以前に日本のツチハンミョウについて、毒が強すぎて食べるのに適さない虫として紹介しました。英語名Blister beetleと呼ばれるように、水疱ができるほど粘膜に刺激性があり、致死量もなかなか少ないようです。漢方では「斑猫」と呼ばれ、キオビゲンセイの一種はカンタリジンを虫体の25%も含み、水疱をあえて作って毒を吸い出すような手荒い治療目的で使われた、との記述があるそうです。
引用します。
本来の「斑猫の粉」の正体はその成虫の乾燥粉末です。中国産のそれはキオビゲンセイという種類で、 乾燥した成虫体に25%ものカンタリジンを含有しています。カンタリジンの用途は毒薬ばかりでなく、 おできのウミ出しの刺激発砲剤に多用されているほか、少量を内服(大変危険ですが)すれば催淫や利尿、 躁鬱病、性病、知覚麻痺などに効果があるとされています。
https://www.jataff.jp/konchu/hanasi/h14.htm
さて、「変な虫を見た」との通報(最近ラオスで虫ネットワークができつつあります。)で急行するとこちら。
キオビ、というよりもピンク帯ゲンセイなので、これが本当に漢方に使われてきた「斑猫」なのかはっきりしないですが、これは味見できないです。ラオス人も食べちゃダメ、触っちゃダメ昆虫と教えてくれました。薬用に使うという話は今のところ聞いていませんが、そのぐらい一般的で、そのぐらい毒であることが有名なようです。気をつけましょう。
ツチハンミョウのミトコンドリアDNAでの分子系統の検討。https://t.co/G3AWAcVJk8
— 蟲喰ロトワ 蟲ソムリエ 昆虫農家 @ラオス 次回一時帰国11月予定 (@Mushi_Kurotowa) September 7, 2019
どれがどれだかわからん。個体変異で斑紋も変わるだろうし乾燥標本だし。同定は難しいかなぁ。 pic.twitter.com/cdAQddwhtf
その他にも、ツチハンミョウ科の昆虫がいたので合わせて紹介しておきます。いずれも味見ダメです。ラオス人も知っていました。
マメハンミョウが稲の苗を食っていた。マメハンミョウのホストはバッタの卵で、1卵塊に一頭が育つ。成虫になり交尾の時集合するが、その時の食草は見るたびに違う。マメの時もあればナスも。そして今回はイネ。いったい何なんだ。ラオス人もこれが毒と知っていた。やけど虫とのこと。 pic.twitter.com/R98pY9tn3O
— 蟲喰ロトワ 蟲ソムリエ 昆虫農家 @ラオス 次回一時帰国11月予定 (@Mushi_Kurotowa) May 30, 2019
カフェの前で捕まえたツチハンミョウの仲間かと。
— 蟲喰ロトワ 蟲ソムリエ 昆虫農家 @ラオス 次回一時帰国11月予定 (@Mushi_Kurotowa) May 1, 2019
Eletica testacea ?
これも毒っぽいなぁ。味見は断念しておこう。ケミカルさを増強した松ヤニみたいな匂いがある。後頭部の出っ張りが福禄寿のように面白い形。 pic.twitter.com/dDKnFHkPXy
昨日見つけた虫たち。木目が似合うハエトリグモ、灯火にやってきたヒラズゲンセイ? それとスジクワガタ? pic.twitter.com/IkuPgR4YZr
— 蟲喰ロトワ 蟲ソムリエ 昆虫農家 @ラオス 次回一時帰国11月予定 (@Mushi_Kurotowa) November 7, 2018