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出国前にようやっと、完成しまして、害虫展season2 への応募が完了しました。これから一次審査、二次審査へと進み、落選しなければ、落選しなければ、ですが、足立区生物園、箕面昆虫館でそれぞれ展示されます。TwitterでRTいいねをしていただくと残れる確率が高まりますので、応援よろしくおねがいします。

Insect "Cooked" Specimens 昆虫”調理”標本

害蟲展は第一回、昨年2020年の応募が初めてで、入選をいただくことができました。だれが害虫、という線引をするのか、そしてそれを更改するのはだれか。(それがラオス人であってほしい、という願望も含めて)ヤシオオオサゾウムシを題材に、写真作品を応募しました。

審査員の館野鴻さんから、「そのままじゃん!」と講評をいただきましたので、今度は「表現」を噛ませたものを作ろうと、立体作品にしました。手法は「液浸標本」です。

「昆虫標本ってうまそうじゃないな、、、」がきっかけです。昆虫は外形の特徴をかんたんに、そして長期に保存できることから、乾燥標本が主流です。バッタなどの一部の昆虫は退色してしまい、生きているときの彩りを残すことができません。凍結乾燥などの高価な機材が必要な方法も普及に困難があります。

またトノサマバッタは茹でると、含まれるアスタキサンチンがエビのように赤く色づき、その後茶色く退色してしまいます。佃煮などの保存食にする頃には茶色いのです。茹でたあと、冷凍してもしばらくすると退色してしまいます。エビぐらい赤くおいしそうなまま、保存できる方法はないか。

ということで海産無脊椎動物の液浸標本の方法を教えていただき、茹でたバッタの赤を保存する方法を模索しました。ようやく、まだまだ完成ではないですが、各調理法に応じて、退色脱色を最小限にした保存方法ができたので、既存の乾燥標本と並べ、「茹で」「揚げ」「混和」「成形」の4種の調理歴をもつ「昆虫”調理”標本」ができたのです。

これが昆虫の乾燥標本と生体が並ぶ昆虫館に展示されることで、乾燥標本が美味しそうに見えない、ということと「昆虫が美味しそうに見えない」ということは、必ずしも同一とは言えない、という新たな軸がみえることを期待します。

今回は「混和」「成形」という本来の標本、つまり外形の情報が残らないものも、あえて「標本」と称して並べました。果たしてあなたが食材として口にするのはどういう調理法なのか、乾燥標本の軸から少し外れて、昆虫調理標本を目の前に(審査が通過すれば、ですが)考えてみてはいかがでしょうか。