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さて新年そうそう、ふしぎなイモムシが村の借家のマンゴーの木にいたのです。

マンゴーはウルシ科で毒性もあるらしく、なかなか食べる虫をみかけません。以前に食べたマンゴーイナズマは典型ですが、そうでないイモムシは初めて。そこそこの大きさで、とにかく背びれがかわいい。怪獣の子供のようだ。

そしてTwitterのカオヤイさんに教えてもらいました。モリノオナガシジミ。Cheritra freja 和名もかわいいなと。尾長の名前の由来は成虫とのことだったので、前蛹と蛹を味見したあと、一頭は成虫になるまで待ってみることに。

味見 前蛹 渋みがあり、旨味やコクが感じられない。苦味はないので食べられる味だが美味しくはない。 サナギ カリッとした食感は良いが、やはりうっすらと渋みがあり味も薄い。

うーん。味わいは今ひとつだったんですが、姿はやはり美しい、そして独特。

そしてついに今日、羽化したのです。ピロピロを見よ。

とにかくかわいい。なぜか茂木健一郎さんにリツイートされました。だれもが気軽に虫をRTできるようになるといいですね。

こんなフグが。

いつものように街の市場にいきウインドショッピングをしていると、見慣れないサカナの盛り合わせが。

ラオスは内陸国なので海水魚が入荷してもだいたい輸入冷凍で、サバやアジが入荷するのが普通なのでこれは?と思いました。「メコンでとれたもの? 」と聞くと、売っていたお姉さんはそうだとのこと。「食べれるの?」と聞くと「食べれるおいしいよ」と。

また別のラオス人に聞くと「スープにするとおいしい」という証言が。これで「食える」という証言がふたつ

食うという話しからはそれますが、淡水フグはいつか飼いたい淡水魚でした。海水水槽はやはりハードルが高く、淡水水槽でも買える淡水フグ、淡水クラゲ、淡水エイあたりは憧れでした。そんなに簡単じゃないという話も聞きましたが。

話を戻しましょう。とにかく同定したかったのですが、うーん情報不足と私の実力不足。同定がうまいこといきません。メコンフグの幼魚なのか、汽水のミドリフグが遡上してきたものか、同時に売っていたサカナから汽水域からきたかどうか、とか判断できればいいのですが。

するとTwitterでこんなお返事が。ありがとうTwitter.

そして続報。

この絵文字がすごい2020。言語を超えて伝わるコミュニケーションですね。

安全という証言が2、危ないという証言が1,そして同定ができていない。ということで味見は断念とします。以前にドクバッタのときに丸山先生にも助けていただきました。みなさまありがとうございます。

以前の味見をまとめておきましょう。 オオツバメガ Lyssa zampaが昨年12月2日の玄関に舞い降りました。大きい。

この玄関は借家の蛍光灯をブラックライトに交換しておいたもので、毎晩玄関になにかしらの昆虫がやってくる、素敵なエントランスになっています。

以前にはツバメガの仲間の死体を見つけたことも。いつか食べたいと思っていた大型のチョウ。ようこそ味見へ。

そして茹でて味見。

しっかりとした旨味があり、歯ごたえもみっしり。コクも強い。チョウのようなプロポーションだが、毛の多さ やはり蛾の系統に近い感じもする。毛が多さはあげたりするとより食べやすくなるだろう。

幼虫もたべてみたいものです。

11月16日、17日に、毎年恒例のサイエンスアゴラ2019に出展してきました。今年からはISAPHとの共同事業体としてラオス事業を進めていきますので、今後の発展を願って、日本での研究会の活動とのコラボを強めていきます。ひとまずこの動画を御覧ください。雰囲気が伝わるかと思います。

ラオスで15年以上活動する保健のNGOである、ISAPHの事業の一つに、「本邦研修」というものがあります。これはラオスの協力者である保健人材を日本に招待し、保健医療の研修をうけてもらうものです。今回はそこに追加の助成金を応募して旅費を捻出し、東京のサイエンスアゴラまでご足労を願いました。なぜ呼んだかというと

「食の未来を日本人だけで相談することのナンセンス」を明らかにしたかったからです。どうしても日本人同士で昆虫食について話すと様々ある問題点や課題をすっとばして「心理的なハードル」に集中しがちです。

日本はこれから人口が減少し、アフリカとアジアの人口が増加します。

そしていますぐ、温室効果ガスをゼロにしたとしても、今後数十年間は温暖化が進むと予想されています。つまり。

「昆虫を食べる地域(熱帯や亜熱帯)の気候帯が広がる」

「昆虫を食べる地域(熱帯や亜熱帯)の人口が増える」

ということなのです。奇しくも伝統食材として、昆虫食が残っている日本が、「なんだか昆虫食へのイメージが良くない」ということで、将来性にフタをしたり、他の食材に比べて開発が遅れていることを理由に、採用を後回しにする、といった「遅れの再生産」を起こすことは、世界全体の損失となってしまうでしょう。

つまり、「昆虫食の伸びしろを確認すること」を目的とした研究は、偏見を手放して「公平に」やるべきなのです。本当は公的研究機関がやるべきところですが。

批判はさておき、今回は、わたしたちができうる限りの「昆虫食の未来を議論するに適したメンバー」を揃えた形になります。この5角形はサイエンスアゴラの理念を示すものですが、「アゴラ」という開かれた議論の場において、

研究会は科学者と事業者としての側面、

試食提供を支援いただいた昆虫食普及ネットワーク、株式会社TAKEOは事業者、市民として。

このとき通りかかって試食をしたり、聞いてくれた方々は市民、メディアとして、

そして今回ゲストであるラオス行政の公務員と、そこで一緒に働くNGOとしてのISAPH事務局長の佐藤さんも参加いただきました。

印象的な発言をピックアップしておきます。

「一番おいしい昆虫はなんですか」(こういうのをよく聞くのですが)

に対してラオス人医師は「昆虫にはそれぞれおいしさと食べ方があるからそんなのわからないよ」との答え。「一番美味しい脊椎動物は?」と聞かれて答えにくいようなものでしょう。豚の角煮と親子丼、ビーフステーキ、どれがおいしいですか? 難しいですね。期待通りです。

また、試食提供で私がTAKEOと開発している「バッタ生キャラメル」を食べてもらったところ「バッタ本来の味が死んでいる」という美味しんぼみたいなコメントをもらいました。とてもおもしろい。

今回のシンポジウムは「前に進む実感」というよりは、立ち止まって、あるいはむしろ少し後ずさって視野が広がる、そんな感覚をもらうことができました。

シンポジウムに参加してくれた人の多くは関係者でしたが、あらためて今の活動の意義や進捗を語らう場を設ける事ができてよかったかと思います。みなさまありがとうございました。そしてこの動画を撮影・編集してくださった、なおまるさんに感謝申し上げます。

さて、9月に味見していたものを掘り出します。

目的は9月の梅雨の終わりに売られているちいさな糞虫。こちら。

これ学名わからないんですが、どなたかご存じないでしょうか。

そのなかにチリメンモンスターと呼ぶべき、まざりものがあったのです。

とにかく美しい。前胸部のくぼみとまっすぐ上に張り出したツノ。三日月型のアタマの角が立体的に交差し、写真を何枚もとってもその全体像を映し出すことができません。くやしい。色も落ち着いたグリーンでありながらメタリックでもあり高級感があり、全体にしめるツノの大きさが大きく、まるっこい体型と破綻しないカーブを描いている。美麗種というのはなかなか恣意的な呼び名ですが、これは多くの虫好きが同意してくれる美麗種と言っていいのではないでしょうか。

そしてそれが食えるらしいとのこと。なんと。

それではいただきましょう。

茹でて味見。香ばしさがあるもののやや土臭い。カマンベールチーズのような少しのカビ臭さと旨みがあり、これはこれで美味しい。ツノやトゲは刺さるほどの強度はなかった。

おいしい。というか本家よりもチリメンモンスターのほうが美味しいとは。

そしてなんと、これが台湾で昨年出版された昆虫食本「昆蟲上菜」にも掲載されていました。

なんと、おいしい蟲はおいしい。国境をこえてこんなことが話せたらいいなあ。グローバルに参りましょう。

11月の内容もまとまらないままもう12月も終わりですよ。なんですかこのスピードは。

11月

「サイエンスアゴラ2019に出展してきました」


「未来と芸術展」

「ミイラ展」

「オープンリサーチフォーラム」

「Ai Hasegawa さんセミナー」
ぐらいの順番でいきます。

12月

オオツバメガ Lyssa zampa 味見

タガメナイト

さんわかセミナー

あたりまで書きます。本当に書きます。宣言まで。

もうひとつ美味しい糞虫、Onthophagus mouhoti これの味見レポートを9月に書くべきだったのを忘れていたので書きます。

Onthophagus mouhoti

村で活動中、アゲハの幼虫がいないかと、対象家庭のお隣のコブミカンの葉をなぞってみていたら、ステキな虫を見つけました。

Thosea sp. というところまでは絞り込めたのですが、幼虫の姿形で判断するのは文献情報が足りませんでした。ひとまず撮影。

トゲがすごそう。

拡大してみるとトゲが痛そう。触って確認すれば有毒かどうかわかるんですが、観察の名目で腰が引けていました。もうすぐ帰国なのに余計なケガしたくないなぁとか。触らずに判断できる方法はないだろうか、とか。

痛いらしいぞ。これは、、、

そうこうしているうちに幼虫はワンダリングをはじめ、まゆを形成。ありがとう。これで触る決心がついた。よく空気の読めるイラガだ。

毒毛虫のトゲは2種類が知られていて、片方は毒を打ち込む機能をもつ毒棘(どくきょく)、イラガが代表的ですね。海の生物ではクラゲも毒棘があります。もうひとつは毒針毛(どくしんもう)。刺す筋肉はなく毒をまといつつ皮膚に刺さり、掻いたりするとポキポキと折れることで炎症を広げていくとうおそろしい仕組みです。チャドクガが有名ですね。ヒロヘリアオイラガなどは毒棘と毒針毛の両方をもち、繭を作るときに体の毒針毛を外側に向くよう植え付ける、というアクロバティックな再利用方法をします。いっぽうで毒棘しかないイラガは繭を作り前蛹になるとその機能を失い、おいしくいただけるのです。

イラガは運が良ければイラガイツツバセイボウの寄生をうけていることがあり、これもまたおいしい。

まずは繭を観察、トゲや毒針毛がないか確認し、皮膚のやわらかいところでなぞってみる。痛くないしかゆくもない。

まゆ。

ニッパーを使い繭を割る。ピスタチオの殻のようにパリッとわれるのがイラガの繭の特徴だ。

中から縮んだ前蛹(サナギの脱皮をするまえの幼虫)があらわれた。
揚げパンのようだ。
さわってもいたくない!うれしい!
かくれがちな顔。かわいい。
茹でると鮮やかなイエローへ!これはおいしそうだ。

味見

うまい!食葉であるコブミカンの葉の柑橘系の風味は感じないが、クニュっとした歯ざわりと筋肉の弾力もあり、 トゲは全く気にならない。コク深い体液が口の中に広がり、少しの渋みが口の中をさっぱりさせる。 うーんおいしい。色も鮮やかですばらしい。はたしてこれは幼虫時代に有毒だったのか、これは次回確かめるしかない。

確かめるしかない、、、うーむ。

さて、先月は「あえて昆虫をオススメしない」という活動をしていました。ナンバンカラスウリという栽培が容易なウリ科の多年草をオススメし、そこからビタミンAを摂ってもらおうというものです。しかし村にとって新しいものとはいってもそれを食べる虫はやってきてしまうものです。広食性昆虫おそるべし。こんな虫が来ていました。

うごきがひょうきんでかわいい。

以前に見たマンゴーミバエによくにています。

しかし、その後私の顔はこわばります。

たまごうんでる!

そうなのです。ウリといえばウリミバエ。詳しい方にセグロウリミバエではないか、と教えていただきました。ウリミバエは刺したり噛んだりせず、その地味な生態に比べて、育った幼虫が実を腐らせてしまうことから、経済的なダメージの大きい虫として知られています。

沖縄では不妊虫放飼法という、放射線処理をしたオスを大量に野外に放つことによって、近縁のウリミバエの根絶に成功したという事例があります。

セグロウリミバエも植物検疫で水際で見つかったりと、要注意な虫なのですが、ここはラオス、自然分布域です。遠慮なく観察しましょう。

カボチャミバエと同様に、ウリミバエの幼虫はジャンプできます。みてみましょう。まずは180fps

よくわかりませんね。次が480fps

ぐいぐいと、筋肉パワーが無明逆流れのように溜まっていくのがわかります。すごい。そしてこのスローでも詳細がつかめないほどのスピード。肉眼では本当に消えたように見えます。それでは食べてみましょう。

しっかりした筋肉の弾力があり、薄皮で食べやすく、パチンと弾ける皮の食感もよい。 味は淡白で特徴が薄いが、それだけ拡張性があると考えられる。蛹化に失敗した個体がいくつかあるので蛹化用の足場を考えよう。

跳ぶ寸前。

とても美味しかったです。マイクロポークビッツみたいな。

チチュウカイミバエを使ったイスラエルの昆虫養殖スタートアップもありますし、ミバエも管理次第では化けていくかもしれませんね。

さて、ビネガロンを捕まえてはしゃいでいたあと、村の村長さんから大きなセミをいただきました。虫の人として覚えてもらってるようです。ありがたい。

このときは、なんだか大きいなぁと思っていたのと、うっすら「テイオウゼミ」の模様が頭をよぎったのです。ん?クマゼミと同じくらいのボリュームだけどテイオウゼミっぽくないか。

翅の付け根の赤が差し色で美しい。

村から街に帰り、調べてみると世界最大のセミの属、Megapomponia (メガポンポニアって声に出して読みたくなりますね)であると教えていただきました。ラオスには小型のM.intermedia. 更にマレー半島の南には最大種、M.imperatoria テイオウゼミが住んでいるとのことです。

インドネシアからメガポンポニアの新種が記載された論文がありまして、そこから胸部の斑紋の写真を見比べ、Twitterのセミに詳しい方に教えていただきながら個体差なのか、種の特徴なのか、モヤモヤしながらこれではないかと。

さて、和名「ヒメテイオウゼミ」で気になってしまうのは「職位はなんなのか。」ですね。帝王なのか姫なのか。

「姫帝王」というツンデレのような新しいジャンルなのか。

小さいセミはチャクチャン、大きいこのセミはメンオーッというそうです。クマゼミが60mmから70mm これが体長59mmなので、さほど日本のセミより大きいわけでもないです。

ともかく茹でてたべてみましょう。

茹でると茶色い汁がでて木の香りがつよいが、味はとってもタンパク。ほとんど胸にしか肉がなく、腹部はスカスカで軽い。外皮も大きい割りに硬いわけでもない。 茹でると香ばしい木の香りがするが、茹で水に溶け出してしまって筋肉の味わいは普通だった。

チャクチャンのほうが身が小さい分詰まっていて、おいしいと思いました。もう一つやはり食べたいのがテイオウゼミの幼虫。どこかで食べられるでしょうか。マレー半島行きますか。

世界三大奇虫、と呼ばれる陸上節足動物がいます。サソリモドキ、ウデムシ、ヒヨケムシですが、まぁなにをもって「奇」か、と言われると、、うーん。楳図かずおが書きそう、といった感じでしょうか。クモ、サソリ、ゲジ、シャコとともに昆虫とエビカニの間に見えるので、さほど食べにくそうにも感じないです。

そしてこちらがビネガロンことサソリモドキ。サソリにシルエットが似ていますが、しっぽに針がなく、代わりに細い管から酢が出てくる。そしてハサミに見えるのは噛み込みのギアのようになっていて、コオロギを与えると左右からグリグリと巻き込んで口に運んでいく、一方通行の地獄のギアなのです。食べっぷりのかっこよさはすばらしい。SFっぽさではトップクラスではないでしょうか。

サソリモドキ ビネガロンの一種。

いきなり話は飛びますが、昆虫のレシピをラオス人スタッフと作っていたときに、「特に女性はラオス人でも昆虫がうねうねしているのを嫌がる人が多いので、すりつぶした料理はどうか」と提案され、「自分は昆虫が大好きなので、姿が美しいと思うし、かじったときの食感が失われてしまうのもあまりいい気がしない」と言ったところ「それはあなたの感覚でしょ?」と言われました。そうなのです。まさにそのとおりで、私のセンスは日本からも、そしてラオスからもまた遠く、好奇心というエンジンに駆動され、文化から乖離した明後日の方向にむかっているのです。おもしろいとは言われるけれども参考になるとは言われない。

話を戻しましょう。実はこのサソリモドキ、一度食べるチャンスがありました。

2015年4月、私は飼っていたのです。買ったのか頂いたのか、わすれてしまったので、もしいただいていたら大変申し訳無いんですが、しばらく飼い続けて結局死なせてしまったので、大変深い後悔の思い出があるのです。

さて今回は、絶対に死なす前に食べようと、写真撮影もそうそうに食べます。捕まえた時に酢の強い匂いがあり、わくわくです。

一緒に村に来ていたラオス人スタッフと匂いをかいで酸っぱ!とこれを見つけた集会所の裏ではしゃいでおりました。この容器はラオカオと言われるラオス焼酎の空き容器です。

かっこいい。
立体構造が複雑なのでなかなか写真にとりにくい。

立体的な複雑さと、ダンシが考える「かっこよさ」がなんだか相関しそうな気がするんですが、なかなか見ていて飽きない虫です。果たして酸っぱいのか。

実は以前に、「ビネガロンで酢飯をつくる」という企画案をいただいたのですが、量的に難しそうだ、と計算してお断りしたことがありました。実際にどれほど酸っぱいのか、茹でて食べてみましょう。

サソリよりだいぶうまい!ビネガロンの名前の通り茹でると酢の匂いがしたが、茹でたあとは少しの爽やかさをプラスする程度でバランスが良くまとまっている。捕まえる時に酢酸を放出させたのも効いたかも。酢飯に甘エビのようにうまみと甘みの強い体液が口に広がり、タランチュラのような毛もなく、食べやすい!

世界三大奇虫、食べ比べてみたいですね。