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以前に、シロヒトリ幼虫を食べようとしたものの
ヤドリバエにやられて、泣く泣く味見したことを紹介しました。
これは後にイケダハヤト氏の目に止まり
プチ炎上(笑)した記念すべき記事です。
その後
シロヒトリ成虫を食べ
味が良かったことから私は
「シロヒトリは味が良い」と決めつけていました。
幼虫の味見をしないまま、です。
そして春が来て、彼らがまたやってきました。
シロヒトリ  Chionarctia nivea

不思議なものです。
「おあずけ」された経験と
「成虫が美味しい」という情報から
既に食欲が湧いています。おいしそうです。
ただ問題はその
カレハガの時はサナギになるまで待ち、
マイマイガの時はそのまま食べたらのどごしが悪く
今回はどうするか。
と、
そんな時に虫研究者は天啓を与えてくれます。
というか
「クロカタビロオサムシ」が。
「毛虫の美味しい食べ方」を教えてくれました。
昆虫食を昆虫食昆虫から教えてもらうのです。
論文
http://beheco.oxfordjournals.org/content/early/2014/05/08/beheco.aru080
動画
使われた毛虫はクワゴマダラヒトリという近縁のヒトリガです。

「毛を剃る」これは素晴らしいですね。
今回は論文の鼻毛カッターよりもきっちり毛を落としたかったので
一旦凍らせ、よく研いだ出刃包丁で周囲の毛を取り去りました。
こんな感じ。

ヌードシロヒトリ。脱いだら結構印象かわるものですね。
味見です。
クニュクニュとしたコシのある歯ごたえ。
苦味が強い。消化管内容物が多かったので食草によるかも。
食草を検討し、消化管内容物をとってから再チャレンジしたい。
残念ながら、私の食欲を裏切り、シロヒトリ幼虫は
余り美味しいものではありませんでした。
ただ、「おあずけされると美味そうに思う」というのは
限定品商法に見られる常套手段ですので、
これからも「美味しい昆虫おあずけブログ」
として、昆虫食の普及に努めて参りたいと思います。

何度か小型のコメツキムシは食べていたのですが
同定が面倒でここで紹介したことはありませんでした。
そんな中、シロアリの材にウバタマコメツキ Cryptalaus berus
がいるのを、シロアリ研究者が見つけて、譲っていただきました。
30mmに達する大きなコメツキ

「コメツキ」の衝撃も大きく、
手で掴むと「トンッ!」とクリック音が響く。
クチクラが硬いので、食べにくいか、もしくはオオゾウムシのようにパリパリして逆に食べやすいか、期待。いつものように塩ゆでしてポン酢で。
味見
硬いが、オオゾウムシと同様にパリパリ噛めるのでさほど気にならない。かなり濃厚で木の香りもする、クリーム状の内部。越冬用の脂肪が溜まっていたのか、強いコクが嬉しい。カミキリムシ幼虫系の素晴らしい甘みとコクがあり、美味しい。
これはいいですね。揚げても、ローストしてチョコスイーツのアーモンドの代わりにしても
美味しくいただけそうです。