さてひと段落ということで、昨年4月から取り組んでいた「蟲ソムリエ実験農園」のキャッサバ農場が完成しそうです。
ようやく2000本のキャッサバ植え終わったので褒めて欲しい。 #蟲ソムリエ実験農園 pic.twitter.com/e2VonXtmQV
— 蟲喰ロトワ 昆虫農家 蟲ソムリエ 6月からラオス (@Mushi_Kurotowa) 2019年2月17日
最初に始めたのは私の借家の庭。200本ほど植えたでしょうか。6月に始まった雨季ですべて水没して枯死。
昨年4月に庭に植えたキャッサバ。雨季に入って6月12日にラオスに戻ったら水没して枯れる。このときキャッサバは水没に弱いと学習。 pic.twitter.com/e0YyVbn7vY
— 蟲喰ロトワ 昆虫農家 蟲ソムリエ 6月からラオス (@Mushi_Kurotowa) 2019年2月18日
かなしいので街から30kmほど離れた場所の大規模キャッサバ畑をノンアポで突撃して、見学させてもらうことに。傾斜地に生え揃ったキャッサバたち。美しい。すべてデンプン加工用に来年5月に芋を干してタイかベトナムに輸出するとのこと。
キャッサバ畑。茎を植えて2ヶ月でこれだそうな。すごい植物。 pic.twitter.com/RZNdkYbkvo
— 蟲喰ロトワ 昆虫農家 蟲ソムリエ 6月からラオス (@Mushi_Kurotowa) 2018年8月3日
ご近所に高台の農地を借りることができたのでスタート。最初は「キャッサバなんて枝切って刺しときゃ勝手に増える」とのラオス人の言葉を信じてそれをやってみる。どうにも成長が遅い。先のキャッサバ畑のよりずいぶんと成長が進まない。葉っぱが黄色くなっていく。ふとみると、キャッサバの枝の中身が空洞になり、泥が詰まっている。シロアリだ!
キャッサバの苗の成長が遅いと困っていたら中にシロアリが。おまえらか!芯が完全に土団子に置換されていてこりゃ育たんわと。ラオスでは普通なんですって。 pic.twitter.com/9qgofitqeS
— 蟲喰ロトワ 昆虫農家 蟲ソムリエ 6月からラオス (@Mushi_Kurotowa) 2018年10月4日
なんということでしょう。キャッサバはもうシロアリの住処になっていたのです。劇的アフター。
気を取り直して除草してから植える。これにより雑草と競合しないので少しは早く育つだろう。すると、なんということでしょう。近所のニワトリがつっつきに来るではありませんか!キャッサバは葉に毒を持つので害虫がほとんどいない、といいつつこちらではサラダがわりに葉を食べる人もいれば、このように食いに来る近所のニワトリがいる。フェンスを作ろう。
ご近所のニワトリが苗をつつきにくるので対策をしないといけない。
— 蟲喰ロトワ 昆虫農家 蟲ソムリエ 6月からラオス (@Mushi_Kurotowa) 2018年11月22日
ところかわれば予想外の問題がおきるものだ。
そして草を取り、穴を開け、別の場所で発根させておいたキャッサバの枝を刺す方法でとりあえず600本。それでもまだ効率が低いのと、耕運機を入れずに穴を掘るのがなかなか辛い。乾季に入ってしまったので土は日に日に硬く固まり、そしてラオスで手に入る鍬は品質が低い。
土かたい。 pic.twitter.com/Tkq93NIYuh
— 蟲喰ロトワ 昆虫農家 蟲ソムリエ 6月からラオス (@Mushi_Kurotowa) 2019年2月15日
もうこの農具は買わない。 pic.twitter.com/eyQtEcLYwi
— 蟲喰ロトワ 昆虫農家 蟲ソムリエ 6月からラオス (@Mushi_Kurotowa) 2018年4月11日
もう怒ったぞ。ということでついに耕運機を招集。こちらの耕運機は日本の回転刃のついたチゼルプラウというものではなくて、ディスクプラウという効率が低い代わりに固い土もしっかり起こせるタイプ。反転させてふわふわになった土はなんとも穴が掘りやすいこと。
そしてエリサンは発根を促してから植えることに。直植えだと枝で待機する時間が長いので、そこをシロアリにやられる可能性が高くなってしまうのでスピーディーに。
キャッサバをモヤシにしてから植える方法を試している。 pic.twitter.com/etmANNAukr
— 蟲喰ロトワ 昆虫農家 蟲ソムリエ 6月からラオス (@Mushi_Kurotowa) 2018年10月16日
拡大はしなかったけどコナカイガラムシの発生も。これは怖い。昆虫用途だと殺虫剤が使えないので、疾病対策にも生産拠点は分散させておきたいものです。
キャッサバについたコナカイガラムシ。舌に触れるとすっと甘く、あとから植物系の少しの渋みと青くささが感じられるがよわい。食感もいいが、キャッサバにとっては困り者の害虫。エリサンの餌なので殺虫剤も使えない。増えないことを願う。 pic.twitter.com/ACJmkw1x9h
— 蟲喰ロトワ 昆虫農家 蟲ソムリエ 6月からラオス (@Mushi_Kurotowa) 2018年12月15日
現段階では根出しをしたキャッサバの枝を耕起した後に掘った穴にエリサンのフンかゾウムシのフンと一緒に埋めるメソッドを採用予定。これも水だけのものを対照実験として実験しております。しばらく育ったら最も長い新芽の長さあたりで効果を比較しようかと思います。そして2000本、理論的には月産1000頭前後のエリサン、ゾウムシを養殖できるはず。これもデータを取ります。これによって村にどの程度キャッサバを植えれば、自給的に昆虫養殖が可能になるか、示すことができるでしょう。
あー疲れた。腰が、腰が辛い。
この作業はラオス人スタッフと二人での作業だったので暑い日に耐え、よく頑張ったと誰かに褒めて欲しくなってブログにしました。村に導入しているゾウムシ養殖は、他から購入したキャッサバを使っているので、これから自給できるよう村の農地を順次整えていく予定です。