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日本ではなかなか定着しないハロウィンですが、
せっかくですのでカービングをやることにしました。

小ぶりなカボチャを買った所、
その質感が王蟲にそっくりだったのでこれはいけると。
小さく丸まっているので、
映画中盤、ナウシカの夢のあのシーンが再現できると。
久石譲の娘が歌っていることでお馴染みの
「ナウシカ レクイエム」と併せて御覧ください。
竹串、カボチャの種、カボチャだけでできているので
ナウシカの願いもむなしく
もちろん
煮込めます
大変大きな反響があり驚いています。
ご覧頂いた方、ありがとうございます。
また、こんな昆虫食ブログ
であることを知らずに来てしまった方、申し訳ありません。
せっかくですので
煮込んだ結果もきちんと形にしようと思い
クリームシチュー仕立てにしました。腐海の様子をイメージしています。

こんなくだらない遊びに
お付き合いいただきありがとうございました。
さて、カボチャの害虫といえば
カボチャミバエ Bactrocera depressa
カボチャに卵を産み、幼虫が種を食べるのですが、
私たちは通常種を食べませんので、
非食部である種を美味しいタンパク質に転換してくれる
嬉しい副産物でもあります。
殺虫剤を使わず栽培したカボチャにはけっこうな頻度で入っていて、
耳を近づけると。ポンポンポンっ と中で幼虫が跳ねるの音が聞こえます。
これが当たりの合図です。
中を開けると、数十センチは飛び上がるほど、活発にハネます。
この時食べたのは2009年、昆虫の食用化が
バイオマスの有効利用につながるのではないかと考えるようになった
ルーツとも言える食経験でした。

カボチャの煮物と一緒に味付けたので、
まったくカボチャ風味。
噛みごたえのある筋肉感があり、ほのかに脂質の
ナッツのような味わい。
味の特徴はないものの、とても食べやすい幼虫でした。
ハロウィーンに合わせて、家庭菜園でとれたカボチャを
使うこともあるかと思いますが、
カボチャミバエがいたからといって毛嫌いせずに、
一緒に味わってみてはいかがでしょうか。
カボチャの種の新しい食べ方といえるでしょう。

みなさま、今年はロンドンオリンピックの年でした。
しかし、日本は豊かなものです。
4年に一度と言わず、毎年、昆虫好きのための競技会が
群馬県で開催されているのをご存知でしょうか。
「イナゴンピック」

もうお分かりですね。イナゴを競う会です。
去る10月13日、群馬県中之条町 寺社原地区
において
イナゴンピック2012が開催されました。
前半「イナゴ採り大会」
後半「イナゴジャンプ大会」
という二部構成
昼飯、おにぎり 豚汁 つけもの 食べ放題!
という素敵なお祭りです。
私の住む所から電車で3時間半。
中之条町
ド田舎の一つといっても差し支えないでしょう。
(関係者の皆様すみません)

会場の様子。
日本の水田のイナゴは戦後、
DDTなどの殺虫剤の散布により激減しましたが、
ここ中之条では農薬の使用を抑えたため、
稲刈り後にはイナゴが優占的に跳ねまわっています。

イナゴ以外にはツユムシが数匹見つかっただけで、
河川敷の草地のような
トノサマ、ショウリョウ、オンブ、ツチイナゴ
とのような多種のバッタは見られませんでした。
水田はイナゴに特に適した土地といえるのでしょう
午前11時半、中之条町長さんによる聖火の点火
でスタート。
競技は20分×2の40分。
この期間にどれだけ取れるかを競います。
さて、
このイナゴンピック。
私は昨年入賞を逃しております。
今年の春からバッタの研究を始めた者として、
今回は入賞を逃すわけにはまいりません
なので
予行演習をしておきました。
そこから分かったこと
1,イナゴはカモガヤが好き(食草でもかなり好みがうるさい)
2,目が合うと葉の裏に隠れる
3,足場がしっかりしているとジャンプ。
4,ぶら下がっている時に近づくとポロっと落ちる(ジャンプしない)
5,交尾中が狙い目
6,薄手の手袋で躊躇なくつかむ!
ということで、
いつも草の収穫につかっているビニール手袋と、アームカバーを
持って行く事にしました。
前半の結果

上々です。
ちなみに、袋は不正できない大会公式品を使います。
口に塩ビ管がつけてあり、イナゴが逆流しないようになっています。
さてさて、
後半もおわり。
結果発表です。
大人の部2位入賞(94匹)

ほっとしました。
学者馬鹿と言われずに済みそうです。
ちなみに
大人の部優勝は101匹
子供の部優勝は98匹
3位は福島のおばあちゃん(ゲスト:83歳!)92匹
ギリです。
このように、イナゴンピックは無差別級
であります。
オリンピックのような度量の狭い体重制はありません。
年齢制限もありません。イナゴの気持ちがわかるものが強いのです。
ちなみに、この福島のおばあちゃん
昨年は149匹を25分でかっさらうという脅威の記録の持ち主。
今回のリベンジの原動力となった方です。
日常からイナゴをとり、食べ生活しているのですが、
今回の大会は当初、「イナゴを持って帰れない」という噂を聞き、
完全にヤル気を失っておりました。
ですが、大会後に持ち帰り可とのことが判明し、
猛烈にヤル気を出し、もりもり捕獲しておりました。
また、持ち帰らない参加者からも貰って嬉しそうでした。
来年、やる気満々の
おばあちゃんとの再リベンジマッチを行いたいものです。
賞品 陶器のメダルと賞状、玄米5kg

参加賞のリンゴ二個もありました。
自炊学生としてはありがたい限りです。
また、その後後半戦として「イナゴジャンプ大会」
もありましたが、
まだ良く飛ぶイナゴの基準がわからず、入賞に至らずでした。
ぜひ次回リベンジを。
ということで、
私の新たな肩書きが増えました。
「イナゴンピック2012準優勝」

履歴書に書けるでしょうか。
空欄が多いので職歴に書いていいですか
そうですかだめですか。

1

以前紹介したジャイアントミールワームこと
ツヤケシオオゴミムシダマシ Zophobas atratus Fabricius? 
その後飼育を続け、単独飼育個体が蛹化しました。
かれらは幼虫で集団飼育すると蛹化が抑えられ、幼虫のままでいる
という性質があります。
幼虫を生き餌として使う場合は非常に優秀な昆虫ですが、
幼虫の味と食感は茹でにはあまり向かないもので、
サナギに期待をしておりました。

左サナギ 右前蛹(たぶん)
摂食しなくなった単独飼育の幼虫を前蛹とします。
前蛹
茹でてもねっとりとしたクリーム状で、茹でた落花生の香り。外皮が水をはじくので、ポン酢の味と絡まない。茹でではやや外皮と内部のバランスが悪い。いつものように揚げていただきたい。幼虫のような不快臭がないので、
コムギフスマの未消化物のニオイではないかと思う。
幼虫でも与える食べ物によって食味が改善する可能性アリ。
サナギ
写真では半透明だが、
茹でると真っ白になった。
タンパク質が含まれているようだ。クリーム状の内部が前蛹よりもやや淡白になり、香りも穏やか。
油とタンパク質のバランスが非常によく、美味しい。ポン酢も節間に絡むので相性が良い。外皮もきにならない。カミキリムシにもつながるおいしさ。
ジャイアントミールワームは蛹化させたサナギが最高だとおもいます。
昆虫食初心者の方、ジャイアントミールワームがあまり美味しくないと感じた方、
ぜひサナギをご賞味ください。
また、茹でると色が白く濁った点、味がまろやかにタンパクになった点を考えると、油が多く、栄養バランスが悪いと言われるミールワームですが、
蛹化することでもっとよい栄養バランスになると思われます。
爬虫類の生き餌にも、もしかしたらサナギがいいかもしれません。

前の記事「バッタ会のガイドライン」で
A級バッタとしておきながら
その味見の記事を書いていませんでした。
ヒゲマダライナゴ Hieroglyphus annulicornis

宮古島,伊良部島,石垣島,西表島に生息する大型のバッタで、
サトウキビが大好き。
味見
全くクセがなく、まさにエビ。非常に食べやすい。
茹ででもいけるが、高温の油でカラリと素揚げすると
更に美味しい。
このバッタを食べるまで、
「虫ランキング」なるものを作っていたのですが
このバッタをどこに入れるべきか、
かなり迷ったものです。
エビを食べ慣れたヒトが食べやすいので上位と言えますが、
昆虫の独自の味が感じられないのであればあまり上位にしても、と思います。
ということでウマイことは確かなのですが、
同じように美味しく、独自の香りのあるトノサマバッタと比べて
どちらが上かと言われると、わからなくなってしまいました。
なので虫ランキングは49ぐらいで止まり、
食べた虫一覧が最近100ほどになっています。
ここからランキングにするとしたら
調理法
「揚げて食べたい虫ランキング」
季節
「夏に食べたい虫ランキング」
レベル
「初心者に食べてもらいたい虫ランキング」
冒険
「昆虫食上級者に食べてもらいたい虫ランキング」
場所
「野外で食べたい虫ランキング」
ううむ多種の昆虫を一律の基準で比較するのは難しい。
二軸でマトリックスをつくろうか。
と考える次第であります。

先週発売のモーニング収録
「バガボンド」第308話 蝗
宮本武蔵が滞在している小さな集落
武蔵と行動を共にする男子、伊織に対し、
伊織の父の友人は幼少時のイナゴの襲来をこう語る。
「たかが虫ケラが 数が集まるとなんであんな風に狂っちまうんだろうな」
「ガキの頃見たーーーアレは顔つきまで違ってた
「こう どす黒いスジが隈取みてえに浮き出て目は吊り上がり
体の方も赤黒くでかくなってやがったな」
「悪そうなツラしてた。虫のくせによ。」
回想ーーーーーー群飛するイナゴ
「いてっ」
親指に噛み付くイナゴ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
このイナゴ・バッタの名称は実は日本語の誤訳と言われています。
バッタ Grasshpper は全般的に草地をピョンピョンはねるもの。バッタ全部
バッタ Locust   は群集になると
体や行動の変化が起こる「相変異」を起こす種の総称を
いいます。
Locustの代表的な種として
サバクトビバッタ、トノサマバッタがいます。
一度相変異を起こすと大発生と移動を繰り返し、深刻な被害をもたらします。
旧約聖書の7つの災厄で登場する「イナゴ」も、Locustを指す言葉です。
一方で、
日本はイネから発生する昆虫を総称して「稲子=イナゴ」と
呼んできました。なので、イナゴの大発生は現在の我々が見ている
イナゴ(主にコバネイナゴ)と、トノサマバッタの大発生を両方を
指していると考えられます。
そのため、
「イナゴ」と言っているおっさんは決して間違っていないのです。
おっさんの証言、
1,群れで飛んで移動すること
2,赤黒く色が変化すること
3,田畑の作物を食い尽くすこと
から、
ほとんど飛ぶことのないコバネイナゴではなく、
トノサマバッタと考えられるのです。
さて、バガボンドの絵を見てみましょう。
表紙
残念ながら相変異を起こさない種、コバネイナゴです。
遠景
ハネが長く、長期間飛んで移動し、群れる性質、
シルエットから、トノサマバッタと思われます。
アップ
指を齧るシーン
残念ながらコバネイナゴです。
なんだかんだと文句を言っても仕方ないので
「パッチ」を作ってみました。
井上雄彦先生のように
クソ上手いマンガが書けるはずもないので
実写で再現します。
※パッチ
一部分を更新してバグ修正や機能変更を行なうためのデータのこと。
本来はプログラム用語のようですが、。。
11P 表紙
コバネイナゴが日本刀の柄に乗っているシーン
これを群生相化したトノサマバッタに差し替えます。

続いて
22p イナゴに幼少の伊織父友人が噛まれるシーン

群飛のシーンはトノサマバッタに見えるので、
(おそらくLocustの大発生の写真をモチーフにされたのだと思います)
そのまま御覧ください。
これでこの話における
「イナゴ=トノサマバッタ」のリアリティが
感じられるのでは、と思います。
環境の変化に応答して、「人(バッタ)が変わったようになる」
相変異を示す生物として
物語上重要な役割を果たせたのではないでしょうか。
余談ですが
大発生したLocustが「噛み付く」かは定かではありませんが、
基本的にバッタ類は噛み付く攻撃をしません。
サトウキビの固い葉などもサクサクと食べられるほど
強靭なアゴを持ちますが、
どんなに触ってもヒトに噛み付いた現場は見たことがありません。
「食べる行動」と、攻撃としての
「噛み付き行動」は別物のような気がしています。
逆の例だとクワガタは樹液食で、
食べるためには噛み付く必要はなく、
もっぱら攻撃のためだけにかみつきます。
さて、
話をバッターイナゴ問題に戻します。
Locustとイナゴの誤訳問題がなければ、
あの表紙が井上雄彦氏直筆の
トノサマバッタになったかもしれないのです。
見たい。

ぜひ見たいです。
単行本出版までに
書きなおして欲しい、と
メールをするか
大変迷っています。
この写真を作ったのも
コレを見て書きなおしてくれたら。。
などというよからぬ妄想が
暴走した結果でもあります。
またメールを出す勇気が
出ましたらご報告差し上げます。

10月13日、20日に
「東京バッタ会」および「つくばバッタ会」
が開催されました。
秋も深まる中
「スポーツの秋」「食欲の秋」「学問(昆虫学)の秋」

贅沢にも全ての秋を堪能できる、
しかもお金がかからない
不景気にぴったりの名イベントなのであります。
以前書いたセミ会のガイドラインと同様、
明日にでもできるバッタ会のガイドライン
として、ご紹介したいと思います。
1,バッタ会の会場
バッタはどこにでもいるわけではありません
主に「イネ科の草」が大好きです。
田んぼの畦道、河川敷、芝の広場などに生息しています。
イネ科の草について知りたい場合はイネ科ハンドブック
がありますので参考にしましょう。
また、食べたいバッタによって若干生息地が異なります。
湿気が多く、水田のあぜ道ではイナゴが。
乾燥したコンクリートの目立つ河川敷にはトノサマバッタが多くいます。
2,捕まえたいバッタの種類

以前書きました「バッタコンプリート」から集計した
独断と偏見の最新「バッタランキング」によると
茹でても美味しいA級バッタ
トノサマバッタ
ヒゲマダライナゴ
クルマバッタ
クルマバッタモドキ

揚げると安心普通のB級バッタ
コバネイナゴ
ツチイナゴ
ショウリョウバッタモドキ
茹では厳しいしっかり揚げて食べたいC級バッタ
ショウリョウバッタ
オンブバッタ
となりました。(独断と偏見です)
まずは美味しいA級トノサマバッタ類がいる
河川敷での実施をオススメします。
秋になると卵成熟のために暖かいコンクリートの上でひなたぼっこをするトノサマバッタが見られます。

体が重く、卵を抱えているので動きが遅く捕まえやすいだけでなく、
じっくり揚げるとジューシーで、トウモロコシのような香ばしさがあります。
最高の秋の味覚といえるでしょう。
次に
B級バッタの居場所として稲刈り後の田んぼが挙げられます。
河川敷よりも比較的安全ですので、お子様連れであれば
とりやすいイナゴから始めてみてはいかがでしょうか。
先日私が参加した「イナゴンピック」でも
大人の部一位=101匹
子供の部一位=98匹
でしたので
イナゴの運動能力であれば大人と子供の差は無いように思われます。
(イナゴンピックの詳細についてはまた別の記事に。)
3,バッタ会の道具
さて、
バッタがいることが分かったら虫捕り網
できるだけ2m程度の伸びるタイプがよいでしょう。
トノサマバッタは危険を察知すると数十メートルから数百メートル飛びます。
その察知範囲は(経験上ですが)およそ2mですので、
そっと近づける長めの網をオススメします。
また、日本に生息するコバネイナゴは
大部分がハネの短いタイプですので、
基本的に移動手段はジャンプです。
手でつかむように取るのが手っ取り早く、
大量に捕獲できます。
手づかみの場合は、イネ科の草本はススキのように手を傷める場合がありますので、薄手のビニール手袋などがあれば、躊躇なくつかみに行けると思います。
また、
つかまえたバッタたちは
蒸れると死んでしまいます。
洗濯ネットを用意し、その中にバッタを放り込みましょう。

外からもバッタの様子が見えるので、調理の時も役に立ちます。
4,手軽なアウトドア調理
捕まえたバッタは早く食べたいもの。
手軽に、A級からC級までのバッタをいずれも美味しく食べるには、
揚げ調理がオススメです。
アウトドアコンロと小さめの揚げ鍋、油処理用の牛乳パックを持参し
平らな所で唐揚げや素揚げにします。

唐揚げ粉をチャック付きビニール袋にいれ、
捕まえたバッタを放り込み、揚げます。
素揚げの場合はそのまま入れてもよいでしょう。
ハーブソルトのような味付きのシーズニングをふりかけると
美味しくいただけます。
5、最後に
バッタ類は日本人が長らく食べてきた食用昆虫です。
毒もなく、数も多く、噛むこともないので、
誰もが食べやすいのですが、アレルギー体質の方はくれぐれもご注意ください。
申し訳ありませんが、食物アレルギーへの対応は責任をとることができませんので、ご自身の判断でお願いいたします。
また、他の昆虫同様、バッタの寄生虫や細菌については
ほどんど調べられていませんので、かならずしっかり加熱して食べましょう。
秋も深まり、バッタ類はよく食べ、よくひなたぼっこをし、
卵を次世代に残すもの、越冬の体力をつけるもの、
それぞれがおおきく太ります。
ぜひこの秋の味覚をご堪能ください。

久しぶりの更新です。
秋の虫イベントに参加し、
虫の縁で様々な人に出会いました。
秋といえば、「バッタ会」です。
バッタ会のガイドラインを書こうかと思ったのですが
日本の主なバッタをきちんと食べて記事にしたか再確認したところ、
トノサマバッタ
ショウリョウバッタ

コバネイナゴ
ツチイナゴ
クルマバッタ、クルマバッタモドキ
ヌケがありましたので、「バッタコンプリート」
と題し味見をしていきたいと思います。
まず
オンブバッタ Atractomorpha lata
身近な種。ショウリョウバッタと間違われやすいですが、ハネがはえている成虫時に4cmぐらいであればオンブバッタ。10cmを超えるような大きなものはショウリョウバッタです。

ショウリョウバッタモドキ Gonista bicolor

こちらもわかりにくい名前。形としてはオンブバッタの方がショウリョウバッタに似ていると思う。
ススキによくいる細くて柔らかいバッタ。

長さはショウリョウバッタモドキの方が長いが、
ボリューム感は同じぐらい。
味見
オンブバッタ
ショウリョウバッタと似たほろ苦さがある。外皮も固めであまりバッタ内ではおいしくない。揚げれば美味しくいただけるのでご安心を。
ショウリョウバッタモドキ
ショウリョウバッタよりもやわらかく、食べやすい、草の香りが強く残っており、味の面ではショウリョウバッタとは似ていない。
味の面でもショウリョウバッタとオンブバッタの近似性がしめされたようです。
これにて
身近でたべごたえのあるバッタはコンプリートしたと思いますので、
秋のメインイベント。
「まだ間に合うバッタ会のガイドライン」を
この後、書こうかと思います。

1

9月の中頃、
3齢ぐらいのブドウスズメ Acosmeryx castaneaを食べ、
とても美味しかったので、終齢、もしくは前蛹が食べられないものかと
毎日ぶどう棚を見に行く日々が続きました。
食痕はすれど姿は見えず、
フンはあれど姿は見えず。
ようやく見つけた終齢幼虫を脱走させるという大失態もおかしました。

さて、
そんな困難もありつつ
先週、ようやくみつけ、
ぶどうのめぐみとかいうスキャナ写真を撮影し
かんぜんにうかれつつ、「前蛹」になるのを待ちます。。
時期が来ると
ぶどうの葉を食べなくなり、フンも小さく少なくなってきます。
ワンダリング、というサナギになる場所を求めて
地上をさまよう段階になります。
同時に、なぜか色が茶色くなります。

この色変化は葉の保護色である緑から地面の保護色である茶色に背景色が変わったためなのか、
それとも不要になった緑の色素を回収し、
サナギや成虫へのエネルギーにまわしているのか。
原因は不明ですが。はっきりと色が変わります。
面白い現象です。
プリンカップにティッシュを入れると、潜り、
周囲に繭のような荒い構造を作ります。

この時、幼虫は液状のフンを出して消化管内を空にし、
前後に縮んで外皮の弾力がなくなってきます。前蛹です。

この前蛹でしばらくすると、
脱皮し、サナギとなります。
ですが、この前蛹が大変美味しいのでこの段階で頂きます。
スズメガの大型の終齢幼虫は外皮がゴムのように弾力があり、
かみきれません。また、内部も液状で、水風船のような感じです。
味わいも薄く、食べにくいことから、
より美味しく食べるためには、
サナギか前蛹をオススメします。
逆に若い幼虫は柔らかく、そのまま茹でるだけで美味しく頂けます。
さて、
待望の前蛹いただきました。いつものように茹でポン酢。
サクッと歯切れよく、内部はほどよくまとまった絹ごし豆腐状態。葉の香りもの残っていて非常に美味しい。待ったかいがあった。
歯切れ、味、香り全てが完璧ではないかと。エビガラスズメ並の美味しさ。
ブドウは育てるだけでグリーンカーテン、実の収穫、更にはブドウスズメと、
恵みの多い作物だといえそうです。

以前に、スキャナで写真を撮ってみたところ、
結構面白いものができましたので、
第二弾。
今回はブドウスズメの幼虫。
立派な終齢幼虫を見つけました。
このあと前蛹になったら、味見をします。
これより小さい幼虫はとても美味しかったので、
終齢、前蛹も期待大であります。
ブドウを育てると、果実とブドウスズメがついてくる。
一石二鳥のすばらしい秋の味覚。
スキャナ写真第二弾「ぶどうのめぐみ」

完全変態昆虫は前蛹が美味い。
とおもいます。
今までにいろいろ前蛹を食べてきましたが、
エビガラスズメ
シャクガ、シンジュサン
コガタスズメバチ
クロホウジャク
おいしさのひみつとして以下の要素があります。
1,前蛹になると腸内の内容物を出しきる
2,外皮に弾力がなくなり、縮まって味が濃厚になる
3,サナギほどクチクラが固くなく、サクっとした食感になる。
今回は前蛹が3種同時に食べ比べることで、
種ごとの違いを見ようと思います。

まず何度も食べているエビガラスズメ Agrius convolvuli

爽やかなイモ葉の香り、コク、うまみがよく調和していて美味しい。大型幼虫のため、前蛹の外皮が固く、多少舌に残る。幼虫やサナギでも美味しくいただける。
セスジスズメ Theretra oldenlandiae

やはり食草であるヤブカラシの青臭さが強く残る。内部は前蛹でもかなり液状で、クリーム状のエビガラスズメとは大きく異る。外皮がサクサクと噛み切れるため、幼虫よりは食べやすい。
シロイチモンジヨトウ Spodoptera exigua

ヨトウガは今まで食べたことがなかったのですが、
イネ科の葉を食べているので味見することに。
イネワラ系の香ばしい香り。クセが全くなく、プチッと弾け肉質の味がひろがる。外皮もやわらかく食べやすい。
やはりセスジスズメは前蛹でも
美味しくないことがわかりました。
かなりたくさんいるのに残念。
一方ヨトウは意外とくせもなく、美味しく頂けました。
ヨトウはかなり広食性なので、養殖もラクにできそうです。