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Twitterで反響がありまして、いくつかライフハックもおしえていただきましたので紹介しておきます。きっかけはこちら。

モンベル、すごかったんですよ。こちらの街に来ている日本人の方でもお腹の弱い方が多いようで、暑くて汗かいて汗冷えしてもまたお腹を下してしまう。トイレのグレードが日本のものには程遠く、なかなかいい環境のトイレにめぐりあえずにストレスになってしまうなど、暑い地域でのお腹の問題はなかなか困ったものがあります。個人差があったり、プラセボに近いものがあるとは思いますが、とりあえず自分のものと教えてもらった情報をまとめておきます。

私がこちらにきてからまだ半年ですので、そのほかライフハックがありましたらおしえてほしいです。

お寿司、というたいへん有名な日本料理があります。Sushi と呼ばれ、もう世界中でメジャーな存在となってきました。こちらラオスでも屋台でたまに見ます。カニカマが使われたり、鮮やかに色付けされた、とびっこが使われたりと、なんらかのアレンジが効いているのがいいですね。「寿司」というのは縁起を担いだ当て字で、魚を使ったものは「鮨」が一応の本来の漢字のようです。

ラオスの屋台のSUSHI

では魚を使わずに虫を使った鮨はどうなるか。探してみたら中国語にこの漢字がありました。𧊙 。虫偏に旨いと書いてzhiという読みで、意味がよくわからないのですが中国語を理解できる方がいらっしゃいましたら教えてください。

ということで今回はラオスで「お𧊙」を作ります。2キロほど離れた市場にいけば買える昆虫に対して、「鮨」の材料はきわめてアクセシビリティが悪いものです。とにかく日本食材が売っていない。いろんなもので代用していきます。まず台座。寿司下駄みたいなやつがほしかったので、二百円ほどでラオスで使われている木を輪切りにしたまな板を購入してその代替としました。笹みたいな敷き紙も欲しかったので、借家のバナナの葉をとってきました。長粒種のうるち米、カオニャオを買い、パイナップル酢とみりんの代わりにパームシュガー、そして味の素(こちらの味の素はキャッサバ由来)でつくります。そして海苔。これは代替はどうにもなりません。市場のお店でたまたま安売りしていた(とは言っても日本の倍ぐらい高い)味付け海苔があったので、購入してみました。次に無事熱帯の素材で「酢飯」らしきものができました。正直昆虫以外の食材を揃えて味を整える方が大変でした。

次に具材を決めましょう。養殖したゾウムシをピュアな味にしたかったので、一晩臭みのない食材をたべさせる、という従来の糞抜きではなく背開きにして消化管を取り除く、という物理的な背わた抜きで対応しました。背開きの後、脂肪が流れないよう注意してバナナの葉の上に置き、2分トーストしてから常温に戻すと溶け出した脂がチーズのように固まり、滑らかな脂肪の表面があらわれます。

ツムギアリは年中手に入る食材ですが、今の時期はちらほら女王アリを含む幼虫が売られていることがあります。女王は体積にして10倍程度でしょうか。食感としてはちりめんじゃこぐらいだった働きアリの幼虫に対して、プチプチ感がたまらず、イクラぐらいあります。プチっとした食感と、深いコクが特徴です。小さい皿で価格も2倍くらい。彼らも女王がおいしくて高いことを知っています。ツムギアリはさっと茹でた後、すぐに氷水に入れるとプリッパチッとした食感が戻ります。

Pupae and larvae of Oecophylla smaragdina ツムギアリの働きアリと女王の幼虫、成虫の比較。

それでは盛り付けて完成です。

ツムギアリ女王の前蛹と幼虫だけの軍艦。働きアリと混ざって売られていたものから箸で一頭一頭つまみ上げ、さっと湯通しして氷水に入れるとプリッとして透明感も戻る。イクラと甘エビのような味。陸上生物なのに磯の香りもする。白イクラと名付けようか。ネギがシャキッと磯臭さをまとめあげる。
ツムギアリ女王サナギだけの軍艦。サナギになると味が澄むかわりにコクは減り、シュクっとした食感。コーンで甘みとプチプチ感をプラス。成長段階の味の違いをはっきり比べられる軍艦に。
ゾウムシの開き。背ワタを破らないよう慎重にとりのぞき、トースターで2分。脂がこぼれないよう数分待って、とろけるチーズぐらいの硬さになったらトッピング。木の香りがするトロ。トロに比喩するのが失礼なリッチな森の味わい。

残念ながら、「𧊙」の字はブラウザによって文字化けするようです。

おつきあいいただきありがとうございました。いい字が見つかったので積極的に使っていきたいと思います。

まとめていなかったのでまとめ直しておきます。

2017年、初めてラオスに訪れた際に、村人からドクバッタをもらいました。
「誰も食べない」と言われたドクバッタ。笹を食う、とその時は教えてもらいました。教えていただきましたがAularches miliaris が一番近そうです。

ということで結局味見はしていません。大発生して稲を食害する、という話もあるので、キョウチクトウなどの毒草を食べさせずに無害化できたら、彩りがよく動きも遅く、捕食者に狙われにくいので素晴らしい家畜になると思います。完全養殖したいですが、もうちょっと生態についても調べておきます。

あけましておめでとうございます。2019年はラオスに入り浸りになりそうな予感です。昨年11月から試験的に導入した昆虫養殖が予想以上にうまいこといっており、養殖された昆虫の「売り先」を確保しつつ持続可能な昆虫養殖ビジネスへとつなげていく必要性が目の前に迫ってきたのです。

支援先の村人や公務員からよく言われるのが「NGOは技術だけ教えてプロジェクトが終わったら何も残らない。売り先がないから村人はやめてしまう」とのこと。最近流行のSDGsには二つの「持続可能性=サステナビリティ」があります。一つはNGO、NPOの活動の持続可能性です。そしてもう一つは生態系から見た持続可能性です。

ななむしがゆ

参加し始めたばかりでこの業界について語るのも恐縮ですが、国際協力活動は、そのほとんどが寄付か助成金に頼っています。クラウドファンディングも含めて「寄付」は来年以降も続くとの確約がなく、そして助成金は3年などのプロジェクト単位での期限付きです。その中で「生計向上」を掲げるプロジェクトはその技術が普及したことを成功の指標としてデザインされていることが多いそうです。しかし、しかしですよ。技術を持っても生産するにはコストがかかるんですから、売り先がないことには持続可能にはなりません。3年プロジェクトで技術を普及させて、報告書を書いて、その後その団体が地域から去っていって誰も続けない、という残念な結果がよくあるとのことです。

そして、もう一つの持続可能性は生態系の持続可能性ですね。こちらは人間の都合が効かない、というか人間の活動は生態系が持続可能である前提で持続可能なので、もうちょっと重視されてもいいのですが、昆虫食の売り文句としてよく使われています。前に「昆虫食は未来の食糧問題を解決しない」でも触れたのですが、昆虫であれば、自動的に持続可能になるわけではありません。持続可能でない、生態系に負荷の大きい昆虫養殖は誰でも簡単にできます。なので、そこに監視の目が必要で、それをブランディングしていくことが、昆虫食の健全な拡大に貢献することになるでしょう。

ということで、現在は国際協力活動として助成金のスキームを使っていますが、その後は売り先を確保し、ソーシャルビジネスとして成立させ、売り上げを生計向上や栄養支援につなげながら拡大するのが社会貢献になるだろうと考えています。NPOという形態をとらないことで、専門人材をそれなりの待遇で迎え入れるための投資を募ることもできていくでしょう。

ともあれ忙しい一年になりそうです。年末年始の疲れを癒す、ななむしがゆを作って正月をおだやかに過ごしましょう。冷凍庫を覗くと中に7種ぐらいの昆虫があったので、在庫整理も兼ねて簡単に「ななむしがゆ」の料理をします。

揚げる食材

香ばしさとカリカリを楽しむ具材は揚げておきます。今回はゾウムシ幼虫、ゾウムシ成虫、トノサマバッタ、タガメとヒメカブトの前胸を揚げました。ヒメカブトとタガメは硬いので飾りです。

揚げない食材

タガメの胸肉、ヒメカブトの胸肉、ツムギアリの幼虫、タケムシの幼虫などの柔らかい昆虫素材たちはオムレツに巻き込みます。そのほかパクチー、揚げ玉ねぎ、ねぎ、トマト、ライムなどのラオス風おかゆ(カオピヤックカオ)に必要なオーソドックスな食材を用意しておきます。揚げ玉ねぎと一緒に、茹でて干して粉末にしておいたヤゴを振りかけて、風味をつけます。

鶏ガラで出汁をとったら、おかゆモードでうるち米を炊き、具材をトッピングしたらライムを搾り、軽くナンプラーをかけて完成です。辛いものが多いラオスでのお腹に優しい滋味深い味わいです。

ななむしがゆ

さて、新年もやさしく参りましょう。今年もよろしくお願いいたします。