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村での活動中に見かけた、Callizygaena ada 最初は南国のウミウシに見えた。

このピロピロがすごい。

ラオス人は派手な虫、あるいは毛のある虫、食用とはっきりしない虫に関しては毒があると信じているようで、この虫も毒毛虫、と言われた。ベイツ型擬態という概念が導入されないと、その擬態の効果は人間にも及んでいるんだなぁ、と改めて昆虫分類学のパワーを実感。

昆虫分類学が導入され、擬態、という生態学的な概念を知って初めて「毒っぽいけど無毒な虫」というジャンルが目に見えるけれど、ラオスにはその概念がまだ入っていない。なので身をもって確かめるしかないのである。ラオス人にどう思われようとも。

腕のやらかい所に当てるだけの「簡単な実験」ではあるが、相当に心の準備が必要であった。痛いのはヤダ。ラオス人にバレたらバカだと思われるだろう。つらいけど知りたい。痛いのは嫌だけど知りたい。彼らが毒なのか知りたい。そして今回は、今回は。私の勝ちだ。

触れることがわかったら急に強気である。

モフれる、とわかったら次の難関が待っている。これだけ毒々しいカラーということは食べて毒なのではないか。触って毒ではないことを確かめてしまった以上、食べて毒である可能性はむしろそれを知る前よりも高くなったのではないか。モンティ・ホール問題ではないか(違います)

マダラガ科には体の内部に毒を貯めていることがあるので、食べるのはまた躊躇する。茹でただけで結構しっかりと美味しくなさそうな草の匂い。渋い雑草を煮詰めて缶詰にしたような匂い。

これも口に含むしかない。

はい。Callizygaena ada はモフれるくさくて苦い毛虫である。

先週は村に行き、新しい農地の開墾に立ち会ってきました。3月までの活動でパイロット農家の5世帯が無事ゾウムシの養殖に成功し、今は我々からの成虫と村で手に入りにくい糖蜜の供給だけで、他のエサ材料は彼らの自腹で続けてくれています。一度美味しい昆虫を口にしたことで、それぞれに養殖を続けるモチベーションが生まれたようで、そこらへんも社会学的調査として調べておきたいところです。とは言っても低地のこの村の農地のほとんどは水田で、少し高い土地は陸稲が植えられているので村人のほとんどは稲以外の農法を知りません。なので予想していたことですが、キャッサバを村の中で手に入れることが難しくなってきました。そのような「不足感」を共有できたことで、こちらがトラクターのレンタル費用を活動費から提供し、農家は彼らのもつ土地を提供することで新しいキャッサバ農地の開墾をする、という次のゴールが共有できました。

予約したトラクターにドタキャンされたり、道が悪いから値上げを要求されたりと、さすがラオス的なちょっとしたアクシデントもありましたが、ともあれ無事(?)に作業を見届けて村の借家に帰ると充電もしていないのに部屋の中で点滅するものが。ホタルだ!

ラオスの大自然が素晴らしいなと感じつつ、眠いのに寝れないなと。そういえばこれまでホタルを味見していなかったと思い直し、村から都会に帰ってきた週末に茹でて味見することに。なぜ味見していないかというと毒があるからです。(発光のシステムとは全く別。)

とは言っても、ホタルによる中毒事故の報告を聞いたことがないです。もしご存知だったら教えてください。

ここで仮説として考えられうるのが、「とんでもなくマズい」ことです。食べられてしまうほどの味だからこそ中毒事故がおこるわけで、とんでもなく不味ければ、事故に至らないはずです。さてそんな不安(期待)をもちつつ食べてみましょう。

キイロスジボタル?のようなホタルの成虫メス。 ホタルがあることが知られているので茹でて味見したあと飲み込まない。というか苦!マズ!とても飲み込める味ではなく、強烈な苦味と青臭さでビリビリと舌が刺激される。これは擬態されるのも納得のマズさ。

私はこのような昆虫を知らないのでググったのですが、Sclerotia ballantyne に32.50ペセタ。。。🐝🐝🐝https://t.co/9KzytN3apU— ねずねずみ (@nezu_nezu) 2019年5月11日

そしてTwitterで北タイの詳細な分類の論文も教えていただきました。交尾器を比較していないので同定は難しそうですが、調べておきます。

日本からゲストが来ていたんです。彼らの希望で私が養殖したゾウムシを振る舞うことにしたんですが、あいにくの停電。乾季で電気の問題はあまりなかったのですが、雨季が近づくにつれてスコールが増えてくると、乾季の間に溜まっていたあれやこれやの電気的問題が噴出するイメージです。季節の変わり目の雨が降る日は停電に注意。

しかし、我が家のキッチンには炭火のコンロがついていたのだ。停電なんぞに負けるわけにはいかない。というかオーブントースターよりも炭火で焼いた方がどうやら美味しいぞ、ということも村での活動でわかってきました。前日にあるものを食べさせて、フン抜きをしておいたゾウムシを用意。

いつも使っている電気ポットも使えない。炭火をおこしたらまずは湯を沸かす。

手を入れて熱いぐらいのお湯をかけることで最後のフンがプリッとでることがわかったので毎回この方法を使っています。生きたまま竹に挟むと脱走する奴がいることもあって一旦殺してしまいます。

日本だとサラサラの塩を振るのもできるんですが、ラオスで売っている塩はザラザラしててこのまま振ったら塩辛いと言われてしまいました。なのでさきに塩水にしてからまぶすと良い。

さて、日本のゲストは美味しく食べてもらえました。作るたびに味が良くなっていきます。

このどんどん美味しくなる方法も活動から生まれてきたものです。さすがラオス人。美味しい方法をもっとずっと知っているので、勉強しようと思います。そして収入、最終的には栄養という形で還元できればようやく恩返しになるかなと。

Zicrona caerulea 

昨年ラオスでつかまえて、味見したのに同定を忘れてしばらく放置していたカメムシ。美味しくて美しいなんてなかなかいい虫でした。

何気なくこの画像を使って最近したツイートが少しバズって、ルリクチブトカメムシ、と教えていただきました。ありがとうございます。

バズった後で申し訳ないですが、一体このツイートで私はこれで何がいいたかったんでしょうかね。謎のつぶやきが妙にバズることがあって面白いなぁと思っています。

久しぶりに早起きできたので、物品買い出しがてら3km離れた市場へ。時期が進んで今はハチミツのシーズン、かと思いきや蜜蝋や巣板そのものも売っています。これは楽しい。はちみつは目の前で濾してくれるスタイル。おそらく加糖ではないことをアピールする目的でしょう。小さいペットボトルで140円ほど。かなり高い。村でも養蜂がしたい、との需要はあったのですが、巣箱がタイ製で高いこと、蜜源の調査がまだ十分でなかったことから保留としています。これは「養殖はできないハチなので天然物だ」とのこと。

その場で瓶詰めするスタイル

巣にまとわりついた成虫を素手でおばちゃんがはたき落としていく。

なので無毒なのかと思った。ハリナシバチの一種だろうかと。

小さい巣板を買い足し、その成虫も食べたいから袋に入れてくれと言ったらえらく不思議そうな顔をされた。その時は気づきませんでした。

写真撮影。素手で触っても静かであまり攻撃性はなさそうだ、と思ったら刺された!

... "オオミツバチ Apis dorsata 味見" を続けて読む

美味しいタガメアイス。近所で売ってるココナッツアイスにちょい足し。

近頃暑いですね。アイスの美味しい季節です。今日の気温は33℃。これから乾季の後に「暑期」というものが来ます。ラオスでは6月から10月が長い梅雨、雨季でそのあと10月から3月中旬ぐらいまでを乾季、そして3月から6月まで最も暑くて乾燥する暑期が来るそうです。4月には仏教正月「ピーマイ」があり、1週間ほど公的機関はお休み、市民の人たちも4月後半は休み休みダラダラしていて、道端でビニールプールを出し、道ゆく人に無差別で氷水をぶっかける活動(?)に勤しみます。熱中症対策として素晴らしいと思います。東京オリンピックでもボランティアはプールに浸かって案内するといいと思います。

近所に「ファミリーミニマート」というお店ができました。ファ(ミリー)ミ(ニ)マ(ート)、ファミマです。

ファ(ミリー)ミ(ニ)マ(ート)

ラオスに日本のファミマは進出していないので商標権とかは多分大丈夫です。ここの店主が英語を少し話せるのでよく行くのですが、そこで美味しいココナッツアイスを出しています。今回はそれをベースに使わせていただきました。70円でトッピングを2つ選べるココナッツアイス。

今日はお昼の休憩時間に数日前に作っておいたタガメアイスをトッピングしに行きました。タガメアイスのレシピはこちら。

  • タガメ(フン抜きしたもの)       2頭
  • 生姜                                         5g
  • バニラアイス           50g
  • ゴマ              適量
  • タピオカ粉            50g
  • 屋台で売っているココナッツアイス1人前

タガメを清潔な水に入れて5日間、毎日水を換えてフン抜きをし、横開き(ハサミで片側面を切り落とし、横に開く)してから、腹部の脂肪体と胸部の翅と脚の基部の筋肉をスプーンでこそげ落とす。生姜をみじん切りにしてタガメを合わせ、包丁で細かくたたく。なめろうを作る感じ。

タガメのなめろう

筋状の肉がほぐれ、脂肪体と混ざり合い、生姜の粒が見えなくなったら一旦容器ごと冷凍し、しっかり冷えたらバニラアイス50gと練り上げる。翅と脚は水で溶いたタピオカ粉とゴマに浸してから油でさっと揚げて冷やす。

揚げタガメの脚と翅

ファミマのココナッツアイスを購入し、アイスにトッピングしてタガメの翅を飾り付けて完成。

タガメアイス完成。木漏れ日がいい雰囲気。紫のご飯は仕様。スイーツによく合うよう甘めに炊いてある。

口に含むと先にやってくるタガメの強い香りと、後から生姜の粒をかみしめることで広がる爽やかな生姜のピリッとした味と香り。バニラの香りに負けていない。トッピングのグミのフルーツ香料にもふんわりと合うウソくさいフルーツ臭さ。そしてフン抜きのおかげで水臭さはほとんど感じられない。肉質の旨味はアイスとして吸収されていて違和感もない。見事なバランス。ココナッツアイスと負けないぐらいの個性があるので味比べも楽しい。ゴマの香ばしさをまといパリパリとした翅も具材として調和している。揚げてしまうとタガメの風味は消えてしまうことからこれまで揚げ調理に消極的だったが、「風味担当」の中身と「食感担当」の外皮を分けて料理し、後で合体する、という今回の調理法は風味と食感を同時に楽しむ上で効果的と思った。ごちそうさまでした。

ラオスに来てしばらく見守ってきたマンゴーイナズマ。以前にイナズマチョウの仲間でありながら毒がないことを確認しましたので、
私は調子に乗っています。

お、いっちょまえに毒のある虫っぽいムーブをするやんけ、かわいのうかわいいのう。

借りている家の庭にマンゴーがたくさん生えており、大家さんからも自由にマンゴー食っていいと言われているので、確認してはいないですがマンゴーイナズマも自由に食べていいはずです。

彼らは大食漢なのですが、他のイモムシのようにひと枝まるごと丸坊主にすることはありませんでした。擬態の背景として欠けのない葉も残しておく必要があるためでしょう。頻繁に場所を移動しながら食っているようです。そしてあの擬態のうまさですから、食痕がみつかるわりには、なかなか見つからないのです。見つけた時にはもう蛹になっていることもよくあります。お見事。

Euthalia aconthea 蛹。なめらかな内部と適度な噛みごたえの外皮がおいしく、渋みも苦味もまったくないスッキリした味わい。
マンゴーから豆腐がとれたようでうれしい。
美しい多面体でどこから見てもエッジが美しい。

ようやく2頭の成熟した幼虫を見つけ、冷凍し、料理開発に備えていました。

私は考えていたのです。マンゴーイナズマの擬態を生かす、美味しい料理をつくりたいと。

大葉の天ぷらのように、マンゴーの葉ごと天ぷらにしてしまう、ということも考えたのですが、マンゴーの葉をかじってみると苦味と渋みがあり、風味がなくあまりマンゴーイナズマを載せるものとしていい味とは言えません。

すると、ふと目についたのがまだ熟れていない青いマンゴー。

マンゴーは他の果物とは異なり、熟れていない状態でも渋みがありません。
酸っぱく、すっきりとした味わいですので、完熟マンゴーの甘さに飽きた時にオススメです。
ラオス人も青いマンゴーが好きで、皮をむき野菜スティックのように切った青マンゴーに塩や唐辛子の粉をちょいちょいとつけて食べています。

このとき、ふつう皮は食べないのですが、ふと「チップスにしてみたらどうだろう」と思い、実験してみました。
青マンゴーのフルーツチップスです。めんどくさいので皮ごとスライスしてみたところ、この皮がパリッパリになって、
身の部分はナスの揚げ物のようにしっとりしなやかになり、なんともおいしい酸味の爽やかなフルーツチップスができました。これはおもしろい。

青いマンゴーをスライスします。

揚げると青マンゴーチップス。

身の部分が柔らかでパリパリにならないので、長期保存はできなそうですが、食べた後酸味ですっきりするので、焼肉のお供なんかにいいと思います。

基本の青マンゴーチップスができたので、次はマンゴーイナズマ擬態チップスです。

スライスした青マンゴーに

軽く衣をつけておきます。

解凍したマンゴーイナズマを載せて

ジュー。

この分岐した毛がサクフワな食感でめちゃめちゃ美味しいです。体は適度に水気がのこってホックホク。

おいしく揚がりました。擬態チップスですので普通のと一緒にしておきましょう。

マンゴーイナズマは加熱すると美しいグリーンが消えてオレンジになるのですが、それもマンゴーっぽくていいですね。

それでは実食
毛がサックサクでコクも旨味もあって、青マンゴーの皮の部分がカリッカリで酸っぱくて食べた後すっきり。マジ美味しい。売れる。これはマンゴーの新しい恵みだ。

本当に美味しいです。これは養殖するしかない。

食べてみて感想を書いて気づいたのですが、「カリカリでふわふわ」という美味しさが、今までの食品ではおそらく存在しないのではないかと思います。というのも分岐を必要とするからです。
マンゴーイナズマのしなやかな毛から揚げ調理によって水分が抜け、毛先はふわふわ、根元はカリカリになることで
同時にカリフワが達成します。ところが、分岐によるテクスチャをもつ食材は普通見当たりませんし、連続整形できないので、
加工品でも見ることはないと思います。(もしあったら教えてください)不均一な混合物ではなく、単一の食材が、異なるテクスチャを口の中で演出する、という面白みを感じました。これはもっと拡張性があるので考えたいところです。3Dプリンタ食品なんかも、分岐が得意な形成技術なので今後登場するかもしれません。

一つの夢が叶いました。

勘違いする人がいるといけないのであらかじめ断っておきますが、日本産ヨナグニサンを採集できるところはありません。
沖縄にしか分布せず、沖縄の条例で県全域で採集が禁止されてしまっているからです。

なにしろ翅の面積が世界最大と言われていた蛾(どうやら第二位らしいですが)、
日本最大は揺るぎません。コレクション欲求から開発で減ってしまった彼らにとどめをさすこともあり得る、との判断だったのでしょう。

某所保護施設では養殖ヨナグニサンがあるとのことですし、研究という形であれば許可を得られる可能性もあるらしいとの噂も聞きました。「味見をしたい」が果たして研究として認めてもらえるのか。悶々としていましたが、ここで大きな誤解をしていたのです。

和名ヨナグニサンというぐらいですから与那国の固有種だと勘違いしていました。東南アジアに広く分布するとのことです!

話はそれますが、同じように東南アジアに広く分布するタイワンタガメ、タイワンツチイナゴ、タイワンダイコクコガネなんかも
和名が誤解を招きそうです。ルール化をしていくといいんだろうなぁと思います。特に海外種の和名付けのルール。

ということで、私もラオスに滞在することになり、いつかヨナグニサンに出会えたらいいなと思っておりました。

そしてついに、その日が来たのです。

その日というのはラオスに工場をもつ日本の会社の社長さんがこちらに来られるとのことで、街の日本人に声をかけて夕食会をする、というものでした。社長さんに我が家で育てた焼きゾウムシを食べてもらえたので、これはこれで満足なのですが、
まぁ他にやることが溜まっていて、飲み会に参加するのもしんどいなと思いながらの帰宅だったのです。

レストランを出て家に帰る途中の、大きな街路樹のある道路。自転車で帰りつつ、右目の隅に、枯葉がふわりとはためくのを、ヘッドライトが照らしたような気がしたのです。

もう一度振り返ると、またふわり。

いたーーーー!!!!!!!

ヨナグニサン Attacus atlas

感動ですよ。というか飲み会帰りという日常の一コマにやってきたヨナグニサン。心臓に悪いほどびっくりしました。夜中に道端でウオオオッて吠える変な外国人が誕生してしまいました。近所の犬に少し吠えられました。犬は正しい。

Attacus atlas

Attacus atlas

Attacus atlas

Attacus atlas

Attacus atlas

さて、茹でていただきましょう。
腹部に残るバシッバシっとはじける卵のコクとすこし苦味と木の香があるが気にならない。
ヤママユガの普通の味。翅の面積にくらべてさほど体は大きくないので、
タサール蚕のほうがボリュームがあった。ぜひ次は幼虫を。食樹を探そう。

成虫になると翅の面積にもっていかれちゃって、やはりボリュームがあるのは幼虫だと思うんです。

トウダイグサ科がいけるらしいんですが、探してみます。

もうあまりに嬉しくて、翌日この写真を見せながら、一緒に仕事をするラオス人スタッフに言ったんですよ。
「あぁこれよく街灯に集まってよくいる。もっとでかいのもみたことあるよ」

…そうだけど!東南アジアに広く分布する普通種だけど! わたしにとっては幻の虫で嬉しいんだよ!

外国人がマイマイカブリにはしゃぐ気持ちが少しわかりました。

1

なんだそのyoutuberみたいな煽りは。

幾つかの噂が歩いていた「イナズマチョウは無毒か否か。」

ある種は有毒で、ひどく痛く、またある種は無毒らしい、とのこと。

網羅的に有毒と無毒を区別した文献も見当たらず、そもそもイモムシで同定できるかもわからない。

日本語文献で見つかった、実際の体験談では

Euthalia moninaの幼虫は有毒か? [in Japanese]

アカメガシワにつくモニナイナズマ Euthalia monina と
マテバシイにつくビャッコイナズマ Euthalia byakk を比較。この文献でもラオス産が使われた模様。

日本の充実した医療体制で、何か起これば最悪救急車も可能、という状態で皮膚に当てるのと、ラオスのアレな医療情報を聞きつつ、これを試すのは大きく違います。すごい。この方はすごい。
考察の中で、黄色の背部の棘にある黄色の球状部に含まれているのでは、と仮説を述べています。

さっそく話はそれますが、皮膚科医が自分の皮膚で実験を繰り返した教科書「Dr.夏秋の臨床図鑑 虫と皮膚炎」は素晴らしい、そして痛々しい図鑑なのでオススメです。
私が今回試してみたいと思ったのは、夏秋医師への憧れもあったのです。

「マンゴーイナズマは無毒らしいとの話」で見られるのはこの写真

マンゴーイナズマの幼虫 - メコンの残翅 Ⅱ - Yahoo!ブログ #ブログ #生物学 #Nymphalinae

また話は逸れますが、
マンゴーは虫がつきにくく、ウルシ科ということもあり、これ以外に少しのミノムシが食っているぐらいで、食害の少ない植物です。

今の借家に入居するときに大家さんが「庭のマンゴー勝手に食っていいよ」
と言ってくれたのです。マンゴーを食べ放題なんて!なんて太っ腹な大家さんだと思ったんですが

この有様。時期さえ合えば、木を蹴ると5、6個落ちてくる。

美味しいけれどありがたみは薄い。

そして時期の異なる幾つかの品種もあるようで、とりあえずマンゴーが途切れることはないようです。

さて、

ここでマンゴーイナズマの写真を見てみましょう。

茹でるとオレンジ色にかわり、触っても大丈夫。シダのような毛はモシャッとした食感はあるものの問題なく食べられる。味は香木のような香りがあり、スッキリとした甘みがおいしい。ラオスでは食べないとのこと。

ありますよね毛の根元にある黄色の球状の部分。

もし先の体験談が示唆する「黄色い球状の部分は毒」説が正しければ、これも毒ありということになります。

味見をした昨年12月は短期滞在でしたので、その勇気(というか好奇心の暴走)を止めるしかありませんでした。

しかし今回は長期滞在!試したとしても病院に行くことぐらいはできそうです。

ラオス人スタッフに聞くと
「絶対触ってはいけない。電流が流れたかのように痛み、3日は寝れない。一週間は手首がパンパンに腫れて、腫れが引かない。」

とのこと。聞くんじゃなかった。これで触って腫れたらすごいバカじゃないか。

でも触る。

オォ。。痛くなかった。

痛くないとわかればモフるしかないでしょう。

うむ。満足。

さて、ここで面白いのは

「ベイツ型擬態」がラオス人の間で成立していることです。文化的ベイツ型擬態と言いましょうか。

彼らは毒がある、あるいは毒があって痛かったとの口伝をもとに、イナズマチョウ全てに毒があると信じています。

そのため、毒を作るコストを負担していないマンゴーイナズマのような無毒種も、むやみに手を出されない、という恩恵を受けています。

彼らのデザインも独特で、一度刺されたら忘れられないようなトゲトゲしい姿をしておきながら、

葉っぱに潜むとこんなにも隠蔽してしまう。

茹でるとオレンジ色にかわり、触っても大丈夫。シダのような毛はモシャッとした食感はあるものの問題なく食べられる。味は香木のような香りがあり、スッキリとした甘みがおいしい。ラオスでは食べないとのこと。

背景によってこんなにも違う印象を与えるデザインとは。お見事です。

そして私はマンゴーイナズマを克服し、彼らを天ぷらにして食べたいと妄想を膨らませているのです。

すると、昨年の味見は「無毒化に成功した」というのではなく「もともと無毒だった」のでしょう。

毒針毛と違って、毒棘は茹でると無毒化することが多いんですが、有毒のイナズマチョウでもそうなるのか、試したいとは思いますが、

それを知るためには、その前に「有毒であること」の確認が必要です。

つらいなぁ。一度痛い目に合わないと「無毒化」と言えない。まだその勇気は出ません。

最初に書いておきますが、ここはラオスです。日本でフチトリゲンゴロウ(Cybister limbatus)の味見をすることはできません。

日本のフチトリゲンゴロウ(Cybister limbatus)は種の保存法で採集が禁止されており、マニアの人気も高かった背景もあって誰かが密猟すれば
減ってしまった個体群にトドメを刺してしまう状態のようです。

しかしここはラオス。近縁と言われるCybister gueriniが、我が家のブラックライトにやってきたので、味見をすることにしました。

私が住んでいるのは比較的タイ寄りの都会ですが、このような素敵な出会いがあるものです。

大型のゲンゴロウは初めて。ナミゲンゴロウかと最初思いましたが、ナミゲンゴロウは温帯に住むことからこちらにはいないのではないか、と
丸山先生に教わりました。

さて、

捕まえて、というかシャワーを浴びて、玄関を開けてそこに何か来ていないか確認すると、落ちている!ガムシは何度か見たのですが、この水滴のような下膨れのボディはゲンゴロウ!やっほい初めまして大型ゲンゴロウ!

ということで写真撮影。あれれ、頭の後ろから体液?が漏れてるなと。灯火に来た時にぶつけてしまったのではないかと心配になりました。

気づいたのが外皮の模様。前胸背板は乾いたジャガイモのように無秩序にシワになっていますが、後翅は後ろに流れるように溝が彫られています。
これは水中で滑らかに泳ぐための「サメ肌水着」のようなものに違いない、と考えたのですが、どうやらお詳しい方によると違うようなのです。

なるほど。最初に返信をくださったのは満田晴穂さん。自在置物作家さんです。

詳しいと思ったらやはり作られていたのですね!雌雄ゲンゴロウを!

そして次に論文を紹介してくださったのがオイカワマル博士。ええと。魚の博士なはずなんですが、昆虫大学に出没したり
水辺に近い昆虫にも(というか生き物全般に)大変お詳しい博士です。

水中で交尾すると溺死してしまう! なかなかアクロバティックなセックスです。
そしてパワーではなくテクニックが必要と。昆虫のセックスはすごい。

確かに掴んでみるとツルンツルンと、濡れた石鹸のように逃げ回ります。
ここまでナミゲンゴロウ?ではないかと考えていたのですが風向きが変わったのが、夏休み子供電話相談室で大活躍中の丸山先生。
正式に依頼すると大変なお方ですが、Twitterで虫話が盛り上がっていると気さくにお声掛けいただけるので私のラオス生活もすごく助かっています。

むむ。ヒメフチトリゲンゴロウ(Cybister rugosus)とは。

黄色い模様があるのが特徴なのですね。
と、写真を見返したら腹側の写真がない!幸いまだ食べる前でしたので、家に戻ってから写真を取り直したんですが、「味見」というのは食べてしまうと
後戻りができないので、侵襲性の低い写真や計測をしてから食べるようにしておきましょう。
同定する前に食べる、というのは安全上問題があるのはもちろんですが、同定のポイントを写真に収めないままに
食べてしまうとはっきりしない味見になってしまう、という欠点もあります。

しっかり観察、しっかり味見を心がけたいものですね。

さて、お返事。

なんと。そして
調べれば調べるほどよく分からないフチトリゲンゴロウの世界。

外見ではほとんど区別のつかないいくつかの近縁種がいて、

「タイ産フチトリゲンゴロウ」といわれるものが輸入されていたこともあるそうですが、
それがそもそも存在するのか(フチトリゲンゴロウ(Cybister limbatus)がタイに分布しているのか )、という部分までよく分からないと。

これは食べてしまうので日本に持ち帰る予定はないのですが、種の保存法で学名が指定されてしまった生物と

外見上見分けのつかない近縁種、というのはとても大変な運用になっていくと思います。なんとまぁ。

さて、茹でて味見をいたしましょう。

前胸がまずい!

ゲンゴロウもオサムシ上科ですのでなんかの防御物質を持っていてもおかしくないですよね。
あの首筋の乳液はケガをして漏れた体液ではなくて捕食者である私に向けた防御物質だったんですね!
メッセージが伝わらない人でごめんなさい。

ちょっと古い本ですが、電子書籍でこれを買いました。

以前にも昆虫食の本を一冊買ったのですが、Elsevierで電子書籍を買うと、全くのセキュリティのないDRMフリーというのが選べます。
これで出版社が潰れてもデータが残る、という安心感のある仕様なのですが、
全ページに私の名前が書かれている。

という幼稚園のお道具箱かと思うような仕様で、これでDRMフリーのPDFとして売ったとしても、おいそれと配布できませんね。
流出すると出版社から私が損害賠償請求を受けてしまうでしょう。これはいい仕様だと思うので、各社真似して欲しいところですが。

ハネカクシなども含めて、甲虫のケミカルな防御物質はなかなか攻略が難しいものです。これを読んで勉強してみます。遠きラオスの地において、日本の有識者の方々にコメントをいただき、大変ありがたい、贅沢な味見になりました。ネットが通じる世界になって、ささやかな幸せを感じております。
言葉は通じないが昆虫を食べるラオスと、言葉は通じるけど昆虫は食べない日本と、食を通じて物理的に繋がっていくことで何が起こるか。
できればいいことが起こってほしいですよね。こんなにも農薬が少ない。というか農薬を使った農業をできるほどの所得がないラオスの貧困ですから
彼らが資本主義の荒波に放り出される時には、少しぐらい先進国から手助けがあってもいいじゃないですか。

そして農薬を使わない農業、という後進性の利益を享受して、昆虫を生み出す新しい有機農業を実装できたら、ラオスの特産になって
タガメやゲンゴロウがいつまでも元気な社会になって欲しいなぁと妄想を燃料にしながら日々を過ごしております。

さて、頑張ろう。

あ、最後に
フチトリゲンゴロウについて勉強するときにすげー邪魔だったのが、リンクは貼らないですが検索上位に上がってくる内容がゼロのHP。

「ググれ」が通用しない世界がもう虫の分野にも来てしまっています。ググりの先の情報に到達するためにも、やはり論文が読める訓練はどの分野でも必要だったと改めて感じます。

体長34mm のメス。
前胸が臭い。苦い!消毒液のような鼻に抜ける不快臭。
ゲンゴロウには前胸に大きな防御物質の分泌線があるらしい。
胸部、腹部は肉食だけあって旨味が強く、臭いものの旨味やコクが感じられるが、もうちょっと水洗いなどして防御物質を流したほうがよかったかと。

体長34mm のメス。
前胸が臭い。苦い!消毒液のような鼻に抜ける不快臭。
ゲンゴロウには前胸に大きな防御物質の分泌線があるらしい。
胸部、腹部は肉食だけあって旨味が強く、臭いものの旨味やコクが感じられるが、もうちょっと水洗いなどして防御物質を流したほうがよかったかと。

体長34mm のメス。
前胸が臭い。苦い!消毒液のような鼻に抜ける不快臭。
ゲンゴロウには前胸に大きな防御物質の分泌線があるらしい。
胸部、腹部は肉食だけあって旨味が強く、臭いものの旨味やコクが感じられるが、もうちょっと水洗いなどして防御物質を流したほうがよかったかと。