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第二弾です。主役はトラクター。すごい。

こちらは第一弾
そして今回公開された第二弾

今回の1月から5月までの取り組みは、雨季が迫っていることもあり、キャッサバの植え付け栽培を優先しました。

キャッサバはゾウムシ養殖の大切な基材であり、この村ではこれまでほとんど栽培されてこなかったバイオマスです。

また、雨季になると稲作のための準備が始まり、6月からは学校も休みになって全村、全家庭が7月までに田植えを完了させるべく、総力戦に入ります。それらをお邪魔することもできないので、5月までに植え付けを終えておきたかったのです。

それでも予約したトラクターの人が遥か遠くの村に出張してしまって戻れないので急遽変更したり、フェンスを作るための木材を予約したのに当日全部売れちゃったからもう在庫ない、と言われたりと、なかなかラオスの商習慣に合わせるのが難しかったのですが、優秀な若手スタッフのおかげと、農家さんのツテで色々と探してもらい、どうにか予定通り終えました。ひと段落。

こういった「順番」というのはどうしても人を見ながら決めなくては行けません。前回の動画でゾウムシ養殖を導入するときはキャッサバを街から持ち込んでいましたので、本来の「順番」からすると最初にキャッサバを育て、そしてその収穫を使ってゾウムシを育てる、という提案をしそうなものですが、今回は村人が実物を見て、昆虫が楽に育つこと、昆虫が美味しいこと、市場で高く売れることを実感した上でキャッサバの不足を考えられる「準備」が整ってから、農地の開墾を提案しました。

そういった現場レベルの判断を、昆虫の専門家がクイックにできるという意味でラオスという現場に入れてよかったと思います。

これが特定の昆虫ありき、研究ありき、順番ありきで大予算の暴力で村人に押し付けていたのでは、自発的に養殖を続けたり、養殖したものを売りにいったり、そしてキャッサバを植えるための農地を提供してくれたりはしなかったでしょう。ラオスの現場に来て、机上の空論だったものを地面にどっしり据え付けることの面白さを体感しています。おもしろいです。

2017年に開業した本格昆虫食レストラン、Insects in the backyard. 予想以上にすごいレストランだったので感想を書きます。単純に「高級料理に昆虫をのっけただけ」にならないようになっています。そしてシェフが英語をしゃべれる人だったのと、空いている時間帯だったので色々話すことができました。まずは外観から。

ちょうどシェフとお話できて、彼が英語も喋れ、タイの伝統的な食材を国際的にアップデートしなくてはいけない、ということ。そしてタイにまだまだいる農村部の貧困家庭を助ける方法として、昆虫養殖は正しい産業として成長すべきだろう、という壮大なビジョンを聞かせていただきました。

まずは初心者を逃さない。そして上級者をうならせる、という一見相反する目標を両立するためにかなり料理の試作を繰り返し、レシピをしっかり設計している様子が伺えました。すごい。しっかりお金をとり、昆虫料理が「仕方なく食べるもの」ではなくて「しっかりお金を出して買うもの」という方向性を目指した最も先進的なレストランであると言えます。オススメです。そのうちラオスで養殖した美味しいゾウムシを彼に仕入れてもらいたいなぁと。

おしゃれなHPもすごい。予約もネットから簡単にできます。バンコク郊外なんですが、バンコク中心部からタクシーで200バーツぐらいでいけました。

日本滞在時に取材を受けていたものが記事化されました。ヤフーニュースにも取り上げられたようで、なかなか広がりがあるようです。「昆虫食が世界を救う?」の「?」の部分に私の気持ちをくんでいただければと思います。

昆虫食が世界を救うなんて書いてないじゃないか!と思う方は、

詳しくは「昆虫食は未来の食糧問題を解決しない」をご覧下さい。

監修したと思ったらあっという間に発売されました。連載なしのいきなり単行本!

ムシグルメン !

こちらは私の著書ではなくて、昆虫食に関する部分を、昆虫食仲間のムシモアゼルギリコさんと一緒にヘルプする形で監修したわけです。私の著書ではないので無理して宣伝しても何か印税があるわけではないのです。

ですが、構想の初期段階からリサーチが徹底しており、これはおもしろい書籍になるぞと気づいて参加したところ、出来上がってみるとなんとも不思議で予想をはるかに上回る出来栄えの本だったので是非ともみなさんに読んで欲しい、と思って勝手に広報します。

主役となる漫画のテイストは往年のコロコロコミックのような趣を持つ、まっすぐアツくてある意味バカバカしい、王道の燃える展開の漫画です。子供にも楽しんでもらえるわかりやすい話だと思います。そして絵柄。マンガ家古本ゆうやさんの見事な手腕により、文字情報の脚本段階ではうーん?どうかな?と思っていた話の流れが、マンガになってしまうととってもいい感じの疾走感や納得感が生まれて、イリュージョンを見た気分でした。「メディア」そのものが持つパワーを感じました。メディアとしてのマンガのパワーはすごいですね。とはいえ、そのパワーに頼り切ってしまうのも監修者としてよくありません。納得させた気になり、見逃してしまいがちな無理のある論理や、文化や地域への偏見、差別になりかねないセンシティブな表現にはかなり慎重に表現を検討して、校正をお願いしました。

「世界虫食フェスティバル」の設定を作るために各国のキャラクターとその代表料理を考える!といった謎のクリエイティビティを発揮したのもいい思い出です。各国で活動する昆虫食有名人をこっそりモチーフにしたりもしていますので、元ネタになった人を探してみるのも楽しいと思います。

そしてコラムの量と質。ここに全てを注ぎ込みました。本編の漫画のテイストに比べるとこのコラムたちは硬派です。ガチでその昆虫の美味しさを引き出す料理レシピから、ここ数年に起こった昆虫食の最新情報までをきっちり更新して、参考文献リストも作れるぐらいにしっかり取材して作りました。かなりこの風味の違いに驚かれるとは思いますが、そのギャップがなんだかおもしろい雰囲気を生み出しているように見えます。

写真提供などでお世話になった「ざざむしの人」からこんな素晴らしいコメントもいただきました。ありがとうございます!

理と愛。大事ですね。

愛するからこそ理をかなぐりすてる、というメロドラマ的表現もありますが、愛するからこそ、理を詰める。そういった愛もあっていいと思います。

先のファクトフルネスを読みました でも書いたように、専門家と、非専門家がタッグを組むことで生まれる「新しい価値」を大事にしたいと、改めて思わせてくれる名著でした。私からのイチャモン、無理難題におつきあいいただき、大変ありがとうございました。

そして帯に注目! 昆虫を食べるにあたっての大事で簡単な心構えを書いています。これを読んだキッズの皆さん、自分のキッズ心を刺激されたかつてのキッズの皆さん、まずはこの心構えを読んで安全に注意をしてから、この本を読みきり、そして昆虫を改めて観察することで、どのような昆虫食の未来が見えてくるでしょうか。

昆虫食を始める前のはじめの一歩として、保護者の方にも安心してお勧めできる本になっていると思います。いい本を完成させてくださりありがとうございました!なんだかファンだか著者だかよくわからない言い方で申し訳ないですが、監修者の喜びを表現しています。ぜひ買ってください!

玉置標本さんにも写真提供で協力していただき、書評も書いていただきました。ありがとうございます!

日本からゲストが来ていたんです。彼らの希望で私が養殖したゾウムシを振る舞うことにしたんですが、あいにくの停電。乾季で電気の問題はあまりなかったのですが、雨季が近づくにつれてスコールが増えてくると、乾季の間に溜まっていたあれやこれやの電気的問題が噴出するイメージです。季節の変わり目の雨が降る日は停電に注意。

しかし、我が家のキッチンには炭火のコンロがついていたのだ。停電なんぞに負けるわけにはいかない。というかオーブントースターよりも炭火で焼いた方がどうやら美味しいぞ、ということも村での活動でわかってきました。前日にあるものを食べさせて、フン抜きをしておいたゾウムシを用意。

いつも使っている電気ポットも使えない。炭火をおこしたらまずは湯を沸かす。

手を入れて熱いぐらいのお湯をかけることで最後のフンがプリッとでることがわかったので毎回この方法を使っています。生きたまま竹に挟むと脱走する奴がいることもあって一旦殺してしまいます。

日本だとサラサラの塩を振るのもできるんですが、ラオスで売っている塩はザラザラしててこのまま振ったら塩辛いと言われてしまいました。なのでさきに塩水にしてからまぶすと良い。

さて、日本のゲストは美味しく食べてもらえました。作るたびに味が良くなっていきます。

このどんどん美味しくなる方法も活動から生まれてきたものです。さすがラオス人。美味しい方法をもっとずっと知っているので、勉強しようと思います。そして収入、最終的には栄養という形で還元できればようやく恩返しになるかなと。

寝苦しかったんです。先々週にエアコンが壊れまして、風は来てもその風は冷えず。部屋の温度が32度を切るのがだいたい12時ごろ。朝になると28℃ぐらいまで下がるので寝起きは快適なんですが、寝つきが悪い。

こういう時は庭をぐるっと回って虫を数えるといいんですね。ひつじより虫。

ところがその中に昨年食べたボクトウガ Xyleutes persona がいたんです。ツムギアリに襲われた状態で。このツムギアリは私が積極的に餌を与えて半養殖している巣の構成員なので、横取りするのは気が引けたんですが、ふと先日トムヤムクンを作ろうとスープの素を買ったので、ねれないので温かいスープを作ってしまおうかと。

さて、「クン」はエビのことですので、今回のこれはトムヤム節足動物、としましょうか。分類的にはとてもひろい。先日自転車を盗まれる原因となったチャグロサソリを入れて、蛍光灯に集まっていたセミも入れちゃいましょう。

ウコン、レモングラス、トマト、長インゲンを入れて煮立てたらスプーン一杯のトムヤムスープの素を入れて、節足動物を入れたらすぐ完成。ライムを絞って簡単おいしい。酸っぱいスープ。

ブラックライトで光らせるのもまた楽しいです。

トムヤム節足動物

ファージみたいなツムギアリ。

連載第3回、更新しております。若干のホームシックかもしれませんが、日本食を作ると元気が出ます。記事にいれなかったのですが、見つけると噛まれると痛いことはわかりつつちょっと開けてみたくなるツムギアリの巣です。

美味しいタガメアイス。近所で売ってるココナッツアイスにちょい足し。

近頃暑いですね。アイスの美味しい季節です。今日の気温は33℃。これから乾季の後に「暑期」というものが来ます。ラオスでは6月から10月が長い梅雨、雨季でそのあと10月から3月中旬ぐらいまでを乾季、そして3月から6月まで最も暑くて乾燥する暑期が来るそうです。4月には仏教正月「ピーマイ」があり、1週間ほど公的機関はお休み、市民の人たちも4月後半は休み休みダラダラしていて、道端でビニールプールを出し、道ゆく人に無差別で氷水をぶっかける活動(?)に勤しみます。熱中症対策として素晴らしいと思います。東京オリンピックでもボランティアはプールに浸かって案内するといいと思います。

近所に「ファミリーミニマート」というお店ができました。ファ(ミリー)ミ(ニ)マ(ート)、ファミマです。

ファ(ミリー)ミ(ニ)マ(ート)

ラオスに日本のファミマは進出していないので商標権とかは多分大丈夫です。ここの店主が英語を少し話せるのでよく行くのですが、そこで美味しいココナッツアイスを出しています。今回はそれをベースに使わせていただきました。70円でトッピングを2つ選べるココナッツアイス。

今日はお昼の休憩時間に数日前に作っておいたタガメアイスをトッピングしに行きました。タガメアイスのレシピはこちら。

  • タガメ(フン抜きしたもの)       2頭
  • 生姜                                         5g
  • バニラアイス           50g
  • ゴマ              適量
  • タピオカ粉            50g
  • 屋台で売っているココナッツアイス1人前

タガメを清潔な水に入れて5日間、毎日水を換えてフン抜きをし、横開き(ハサミで片側面を切り落とし、横に開く)してから、腹部の脂肪体と胸部の翅と脚の基部の筋肉をスプーンでこそげ落とす。生姜をみじん切りにしてタガメを合わせ、包丁で細かくたたく。なめろうを作る感じ。

タガメのなめろう

筋状の肉がほぐれ、脂肪体と混ざり合い、生姜の粒が見えなくなったら一旦容器ごと冷凍し、しっかり冷えたらバニラアイス50gと練り上げる。翅と脚は水で溶いたタピオカ粉とゴマに浸してから油でさっと揚げて冷やす。

揚げタガメの脚と翅

ファミマのココナッツアイスを購入し、アイスにトッピングしてタガメの翅を飾り付けて完成。

タガメアイス完成。木漏れ日がいい雰囲気。紫のご飯は仕様。スイーツによく合うよう甘めに炊いてある。

口に含むと先にやってくるタガメの強い香りと、後から生姜の粒をかみしめることで広がる爽やかな生姜のピリッとした味と香り。バニラの香りに負けていない。トッピングのグミのフルーツ香料にもふんわりと合うウソくさいフルーツ臭さ。そしてフン抜きのおかげで水臭さはほとんど感じられない。肉質の旨味はアイスとして吸収されていて違和感もない。見事なバランス。ココナッツアイスと負けないぐらいの個性があるので味比べも楽しい。ゴマの香ばしさをまといパリパリとした翅も具材として調和している。揚げてしまうとタガメの風味は消えてしまうことからこれまで揚げ調理に消極的だったが、「風味担当」の中身と「食感担当」の外皮を分けて料理し、後で合体する、という今回の調理法は風味と食感を同時に楽しむ上で効果的と思った。ごちそうさまでした。

現在、味の素ファンデーションからの助成を受け、国際協力NGOであるISAPHの協力のもとで昆虫養殖普及のためのパイロット農家の育成を行っています。
ゾウムシはあくまで「斥候」のようなもので、簡単で養殖しやすく、飼料も比較的安くバランスがいいため一番手にしました。その後には少し養殖に手間のかかる昆虫や、市場ニーズの強いもの、あるいは養殖コストが安く効率の高いものが二の矢、三の矢として控えています。そのような段階を踏んて効果測定をしながら活動を進めていくことを、こちらの業界では「ラダー(ハシゴ)を組む」と呼ぶそうです。それが単に徐々に難易度を上げることで離脱を防ぐ効果だけではなく、昆虫養殖への動機付けが促進したり、今後の課題の理解が促進するようなスペキュラティヴ(問題を提起する)な効果があったと感じたので、その経過をここにまとめておきます。これまでの活動の動画を作りました。村での会議でも上映してもらい、好評だったとのことです。

初めはみなさんドン引きでした。私も(今思い返せば)安易なもので、昆虫を食べている地域であれば、昆虫を養殖して食べることも受け入れてくれるだろう、と気軽に構えていたのです。ところが。この8月の写真。

... "スペキュラティヴ・ゾウムシ" を続けて読む

お寿司、というたいへん有名な日本料理があります。Sushi と呼ばれ、もう世界中でメジャーな存在となってきました。こちらラオスでも屋台でたまに見ます。カニカマが使われたり、鮮やかに色付けされた、とびっこが使われたりと、なんらかのアレンジが効いているのがいいですね。「寿司」というのは縁起を担いだ当て字で、魚を使ったものは「鮨」が一応の本来の漢字のようです。

ラオスの屋台のSUSHI

では魚を使わずに虫を使った鮨はどうなるか。探してみたら中国語にこの漢字がありました。𧊙 。虫偏に旨いと書いてzhiという読みで、意味がよくわからないのですが中国語を理解できる方がいらっしゃいましたら教えてください。

ということで今回はラオスで「お𧊙」を作ります。2キロほど離れた市場にいけば買える昆虫に対して、「鮨」の材料はきわめてアクセシビリティが悪いものです。とにかく日本食材が売っていない。いろんなもので代用していきます。まず台座。寿司下駄みたいなやつがほしかったので、二百円ほどでラオスで使われている木を輪切りにしたまな板を購入してその代替としました。笹みたいな敷き紙も欲しかったので、借家のバナナの葉をとってきました。長粒種のうるち米、カオニャオを買い、パイナップル酢とみりんの代わりにパームシュガー、そして味の素(こちらの味の素はキャッサバ由来)でつくります。そして海苔。これは代替はどうにもなりません。市場のお店でたまたま安売りしていた(とは言っても日本の倍ぐらい高い)味付け海苔があったので、購入してみました。次に無事熱帯の素材で「酢飯」らしきものができました。正直昆虫以外の食材を揃えて味を整える方が大変でした。

次に具材を決めましょう。養殖したゾウムシをピュアな味にしたかったので、一晩臭みのない食材をたべさせる、という従来の糞抜きではなく背開きにして消化管を取り除く、という物理的な背わた抜きで対応しました。背開きの後、脂肪が流れないよう注意してバナナの葉の上に置き、2分トーストしてから常温に戻すと溶け出した脂がチーズのように固まり、滑らかな脂肪の表面があらわれます。

ツムギアリは年中手に入る食材ですが、今の時期はちらほら女王アリを含む幼虫が売られていることがあります。女王は体積にして10倍程度でしょうか。食感としてはちりめんじゃこぐらいだった働きアリの幼虫に対して、プチプチ感がたまらず、イクラぐらいあります。プチっとした食感と、深いコクが特徴です。小さい皿で価格も2倍くらい。彼らも女王がおいしくて高いことを知っています。ツムギアリはさっと茹でた後、すぐに氷水に入れるとプリッパチッとした食感が戻ります。

Pupae and larvae of Oecophylla smaragdina ツムギアリの働きアリと女王の幼虫、成虫の比較。

それでは盛り付けて完成です。

ツムギアリ女王の前蛹と幼虫だけの軍艦。働きアリと混ざって売られていたものから箸で一頭一頭つまみ上げ、さっと湯通しして氷水に入れるとプリッとして透明感も戻る。イクラと甘エビのような味。陸上生物なのに磯の香りもする。白イクラと名付けようか。ネギがシャキッと磯臭さをまとめあげる。
ツムギアリ女王サナギだけの軍艦。サナギになると味が澄むかわりにコクは減り、シュクっとした食感。コーンで甘みとプチプチ感をプラス。成長段階の味の違いをはっきり比べられる軍艦に。
ゾウムシの開き。背ワタを破らないよう慎重にとりのぞき、トースターで2分。脂がこぼれないよう数分待って、とろけるチーズぐらいの硬さになったらトッピング。木の香りがするトロ。トロに比喩するのが失礼なリッチな森の味わい。

残念ながら、「𧊙」の字はブラウザによって文字化けするようです。

おつきあいいただきありがとうございました。いい字が見つかったので積極的に使っていきたいと思います。