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冬になると
昆虫はぐっと減ってしまいますが
皆死んでしまったわけではありません。
どんな昆虫も何らかの方法で越冬しています。
成虫越冬するツチイナゴやクビキリギス
卵越冬するカマキリなどなど
そして
朽木の中で
幼虫越冬しているのが今回のターゲット達です。
白っぽく朽ちたクヌギを手で割ると、
中から越冬中の幼虫が出てきます。
ユミアシゴミムシダマシ Promethis valgipes

ゴミムシダマシといえば
メジャーな食用昆虫「ジャイアントミールワーム」もこの一種です。
成虫ではキマワリもゴミムシダマシ科でした。
名前が似ていますが、
「ゴミムシ」とは異なる科なので注意が必要です。
このユミアシゴミムシダマシは
クワガタと一緒にいるのをよく発見されるそうです。
「同じ食性の違う種」の比較が楽しめそうですね。
いつものように塩ゆでしてポン酢で頂きます。
味見
芳しい木の香り。鼻に抜ける香りの強さもよい。
やや土臭さがあるものの、茹ででこの程度なので全く問題なし。
内部は水っぽく、すぐに殻だけになってしまい少々味気ないが臭みがなく良い味。
もしかしたら越冬虫は「ニオイ」による哺乳類の探索を避けるために
昆虫らしい臭みを隠しているのかも。要検討。
続いてコクワガタ Dorcus rectus

パエリアの製作時に成虫を二度揚げして食べたのですが
外皮が硬くて苦労しました。
今回は柔らかい幼虫。揚げると風味がよく美味しいのですが
茹でたらどうでしょうか。
味見
内部はほとんど液状。やや土臭いが旨味がある。シラカバ樹液のような味。
キノコ系の収斂味もあるのでカミキリに比べるとあまり美味しくない。
外皮は柔らかく口に残らない。頭部のカリッとした食感がアクセントに。
朽木の幼虫では
予想に反しコクワガタよりもユミアシゴミムシダマシの方が美味しい結果となりました。
冬の昆虫もなかなか奥が深いですね。

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冬の雑木林を歩いていると
数枚の枯葉が
糸で紡がれぶら下がっていました。
なにか鱗翅目の繭だろうと思い
そっと中を見てみると。
レッド数の子!

調べた所、ジョロウグモの卵塊だそうです。

卵塊の周りはこんな感じ。
ジョロウグモ
以前に味見しましたが、枝豆のような風味のある味の良い虫で
秋の産卵直前がとても美味しいと紹介しました。
この卵ですので味に期待が持てます。
おせつ料理でも挑戦したバッタ数の子ですが、
予想に反して味がいまひとつだったので
冬にとれる貴重な食材として注目です。
味見:塩ゆですると赤から濃いオレンジに。ブラッドオレンジのような配色。
濃厚なチーズの香りをまとった数の子の食感+たらこの濃い味。
これは冬の珍味ですね。とても美味しいです。醤油とみりんに漬け込んでご飯に載せたい味。
貴重な冬の味覚ですが、
イクラの色と数の子の食感を持つ素晴らしい食材です。
以前に味見した「白キャビア」ともいえるジグモの卵も大変美味しかったので
「蜘蛛の卵にハズレなし!」と(今のところ)いえそうですね。
クモは基本的に肉食なので、
食料生産の観点から見るとややコストの大きい食料源です。
しかも卵塊を丸ごと食べてしまうと多くの個体数を殺してしまうことになります。
なので
この情報によって食べたくなった方は、
できればお腹いっぱい食べるのではなく、
嗜好品。味見程度におさえていただければと思います。
いやーしかし美味かった! 久々の大ヒットでした。