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久しぶりの更新です。
秋の虫イベントに参加し、
虫の縁で様々な人に出会いました。
秋といえば、「バッタ会」です。
バッタ会のガイドラインを書こうかと思ったのですが
日本の主なバッタをきちんと食べて記事にしたか再確認したところ、
トノサマバッタ
ショウリョウバッタ

コバネイナゴ
ツチイナゴ
クルマバッタ、クルマバッタモドキ
ヌケがありましたので、「バッタコンプリート」
と題し味見をしていきたいと思います。
まず
オンブバッタ Atractomorpha lata
身近な種。ショウリョウバッタと間違われやすいですが、ハネがはえている成虫時に4cmぐらいであればオンブバッタ。10cmを超えるような大きなものはショウリョウバッタです。

ショウリョウバッタモドキ Gonista bicolor

こちらもわかりにくい名前。形としてはオンブバッタの方がショウリョウバッタに似ていると思う。
ススキによくいる細くて柔らかいバッタ。

長さはショウリョウバッタモドキの方が長いが、
ボリューム感は同じぐらい。
味見
オンブバッタ
ショウリョウバッタと似たほろ苦さがある。外皮も固めであまりバッタ内ではおいしくない。揚げれば美味しくいただけるのでご安心を。
ショウリョウバッタモドキ
ショウリョウバッタよりもやわらかく、食べやすい、草の香りが強く残っており、味の面ではショウリョウバッタとは似ていない。
味の面でもショウリョウバッタとオンブバッタの近似性がしめされたようです。
これにて
身近でたべごたえのあるバッタはコンプリートしたと思いますので、
秋のメインイベント。
「まだ間に合うバッタ会のガイドライン」を
この後、書こうかと思います。

1

9月の中頃、
3齢ぐらいのブドウスズメ Acosmeryx castaneaを食べ、
とても美味しかったので、終齢、もしくは前蛹が食べられないものかと
毎日ぶどう棚を見に行く日々が続きました。
食痕はすれど姿は見えず、
フンはあれど姿は見えず。
ようやく見つけた終齢幼虫を脱走させるという大失態もおかしました。

さて、
そんな困難もありつつ
先週、ようやくみつけ、
ぶどうのめぐみとかいうスキャナ写真を撮影し
かんぜんにうかれつつ、「前蛹」になるのを待ちます。。
時期が来ると
ぶどうの葉を食べなくなり、フンも小さく少なくなってきます。
ワンダリング、というサナギになる場所を求めて
地上をさまよう段階になります。
同時に、なぜか色が茶色くなります。

この色変化は葉の保護色である緑から地面の保護色である茶色に背景色が変わったためなのか、
それとも不要になった緑の色素を回収し、
サナギや成虫へのエネルギーにまわしているのか。
原因は不明ですが。はっきりと色が変わります。
面白い現象です。
プリンカップにティッシュを入れると、潜り、
周囲に繭のような荒い構造を作ります。

この時、幼虫は液状のフンを出して消化管内を空にし、
前後に縮んで外皮の弾力がなくなってきます。前蛹です。

この前蛹でしばらくすると、
脱皮し、サナギとなります。
ですが、この前蛹が大変美味しいのでこの段階で頂きます。
スズメガの大型の終齢幼虫は外皮がゴムのように弾力があり、
かみきれません。また、内部も液状で、水風船のような感じです。
味わいも薄く、食べにくいことから、
より美味しく食べるためには、
サナギか前蛹をオススメします。
逆に若い幼虫は柔らかく、そのまま茹でるだけで美味しく頂けます。
さて、
待望の前蛹いただきました。いつものように茹でポン酢。
サクッと歯切れよく、内部はほどよくまとまった絹ごし豆腐状態。葉の香りもの残っていて非常に美味しい。待ったかいがあった。
歯切れ、味、香り全てが完璧ではないかと。エビガラスズメ並の美味しさ。
ブドウは育てるだけでグリーンカーテン、実の収穫、更にはブドウスズメと、
恵みの多い作物だといえそうです。

以前に、スキャナで写真を撮ってみたところ、
結構面白いものができましたので、
第二弾。
今回はブドウスズメの幼虫。
立派な終齢幼虫を見つけました。
このあと前蛹になったら、味見をします。
これより小さい幼虫はとても美味しかったので、
終齢、前蛹も期待大であります。
ブドウを育てると、果実とブドウスズメがついてくる。
一石二鳥のすばらしい秋の味覚。
スキャナ写真第二弾「ぶどうのめぐみ」

完全変態昆虫は前蛹が美味い。
とおもいます。
今までにいろいろ前蛹を食べてきましたが、
エビガラスズメ
シャクガ、シンジュサン
コガタスズメバチ
クロホウジャク
おいしさのひみつとして以下の要素があります。
1,前蛹になると腸内の内容物を出しきる
2,外皮に弾力がなくなり、縮まって味が濃厚になる
3,サナギほどクチクラが固くなく、サクっとした食感になる。
今回は前蛹が3種同時に食べ比べることで、
種ごとの違いを見ようと思います。

まず何度も食べているエビガラスズメ Agrius convolvuli

爽やかなイモ葉の香り、コク、うまみがよく調和していて美味しい。大型幼虫のため、前蛹の外皮が固く、多少舌に残る。幼虫やサナギでも美味しくいただける。
セスジスズメ Theretra oldenlandiae

やはり食草であるヤブカラシの青臭さが強く残る。内部は前蛹でもかなり液状で、クリーム状のエビガラスズメとは大きく異る。外皮がサクサクと噛み切れるため、幼虫よりは食べやすい。
シロイチモンジヨトウ Spodoptera exigua

ヨトウガは今まで食べたことがなかったのですが、
イネ科の葉を食べているので味見することに。
イネワラ系の香ばしい香り。クセが全くなく、プチッと弾け肉質の味がひろがる。外皮もやわらかく食べやすい。
やはりセスジスズメは前蛹でも
美味しくないことがわかりました。
かなりたくさんいるのに残念。
一方ヨトウは意外とくせもなく、美味しく頂けました。
ヨトウはかなり広食性なので、養殖もラクにできそうです。

トノサマバッタは広食性の昆虫で、
主にイネ科の雑草を幅広く食べます。
イネ科の草の名前を知りたい場合、
オススメなのが
文一総合出版様の「イネ科ハンドブック」
イネ科雑草の見分け方や、
詳細なスキャナ写真と、野外での植生がわかる外観写真がありとても分かりやすい。
道端のイネっぽい雑草はたいてい載っています。
このハンドブックにも使われている「スキャナ写真」
イネ科の草本は一般的に細く、細かい構造をしているので、
写真を撮っても背景に邪魔されてみにくいのが難点です。
そこでスキャナでとりこむことで
押し花のように写すことが出来るのです。素晴らしい。
ということでやってみました。
複合機で撮ったものとスキャナ専用機との比較
(1200dpi)

やはり専用機は違います。焦点深度も深く、ブレや画像のカケがありません。
スキャナ写真 面白いなぁ。
芸術的な写真もあるとのこと。
ということで、
こんなのを作ってみました。
天高く、虫 肥ゆる 秋

私が所属している昆虫料理研究会では
10月13日 東京バッタ会
10月20日 つくばバッタ会
10月28日 高円寺フェス 虫屋台
11月23日 東京虫食いフェスティバルvol.5
阿佐ヶ谷 昆虫食のよるべ(月一回)
などなど、虫肥ゆる秋を満喫するべく、イベントが盛りだくさんです。
また、こちらも私が所属する
食用昆虫科学研究会では
11月10日、11日
サイエンスアゴラ
への出展が決定しております。
夜は涼しく、虫の音もよく聞こえるようになってまいりました。
虫肥ゆる秋を堪能してみてはいかがでしょうか。

アカスジキンカメムシPoecilocoris lewisi
大型の美しい種。

石目状のグリーンのメタリックに、つや消しの赤が隈取のように配置され、とても美しい。しかもあまり臭くない。死ぬとくすんだ黒っぽい色になってしまうのが残念。
以前に採集していた幼虫が室内飼育により越冬幼虫で止まらず、成虫になったので
味見することに。昆虫料理研究会では「美味しい」との評判だったので期待大。
味見
触っただけではあまり臭いは出さないのに、食べてみるとしっかりカメムシ味。パクチーとそっくり。他のカメムシ(ホソヘリカメムシ キバラヘリカメムシ)と違い、香り以外にうまみが感じられ、食材としてイケるかも。ただ私が、パクチーを含めカメムシ味が苦手なので、個人的には好きではない。
パクチー好きの方、タイ料理ができたのに肝心のパクチーが無い、とお困りの方、
アカスジキンカメムシで代用し、メタリックで豪華に仕上げてはいかがでしょうか。

ここではまだ取り上げていませんが、
アゲハチョウの幼虫は食草がミカンの葉であるので、
爽やかな柑橘の香りがします。
同様に、キアゲハはセリ科の葉を食べるので、
パセリのような香りがするのではないかと。
味見しました。
キアゲハ Papilio machaon

今回はニンジン畑から採集。作物を取ってくるわけには行かないので、
セロリの葉を一晩食べさせてあります。
味見。
ペースト状になったセロリの爽やかな香りを感じる。
身の旨みを感じるほど身のボリューム感はない。
外皮は柔らかく食べやすい。アゲハチョウ幼虫と同じ食感。
威嚇のニオイは茹でてしまうと感じなかった。
家庭菜園でも大事に育てたニンジンの葉をみんな食べてしまうキアゲハ。
こちらも安心安全な食材として楽しんでみてはいかがでしょうか

秋になり、バッタのシーズンになりました。
年1化のショウリョウバッタ、
年2化のトノサマバッタを始め
様々なバッタが繁殖と越冬の準備を始めています。
ということで
今回は 野外でも見間違いやすい3種
トノサマバッタ Locusta migratoria

クルマバッタ  Gastrimargus marmoratus

クルマバッタモドキ Oedaleus infernalis


以上 3種を食べ比べます。
以前食べたショウリョウバッタは 枯れ草の香りが強く、味の良さでいうとトノサマバッタに軍配が上がっていましたが、
今回はどうでしょうか
クルマバッタ
トノサマバッタにきわめて近い味。
香ばしさはやや少なく、穏やかな甘味があり、たべやすい。
クルマバッタモドキ
粒感が強い。うまみとトウモロコシ系のコクがあり、
さわやかな若草の味。香りも少ない。これはメスなので、性成熟した卵の味の可能性アリ。オス同士、メス同士で比較したい所。
いずれも美味しかったです。
これから10月はバッタが卵を抱え、
より美味しくなる時期です。
トノサマバッタ系3種、いずれも美味しいのでオススメです。
飛翔力が高いので、頑張ってもお腹いっぱいはとれませんが、
イナゴよりも美味しいとおもいます。ぜひお試しください。

先日twitterで「初めての昆虫を食べる時の恐怖感は一般の方と同程度です。美味しければ小躍りし、美味しくなければ挫けそうになることもあります。」
と呟きましたが。
実はその原因は先週から飼育しているこの子で。

ツマグロヒョウモン Argyreus hyperbius
wikipedhiaより。
「派手な体色は毒虫を思わせるが、突起で刺すこともなければ毒も持たない。」
…いや…アカン色とトゲでしょう。
まったく食欲をそそりませんが
それでも美味しかったシンジュサンの例もありますので、
ここは尻込みせずに食べたい所。
そうこうしているうちにサナギになり始めたので、
今日中に頂きます。
茹でてポン酢で。
見た目に反し結構イケる。ほうれん草の香りがし、微かな苦味がある。外皮の歯切れがよく、食べやすい。うまみとコクが感じられる。若干トゲが気になるので揚げるか串焼きにするとより食べやすいと思われる。
続いてサナギ

背中の突起がなぜかパールに輝くという謎の食欲そそらない仕様。
くじけません。
強く青臭い香り。そして苦味。ほうれん草の苦味に近い。内部は液状で脂質の味は感じられない。見た目通り余りおすすめできない。
ツマグロヒョウモンについては、見た目の最悪な幼虫は美味しく、
サナギは苦味が強まり美味しくないことが分かった。
つまり、「見た目と味に直接の相関はない」ことから、
これからも見た目に惑わされず新たな味覚を求め、
昆虫の味を見ていこうと決意を新たにしました。
ゆくゆくは見た目ではなく、味で勝負できる美味しい昆虫を
養殖し、ご家庭に普及できれば、とおもいます。

クヌギ林でも目立つ
美しいウグイス色の袋。
ウスタビガの繭です。
Rhodinia fugax

ヤママユガ科ということで、味に期待も高まります。

サクサンのバランスににたずんぐり体形。繭にくらべサナギの大きさが充実しているのも嬉しいところです。
茹でてポン酢で。
濃厚なクリーム状の柔らかさ。クセが殆ど無く香ばしい木の香り。良く熟れたアボカドを思わせる食味とコク。腹部が大きく小ぶりの繭でも十分に楽しめる。
他のサナギ同様外皮が固めなので取り除くか、破裂しないよう弱火でじっくり揚げていただきたい。