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コオロギ食について整理してみないか その1
コオロギ食について整理してみないか その2
そしてその3です。

2010年温室効果ガス論文、2015年Oonincx論文の紹介とともに、
コオロギ食から派生した昆虫食の最前線までを体系的にまとめておきましょう。

2010年の論文で示されたのはこちら。二酸化炭素「相当量」で重み付けした温室効果ガスを比較したものです。

2013食用昆虫科学研究会アゴラ資料より

昆虫の消化戦略において、あまり温室効果ガスを発生させる微生物の関与がすくないことが想像されます。

とはいっても、シロアリはかなりの温室効果ガスを消化管から発生させることもあるので、「昆虫は」でひとくくりにするのは駄目です。

ミールワーム、コオロギ、バッタはけっこう将来性あるぞ、といえます。

そして
2015年Oonincx論文

HPHF(ハイプロテインハイファット) ビール粕、ビール酵母、クッキー
HPLF(ハイプロテインローファット) ビール酵母、ポテトの皮、糖蜜
LPLF(ロープロテインローファット) クッキー、パン
LPLF(ロープロテインローファット) パン ポテトの皮 糖蜜

を組み合わせ、食物残渣由来のエサをつくり

それをミールワーム、コオロギ、ゴキブリに食べさせてその回収効率を比較しています。

ミールワームについてはどのエサでも
タンパク質回収効率はさほど変わらず、ロープロテインハイファットで生存率が15%まで下がります。
脱脂したあとの残渣等からの栄養回収に適しているともいえます。

ゴキブリはさすが。生存率はHPHF条件が80%と高いですが、LPHF条件でのみ、87%ものタンパク質(測定しているのは窒素)を回収することに成功しています。LPHFの主な原料は残渣のクッキーですので、人間が食うと太ってしまうようなジャンクフード、菓子類からゴキブリを使って栄養回収することで、ヒトにふさわしい栄養素だけを選択的に回収できることになりそうです。

注意しておきたいのは、ゴキブリの場合、食べ物によって体に含まれる栄養素も大きく変わるようで
高タンパクエサではでは高タンパクな体となり、低タンパクでは低タンパクな体になります。(FIG.1)
消化管内容物なのか、それとも貯蔵組織の可変なのかはわかりませんが、出荷目前には高蛋白なエサを食わせたほうがよさそうです。

そして残念なのはコオロギ。HPHFの恵まれた栄養条件以外のエサではデータがとれないほどに死んでしまいました。
人間の栄養にとって低品質のバイオマスから、高品質の栄養を取り出すシステムには、コオロギはふさわしくないように思える結果です。

以上から

Fao2013以降のコオロギ食についてまとめてみましょう。

コオロギ食については、進展がめざましく、もはやポテンシャルについては十分議論ができ、「本当に役に立つ」かどうかは次の段階の検証が始まっています。具体的に実装し、ライフサイクルアセスメントをする段階です。

コオロギでの新しいシステムモデルをつくるか、

コオロギ以外の種で目的を達成するシステムを組むか

という次の課題が見えてきましたので、コオロギの2013年のポテンシャルだけをもって、昆虫食を推進したい、となるとやや出遅れ感があります。ビジネスにする場合にしろ、他と差別化する場合にしろ、システムのモデルを提示し、ライフサイクルアセスメントを経ることで、コオロギ食というものがさらにレベルアップしていくことでしょう。そしてその中で、目的にコオロギが合わない場合、コオロギ以外の食用候補昆虫が選ばれていくことになるでしょう。

もちろん私のバッタのプロジェクトも、コオロギのこれらの論文を踏まえて、コオロギでは達成できない目的に向かってシステムを構築しています。

 

前回の記事
最新のライフサイクルアセスメントの結果をもとに、
コオロギがニワトリと同程度かそれ以上のポテンシャルをもつことを解説しました。

そして実験室での成果と産業での実際との効率にまだまだ差があるので、
今後はもっとハイレベルなコオロギ養殖のデザインが可能であることが示されました。

では、この2018論文が引用した「実験室での結果」2015Lundy論文を紹介します。

2015Lundy論文は1991年論文
「コオロギは体重増加1kgあたりの飼料が1.7kg ニワトリは同2kgなのでコオロギのほうが効率が高い」
を受けたものです。

2013年FAO報告書も、2010温室効果ガス論文も1991論文を引用したのですが、2015Lundy論文は
死亡率まで含めより詳細に検討し、タンパク質転換効率ではコオロギとニワトリが同程度だと示しました。

2015Lundy論文はコオロギをもてはやす風潮に批判的な態度という主旨ですので、厳密さという意味で信頼度が高いですし、
2018年論文は最もコオロギに批判的な2015論文を引用し、そのデータを使った上でライフサイクルアセスメントの結果を示したという意味で批判の応酬が見事に議論の質を高めています。このやり取りは大好きです。

Crickets Are Not a Free Lunch: Protein Capture from Scalable Organic Side-Streams via High-Density Populations of Acheta domesticus

それでは内容に参りましょう。

飼料栄養効率だけでなく
Feed conversion ratios (FCR)
タンパク質栄養効率
Protein conversion efficiency (PCE)
も比較しています。

このとき、普通のニワトリ飼料(PF)の他に
生ゴミ由来の飼料候補(FW)と作物残渣由来の飼料候補(CR)を試しています。
結果的にはあまり良い結果ではなかったですが、食料品店からの生ゴミ堆肥を使った飼料(FW-1)についてはニワトリ飼料PFよりやや低い程度のスコアで育ちました。他の飼料がずっと低い結果なのは、コオロギは共食いしやすく、FW-2 CR-1 CR-2のタンパク質(窒素)量が十分でなかったためと思います。

「薄い低品質の」タンパク質の濃度や質を高める能力は集団飼育コオロギは弱い、ということがわかります。

この、有機副流(organic side-streams)を処理するというアイデアは、コオロギから派生し、別の昆虫で実現しそうになっています。食物残渣で、かつタンパク質が薄くて低品質のバイオマスの質を高める昆虫を検討し、ゴキブリとミールワームがなかなかいいぞという論文がありますので、その3で紹介しましょう。

そして、コオロギのタンパク質転換効率はニワトリ飼料で最大となり35%。ニワトリが25%から33%ですので、
「タンパク質転換効率では大差ない」ということになります。

少し補足しておくべきなのが、65%はウンコもしくは分解消費されてしまうということです。
そしてコオロギの餌はニワトリと同等の、タンパク質を20%含むトウモロコシ・大豆・フィッシュミールの混合物です。

ニワトリ飼料は膨大な量が流通しており、
栄養的にはヒトの食用に適していて、残念ながら美味しくない、という特徴をもつバイオマスですので、
そのタンパク質の65%を失ってもなお機能性がある、ということをコオロギ食は今後アピールする必要があります。

そして、飼料栄養効率はFCRが1.47であることが示されました。1991の論文1.7よりも効率的ですが、
大量飼育したこと、1個体あたりの床面積が異なることが理由であろうと書いています。

少し脱線しますが、鉤爪をもち、隙間や裏天井のような場所が好きで、脱皮にぶら下がる場所が必要なコオロギには立体的な飼育環境が必要です。なので、「飼育密度」は床面積で表現するのは必ずしも正しくなく、立体的な足場の構造を含めて記述・比較して最も効率的な密度へと最適化していく必要があると思われます。

話を戻します。

そして素晴らしいディスカッション 最後の一文。

In order for insect cultivation to sustainably augment the global supply of protein, more work is needed to identify species and design processes that capture protein from scalable, low-value organic side-streams, which are not currently consumed by conventional livestock.

昆虫養殖が世界のタンパク質供給を持続可能な形で増加させるには、育てるべき種を決めることと、他の家畜では未利用の低品質の有機副流(オーガニックサイドストリーム)から様々な規模でタンパク質を回収するプロセスのデザインが必要であろう。

そうなんです。プロセスのデザインが必要ということであります。

プロセスがデザインされシステムとして実装されると、ライフサイクルアセスメントができるので、そのシステム全体が持続可能性に寄与するかどうか、判断できます。

この提言により、2015年Oonincx論文へとつながります。
2015年Oonincx論文は有機副流からタンパク質を回収するにはどれがいいか、複数の昆虫を比較しています。

Feed Conversion, Survival and Development, and Composition of Four Insect Species on Diets Composed of Food By-Products

その3ではこの論文を紹介し、コオロギ食の研究が基盤となって、
これからは「システム」と「昆虫の種」をデザインしていく、そのときに必ずしもコオロギである必要はない、という現在の
学術的な昆虫食の全体像を見渡せるようにまとめようと思います。

2

タイトル通り、いろいろとビジネス的に注目されつつある、コオロギ食について整理してみませんか。という記事です。

というのも、
昆虫食ビジネスとしてのコオロギ食スタートアップが増えつつある中で、食糧問題や効率など、キャッチーなコピーが強調されていますが、そもそも学術的な議論はどこまで進んでいるのか、きちんと把握できていないまま書かれた記事も散見されるからです。

コオロギ食を取材して記事を書く方、これからコオロギ食スタートアップを展開したい方、そして
コオロギ食関連の研究を応援しようと考えている方などなど、参考にしていただければと思います。

せっかくの利点があるのにアピールしそこねたり、盛りすぎるあまり信頼性を失ったり、というリスクを回避してもらえればと思います。今後の昆虫食の将来性を見積もるにあたって、最もデータの集まっているコオロギはその基準となるでしょう。

2013年のFAO報告書で、その温室効果ガスの少なさ

An Exploration on Greenhouse Gas and Ammonia Production by Insect Species Suitable for Animal or Human Consumption(2010年論文

と、効率の高さ

Comparison of Diets for Mass-Rearing Acheta domesticus (Orthoptera: Gryllidae) as a Novelty Food, and Comparison of Food Conversion Efficiency with Values Reported for Livestock1991年論文

に注目が集まったコオロギ食。

あれから5年、その後の論文のやりとりはとてもエキサイティングでした。
この面白さが日本語で共有できていないのもなんなので、まとめてみようと思います。

今回は最新論文からさかのぼって紹介していく方式にします。

現段階においてコオロギ食に言えることは先にまとめますと

1,コオロギはニワトリと並ぶ高効率・低環境負荷の家畜になりうる。
2,産業的には、まだその段階に達していない。

そこから議論できることは、
3,産業的なコオロギ養殖技術を高めることがコオロギ食の環境負荷をニワトリよりも低くする大きなブレイクスルーになるだろう

蛇足にはなりますが、注意点として

4,残念ながら菜食との比較ができる段階にはない。
5,「全人類がコオロギを食べれば解決」みたいな雑な議論の段階にはない。

ので「言い過ぎ注意」です。

最新論文から参りましょう。1と2についてまとめます。

Afron Hallolanさんのこの

The impact of cricket farming on rural livelihoods, nutrition and the environment in Thailand and Kenya 博士学位論文

リサーチゲートでダウンロード可能なんですが、その中に論文が5つ含まれています。
ここから読み解いていきましょう。

論文リストはこちら。

Paper I – Halloran A., Vantomme P., Hanboonsong Y., Ekesi S. 2015. Regulating entomophagy: the challenge of addressing food security, nature conservation, and the erosion of traditional food culture, Food Security, 7 (3): 739-746.
Paper II – Halloran, A., Roos, N., Eilenberg, J., Cerutti, A., Bruun, S. 2016. Life cycle assessment of edible insects for food protein: A review. Agronomy for Sustainable Development, 36: 57.
Paper III – Halloran, A., Roos, N., Hanboonsong., Bruun, S. 2017. Life cycle assessment of cricket farming in north-eastern Thailand. Journal of Cleaner Production. 156: 83-94.
Paper IV – Halloran A., Roos N., Hanboonsong Y. 2017. Cricket farming as a livelihood strategy in Thailand. Geographical Journal, 183 (1): 112–124.
Paper V – Halloran, A., Oloo, J., Ochieng Konyole, S., Ayieko, M., Roos, N. Awareness and adoption of cricket farming in Kenya. Submitted to Rural Studies.

 

この1,2はレビュー、4はタイで、5はケニアでの実際の産業的養殖の報告なので、特に重要なのはPaper3です。

Paper3のいいところは、コオロギ食に対して厳密で、かつ批判的な2015年の論文

Crickets Are Not a Free Lunch: Protein Capture from Scalable Organic Side-Streams via High-Density Populations of Acheta domesticus

を引用しているところが学問的に誠実です。2015年論文の主な主張は
「ニワトリとコオロギのタンパク質転換効率はさほど差がない」ことです。
この論文についても私の大好きな論文なので、後の記事で解説します。

どうしてもビジネスとなると、いいところを伝え、弱いところはあえて強調しない、というのが一般的なマーケティングの作法になるので、学術論文レベルで誠実な批判のやりとりがあることが素晴らしいです。

逆に言うと、ビジネスでの限られた表現に対して、学術的な議論を仕掛けるのは野暮、ということも言えそうです。だからこそ、ビジネスとは少し距離をおくことができて、昆虫食に関わるすべての人が周りを気にせずガチで議論できる場を設けたい、というのが私のこれからの野望でもあります。

 

コオロギはニワトリと同じ飼料で育てられることから、コオロギとニワトリの比較は容易です。また家畜の環境負荷を比較するときに、ある一つの(有利な)一点で比較するのではなく、
ライフサイクル全体を総合的に診断しよう、という方法がとられています
「ライフサイクルアセスメント LCA」と呼ばれます。

ニワトリとブタのライフサイクルアセスメントについてはFAOが報告書を出しています。
http://www.fao.org/docrep/018/i3460e/i3460e00.htm

この中で、「GLEAM」というモデルが提示されています。

家畜の生産、というものは
肥料を投入して飼料を育て、家畜を育て、産物を出荷し堆肥を得て、そして飼料を育てるという半閉鎖系の循環といえます。

Greenhouse gas emissions from pig and chicken supply chains
より一部改変翻訳

つまり、2013年の段階で、コオロギの利点は効率と温室効果ガスの二点のみであって、ライフサイクルアセスメントによる総合的な評価が行われていないことが他の家畜との比較において不十分であったといえます。

例えて言うなら身長と体重だけを比べて、どちらが健康か判断するようなものです。健康の大きな要素ではありますが、ヌケモレのない調査とはいえないでしょう。

さて、Paper3について読んでみましょう。

全体的な環境負荷については、ブロイラーと現在のコオロギ養殖がだいたい同じくらいかややコオロギのほうが優勢。
そして研究室でのデータをもとにした「将来のコオロギ」という項目を使うと、死亡率が低く効率が高いのでブロイラーとよりも優勢な結果となりました。

この結果より、
1,コオロギはニワトリと並ぶ高効率・低環境負荷の家畜になりうる。
2,産業的には、まだその段階に達していない。

となりますので、

3,産業的なコオロギ養殖技術を高めることがコオロギ食の環境負荷をニワトリよりも低くする大きなブレイクスルーになるだろう。

というのが、これからコオロギ養殖ビジネスを始めるにあたって強力な根拠になると思われます。

4,残念ながら菜食との比較ができる段階にはない。

ところがこの論文においては、多くの環境負荷因子において、「エサの生産」が主なファクターとなったのです。
つまりトウモロコシ、大豆の生産が大きな環境負荷をもたらしており、それを食べさせる家畜をブロイラーからコオロギへと転換したところで、全体としてはあまり大きな変化ではないかもしれません。

そして、論理的菜食主義者の主張では「飼料用作物を人が食えばいい」というものがあります。
コオロギの口に入る時点で、人の食用に適した栄養バランスと栄養素をもっていますので、この論理に対して、
家畜はどうしても勝てません。

プロセスが増えるとどうしてもエントロピーは増大しますので、家畜を経由して人が食べるよりも、直接家畜飼料が食えれば測定するまでもなくそれは省エネです。

5,「全人類がコオロギを食べれば解決」みたいな雑な議論の段階にはない。

菜食主義主張は理論的には強力ですが、
実際問題として、飼料用作物を美味しく食べられるか。食用に転作してもきちんとその土地で育つか。
経済問題として食用作物の価格暴落を起こさなないか。など、「すべての人が菜食になれば世界は救われる」
というのは「すべての人が昆虫食になれば世界は救われる」と同じくらい雑な議論です。

結局の所、文化的なものも含めて、人類は文化的な食として昆虫食「も」取り入れ、最適化していくのだと思います。

データ上のチャンピオンを探す旅の終着点は、「すべての人がチャンピオン作物を食べるディストピア」ではなく

「様々な文化的な食の選択肢を選びつつ、持続可能性を高めていく社会」になると思われます。

その2では、2015年コオロギ・ニワトリ論文と
その3では 2010年温室効果ガスの紹介をしながら

コオロギの次の一手と、
コオロギ以外の「次世代昆虫食」としてどのようなものが考えられるか

解説していこうと思います。

ラオスの活動で必要になったので、TG-5を購入しました。

というのも水が多い、そして砂が多い。

粘土質のねっとりとした赤土は、乾季になると細かな粉末となって舞い上がります。

赤土の道路は砂をまきあげる

それまで長年つかってきたXZ-1、

これもCCD最後の世代で、レンズも明るく、
マクロもいい写りのするコンパクトカメラなんですが、いたるところが砂まみれになるので故障も間近と思い購入を決意。
これで砂まみれのカメラが洗えるようになりました。

海外に持っていくにあたって、TG-4との最大の変化は

「独自規格の変なコネクタが廃止されたこと」

これは快挙です。海外でケーブルを節約できます。USB-miniB規格になりました。

そしてパンフォーカスマクロ魚眼をためしてみたくて、魚露目を購入しました。

アダプターが必要です。

そして、接写するとストロボが偏ってしまうので、FD-1も購入しました。

さて、この魚露目のためのアダプターと、FD-1はどちらも同じ、レンズ周囲のアダプター用コネクタに装着されます。
なので排他的なのです。

ですが、魚露目は光量がないと写りがいまひとつなのと、FD-1と併用できればいいなと。

写真家の海野和男さんが、こんな投稿をしておりました。

アサマシジミをTG-4に魚露目を付けて撮影。FD-1も同時に使えるように改造した。魚眼レンズよりも手軽であるが、魚露目だとやはり画質はそれほど良くない

むむ。同時に使う方法があるのか。それはやってみたい。

構造上、魚露目の光軸がズレるのは避けたいので、多少ずれても良いと思われるFD-1を重ね付けする方法はないものか。

ということでゲタをはかせてみました。材料は加熱してやわらかくなる「自由自在ボード」というやつ。

魚露目8号 FD-1なし

魚露目8号 FD-1あり
アタッチメントなし

FD-1のみ

FD-1による光の回り込みが、うまいこと魚露目でも効いていることがわかる。

んで魚露目のパンフォーカス魚眼マクロというなんとも奇妙な特性がよくわかりますね。

ということで前回の4月ラオス滞在に持っていったんですが、

わずか一週間で、このムービーをとったあとに落とす、という失態。

もう一度購入し、また持っていくことにします。

まずは予告編をごらんください。

iTunesで1000円で購入できます。

ラオス行きのiPadにダウンロードしておいたんですが、結局見れたのは帰りの飛行機の中でした。

いやー、いいドキュメンタリー映画です。
... "昆虫食ドキュメンタリー映画「Bugs」を見ました。" を続けて読む

昨年2017年より、特定非営利活動法人ISAPHから専門家短期派遣という形で「ラオスにおける昆虫食を含めた栄養改善事業」のお手伝いをしています。そして今年6月から、長期の10ヶ月での活動ができることになりました。

ISAPH公式には以下の記事が公開されていますが、
http://isaph.jp/activities/2017/180221_01.html

http://isaph.jp/activities/2017/170908_01.html

助成金をいただいたAINからも動画が公開されています。

「そもそもなぜラオスに行くことにしたのか」

について、ここで説明をしておきます。
ISAPHからお声掛けいただいた、というのもその理由なのですが、私の興味関心、および使命感もあります。

ラオスの市場。ここに養殖昆虫が並ぶ日も近いかも。

... "私がラオスに行く理由" を続けて読む

「Asian Art Award 2018 supported by Warehouse TERRADA – ファイナリスト展」
にて展示されていた
AKI INOMATA 「やどかりに「やど」をわたしてみる」 シリーズを見てきました。

AKI INOMATA 「やどかりに「やど」をわたしてみる」より 

ファイナリスト展ということで、他の作者の作品も展示されていたのですが
私は芸術鑑賞の訓練を受けていませんので、他の作品はさっぱりわかりませんでした。

この作品に関しても芸術の文脈ではなくて「生物を使った表現物」として観てきました。

論文、工芸、アートを問わず、生物をつかった表現物が好きです。

素材に使う、モチーフに使う、モデルに使う、なんでもいいですが、表現物の中に生物特有のめんどくささにとことん向き合った形跡があると、そそられるものがあります。生物学の訓練をうけたためか、生物を使った表現物においては「論文」至上主義なので、他の分野の表現物がその業界においてどんな文脈をもつか、についてはあまり愛着はないです。

この作品が気になったのは2017年頃でした。

ヤドカリに人工の宿を渡す、というアイデアは調べてみるとわりとあって
吹きガラスによる宿の作成がありました。
Robert DuGrenierさんは2014年で「15年つくっている」とのことでしたので2000年あたりから作っているようです。
http://www.glassshell.com/Site_3/About_Artist.html
こちらは吹きガラスによる貝を作成し、オカヤドカリに与えたものでした。

続いてAki Inomata さんのオカヤドカリへの宿の提供をした作品が2008年。
http://www.aki-inomata.com/works/hermit_2009/

更に2016年、今回展示された海水性のオニヤドカリへの宿の提供をしています。
http://www.aki-inomata.com/works/hermit_sea/

陸上よりも水中のほうが重さの制約が少なく、水の屈折率も貝の材料となっているポリマーと近いため、透明感の高い仕上がりになります。

ガラス細工については以前にガラス昆虫作家さんに聞いたところ、大型作品になるほど溶けたガラスの温度管理が難しくなるとのことでした。また、AKI INOMATA作品では、なめらかな貝の内部も再現するために、CTスキャンによる貝の3Dモデリングもやっています。内側と外側の曲線をそれぞれに独立してデザイン、出力できるのは3Dプリンタの利点です。

AKI INOMATA 作品より

AKI INOMATA 作品より
AKI INOMATA 作品より

AKI INOMATA 作品より

さて、ガラスから3Dプリンタへの道具の変遷によって、新たな「宿」を手に入れたヤドカリ。
通常の貝殻である炭酸カルシウムよりも軽く、強く、そして大きい宿を手に入れることも可能になったのです。
そこから何ができるか。期待したいのは「巨大化」ですよね。

つまり、偶発的にプラスチック製品がが海に流出することで、オカヤドカリが巨大化して、宿を捨てることで巨大化したヤシガニのような未来が待っているのです。

もう一点、タコをアンモナイトに見立てた殻に入れる、という動画作品がありました。
この作品をさらに動画撮影するの禁止なのですが、この作品、Twitterで見かけた時は、タコが水中の宙空の「タコツボ」に入るものかと懐疑的でした。
動画作品を観賞することで、そのナゾが解けました。映像がゆらいでいたのです。

AKI INOMATA 作品より
AKI INOMATA 作品より

おそらくこの作品は水槽の上から撮影されたもので、このアンモナイトの殻は水槽の底部に設置されたもののようです。そしてこの動画作品がタコがツボに入りかけているところからスタートしているのもすごく苦労したんだろうなと感じました。
こういった「表現物の中に生物特有のめんどくささにとことん向き合った形跡がある」というのは私の大好物です。
一般的な芸術鑑賞の方法ではないですが、ひとつの楽しみ方としてオススメしておきます。

AKI INOMATA 作品より
AKI INOMATA 作品より

DiEGO表参道にて行われていた青沼優介氏の個展「Poetic Structure/息を建てる」のレポートです。

Twitterで見かけて
「タンポポの綿毛をアクリル板に植え込んだもの」との説明に、一瞬納得しかけたものの、どこか気になるところがあって3月23日に実物を見に行きました。私は芸術鑑賞の訓練を受けたことはないので、あくまで「生物を素材に使った表現物」を観に行ったというものです。批評といえるレベルではありません。感想です。

この作品は「見立て」が秀逸で、作者はこれを「建築物だ」といいます。まったく理解できないんですが、実物を見るとあぁそのとおりだと感じられます。すでに「知って」いたことに気づくという感じでしょうか。

建築物の基本的な構造として「ラーメン構造」というのがあります。垂直な柱を2本、水平な梁を一本剛接合した強固な構造で、この基本構造のくりかえしによって大きな建築物を作ることが出来ます。

RahmenKouzou 01

氏の作品はまさにこれを見立てていると思います。「ラーメン構造が水平方向に荷重を受けたときの変形」を「息」によって体感できるのです。

RahmenKouzou 03

誰もが綿毛にをふうっと吹き飛ばす経験をしたことがあると思います。そのときの抵抗、曲がり、そして一番弱い根本が座屈して構造が崩壊していくまで、まさに建築における応力の基礎を体感していた、ということを改めて教えてくれます。この作品はその「綿毛」という誰もが感じたその物性を幾何学的に並べ直し、垂直水平をとり、建築模型のサイズ感で見立てることでいろんなおもしろい感覚を引き起こしてくれました。植物の配列と角度を整える、といういみで、原初的な生け花のような感じもあるなと思っていたら、生け花雑誌に特集を組まれたとのことです。

やはり比喩を含む「見立て」は生物を理解し、表現する上でとても重要なスキルで、かつセンスですので、すぐれた見立てをするヒトは様々な分野に点在していて、その分野間を跳躍するパワーを持っていると思います。こういう分野外の生物表現を体感することで、昆虫食にもなにかフィードバックが得られたらいいなと思いつつ、楽しみました。

これは私が撮影した普通のタンポポ。
青沼優介「息を建てる」より
青沼優介「息を建てる」より
青沼優介「息を建てる」より
青沼優介「息を建てる」より
青沼優介「息を建てる」より
青沼優介「息を建てる」より
青沼優介「息を建てる」より
青沼優介「息を建てる」より
青沼優介「息を建てる」より
青沼優介「息を建てる」より

さて、VTRで見えていた料理、もうひとつは

「こぶみかんの葉炒め4種」です。

こぶみかんの葉炒め4種

昨年8月に訪問した段階で、ラオス人スタッフからこんなことを言われていました。

「コオロギは消化管を抜いたほうがキレイになる。キレイにしていないものは食べたくない」

衛生観念ともいえますし、調理の美味しさ追求とも言えます。

その時使ったのはタイワンオオコオロギ。

腹部の先端からちぎるように消化管を抜いてあり、それによってコオロギやゴキブリに特有の集合フェロモンの匂いがなくなっていたように感じました。といっても比較対象は茹でたもの。

Brachytrupes portentosus
Brachytrupes portentosus

そして私の独断でモノを言うのはよろしくないので、研究会の皆さんにも味見をしてもらいました。

「消化管をぬいた炒めものはおいしくなるか」です。

タイワンオオコオロギは手に入らなかったので、小さいヨーロッパイエコオロギと、我が家の生ゴミ処理を担当してくれているデュビアを使いました。

左半分が消化管ぬき、右半分は消化管そのままです。

イエコオロギの場合、消化管を抜く作業のせいで、噛んだときの腹部の破裂感がなくなってしまい、香りもコオロギらしさが抜けてしまったように感じました。

デュビアの場合、消化管を抜くと中に味が染み込みやすく、抜かないことで少しゴキブリ臭が残ってしまうかと思ったのですが、さほどでもないです。

参加者の反応は見事にバラバラで、消化管を抜いたからといって必ずしも美味しいわけではなく、かつ感じ方に個人差があるようでした。消化管を抜いたことでコクや風味が失われた、という人もいましたし、抜くことで味がしみて食べやすくなった、と言う方もいました。なのでこのラオスのコオロギ調理が、必ずしも「おいしくする」というわけではなく、衛生観念も含めた文化的理由の大きいものである、としか言えないようです。

ともあれ、もう一つの目的「こぶみかんの葉が昆虫炒めものにめっちゃ合う」ということは同意してもらえました。

コブミカンは普通の柑橘の葉よりも香りが強く、苦味が少ないのが特徴です。高温の油でさっと揚げて、昆虫と野菜を炒めた後に最後に混ぜ合わせて仕上げます。カリッカリのコブミカンの葉と、少し弾力の残る昆虫の食感のコントラストが絶妙で、かつ柑橘の香りがふわっとひろがり、なんとも至福のとりあわせです。コブミカンの葉は冷凍もいけるようなので、常備しておくとよさそうです。

残念ながら日本での露地栽培では越冬が難しいようです。冬場は室内での越冬が必要とのこと。
ラオスでは庭にレモングラスとコブミカンが適当に生えていて、炒めものをつくるときに適当にちぎってもってきます。
なんだかゆるくて、とても贅沢に感じました。

ごちそうさまでした。

ラオス定食 木の器が昆虫料理にとてもよく合うことがわかってきました。 

みなさま、ラオスから帰ってきました。

さっそくですが、こちらの番組に出演することになりました。

30日にラオスから成田に帰ってから、家に2時間で準備し、移動、アジアスーパーストアで購入、
そして内山さんの家で作って収録と、慌ただしい日本帰国となりました。

テレビは苦手なので、今までテレビ慣れしている内山さんやギリコさんに何度も丸投げをして、私は裏方に徹していたんですが
ラオス案件はもっと支援を集めるべきなので、これからは露出を頑張ろうと思います。

どうぞご覧ください。

さて、放送されたので追記しておきます。時間の制約があったのと、出演者のみなさんの反応次第で番組は大きく変わるので
放送に乗らなかった部分を補足しておきます。

... "ラオスから帰ってきました。アベマプライムに出演しました。(放送後追記)前編" を続けて読む