬い「甲虫」と呼ばれる虫たちの中には
美しいきらめく体をもっているものがいます。
このフェモラータオオモモブトハムシもこの本に「コガネハムシ」の
名前で出ています
美しいことに疑いはないのですが、
このハムシ、本来は日本にいません。日本の三重県に侵入しており
成虫はクズの葉を食べ、幼虫はクズのツルの中に虫こぶをつくって
成長することから、河川敷を中心に増えて、広がっています。
原産は熱帯地域で、ダイズを食害したという報告もあることから
「害虫としての潜在性」はとても高く、専門家もかなり気にしているそうです。
輸送にはできれば茹でてから。
生きたままの移動はできるだけ避ける、という
特定外来種なみの注意のもとで管理したいものです。
飼うのも控えましょう。
さて、食用に関しては外来種ですから、それを採って食べたからといって、
在来の生態系に悪影響を及ぼすことはまずないです。安心して食べましょう。
味はカミキリムシに近く、虫こぶはカミキリムシよりも簡単に割れるので
食材としての潜在力は高いです。
茹でたらこんなかんじ。色はかわりません。
翅だけをとり、他は粉末にして
タルトのキャラメルに練り込みます。
なんと、160℃で20分焼いた直後は緑になりました。
そして、冷やすとなんともいえない美しい構造色へ。
この構造色の美しさ、
写真でお伝えするのはとても難しいです。
というのも、視点を変えると光り方が変わる、という
ものは本来立体的にみるべきもので、なかなか平面の写真では
伝わりにくいのです。
先の「きらめく甲虫」は
右上から光が来た場合と、左下から光が来た場合の2つの光の条件を
同時に満たすというある意味「不自然」な配光をすることで、
左右対称の虫が、光と見る角度によってどうきらめくのか、
美しく示した写真集です。
簡単には真似出来ないのですが、
もう一つ、きらめきを表現する方法があったのを思い出しました。
それは伊丹昆虫館で開催していた「きらめく甲虫展」のこと。
円偏光フィルターで撮影した カブトハナムグリ Theodosia viridiaurata
円偏光フィルターをレンズの先につけて、ぐるぐる回してみました。
構造色は偏光を返す構造をしているので、偏光フィルターによって
それがフィルターされ、キラメキの様子がわかります。
そうか。このタルトも回せばいいんだ。
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これですよ。
これによって、光の角度と視点がゆるやかにかわることで
きらめくタルトの様子がよく見えるはずです。
スマホの方はこちらでどうぞ。
ゆっくりと回ることで、画面奥で緑に見えていた翅が
手前にくるにつれて桃色に色づき、キラッときらめく様子がわかるかと思います。
美しい。
昆虫が「見た目」で敬遠される世の中ですが
「見映え」で食用として選ばれる未来が来るかもしれません。
タルトの中心部には、日本のヤマトタマムシも使っています。
こちらも負けず、美しいですね。円偏光フィルターで動画を撮影してみました。
Tamamushi (jewel beetle) Chrysochroa fulgidissima with circular PL filter
ピンバック: スイスで構造色をもつチョコが開発されたというニュース。 | 蟲ソムリエ.net