セミ会とはなんぞや!?
先週twitterを賑わせ、某大手新聞の記事にもなった「セミ会」
正式名称「セミを食べる会」は昆虫料理研究家、内山昭一さんによって2005年から始められた夏の恒例イベントです。夕方に集合した参加者は、虫取り網を持って成虫を捕獲し、
日没前後には羽化のため登ってくる幼虫を捕獲します。
とれたて新鮮のセミはその日のうちに調理され、参加者の胃袋に収まるのです。
セミって食べていいんですか?
セミを食べる文化は世界各地にあり、日本でも沖縄の一部地域で郷土料理として食べられていました。
台湾ではコオロギやハチノコ、バッタと同様に食材として現在も食べられています。アメリカではジュウシチネンゼミの大発生(文字通り十七年に一度)ではセミ料理のレシピが出回り、家庭で食べられるそうです。
カラスやイヌネコも大好きで、「ネコがセミを食べてしまったのですが大丈夫ですか」との問い合わせも内山さんのもとには届くそうですが、彼らにも
問題はないようです。
セミを食べてみたい!
セミを食べる方法として上記の「セミ会」に参加する方法があります。
今年は7月28日、8月4日、11日に開催されますがセミは日本全国どこでもいるもの。
わざわざ食べに行かなくても、自宅で、仲間でセミ会はできるのです。
「自分でセミ会」のガイドライン
1,食材探し
セミはどこに居るのでしょうか
まず
セミの声のする方に行ってください。
公園が望ましいでしょう。
里山にもいますが、傾斜地で足場が悪いのと、比較的高い所にとまっているので
公園での捕獲をオススメします。
できるだけ長い虫取り網で木にとまる成虫を採りましょう
成虫も美味しいのですが、セミ会の醍醐味は
やはり羽化のため土中から出てくる幼虫です。
日没前後、18時半から19時半の間に
幼虫は一気に木を駆け上がります。
深夜や早朝に出ると思われている方が多いのですが、
これらの時間帯に出てくるのはごく一部で、
日没のラッシュに捕まえるのが一番効率的です。
さて、
セミが木を登る速度はどのくらいでしょうか
動画をご覧ください。一分の動画です。
結構速いです
画面の両端は32cmですので分速32cm。
つまり、10分見逃したときには、
セミは3mも登ってしまっているのです。
むしとり網がせいぜい2mであること、
また、見やすい樹の幹の部分が大抵2m~3m以下の部分であることを考えると
セミが取りやすい場所にとどまってくれているのは「10分」であるといえます。
また、
セミのよくでる木、というのはけっこう固定されていて、
一度セミを見つけた木に目星をつけ、10分後にまた見に来ると
同じように何匹もセミを捕まえることができます。
このような木の見分け方は、セミの抜け殻の数でわかります。
木を見上げて、鈴なりの抜け殻がある木は「当たり」ですので
日没前にかならず見るようにしましょう
ということで
先ほどのピーク時間帯と、インターバル10分を
組み合わせると次のようなスケジュールになります。
2,セミ会のスケジューリング
17時半集合;成虫セミ取り
この間に抜け殻を取り除いておきます。
生きた幼虫との見間違いを防ぎ、効率的に捕獲できるようになります。
この時、
抜け殻が大量にある「当たり」の木に目星をつけ、
10分以内に回る300m程度の周回コースを考えておきます。
18時半 幼虫採り開始
「当たり」の木を中心に、懐中電灯で樹の幹3m以下の部分を照らしながら、
手で捕獲していきます。一本の木にかける時間は10秒以内が望ましいでしょう。
セミのいる木は10分後にはまた居る可能性が高いので、必ず覚えておきましょう
「10分の周回コース」によりセミの居る木に10分以内に再訪できます。
このインターバルを6回繰り返す「だけ」で、
だれでも簡単にたっぷりのセミが取れるのです。
3,料理方法
さて、いよいよ料理に入ります。
セミは昆虫の中でもかなり美味しく、様々な料理法で食べることができます。
セミをはじめ昆虫は
ヒトと共通に感染する微生物、ウイルス、寄生虫の類について
ほとんど調べられておりませんので、念のためきっちり加熱しておきましょう。
セミ会では捕獲終了が19時半と比較的遅いので、手軽に食べられる
揚げ、天ぷら、唐揚げ、燻製の4種の加熱調理を行なっています。
3,場所決め
捕獲場所と、そこから比較的近い調理場所の確保が必要となります。
どなたかの自宅で行う場合、家主と同居人の許可を
くれぐれも、くれぐれも
しっかりとりましょう。
こっそり行なって
脚が排水口ネットに残っていた時の言い訳は存在しません。
サプライズでセミを持ち込む場合も
サプライズがすぎる場合が多く見受けられますので
事前の了解は必須です。
4,仲間さがし
食べてくれる仲間がいるとセミ会は大いに盛り上がります。
私見ですが、
比較的女性の方が「食べてみたい」と好意的に受け入れるてくれるようです。
5,アレルギー
最後になりますが、アレルギー体質、
特に甲殻類アレルギーの方には
昆虫食はお勧めしません。
アレルギーのリスクはどの食材にも同等にあるのですが、
今まで食べたことのない食品には注意が必要です。
このガイドラインでセミを食べられた方が
アレルギーを発症されても
申し訳ありませんが責任はおえませんので
ご自分の判断でセミ会をお楽しみください。