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タイトル通り、いろいろとビジネス的に注目されつつある、コオロギ食について整理してみませんか。という記事です。

というのも、
昆虫食ビジネスとしてのコオロギ食スタートアップが増えつつある中で、食糧問題や効率など、キャッチーなコピーが強調されていますが、そもそも学術的な議論はどこまで進んでいるのか、きちんと把握できていないまま書かれた記事も散見されるからです。

コオロギ食を取材して記事を書く方、これからコオロギ食スタートアップを展開したい方、そして
コオロギ食関連の研究を応援しようと考えている方などなど、参考にしていただければと思います。

せっかくの利点があるのにアピールしそこねたり、盛りすぎるあまり信頼性を失ったり、というリスクを回避してもらえればと思います。今後の昆虫食の将来性を見積もるにあたって、最もデータの集まっているコオロギはその基準となるでしょう。

2013年のFAO報告書で、その温室効果ガスの少なさ

An Exploration on Greenhouse Gas and Ammonia Production by Insect Species Suitable for Animal or Human Consumption(2010年論文

と、効率の高さ

Comparison of Diets for Mass-Rearing Acheta domesticus (Orthoptera: Gryllidae) as a Novelty Food, and Comparison of Food Conversion Efficiency with Values Reported for Livestock1991年論文

に注目が集まったコオロギ食。

あれから5年、その後の論文のやりとりはとてもエキサイティングでした。
この面白さが日本語で共有できていないのもなんなので、まとめてみようと思います。

今回は最新論文からさかのぼって紹介していく方式にします。

現段階においてコオロギ食に言えることは先にまとめますと

1,コオロギはニワトリと並ぶ高効率・低環境負荷の家畜になりうる。
2,産業的には、まだその段階に達していない。

そこから議論できることは、
3,産業的なコオロギ養殖技術を高めることがコオロギ食の環境負荷をニワトリよりも低くする大きなブレイクスルーになるだろう

蛇足にはなりますが、注意点として

4,残念ながら菜食との比較ができる段階にはない。
5,「全人類がコオロギを食べれば解決」みたいな雑な議論の段階にはない。

ので「言い過ぎ注意」です。

最新論文から参りましょう。1と2についてまとめます。

Afron Hallolanさんのこの

The impact of cricket farming on rural livelihoods, nutrition and the environment in Thailand and Kenya 博士学位論文

リサーチゲートでダウンロード可能なんですが、その中に論文が5つ含まれています。
ここから読み解いていきましょう。

論文リストはこちら。

Paper I – Halloran A., Vantomme P., Hanboonsong Y., Ekesi S. 2015. Regulating entomophagy: the challenge of addressing food security, nature conservation, and the erosion of traditional food culture, Food Security, 7 (3): 739-746.
Paper II – Halloran, A., Roos, N., Eilenberg, J., Cerutti, A., Bruun, S. 2016. Life cycle assessment of edible insects for food protein: A review. Agronomy for Sustainable Development, 36: 57.
Paper III – Halloran, A., Roos, N., Hanboonsong., Bruun, S. 2017. Life cycle assessment of cricket farming in north-eastern Thailand. Journal of Cleaner Production. 156: 83-94.
Paper IV – Halloran A., Roos N., Hanboonsong Y. 2017. Cricket farming as a livelihood strategy in Thailand. Geographical Journal, 183 (1): 112–124.
Paper V – Halloran, A., Oloo, J., Ochieng Konyole, S., Ayieko, M., Roos, N. Awareness and adoption of cricket farming in Kenya. Submitted to Rural Studies.

 

この1,2はレビュー、4はタイで、5はケニアでの実際の産業的養殖の報告なので、特に重要なのはPaper3です。

Paper3のいいところは、コオロギ食に対して厳密で、かつ批判的な2015年の論文

Crickets Are Not a Free Lunch: Protein Capture from Scalable Organic Side-Streams via High-Density Populations of Acheta domesticus

を引用しているところが学問的に誠実です。2015年論文の主な主張は
「ニワトリとコオロギのタンパク質転換効率はさほど差がない」ことです。
この論文についても私の大好きな論文なので、後の記事で解説します。

どうしてもビジネスとなると、いいところを伝え、弱いところはあえて強調しない、というのが一般的なマーケティングの作法になるので、学術論文レベルで誠実な批判のやりとりがあることが素晴らしいです。

逆に言うと、ビジネスでの限られた表現に対して、学術的な議論を仕掛けるのは野暮、ということも言えそうです。だからこそ、ビジネスとは少し距離をおくことができて、昆虫食に関わるすべての人が周りを気にせずガチで議論できる場を設けたい、というのが私のこれからの野望でもあります。

 

コオロギはニワトリと同じ飼料で育てられることから、コオロギとニワトリの比較は容易です。また家畜の環境負荷を比較するときに、ある一つの(有利な)一点で比較するのではなく、
ライフサイクル全体を総合的に診断しよう、という方法がとられています
「ライフサイクルアセスメント LCA」と呼ばれます。

ニワトリとブタのライフサイクルアセスメントについてはFAOが報告書を出しています。
http://www.fao.org/docrep/018/i3460e/i3460e00.htm

この中で、「GLEAM」というモデルが提示されています。

家畜の生産、というものは
肥料を投入して飼料を育て、家畜を育て、産物を出荷し堆肥を得て、そして飼料を育てるという半閉鎖系の循環といえます。

Greenhouse gas emissions from pig and chicken supply chains
より一部改変翻訳

つまり、2013年の段階で、コオロギの利点は効率と温室効果ガスの二点のみであって、ライフサイクルアセスメントによる総合的な評価が行われていないことが他の家畜との比較において不十分であったといえます。

例えて言うなら身長と体重だけを比べて、どちらが健康か判断するようなものです。健康の大きな要素ではありますが、ヌケモレのない調査とはいえないでしょう。

さて、Paper3について読んでみましょう。

全体的な環境負荷については、ブロイラーと現在のコオロギ養殖がだいたい同じくらいかややコオロギのほうが優勢。
そして研究室でのデータをもとにした「将来のコオロギ」という項目を使うと、死亡率が低く効率が高いのでブロイラーとよりも優勢な結果となりました。

この結果より、
1,コオロギはニワトリと並ぶ高効率・低環境負荷の家畜になりうる。
2,産業的には、まだその段階に達していない。

となりますので、

3,産業的なコオロギ養殖技術を高めることがコオロギ食の環境負荷をニワトリよりも低くする大きなブレイクスルーになるだろう。

というのが、これからコオロギ養殖ビジネスを始めるにあたって強力な根拠になると思われます。

4,残念ながら菜食との比較ができる段階にはない。

ところがこの論文においては、多くの環境負荷因子において、「エサの生産」が主なファクターとなったのです。
つまりトウモロコシ、大豆の生産が大きな環境負荷をもたらしており、それを食べさせる家畜をブロイラーからコオロギへと転換したところで、全体としてはあまり大きな変化ではないかもしれません。

そして、論理的菜食主義者の主張では「飼料用作物を人が食えばいい」というものがあります。
コオロギの口に入る時点で、人の食用に適した栄養バランスと栄養素をもっていますので、この論理に対して、
家畜はどうしても勝てません。

プロセスが増えるとどうしてもエントロピーは増大しますので、家畜を経由して人が食べるよりも、直接家畜飼料が食えれば測定するまでもなくそれは省エネです。

5,「全人類がコオロギを食べれば解決」みたいな雑な議論の段階にはない。

菜食主義主張は理論的には強力ですが、
実際問題として、飼料用作物を美味しく食べられるか。食用に転作してもきちんとその土地で育つか。
経済問題として食用作物の価格暴落を起こさなないか。など、「すべての人が菜食になれば世界は救われる」
というのは「すべての人が昆虫食になれば世界は救われる」と同じくらい雑な議論です。

結局の所、文化的なものも含めて、人類は文化的な食として昆虫食「も」取り入れ、最適化していくのだと思います。

データ上のチャンピオンを探す旅の終着点は、「すべての人がチャンピオン作物を食べるディストピア」ではなく

「様々な文化的な食の選択肢を選びつつ、持続可能性を高めていく社会」になると思われます。

その2では、2015年コオロギ・ニワトリ論文と
その3では 2010年温室効果ガスの紹介をしながら

コオロギの次の一手と、
コオロギ以外の「次世代昆虫食」としてどのようなものが考えられるか

解説していこうと思います。

ラオスの活動で必要になったので、TG-5を購入しました。

というのも水が多い、そして砂が多い。

粘土質のねっとりとした赤土は、乾季になると細かな粉末となって舞い上がります。

赤土の道路は砂をまきあげる

それまで長年つかってきたXZ-1、

これもCCD最後の世代で、レンズも明るく、
マクロもいい写りのするコンパクトカメラなんですが、いたるところが砂まみれになるので故障も間近と思い購入を決意。
これで砂まみれのカメラが洗えるようになりました。

海外に持っていくにあたって、TG-4との最大の変化は

「独自規格の変なコネクタが廃止されたこと」

これは快挙です。海外でケーブルを節約できます。USB-miniB規格になりました。

そしてパンフォーカスマクロ魚眼をためしてみたくて、魚露目を購入しました。

アダプターが必要です。

そして、接写するとストロボが偏ってしまうので、FD-1も購入しました。

さて、この魚露目のためのアダプターと、FD-1はどちらも同じ、レンズ周囲のアダプター用コネクタに装着されます。
なので排他的なのです。

ですが、魚露目は光量がないと写りがいまひとつなのと、FD-1と併用できればいいなと。

写真家の海野和男さんが、こんな投稿をしておりました。

アサマシジミをTG-4に魚露目を付けて撮影。FD-1も同時に使えるように改造した。魚眼レンズよりも手軽であるが、魚露目だとやはり画質はそれほど良くない

むむ。同時に使う方法があるのか。それはやってみたい。

構造上、魚露目の光軸がズレるのは避けたいので、多少ずれても良いと思われるFD-1を重ね付けする方法はないものか。

ということでゲタをはかせてみました。材料は加熱してやわらかくなる「自由自在ボード」というやつ。

魚露目8号 FD-1なし

魚露目8号 FD-1あり
アタッチメントなし

FD-1のみ

FD-1による光の回り込みが、うまいこと魚露目でも効いていることがわかる。

んで魚露目のパンフォーカス魚眼マクロというなんとも奇妙な特性がよくわかりますね。

ということで前回の4月ラオス滞在に持っていったんですが、

わずか一週間で、このムービーをとったあとに落とす、という失態。

もう一度購入し、また持っていくことにします。

まずは予告編をごらんください。

iTunesで1000円で購入できます。

ラオス行きのiPadにダウンロードしておいたんですが、結局見れたのは帰りの飛行機の中でした。

いやー、いいドキュメンタリー映画です。
... "昆虫食ドキュメンタリー映画「Bugs」を見ました。" を続けて読む

昨年2017年より、特定非営利活動法人ISAPHから専門家短期派遣という形で「ラオスにおける昆虫食を含めた栄養改善事業」のお手伝いをしています。そして今年6月から、長期の10ヶ月での活動ができることになりました。

ISAPH公式には以下の記事が公開されていますが、
http://isaph.jp/activities/2017/180221_01.html

http://isaph.jp/activities/2017/170908_01.html

助成金をいただいたAINからも動画が公開されています。

「そもそもなぜラオスに行くことにしたのか」

について、ここで説明をしておきます。
ISAPHからお声掛けいただいた、というのもその理由なのですが、私の興味関心、および使命感もあります。

ラオスの市場。ここに養殖昆虫が並ぶ日も近いかも。

... "私がラオスに行く理由" を続けて読む

「Asian Art Award 2018 supported by Warehouse TERRADA – ファイナリスト展」
にて展示されていた
AKI INOMATA 「やどかりに「やど」をわたしてみる」 シリーズを見てきました。

AKI INOMATA 「やどかりに「やど」をわたしてみる」より 

ファイナリスト展ということで、他の作者の作品も展示されていたのですが
私は芸術鑑賞の訓練を受けていませんので、他の作品はさっぱりわかりませんでした。

この作品に関しても芸術の文脈ではなくて「生物を使った表現物」として観てきました。

論文、工芸、アートを問わず、生物をつかった表現物が好きです。

素材に使う、モチーフに使う、モデルに使う、なんでもいいですが、表現物の中に生物特有のめんどくささにとことん向き合った形跡があると、そそられるものがあります。生物学の訓練をうけたためか、生物を使った表現物においては「論文」至上主義なので、他の分野の表現物がその業界においてどんな文脈をもつか、についてはあまり愛着はないです。

この作品が気になったのは2017年頃でした。

ヤドカリに人工の宿を渡す、というアイデアは調べてみるとわりとあって
吹きガラスによる宿の作成がありました。
Robert DuGrenierさんは2014年で「15年つくっている」とのことでしたので2000年あたりから作っているようです。
http://www.glassshell.com/Site_3/About_Artist.html
こちらは吹きガラスによる貝を作成し、オカヤドカリに与えたものでした。

続いてAki Inomata さんのオカヤドカリへの宿の提供をした作品が2008年。
http://www.aki-inomata.com/works/hermit_2009/

更に2016年、今回展示された海水性のオニヤドカリへの宿の提供をしています。
http://www.aki-inomata.com/works/hermit_sea/

陸上よりも水中のほうが重さの制約が少なく、水の屈折率も貝の材料となっているポリマーと近いため、透明感の高い仕上がりになります。

ガラス細工については以前にガラス昆虫作家さんに聞いたところ、大型作品になるほど溶けたガラスの温度管理が難しくなるとのことでした。また、AKI INOMATA作品では、なめらかな貝の内部も再現するために、CTスキャンによる貝の3Dモデリングもやっています。内側と外側の曲線をそれぞれに独立してデザイン、出力できるのは3Dプリンタの利点です。

AKI INOMATA 作品より

AKI INOMATA 作品より
AKI INOMATA 作品より

AKI INOMATA 作品より

さて、ガラスから3Dプリンタへの道具の変遷によって、新たな「宿」を手に入れたヤドカリ。
通常の貝殻である炭酸カルシウムよりも軽く、強く、そして大きい宿を手に入れることも可能になったのです。
そこから何ができるか。期待したいのは「巨大化」ですよね。

つまり、偶発的にプラスチック製品がが海に流出することで、オカヤドカリが巨大化して、宿を捨てることで巨大化したヤシガニのような未来が待っているのです。

もう一点、タコをアンモナイトに見立てた殻に入れる、という動画作品がありました。
この作品をさらに動画撮影するの禁止なのですが、この作品、Twitterで見かけた時は、タコが水中の宙空の「タコツボ」に入るものかと懐疑的でした。
動画作品を観賞することで、そのナゾが解けました。映像がゆらいでいたのです。

AKI INOMATA 作品より
AKI INOMATA 作品より

おそらくこの作品は水槽の上から撮影されたもので、このアンモナイトの殻は水槽の底部に設置されたもののようです。そしてこの動画作品がタコがツボに入りかけているところからスタートしているのもすごく苦労したんだろうなと感じました。
こういった「表現物の中に生物特有のめんどくささにとことん向き合った形跡がある」というのは私の大好物です。
一般的な芸術鑑賞の方法ではないですが、ひとつの楽しみ方としてオススメしておきます。

AKI INOMATA 作品より
AKI INOMATA 作品より

DiEGO表参道にて行われていた青沼優介氏の個展「Poetic Structure/息を建てる」のレポートです。

Twitterで見かけて
「タンポポの綿毛をアクリル板に植え込んだもの」との説明に、一瞬納得しかけたものの、どこか気になるところがあって3月23日に実物を見に行きました。私は芸術鑑賞の訓練を受けたことはないので、あくまで「生物を素材に使った表現物」を観に行ったというものです。批評といえるレベルではありません。感想です。

この作品は「見立て」が秀逸で、作者はこれを「建築物だ」といいます。まったく理解できないんですが、実物を見るとあぁそのとおりだと感じられます。すでに「知って」いたことに気づくという感じでしょうか。

建築物の基本的な構造として「ラーメン構造」というのがあります。垂直な柱を2本、水平な梁を一本剛接合した強固な構造で、この基本構造のくりかえしによって大きな建築物を作ることが出来ます。

RahmenKouzou 01

氏の作品はまさにこれを見立てていると思います。「ラーメン構造が水平方向に荷重を受けたときの変形」を「息」によって体感できるのです。

RahmenKouzou 03

誰もが綿毛にをふうっと吹き飛ばす経験をしたことがあると思います。そのときの抵抗、曲がり、そして一番弱い根本が座屈して構造が崩壊していくまで、まさに建築における応力の基礎を体感していた、ということを改めて教えてくれます。この作品はその「綿毛」という誰もが感じたその物性を幾何学的に並べ直し、垂直水平をとり、建築模型のサイズ感で見立てることでいろんなおもしろい感覚を引き起こしてくれました。植物の配列と角度を整える、といういみで、原初的な生け花のような感じもあるなと思っていたら、生け花雑誌に特集を組まれたとのことです。

やはり比喩を含む「見立て」は生物を理解し、表現する上でとても重要なスキルで、かつセンスですので、すぐれた見立てをするヒトは様々な分野に点在していて、その分野間を跳躍するパワーを持っていると思います。こういう分野外の生物表現を体感することで、昆虫食にもなにかフィードバックが得られたらいいなと思いつつ、楽しみました。

これは私が撮影した普通のタンポポ。
青沼優介「息を建てる」より
青沼優介「息を建てる」より
青沼優介「息を建てる」より
青沼優介「息を建てる」より
青沼優介「息を建てる」より
青沼優介「息を建てる」より
青沼優介「息を建てる」より
青沼優介「息を建てる」より
青沼優介「息を建てる」より
青沼優介「息を建てる」より

さて、VTRで見えていた料理、もうひとつは

「こぶみかんの葉炒め4種」です。

こぶみかんの葉炒め4種

昨年8月に訪問した段階で、ラオス人スタッフからこんなことを言われていました。

「コオロギは消化管を抜いたほうがキレイになる。キレイにしていないものは食べたくない」

衛生観念ともいえますし、調理の美味しさ追求とも言えます。

その時使ったのはタイワンオオコオロギ。

腹部の先端からちぎるように消化管を抜いてあり、それによってコオロギやゴキブリに特有の集合フェロモンの匂いがなくなっていたように感じました。といっても比較対象は茹でたもの。

Brachytrupes portentosus
Brachytrupes portentosus

そして私の独断でモノを言うのはよろしくないので、研究会の皆さんにも味見をしてもらいました。

「消化管をぬいた炒めものはおいしくなるか」です。

タイワンオオコオロギは手に入らなかったので、小さいヨーロッパイエコオロギと、我が家の生ゴミ処理を担当してくれているデュビアを使いました。

左半分が消化管ぬき、右半分は消化管そのままです。

イエコオロギの場合、消化管を抜く作業のせいで、噛んだときの腹部の破裂感がなくなってしまい、香りもコオロギらしさが抜けてしまったように感じました。

デュビアの場合、消化管を抜くと中に味が染み込みやすく、抜かないことで少しゴキブリ臭が残ってしまうかと思ったのですが、さほどでもないです。

参加者の反応は見事にバラバラで、消化管を抜いたからといって必ずしも美味しいわけではなく、かつ感じ方に個人差があるようでした。消化管を抜いたことでコクや風味が失われた、という人もいましたし、抜くことで味がしみて食べやすくなった、と言う方もいました。なのでこのラオスのコオロギ調理が、必ずしも「おいしくする」というわけではなく、衛生観念も含めた文化的理由の大きいものである、としか言えないようです。

ともあれ、もう一つの目的「こぶみかんの葉が昆虫炒めものにめっちゃ合う」ということは同意してもらえました。

コブミカンは普通の柑橘の葉よりも香りが強く、苦味が少ないのが特徴です。高温の油でさっと揚げて、昆虫と野菜を炒めた後に最後に混ぜ合わせて仕上げます。カリッカリのコブミカンの葉と、少し弾力の残る昆虫の食感のコントラストが絶妙で、かつ柑橘の香りがふわっとひろがり、なんとも至福のとりあわせです。コブミカンの葉は冷凍もいけるようなので、常備しておくとよさそうです。

残念ながら日本での露地栽培では越冬が難しいようです。冬場は室内での越冬が必要とのこと。
ラオスでは庭にレモングラスとコブミカンが適当に生えていて、炒めものをつくるときに適当にちぎってもってきます。
なんだかゆるくて、とても贅沢に感じました。

ごちそうさまでした。

ラオス定食 木の器が昆虫料理にとてもよく合うことがわかってきました。 

みなさま、ラオスから帰ってきました。

さっそくですが、こちらの番組に出演することになりました。

30日にラオスから成田に帰ってから、家に2時間で準備し、移動、アジアスーパーストアで購入、
そして内山さんの家で作って収録と、慌ただしい日本帰国となりました。

テレビは苦手なので、今までテレビ慣れしている内山さんやギリコさんに何度も丸投げをして、私は裏方に徹していたんですが
ラオス案件はもっと支援を集めるべきなので、これからは露出を頑張ろうと思います。

どうぞご覧ください。

さて、放送されたので追記しておきます。時間の制約があったのと、出演者のみなさんの反応次第で番組は大きく変わるので
放送に乗らなかった部分を補足しておきます。

... "ラオスから帰ってきました。アベマプライムに出演しました。(放送後追記)前編" を続けて読む

1

ラオスに来ています。
3月には日本で、外来種であるフェモラータオオモモブトハムシを食べる会を開催していました。
そして4月、こちらのプログラムでラオスに来ているんですが、新拠点を借りたその敷地内で、出会いがありました。

このプログラムでは、ラオスの住民の栄養に寄与できる実践的な農業を現場で技術開発し、実装していくことを目標としています。
住民が季節性の昆虫を「採って食べる」ことは私が参加する以前から分かっていたことで、それを少ない労力、力の弱い住民でもできて、そして不足しがちなタンパク質を補給できる新家畜候補として昆虫に着目しています。

はじめから昆虫ありきではなく、「昆虫も含めた」農業の実装を目指しています。
外来種を食べる意義でも触れましたように、フェモラータオオモモブトハムシはクズを食べて成長するため養殖が容易と考えられます。

外来種を養殖するか、全滅させるか、というのは侵入した地域におけるシビアな問題になるので、あくまで思考実験として「養殖化」を提案しましたが
ここラオスでは在来種として、このハムシが生息している「らしい」との話を、文献で知っていました。

ラオスではタンパク質が不足しがちであるものの、大豆を食べる習慣は少なく、雨季は水が多すぎ、乾季は少なすぎてなかなか大豆の作付けが難しい地域です。大豆などのマメ科は窒素固定をして土を豊かにするので、自給的で肥料や農薬を買うお金のない住民にとっては、魅力的な機能です。一方で、木質化して明らかに一年以上、つまり雨季も乾季も乗り越えたマメ科の雑草がいたるところにいます。つまり、「大豆がなければ別のマメ科の植物体を虫に食べさせてそれを食べればいいじゃない」ということです。

12月のセミナーで、ハムシを食べる、という人が半分ぐらいいたのを確認しましたので、大豆よりも有望な食料資源だろうとは思っていました。ところが、クズが見当たらない。うーん。どこにあるんだろうと2日ほど時間を見つけて探したものの、繁茂している様子はありませんでした。

それとは別に、新拠点を借りようといくつかの物件を下見をしていて、敷地が広く、簡単な農業実験もできそうな庭もある物件に決めました。
そしてそこの生け垣を整備していたら、ついに。

Sagra femorata Laos
Sagra femorata Laos

 

 

キター! !!!!

Sagra femorata Laos
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Sagra femorata Laos
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いくつもいた!

Sagra femorata Laos
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Sagra femorata Laos
Sagra femorata Laos
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脱出済みのもいた。

Sagra femorata Laos

 

集めた虫こぶたち。

Sagra femorata Laos

 

 

45頭とれました。

Sagra femorata Laos

 

 

グリーンも。

Sagra femorata Laos
Sagra femorata Laos

 

 

さて、不思議なのはこの虫こぶの植物がクズではなく、すでに枯れていて、植物の種類が特定できなかったこと。そして今の時期でてくるということは、宿主である茎と、成虫が食べる葉が一致しない可能性があるということです。宿主となるには、ツル性であることが条件になりそうです。というのも、ツル性で虫こぶができるタイプで、かつそれほど木質化が進んでいない部位でないと、脱出が不可能になると考えられます。三重でみつけたこの大きな虫こぶも、

巨大むしこぶ。マンションのようだがほとんどおらず。

たくさんいそうですがむしろ少なく、古い脱出跡しか見られませんでした。そして、いずれの虫こぶも完全に埋まっているのではなく、繭を破れば脱出可能な「窓」がついています。なので、成虫が食べるものの、茎は利用しない「餌用のマメ科」と、茎を利用する「宿用のマメ科」があると思われます。

ちょうど45頭見つけましたので、いくつかのマメ科を与えて比較をしてみようと思います。

あ、忘れるところだった。味見。味見が大事です。茹でて味見します。

茹でるための便利グッズとして、これを使いました。これで電気さえあればどこでも茹でられる。
カセットコンロなど可燃物を使った加熱装置は飛行機での移動などでかなりめんどくさいことになります。少し重いですが、成田で買いました。

Sagra femorata


意外と、強めの苦味がある。三重のはなかったのに。

成虫になってから摂食はしていないので、おそらく宿主となった植物の防御物質だろう。意外だった。
カリカリと砕けていく外皮は口に残らずクリスピーな食感。クリーミーな味もあるので苦味だけどうにかできればよさそう。

Sagra femorata


体が小ぶりな分苦味も少ないが、やはり苦い。熱帯のマメ科はみんな苦いのか。クズを食べさせてリベンジしておきたい。
そして幼虫の味見もそのうち。

ラオスに来ています。昨年8月、12月、そして今年4月と来ることができました。

私が何をしているのか、というと、プロジェクトのボスが私ではないので、公開情報をもとに理解してください。

NPO法人ISAPHのサポートメンバーとして、栄養改善プロジェクトの昆虫食の部分を担当しています。

ひとまずは今週は関係各所にご挨拶に行く予定です。

ラオスの時差は日本と1時間で、時差ボケもなく快適ですが、飛行機で寝たのであんまり眠くないです。今回T-weyという韓国のLCCを使ったんですが、騒音防止のノイズキャンセリング・ヘッドホンを使用して寝るとすごくよかったです。最新型はbluetooth無線で35時間という長旅にも対応できるすごいヘッドホンです。

聴覚にストレスをお持ちの方にもいいらしい、とTwitterで見かけて導入を決めました。


ビエンチャン空港


ソウル仁川国際空港でのうどん。


ビエンチャンの空港ではゾウとカメを守ろうキャンペーンの立て看板がありました。野生生物と資本主義を組み合わせて市場に丸投げすると、持続可能な利用を成功させるのは難しいです。ファームを作って完全養殖に成功して、野生動物採集が「割に合わない」ようにしてからじゃないでしょうか。これは昆虫にも言えると思います。