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ラオスに来ています。
3月には日本で、外来種であるフェモラータオオモモブトハムシを食べる会を開催していました。
そして4月、こちらのプログラムでラオスに来ているんですが、新拠点を借りたその敷地内で、出会いがありました。

このプログラムでは、ラオスの住民の栄養に寄与できる実践的な農業を現場で技術開発し、実装していくことを目標としています。
住民が季節性の昆虫を「採って食べる」ことは私が参加する以前から分かっていたことで、それを少ない労力、力の弱い住民でもできて、そして不足しがちなタンパク質を補給できる新家畜候補として昆虫に着目しています。

はじめから昆虫ありきではなく、「昆虫も含めた」農業の実装を目指しています。
外来種を食べる意義でも触れましたように、フェモラータオオモモブトハムシはクズを食べて成長するため養殖が容易と考えられます。

外来種を養殖するか、全滅させるか、というのは侵入した地域におけるシビアな問題になるので、あくまで思考実験として「養殖化」を提案しましたが
ここラオスでは在来種として、このハムシが生息している「らしい」との話を、文献で知っていました。

ラオスではタンパク質が不足しがちであるものの、大豆を食べる習慣は少なく、雨季は水が多すぎ、乾季は少なすぎてなかなか大豆の作付けが難しい地域です。大豆などのマメ科は窒素固定をして土を豊かにするので、自給的で肥料や農薬を買うお金のない住民にとっては、魅力的な機能です。一方で、木質化して明らかに一年以上、つまり雨季も乾季も乗り越えたマメ科の雑草がいたるところにいます。つまり、「大豆がなければ別のマメ科の植物体を虫に食べさせてそれを食べればいいじゃない」ということです。

12月のセミナーで、ハムシを食べる、という人が半分ぐらいいたのを確認しましたので、大豆よりも有望な食料資源だろうとは思っていました。ところが、クズが見当たらない。うーん。どこにあるんだろうと2日ほど時間を見つけて探したものの、繁茂している様子はありませんでした。

それとは別に、新拠点を借りようといくつかの物件を下見をしていて、敷地が広く、簡単な農業実験もできそうな庭もある物件に決めました。
そしてそこの生け垣を整備していたら、ついに。

Sagra femorata Laos
Sagra femorata Laos

 

 

キター! !!!!

Sagra femorata Laos
Sagra femorata Laos
Sagra femorata Laos
Sagra femorata Laos

 

いくつもいた!

Sagra femorata Laos
Sagra femorata Laos
Sagra femorata Laos
Sagra femorata Laos
Sagra femorata Laos

 

脱出済みのもいた。

Sagra femorata Laos

 

集めた虫こぶたち。

Sagra femorata Laos

 

 

45頭とれました。

Sagra femorata Laos

 

 

グリーンも。

Sagra femorata Laos
Sagra femorata Laos

 

 

さて、不思議なのはこの虫こぶの植物がクズではなく、すでに枯れていて、植物の種類が特定できなかったこと。そして今の時期でてくるということは、宿主である茎と、成虫が食べる葉が一致しない可能性があるということです。宿主となるには、ツル性であることが条件になりそうです。というのも、ツル性で虫こぶができるタイプで、かつそれほど木質化が進んでいない部位でないと、脱出が不可能になると考えられます。三重でみつけたこの大きな虫こぶも、

巨大むしこぶ。マンションのようだがほとんどおらず。

たくさんいそうですがむしろ少なく、古い脱出跡しか見られませんでした。そして、いずれの虫こぶも完全に埋まっているのではなく、繭を破れば脱出可能な「窓」がついています。なので、成虫が食べるものの、茎は利用しない「餌用のマメ科」と、茎を利用する「宿用のマメ科」があると思われます。

ちょうど45頭見つけましたので、いくつかのマメ科を与えて比較をしてみようと思います。

あ、忘れるところだった。味見。味見が大事です。茹でて味見します。

茹でるための便利グッズとして、これを使いました。これで電気さえあればどこでも茹でられる。
カセットコンロなど可燃物を使った加熱装置は飛行機での移動などでかなりめんどくさいことになります。少し重いですが、成田で買いました。

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Sagra femorata


意外と、強めの苦味がある。三重のはなかったのに。

成虫になってから摂食はしていないので、おそらく宿主となった植物の防御物質だろう。意外だった。
カリカリと砕けていく外皮は口に残らずクリスピーな食感。クリーミーな味もあるので苦味だけどうにかできればよさそう。

Sagra femorata


体が小ぶりな分苦味も少ないが、やはり苦い。熱帯のマメ科はみんな苦いのか。クズを食べさせてリベンジしておきたい。
そして幼虫の味見もそのうち。

ラオスに来ています。昨年8月、12月、そして今年4月と来ることができました。

私が何をしているのか、というと、プロジェクトのボスが私ではないので、公開情報をもとに理解してください。

NPO法人ISAPHのサポートメンバーとして、栄養改善プロジェクトの昆虫食の部分を担当しています。

ひとまずは今週は関係各所にご挨拶に行く予定です。

ラオスの時差は日本と1時間で、時差ボケもなく快適ですが、飛行機で寝たのであんまり眠くないです。今回T-weyという韓国のLCCを使ったんですが、騒音防止のノイズキャンセリング・ヘッドホンを使用して寝るとすごくよかったです。最新型はbluetooth無線で35時間という長旅にも対応できるすごいヘッドホンです。

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聴覚にストレスをお持ちの方にもいいらしい、とTwitterで見かけて導入を決めました。


ビエンチャン空港


ソウル仁川国際空港でのうどん。


ビエンチャンの空港ではゾウとカメを守ろうキャンペーンの立て看板がありました。野生生物と資本主義を組み合わせて市場に丸投げすると、持続可能な利用を成功させるのは難しいです。ファームを作って完全養殖に成功して、野生動物採集が「割に合わない」ようにしてからじゃないでしょうか。これは昆虫にも言えると思います。

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さて、味見に参りましょう。
最初の準備編で宣言したとおり、すべてのハムシを茹でました。例外なく。

茹でます。ふっくらと膨らむけれど破裂はしない。

そして茹でるものがもうひとつ。

マカロニです。

そして出来上がりはこちら。

フェモとマカロニのサラダ
フェモとマカロニのサラダ クラッカーに載せて

茹でての味見は直後だと枝豆の風味と少しの苦味。

サラダにするとカイワレの辛味にシーザーサラダドレッシングの酸味、そこにプチっと風味のカプセルが弾けることでコクとほのかな苦味をプラスします。
うん。おいしい。

レシピの開発は2016年の、第一回フェモラータオオモモブトハムシを食べる会の開催時に作ったものでした

玉置標本さんがバターで炒め始めたり

バター炒め

それをギリコさんが「虫の風味が消える」と憤慨したり

シュガースプレッドとともに

ちょっとシュガースプレッドをつけてみたけれど風味がきえるのでうまくいかなかったり。

いろいろと試してみたのですが、持ち帰ってシンプルな炊き込みご飯にしてみました。

シンプルに白だしと
炊きあがった!
うまい。これはうまい。

これは抜群。

翌日の朝、「翌日の炊き込みご飯はおいしい」
のセオリーどおり、おいしいフェモ炊きご飯をたべようと炊飯器を開けると

翌日の杏仁香

今回は茹でたフェモラータオオモモブトハムシをみなさんで分け合ったんですが、

次々と料理開発報告が。

ざざむし
フェモラータオオモモブトハムシの味を侮っていました

Be-palにも書いていただいた玉置標本さんのブログ

そしてまだお会いできていないんですが野食ハンマープライスの茸本さんへと渡ったようです。

ざざむしさんに至っては自ら採集に繰り出すほどに。杏仁香はみなさん感じたとのことで、
茹でて少し時間が経ったほうがおいしくなるということは
外来種対策としてまた新しい方向性を示すことができるのかな、と思いました。

とはいえ、外来種対策は地元の意向があってのことです。
地元の方、町おこしに、町の外来種対策として、フェモラータオオモモブトハムシを食べる会の企画をするのはいかがでしょうか。

ご連絡お待ちしております。

リンク

それでは採集に参りましょう。

 

 

Larva of Sagra Femorata

狙うのはこんな虫です。

「フェモラータオオモモブトハムシを茹でる会」の開催は3月3日

念には念を入れて、3月2日に前日入りして採れるかチェックしました。

虫こぶを見つけたら

コブになっている部分の上下を3cmほど残して切り、縦に切れ込みを入れます。そのとき、コブの中心ではなく、通常の茎よりもちょっと膨らんだぐらいの部分に偏っている幼虫がいることが多いので、切らないように注意しておきましょう。縦に切込みを入れたコブは、手で簡単に引き裂くことができるので、よけいめに茎を残しておくと、不幸な事故を防ぐことができます。

蛹化が近いのか、やや縦長に入っています。

 


休眠中なのでゆーっくり動きます。

開催予定の河川敷。少しの採集で十分の量が取れることを確認。
少し離れた別の河川。密度は低いけれどすこしいた。

ガの蛹が虫こぶ跡に間借りしていました。新たな環境も作り出している模様。

さて3月3日、ひな祭りの日。私達はフェモ祭りをしていたわけです。

モノ好き、もとい。好奇心旺盛な方々が集結。黙々と作業。
ギリコさん。うれしそう。
茹でます。ふっくらと膨らむけれど破裂はしない。
採集後の端材たち。意外と端っこのほうにいることがあるので見落としの危険がありそう。

 

茹でます。対流するフェモラータオオモモブトハムシたち。

茹でると枝豆のようないい香りがひろがり、茹でた水が黄色くなりました。

それでは次、試食料理編・茹でたフェモラータオオモモブトハムシの持ち帰り料理開発編となります。

今まで分散していました、昆虫食情報発信ブログ

蟲ソムリエへの道

蟲ソムリエの実践ですが

こちらにまとめることにしました。どうぞこれからもご贔屓にお願いいたします。今年は散らかっている情報をまとめて整理して発信していく年にしようと意気込んで、いや、ほどほどに思っているところです。

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3月上旬、有志でフェモラータオオモモブトハムシを茹でる会を開催してきました。

取材の方も来てくださって、記事化もされるとのことです。Be-palのこの号に掲載予定との連絡をいただきました。
読んでください。

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先日放送されたムシモアゼルギリコさんを取材した番組、「神々のスマホ」の映像素材として撮影もあったのですが、本編には使われなかった模様です。また続報がありましたら案内します。

公開されている信頼性の高い情報は三重県総合博物館のページ

ググるといろんな採集日記がヒットしますね。

さて、今回のテーマは「外来種を食べて対策する会のプロトタイピング」となります。
... "フェモラータオオモモブトハムシを茹でる会 準備編" を続けて読む

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Twitterで「昆虫食がでている」と教えてもらって、スノーピアサーを観ました。たしかに昆虫食映画でした。すごくいい昆虫食映画です。

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あらすじ

2014年
地球温暖化を阻止するために撒かれた薬品が効きすぎてしまい、地球は全凍結。文明は崩壊し、ほとんどの生き物も死に絶えてしまう。画期的な永久エンジンを搭載した列車、スノーピアサーは、生き延びた人々を満載し毎年世界一周するルートをノンストップで走り続けた。しかし車内は富裕層から貧困層までのヒエラルキーが固定化された凄まじい管理社会であった。

それから17年後の2031年、スノーピアサーが18周目に差し掛かろうとするころ、スノーピアサー内で貧困層によるクーデターが起こった。はたしてクーデターは成功するのか、その先には何が待っているのか。

... "スノーピアサーに昆虫食は出てくる。" を続けて読む