コンテンツへスキップ

昨年、ホソヘリカメムシがアリに擬態していることから
擬態昆虫は「味」も擬態しているのか?
との疑問から比較してみました

結果は「擬態は味を反映しない」
アリはアリ、カメムシはカメムシの味でした。

では、昆虫以外のクモ類が擬態した場合はどうか。
ということでアリグモの一種を捕まえました。

アゴが大きく、腰がくびれてアリによく似ていますが
よく見るとハエトリグモの一種であることがわかります。

味見
やはり肉食の香り。魚に近い鰹だしのような香りがある。アリのようなクチクラの硬さもなく、ギ酸の好みの分かれそうな酸味もなく、カニにちかいクモであることを味からも教えてくれる。もうちょっとおおきいほうが食べごたえがあるが、クモ類のしっかりした味を感じた。

当然といえば当然ですが、
アリに似せた姿のアリグモは、味は似せられなかったようです。
比較のためアリを再び食べたのですが、やっぱり酸っぱいですね。

 

カメムシ目(半翅目)は開拓の難しい分野です。
先ほど食べたマズい虫ヨコヅナサシガメがいるかとおもえば
毎年恒例で予約殺到の「セミ会」の主役のウマイ虫 ミンミンゼミやアブラゼミもいて
同じ目にいるからといって味がよいとは限らない、同定から初めないといけない種になります。
とあるサル研究者の方が、
「サルが食べる昆虫の中でアオバハゴロモが一番美味しい」と仰っていました。
アブラゼミほど大きくなると、成虫は固くて食べにくいのですが、
小型のハゴロモのような柔らかいものだったら美味しい可能性があります。
そんな中 Bothrogonia japonicaツマグロオオヨコバイを見つけました。

通称バナナ虫と呼ばれ、ちょっと小さいですが色もよく、
美味しそうです。
まとまって数匹いるので捕まえるのも簡単でした。
味見
茹でるとオレンジ色っぽくなった。
サクサクしていてとても美味しい。粒感のある脂肪体が心地よく、さわやかな香りもGOOD小さいセミの成虫と考えれば納得の旨味。すばらしい。
色が良いので料理にいろいろ利用できそう。
ツマグロオオヨコバイ。オススメです。
ちなみに
イネ科の大害虫(病気の媒介)のツマグロヨコバイとは異なる種ですので、
食べても害虫駆除にはなりません。

1

繰り返しになりますが。
私は幼少の頃から昆虫食をしていたわけではないので、
食べたことのない昆虫を食べるのは普通の人と同様の抵抗感があります。
本日の抵抗感のある昆虫はこちら。
ヨコヅナサシガメAgriosphodrus dohrni

桜の木に多く生息し、おいしいモンクロシャチホコの幼虫の体液をちゅーちゅー吸っています。
なので私にとっては害虫です。また、近年の移入種であるそうなので
美味しければ心置きなく食べて駆除したいところです。
サシガメの名前の通り、口吻で刺されることがあるそうです。
刺されないように慎重にとって
茹でて試食。
強い苦味と青い柑橘のような香り。とてもケミカルな感じで他のどの昆虫とも似ていないマズさをもっている。食植性のカメムシとは全く違う香り。
体は柔らかく食感だけは良い。翅も気にならない。
ヨコヅナサシガメは本当にテンションが下がるマズさでした。
オススメしません。刺されることがあるそうなので扱いには注意して下さい。

2

記念すべき100記事目ですが
今回の記事は懺悔になります。

採集昆虫食をおすすめするかどうか、というポイントには
味や・毒の有無などがありますが
絶滅危惧種であるか
考えるべき問題だと思っています。

我々は昆虫食を普及させたいと思ってはいますが、あくまで
70億人の食糧になりうるのは養殖した生物である、というのは明白ですので
このブログは「養殖すべき生態を持ち、かつ美味しい昆虫を見つける」ことが最終目的です。

そのため、現在のままの
採集昆虫食は昆虫の生態系を破壊するリスクを持っています。

全国にいるアマチュア昆虫研究者は、
よほど信頼出来る相手でないと
貴重な昆虫のスポットを教えないそうです。。
もし業者や心ない採集者がそのスポットを荒らしてしまったら
すぐに回復不可能になってしまうからです。

昆虫は種の多様性が高い分、我々が想像するよりずっと
多様な生物の相互作用によって生息しているので、
ヒトの些細な行動によって簡単に環境が変わってしまうのです。

さて、今回の懺悔は
オオミノガEumeta japonicaを食べてしまいました。二匹も。しかも美味しかったです。
(繭の形とサイズからオオミノガと同定したのですが、大丈夫でしょうか。)

オオミノガは近年、オオミノガヤドリバエが中国から移入してきたことから激減し、
絶滅危惧種に指定されている自治体もあります。
そのため採集昆虫食にはおすすめできないのです。

ミノムシとヒトとの関わりは古く、
丈夫なミノが身を守る、身を包む、ということから災いや事故から身を守り、幸せが身から逃げないといわれ、とても縁起のよいものだそうです。
また、ミノムシの繊維はクモの糸よりも強度が高く、天然の繊維としては最高だそうです。

そのため、
カイコの影には隠れていますが、日本でも冬に空になったミノを採集し利用してきました。

これは昨年、成田山のリサイクルショップで1000円(!)で購入したものです。
1マスが一匹のミノからできています。このバッグに使われたものは一ますが大きく、
立派なオオミノガが使われたことが類推されます。

今回食べたのは5月中旬の八王子での若虫会で採集されたもの。

左は幼虫(前蛹)、右はサナギと思われます。

味見
サナギ
!うまい!木の香りと鱗翅目の脂肪が一緒になった見事な一品。ヤママユガ科の美味しさに匹敵する。ミノガは繊維もとれて味も良い。

幼虫
ほぼ前蛹のためかとても美味しい。クワガタの幼虫のような木質系の香りと鱗翅目のねっとりとした脂肪体の味。外皮は弾力があるもののかみきりやすく、コリコリ固めのキクラゲのような食感。大ヒット。これはうまい

美味しく、繊維も使える素晴らしい採集昆虫ですが
残念ながら食用にはおすすめできない種です。

 

昆虫食に挑戦するにあたって重大な情報
毒のある昆虫について
以前に赤ら顔の縦縞ストライプ。マメハンミョウ

メタリックケンプファーことツチハンミョウを紹介しました。
これらについては古くから毒薬として使われた文献があり、色々調べるうちに
「毒虫として誤解されたハンミョウ」
との記事が。つまり本家ハンミョウCicindela chinensisに毒がないことが証明されているっ!

これは食べなくてはいけないと思い、いつものように茹でてポン酢で食べてみた。
感想
さすがオサムシ亜目。美味しくない。
外皮はそこそこ硬く、内部からじわじわと苦味が出てくる。噛めば噛むほどうまみのない苦味が
口に広がるほど強くない様子でずっと続く。
ううむ まとめましょう
マメハンミョウ 食べられません
ツチハンミョウ 食べられません
ハンミョウ 食べてもマズい
結論
ハンミョウと名のつくものはオススメしない。

「マンガの神様」と言われる手塚治虫。
特にオサムシが好きで本名「治」をペンネーム「治虫」としたという話は
あまりに有名ですが、
彼は作品に度々養殖昆虫食を登場させています。

むしくい.net さんにて紹介されていたのは
ジャングル大帝レオによるバッタ牧場。コチラ

これはマンガ版、アニメ版ともに天変地異や脱走でバッタ牧場はうまく行かず、
ジャングル大帝の中では昆虫牧場の是非が明らかにされませんでした。

しかし、
こっそりと昆虫による食料生産が
成立していた描写があったのです。

それは超有名作「火の鳥 太陽編」

宗教戦争により火の鳥を崇拝する「光」と彼らの迫害により地下スラム街に追いやられる人々。
地下の人々は「シャドー」という反乱組織を作り、
「光」に対しスパイ活動を行い、頃合いを見計らって宣戦を布告する。

この地下世界
主人公スグル少年が
「横浜や東京の地下街と下水道をごっちゃにしたもの」
「寒く薄暗くジメジメして空気が悪い」
と表現しているとおり、かなり不自由なようです。

食べ物も限られていて、
地下の共済マーケットには

「無菌ネズミ」16頭ぐらいで8ダカット
「ゴキブリ10匹100円(うちのデュビアで換算すると約16g?)」
「ウジツクダニ(10gあたり?) 50円」
「ザザムシ 10G 200円」

が売られていました。(他は詳細が確認できず)

1ダカット=3.5g金貨なので
1gあたりの価格に換算すると
137005円! じゅうさんまん! 高いっ!

1頭1万円弱ですね。超高級品です。

大きさとしては200gぐらいあるでしょう。大きさはラットぐらいです。
参考;ラットの体重曲線

この資料を元にすると、
6週から10週程度で200gぐらいになりそうです。この間の摂餌量は15〜25g/24hですので
平均20gとして8週で1120g。
これを昆虫食で賄うと考えてみましょう。

うちのデュビアが一匹0.6g(乾重)でしたので
1866匹食べたことになります。ゴキブリだけで育てると飼料代だけで18660円です。
するとゴキブリよりずっと安いウジ(佃煮加工前)で養殖していた可能性が高いと思われます。

また、
ラットと昆虫の圧倒的な差額を考えると
昆虫より安い飼料源が
シャドーにはなさそうだ、ということも伺えます。

当然太陽の光が届かないのですから、
米麦などの穀物を初め果物やイモなど、
比較的裕福なスグル少年ですら買えないほど高価だったと思われます。

このスグル少年の職業は若干17歳にして殺し屋・スパイですので
今回地上に出ると、食べ慣れたこれらの食材とはしばらくお別れです。
任務に失敗したらもう食べられないかもしれません。

無菌ラット16匹は
さぞ奮発したことでしょう。

さて、
このラットの飼料でもありスグル少年の食料でもある
昆虫はどのように養殖されたのでしょうか。

使われていた昆虫の種類を考えると
ゴキブリやウジは分解者ですので、
生ゴミやウンコの再利用と考えられます。
しかし、
地下世界で排出されるウンコだけでは
それに含まれるエネルギー以上の生産は物理的に不可能なので、
次第に枯渇してしまいます。

そのため
有機物をシャドーの外から補充する必要があります。

人の出入りが殆どムリで、光も届かないのに
何がシャドーに供給されているのでしょうか。

有機物の供給源は
おそらく「光」からくる下水でしょう。
シャドーの世界は配管が多く、『水漏れにともなう消毒(殺菌?)』が頻繁にあることから
これらの配管の多くは不衛生な下水と思われます。

つまり
「光」は下水をシャドーに垂れ流すことで、
シャドーの食料資源を供給しているのです。
また下水には排熱や、水の位置エネルギーも含まれています。
シャドー内に地下鉄や図書館・テレビが完備されていることから、
光からくる下水はシャドーの重要な熱・電気エネルギー源であったことが推察されます。

シャドーへの迫害が起こったのは「光」が成立した7年前ですので、
以前からスラム街と化していた不自由な地下世界を
そのまま追放スペースとしたのでしょう。

さて、このマーケットの商品で明らかに異質なものがあります。
「ザザムシ」です。

ザザムシとは
長野県伊那地方・天竜川にて冬場に捕獲される
食用のトビケラ・カワゲラの幼虫を指すことばですが
彼らは冷たく澄んだ低有機物の川に住むため、
下水由来の水から養殖できるとは到底思えません。

なぜでしょうか。なぜザザムシ養殖に適した水がどこからきたのでしょうか。

ここで仮説です。
「光」はシャドーへの兵糧攻めを行いはじめた

シャドーは組織的にスパイ活動を行なっており、
「光」にとっては脅威です。
また、出入り口は封鎖されており、互いに人員を送り込むこともできません。

そのためシャドーへ供給していた下水から
熱と有機物を除去することで
シャドーの熱源と食料源を奪おうとしたと思われます。

つまり、
ザザムシが住めるほど冷たく・有機物の少ない水が徐々に増えてきた
のでしょう。

低濃度の有機物を高濃度に集めることは困難です。
ゴキブリやネズミに与えるには多くの水を濃縮し、暖めなくてはいけません。
ザザムシでラットを育てるには
市場価格から類推して
更に1.6倍、一匹3万円の飼料代がかかってしまいます。

そのため
ザザムシの養殖はシャドーの食糧危機の前兆といえるのです。

シャドーがこのあとすぐに蜂起に踏み切ったのも、
ゴキブリ→ザザムシという食糧のやむを得ないシフトが原因と思われます。

ザザムシというマイナー食品が、
重要な戦争のきっかけとなった
、世にも珍しい作品といえるでしょう。

結論

手塚治虫作品でザザムシを養殖し始めるとヤバい。

以上
「火の鳥」の一コマから考えるザザムシ養殖でした。

以前 キバラヘリカメムシが美味しいと報告しましたが。
クヌギカメムシは一般的なカメムシ臭がします。

クヌギカメムシにはサジクヌギカメムシやヘラクヌギカメムシがいるようですが
生殖器の形を比較する必要があるため今回は見送ります。
というか味が違うと思えないので。。。
基本的に幼虫は成虫に比べ柔らかく、カメムシ類の場合はニオイがやさしく食べやすいのが特徴です。
クヌギカメムシ幼虫は見ためはキツイですが、多分美味しいでしょう。
味見
茹でてしまえばカメムシ臭はさほど気にならない。キバラヘリカメムシ幼虫のような旨味のある柔らかい体で調理法によってはもっとおいしく頂けそう。
半翅目は種によって全く味わいが違うので、
勉強しがいがあります。次はオオクモヘリカメムシを狙いたいですね。
キバラヘリカメムシと同様に青りんごの香りがするそうです。

1

「始まってもいないのに何を」とおもわれるかもしれませんが。

2013年 5月13日 FAOが報告書を公開し、
一斉にニュースで取り上げられました。
201ページに亘る報告書なのでこれからしっかり読まなくてはいけません

題名を読む限り、
「Edible insects:Future prospects for food and feed security」

未来の食と飼料の安全保障に有望だ、との論調です。

実は2010年にも報告書が出ており
「Edible forest insects Human bites back」

クリックしてi1380e00.pdfにアクセス


森林資源としての伝統昆虫食を見なおせ、という内容でした。

このことから、
2013年の報告書は2010年よりも
もう一歩「未来」に踏み込んだ内容になっていると思われます。

これに並行して
昆虫食がブームになりそうな兆し

があります。
食に関して意識の高い
欧米のセレブを「Foody」というそうですが
大豆食・魚食(寿司食)ブームも彼らによって引き起こされました。

アメリカでは複数の食用昆虫の会社が企業しており、
この流れによって 他の健康食と同様に
昆虫食がブームとなる可能性が浮上してきました。

ですが
ヒトという巨大な胃袋が食性をかえる

ということは
自然界にとって大きなリスクとなります。

もし
採集でしかとれないタケムシやモパニワームが人気になったら。
もし
養殖が追いつかないほどの需要がコオロギやタガメで起こったら

ビジネスチャンスを求めた投資が起こるでしょう。
更にそのブームが一気に収束したら。

継続的な生業として成立しない
荒れ果てた食用昆虫市場が残されることになるでしょう。

昆虫は種の多様性が高いことから、
種内・種間の相互作用が複雑に絡み合っています・

ここにヒトという巨大な消費者が
「嗜好や流行」で
介入すれば影響は計り知れません。

ということで、

「昆虫食をブームで終わらせないために」

何ができるか考えてみましょう。

1,採集昆虫食は伝統的生産者に採集権を限定し、価格と流通量を決める

昆虫食のメリットは「誰でも・どこでも取れること」です。
つまり誰でも生産者になれる可能性があります。
逆に言うと誰もが参入することで、資源量と流通量を把握しきれない危険性があります。
漁業権のような組合の設立と生産者を限定する仕組みが必要と思われます

2,各昆虫資源について顧問研究者を任命する

昆虫の研究は昆虫種と同じで多様性が高く、
一人の研究者が全ての昆虫を網羅することは到底出来ません。
昆虫種に応じた経済に左右されない基礎的な研究者を顧問としたいものです。

3,ミーハーなヒトは養殖昆虫を食べる
採集昆虫はとてもデリケートです。アマチュア昆虫研究者間でも
希少な昆虫のスポットは互いにナイショにしていたりするそうです。
口コミが伝わると業者にバレ、根こそぎ採集される危険があるためと効いたことがあります。

一方で、昆虫は多産・高死亡率の生存戦略をとる生物なので、
捕食者から隔離するだけでどんどん増えます。
更に、短いものでは一世代が二ヶ月ほどなので、
養殖昆虫はニーズに応じた生産調整がしやすい家畜と
いえるでしょう。
ブームに乗っかっていると自覚した方は養殖昆虫を食べると良いでしょう。

4,養殖昆虫を生産する際の農業生態系にも目を向ける

既存の家畜は単純に食肉を生産するためのものではありません。
マズいけどよく育つ飼料作物や農業残渣である麦わら・稲わら、生ゴミを処理し、
食肉生産と同時に堆肥化してくれる重要な農業生態系の一部です。

一部の研究者が主張するように
『ウシをコオロギに変更したするとより効率的なタンパク質の生産と二酸化炭素の削減ができる』
かもしれませんが、コオロギのフンや病気の管理、生産調整等
様々な農業生態の変化が予想出来ます。
その影響をきちんとコントロールできないと
「ウシのほうがまだよかった」となりかねません。

食べる昆虫がどのような経緯で生まれ、どのように環境負荷を抑える目的で生産されているのか、
きちんと考えてからでないと、安易な昆虫食ブームは
既存の家畜産業を破壊しかねません。

とまぁ

杞憂であれば嬉しい(同時にブームが来ないと悲しい)のですが。。。。。

ここから妄想が入ってきます。

「もしバッタを養殖するムラがあったとしたら」

養殖昆虫は近年ようやく出現した昆虫食の形で、既存の食用昆虫のほとんどは
採集食か、機能利用(はちみつや絹)の副産物として食べられてきました。

そこで 未来の
養殖昆虫食のカタチとして、
資源の有効活用を目指した
自給自足型のバッタ養殖のムラを想定します。

トノサマバッタはイネ科の草本を、一日に体重の1.5倍食べます。

そして
トノサマバッタ類は時に大発生することが知られています。
時にはその総数は500億匹・11万トンとも推定されています。

日本の牛肉の生産量が10万トンですので、
ヒトの手がかかっていない単一種の陸上バイオマスとしては
途方も無い量といえるでしょう。

各家庭に、誰かがタダで国産牛肉が配ったとしたら
牛肉生産者は食いっぱぐれてしまいます。

バッタ養殖ではこのような危険があるのです。
養殖昆虫業が生き残るには「自然界という競合相手」と
渡り合っていくことが必要でしょう。

養殖にあって
採集(狩猟)にないものとは
「副産物の利用」が考えられます。

具体的にはウンコです。
バッタは一日に体重の1.5倍という膨大な量をたべます。
想像してみて下さい。 60kgの成人男性ならば90kgです。
当然フンも大量に出ます。

つまり、
ウンコの利用が
バッタ養殖業の継続のカギといえるでしょう。

ウンコの利用・ウンコの利用・・・・と考えて
ここ一年
色々な妄想特産品を開発しました。

お茶 お茶プリン

紙や染めモノ 

…工芸?
…祭り?
…収穫祭?

妄想は続きます。
「バッタ養殖のムラには、バッタのフンを利用した工芸が起り、その工芸で着飾った住人たちによる収穫祭が開かれるだろう」

との大胆な仮説(妄想)から
こんなのが生まれました

解説

このお面はバッタのフンを50%含む紙粘土でできています。
バッタのフンは繊維質が多く、紙粘土との相性がよく、風合いのよいお面ができます。

また、触角はカイコの繭をバッタのフンで染めたものです。
フンにはバッタが利用しなかった色素や老廃物があり、煮出すことで落ち着いた茶色となって
定着するのです。

装着してみましょう。 思いの外デカイ。

祭り感。。。。。?

なんということでしょう。
お祭り感が感じられません。

一人でセルフタイマーで行なっているせいでしょうか

祭りというより 奇人変人の類であります。

むしろ B級SFの世界。 ウルトラQでしょうか。
セミ人間なんていうのもありましたね。。。
「ガラモンの逆襲」に出演したそうですが。。。。

ということで作ってみました。
「バッタモンの逆襲」

 

5

先週海に行く用事がありまして。
大洗の海岸でついでにフナムシLigia exotica
を採って来ました。
もちろん味見をするためです。
スカベンジャーであるフナムシは、
ゴキブリとよく似た生態・姿形をしているので
「海ゴキブリ」とも呼ばれ、一般にあまり好かれていません。
同様に味も似ているのでしょうか。

今回は大きさの近いデュビアの幼虫を比較対象としました。

長い触角、似た大きさの脚、下を向いたアタマ、平たいからだなど、
全くよく似た構造をしています。

ネットでは「臭くてたべられない」とのことですが、
折角ですのでチャレンジしてみます。
ホントウはフン抜きをして、一週間後ぐらいに食べたかったのですが
飼育が悪いようですぐに死んでいくので、生きた個体がいるうちに
実施しました。
味見
デュビア フン抜きをしていないせいで臭く、内部がジャリジャリしている。
やはり茹でには向かない昆虫。
フナムシ
圧倒的な磯臭さ。内臓を除去しようとするが腹部は全て消化物で埋まっている。
脚もシャリシャリして食感が良くない。
多足の節足動物でもゲジは美味しかっただけに
大変残念な結果です。
ただ言えることは
「フナムシは磯臭いゴキブリに似た味」であることです。
「海ゴキブリ」とのアダ名は味も的確に予言していたのでしょう。

「形が残っていなければ食える」

昆虫料理未経験の方からよく言われるのですが
そういう時は
もし
「エビしんじょ」でしかエビが食べられ無くなったらつまらなくないですか?
と聞き返しています。
形をなくすれば昆虫食は普及する、というプロジェクト「Ento」というのも
ありましたが、
文化的なもの=食べ方や調理法を含めて昆虫食を再考していくならば
先ず形をなくす、というのはやや乱暴なアプローチかと思います。
ということで、比較画像
片方がよりおいしそうに感じられるならば、あなたがそれをたべる文化に属している、ということですね。