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みなさま、週末の巨大台風の影響は落ち着いてきたでしょうか。Twitterを見ているだけで、ここラオスにも台風が来るのではないかとそわそわしてしまいました。私の次回の帰国は11月です。

研究会では毎年サイエンスアゴラに出展してきたのですが、今回はラオスで協力する保健NGOであるISAPHの「本邦研修」という保健人材育成事業とコラボする形で、研修に来ているラオス人公務員に少しばかり東京まで足を伸ばしてもらい、一緒にこれからの昆虫食について語ろうというトークイベントを開催します。11月16日午後14時半ぐらいを予定しています。サイエンスアゴラで語らいましょう。おさらいしておきますが、サイエンスアゴラのコンセプトはこちら。

サイエンスアゴラとは、あらゆる人に開かれた科学と社会をつなぐ広場の総称です。サイエンスアゴラは、異なる分野・セクター・年代・国籍を超えた関係者をつなぎ、さまざまな人たちが各地で主体的に推進する活動の広場です。この広場に集まる人たちが多様な価値観を認め合いながら、対話・協働を通じて、これからの「社会とともにある科学」と「科学とともにある社会」の実現を目指します。

https://www.jst.go.jp/sis/scienceagora/about/

そして2019のテーマはこちらです。

Human   in the New Age   -どんな未来を生きていく?-

あなたは、科学技術の開発がさらに進んでいるであろう未来に、どんな暮らしをしていたいですか?
望む未来に必要な技術とは?機械や新技術に委ねたくない人間性とは?
サイエンスアゴラ 2019 では、そもそも人間とは何なのか、自分は何を選びたいのか、目の前のものをどう使いたいのかを、さまざまな視点から考える機会を提供します。

https://www.jst.go.jp/sis/scienceagora/exhibition/

ぴったりだと思いません?

しかし、一緒に語らうにあたって日本側に大きなハンデキャップがあります。



多くの日本人は昆虫を食べる自分を
イメージできない。

以前に「食の未来を考える」トークイベントに客として参加した際、日本の文化を背景とする人だけがリサーチし、これまでの年表をまとめ、歴史学風に未来を想像するという流れでしたが、どうしても抜け漏れが発生してしまっていました。自然の昆虫を食べてきたという日本の歴史がすっぽり抜け落ち、未来のコオロギがふんわり乗っかるという、とても浮世離れした未来予測になってしまっていたのです。

それではいかんだろうと、一つ対策として考えられるのが、このときのゲストの一人であった西廣先生の分野です。西廣先生は生態学をベースに植物の救荒食としての可能性を見出し、今後(温室効果ガス低減をどれだけがんばっても)不可避である温暖化に備え、さまざまな適応策を考えておこうとする立場の研究者です。もちろんそこに温室効果ガスを出しにくく、そして既存の恒温動物よりも熱中症に強い昆虫も推したいところですが、こちらの話はまた今度すすめます。

このような生態学ベースの「未来の食提案」に昆虫が含まれるのは妥当です。生態系をみても昆虫を主な食料にする哺乳類は多様にありますし、もちろん人間も食べてきました。一部の危険な虫を除いて体力のない子供でも、高齢者でも扱えることから、栄養源としてまだまだ伸びしろがあります。

そして今回のアゴラでのチャレンジは「昆虫食文化が濃くある地域」からの提案をうけとめきることです。ラオスでは昆虫を食べる文化が普通にあり、私が提案してきた「昆虫養殖で地域貢献」というアイデアはほかの食材と同じように至って普通のものとして、ラオス側に受け入れられてきました。

というのもラオスは「飢えない最貧国」とも呼ばれ、NGOを始めとした外国からの開発援助を常に受け入れてきた国です。その中でも地元の農作物や畜産物に対して高度な技術支援をするというのは当たり前の、ごく普通のプロジェクトとして行われてきました。しかし、たしかに昆虫を使ったものは明らかに少ないのです。

その原因は「先進国に昆虫食文化を持つ国が少なかったこと」といえるでしょう。先進国は食の技術をレベルアップすることで安定に、そして安全に食生活が営める社会をめざしてきました。

そして残念ながら、その中から昆虫食はこぼれ落ちてしまい、昆虫は「殺虫剤で殺して除外するもの」という位置づけになってしまいました。そのため昆虫を食利用するという技術を、先進国すらも持っていないのです。その中で「支援」をしつつ「技術開発」をするというホットな研究活動現場を作ろうとしているのですが、この話もまた別でまとめます。

そこで今回のテーマです。

日本側参加者の課題は「昆虫を食べる自分をイメージできるようになること」です。当日は試食も用意しますが、本当に無理して食べる必要はないですし、「食べる必要があるから食べる」では食のイメージがあまりに貧困です。おいしいから、食べ物だから食べるイメージを、ロールプレイのつもりでラオス人ゲストとともに高めてください。

その上で、ラオスの抱える栄養問題を知り、その支援をしたいときに、日本から何が提案できそうなのか。また今後(というかもう来ているんですが)、ラオスの昆虫食文化をもつ若者が日本にやってきたときに、日本からどんな食材で、料理でオ・モ・テ・ナ・シができるのか。一緒に考えていきましょう。

さて、今回は日ラオの通訳の関係で、事前に質問事項を整えておきたいです。

ラオスの昆虫について、ラオスの栄養の問題について、その他いろいろ、聞いてみたいことがありましたら、お知らせください。多様な視点からの質問をお待ちしております!

さて、先月は「あえて昆虫をオススメしない」という活動をしていました。ナンバンカラスウリという栽培が容易なウリ科の多年草をオススメし、そこからビタミンAを摂ってもらおうというものです。しかし村にとって新しいものとはいってもそれを食べる虫はやってきてしまうものです。広食性昆虫おそるべし。こんな虫が来ていました。

うごきがひょうきんでかわいい。

以前に見たマンゴーミバエによくにています。

しかし、その後私の顔はこわばります。

たまごうんでる!

そうなのです。ウリといえばウリミバエ。詳しい方にセグロウリミバエではないか、と教えていただきました。ウリミバエは刺したり噛んだりせず、その地味な生態に比べて、育った幼虫が実を腐らせてしまうことから、経済的なダメージの大きい虫として知られています。

沖縄では不妊虫放飼法という、放射線処理をしたオスを大量に野外に放つことによって、近縁のウリミバエの根絶に成功したという事例があります。

セグロウリミバエも植物検疫で水際で見つかったりと、要注意な虫なのですが、ここはラオス、自然分布域です。遠慮なく観察しましょう。

カボチャミバエと同様に、ウリミバエの幼虫はジャンプできます。みてみましょう。まずは180fps

よくわかりませんね。次が480fps

ぐいぐいと、筋肉パワーが無明逆流れのように溜まっていくのがわかります。すごい。そしてこのスローでも詳細がつかめないほどのスピード。肉眼では本当に消えたように見えます。それでは食べてみましょう。

しっかりした筋肉の弾力があり、薄皮で食べやすく、パチンと弾ける皮の食感もよい。 味は淡白で特徴が薄いが、それだけ拡張性があると考えられる。蛹化に失敗した個体がいくつかあるので蛹化用の足場を考えよう。

跳ぶ寸前。

とても美味しかったです。マイクロポークビッツみたいな。

チチュウカイミバエを使ったイスラエルの昆虫養殖スタートアップもありますし、ミバエも管理次第では化けていくかもしれませんね。