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擬態した昆虫を食べ比べ、味で分類しようという野心的な企画。
第二回はたいへん腰が重かった。
クロオオアリCamponotus japonicusvs vs ホソヘリカメムシRiptortus clavatus
どちらもあまりおいしくなさそう。
選手入場

クロオオアリ(図左)は日本に住む大型の普通種。
ホソヘリカメムシの成虫は細く茶色いカメムシ型だけれども、
幼虫は黒く腰のくびれたアリに擬態している。(図右)
味見。いつもの様に茹でてポン酢。
クロオオアリ。酸っぱい。しかも不快な酸っぱさ。
ギ酸のカルボキシル基で酸味、アルデヒド基で不快味に感じられると思われます。
高校化学で習うギ酸はカルボン酸でありながらアルデヒド基を持つ特殊な形。

アルデヒド基は還元性をもつので、これを酸化すると
炭酸=水と二酸化炭素になり分解されます。
黒焼きで売られているアリが酸っぱくないのは
酸化しているためでしょう。
次にホソヘリカメムシ
…カメムシの味ですね。パクチーの味です。
私はパクチーに出会う前に
事故でマルカメムシを食べてしまったことがあるので
カメムシ味はキライです。
以前食べたキバラヘリカメムシは美味しかったのですが。
ということで
今回のアリ擬態。
クロオオアリとホソヘリカメムシは味に大きな違いがあり、
ヒトでも弁別が可能です。
が、どちらもあまり美味しくありませんでした。

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カイコBombyx mori
人類が完全家畜化した唯一の昆虫で、
成虫は飛べないため、ヒトの手をかけないと生きられません。
そのため、
初めて食べた昆虫がカイコ、という方も多いようです。
絹の原料、生糸を生産するために飼育されており、
その糸を取った廃棄物、サナギは上質な脂質、タンパク質を含むため、
養鯉飼料として、内陸部で利用されきました。
なお、養鯉意外の食用魚の飼料としては、
「身に匂いがつく」として利用されなかった経緯があります。
つまり。「くさい。美味しくない」のです。
カイコのサナギを食べた、という話や、カイコのサナギに含まれる油を絞って、
炒め油として使っていた、という話は聞くのですが、
「美味しかった。また食べたい」
あるいは「カイコを越えるおいしさのものはない」
という感想はほとんど聞きません。
カイコの美味しくない理由は2つあります。
一つは鮮度です。
カイコはサナギになる時に繭を作り、この繭は一本の糸でできています。
その後カイコは繭を切り開き外に出て、羽化します。
そうなると糸が切られてしまうので、価値が大きく下がります。
その前に繭を作ったカイコを繭ごと大鍋で茹で、糸を切らないよう
生糸を製糸し、最後に乾燥したサナギが廃棄されます。
茹でて乾燥したものなので、このサナギは
デガラシ状態で、酸化した脂質の香りもあり、
非常に食べづらいです。
これを鮮度の良い状態で、
まだ生きているカイコの繭を切り
(この時点で生糸の価値は失われてしまいますが、)
食べると、かなり食べやすく、味わい深いものがあります。
ですが、今まで様々な昆虫を食べましたが、
基本的にカイコは美味しい昆虫とはいえません。
もう一つの要因は食草、クワの匂いです。
クワの土臭い、強い匂いが、食用には向かないと思われます。
最近食べたのはカイコの原種。クワコBombyxmandarina

このような黄色の綺麗な繭をつくります。

サナギの形はカイコとほぼ同じ。
味はクリーミーで悪くないのですが、やはり食草である
クワの香りが気になりました。
カイコを美味しく食べるためには
鮮度を保つのはもちろんのことですが、
クワの香りをマスクする必要があります。
以前、カイコを飼っているところから、
繁殖用に使った成虫を大量に分けていただきました。
通常は佃煮などにするとクワの香りが減り、食べやすいのですが、
他の方法はないかと、試行錯誤してみました。
脂質の臭みを消すため、米のとぎ汁で一旦茹で、
水を入れ替え、ショウガと紅茶で煮、
砂糖と蜂蜜で味付けた「カイコの紅茶生姜煮」を作りました。
なんとか許容範囲内まで、匂いを抑えることができたのですが、
佃煮の完成度には劣ります。
醤油は偉大なもので、カイコ特有の臭みをマスキングし、
美味しい香りへと転換させることができていました。
伝統料理恐るべしです。
また、手軽に手に入る昆虫食材として
韓国ではポンテギとしてキムチ味の煮物缶詰が
売られていますが、
こちらも個人的には好みではありません。
カイコが好きな方もおりますし、
独特の風味もありますが、
昆虫を食べたことのない人が初めて食べるものとしては、
ハードルが高いと思います。
ぜひ、バッタやイナゴ、セミ、トンボ、ハチなど、
今まで食べたことのあるエビやカニ、ナッツ等で形容できる
とっつきやすい昆虫食から試して欲しいと思います。
また、カイコガ科で、クワを食草としない別種もあるそうです。
カイコ研究者からそのうち分けて頂けるとのことですので、
「クワを食べないカイコのおいしさ」についても
報告できたら、とおもいます。

2

今年の3月、心斎橋のデパ地下「伊右衛門」で
一杯1000円という玉露を頂いたことがありました。
いわゆるグリーンティーというものとは大きく異なり、
圧倒的なアミノ酸の旨味とカフェインと思われる脳天に突き抜ける衝撃。
「上喜撰(=玉露) たった四杯で 夜も眠れず」とはよく言ったもので
幕末人が眠れなくなるのも納得の味でした。
更に、この玉露の茶葉、ポン酢で食べられるのだということでいただくと、
大変美味しく。チンゲンサイのような旨味があり、野菜として食べられるレベルの味でした。
そしてこの時
何かに似ているとおもったのです。
「フン抜きしていないトノサマバッタを茹でて食べた味と同じだ。」

昆虫のお茶として有名なのは蚕沙とよばれる
蚕のフンを煮だしたお茶です。
漢方では四肢の関節の痛み、 麻痺、腹痛、下痢などに応用されるとのこと。
桑の香りとコクのある味が美味しく、
先日のセミ会でも4リットルほどつくりましたが、全て飲まれ、
蚕沙を分けて欲しいといわれるほどの人気になりました。
また、食植性の昆虫のフンはいわゆるウンコ臭さがなく、
それぞれよい香りがします。
イナゴの佃煮も、大抵の地域ではフン抜きをしてから調理しますが、
味が濃厚になる、といってフンを抜かない地域もあるそうです。
ということで
今回はティーパーティーをやりました。
選手入場、の前に、
フンはそれぞれフライパンで空煎りし、香ばしさアップと殺菌をしておきます。

今回は6種類(昆虫種・食草で表記します)

① カイコ・桑の葉
② クロスズメガ・松の葉
③ シンジュサン・シンジュ(ニワウルシ)
④ トノサマバッタ・サトウキビ
⑤ トノサマバッタ・ソルガム
⑥ ヒゲマダライナゴ・サトウキビ
これらは植物が破砕され、腸内の消化酵素と微生物などの作用により
消化されたものであるので、
今回は微生物発酵した中国茶「黒茶」の作法に則って行います。
3gの茶葉に100度の湯を130ml入れて1分 だそうです。
今回は節約のため1.5gの茶葉(?)に65mlの湯を入れます
手順1
茶葉(?)を1.5g測り、だしパックに入れる。
手順2
湯のみを温める

手順3
100度の湯を入れ、だしパックを2分漬ける

完成!

同じ重さ、同じ時間抽出したはずなのですが、
大きく色が異なります。
また、
4と5は違う食草でフンの色も違うのですが、お茶は同じような色合いになっています。
香り
① 香り麦茶系のこうばしい香りにかすかな甘さ。明らかな桑の香り
② 松の葉の突き抜ける香り。松脂の匂い。
③ ①に近い香り。食草が異なるはずなのに不思議。
④ とっつきやすい香ばしさ。 クセのない香り。
⑤ ヒノキのような木材の香りと甘いメープルシロップのような香り。
⑥ 色はあるのに、においは殆ど無い。かすかに香ばしい香り。
淹れたての味
① コクのあるまったりとした味。後味がながびく
② 爽やかな甘さと酸味。ローズヒップティーに似る。 キュッとした渋みがのこる。
③ 仄かな苦味。始めに苦味が来るゴーヤタイプで舌にのこらない。口に含むと香りが変わる。ゆでた小松菜の青臭さと土臭さ
④ ごくごくいける甘めの味。 飲んだあとにわずかに渋みがあり、すっきりする。冷やして夏に飲みたい。
⑤ ほろ苦いコーヒー系の苦味。 香りからは想像できない大人の味。渋みはないが 焦げた栗の渋川のような味
⑥ かすかに甘いが味が薄く感じる。ローストしたトウモロコシの香りもあるが水っぽく薄い
冷えてからもう一回飲みました。
① 桑の臭さがつよくなる。暖かいうちに召し上がれ
② 酸味がより強烈になった。これはおもしろい。
③ 先味の苦味が強くなる。青臭さはなくなる
④ メントールのようなさわやかな後味。冷やしてもイケる
⑤ 苦味と渋みがあわさり紅茶系の味。さっぱりするので料理のあとに飲みたい。
⑥ 薄い 味がまろやかすぎてわからない。
食草、昆虫種によって様々、ということが分かりました。(当然といえば当然ですが。)
飲みやすかったのが④トノサマバッタ・サトウキビ茶
冷えてもごくごくいけそうな爽やかな馴染みのある味。汗かいたときにのみたいですね。
驚いたのが
② 松の葉・クロスズメ茶
なぜかかなり酸っぱくて驚きました。特徴的な松の香りも楽しめおもしろかったです。
今回特に興味深かった点
④と⑤の比較
トノサマバッタが2種の植物(④サトウキビ ⑤ソルガム)を食べたフンだけれども、大きく味が異なることがわかりました。。
色や香りが結構近いのに、味はソルガムの方にだけ苦味があり、興味深いです。
④と⑥の比較
同じサトウキビをたべたトノサマバッタとヒゲマダライナゴの比較。
トノサマバッタの方が特徴的な味、香りをしているのに対し、
ヒゲマダライナゴは薄く、消化の具合が異なることが伺えます。
⑥は今回のような湯に入れるだけでなく、煮だして飲んだこともありますが、
きちんと煮だすと良い味になりました。
各フンの消化具合によって淹れ方も変える必要が有るようです。
今回はツイッターでのつぶやき
「照葉樹の葉を食用に変える、という点で、お茶と昆虫食には通じるものがある」
をみて、
この記事を完成させるに至りました。
御礼申し上げます。

昆虫は揚げればなんでも食える。
ということで、昆虫の調理は「揚げ」がメジャーです。
タイでは大抵コブミカンの葉と一緒に揚げています。
ですが、
揚げれば食えるのはどの生物でも同じ事。
昆虫を風味豊かに、美味しく食べるには
揚げ以外の調理方法も模索したい所です。
焼き、蒸し、茹で、煮、フリーズドライまで、
いろいろ試行錯誤してきましたが、
その中でも甲虫の外皮の硬さは強敵です。
油でじっくり加熱し、外皮の水分を飛ばし
弾性を低下させ、スポンジ状になって
初めてサクサクと食べられるようになりますが、
その時、
柔らかい昆虫の内部はすでにスカスカになってしまい、
風味が失われてしまいます。
また、和食に慣れた日本人は
油物ばかりでは辟易してしまいます。
そこで
今回は外皮が硬い甲虫達を使って、揚げ以外の調理として、
「玄米煎餅」を試みました。
使った昆虫は
ゴマダラカミキリ Anoplophora malasiaca

ノコギリカミキリ Prionus insularis

オオゾウムシ Sipalinus gigas

の3種。いずれも美味しいのですが、外皮が固い奴らです。
玄米煎餅は
炊飯器で炊いた玄米を
せんべい焼き器「ベーカリー
で両面焼きをして作ります。
生地を米粉、ホットケーキミックス、モチなどに変更することで
様々な煎餅が焼けます。しかも油はほとんど使用しません。
では挑戦。
虫だけを2分焼き、炊いた玄米を入れ、片面3分焼き上げます。

完成。
実食。
揚げずにどこまで美味しく食べられるか、という今回の挑戦ですが、
やはりまだ口に残る固さ。完成度70%といったところでしょうか。
くちにチクチクするような固さはないのですが、
玄米部分を飲み込んだ時に少し残ってしまうことが難点です。
少なくともセミ幼虫、バッタまでは
美味しくサクサク食べることができます。
玄米の香ばしい香りも白米で作った時とは違う味わいです。
セミ会でも出そうと思います!

トビイロスズメ Clanis bilineata tsingtauica

中国山東省や江蘇省では、トビイロスズメ(中国語 豆天蛾、ドウティエンオー)の幼虫を「豆蚒」(ドウダン)、「豆虫」(ドウチョン)、「豆青虫」(ドウチンチョン)などと呼んで食用にする。食用については、古くは清の蒲松齢の『農蠶經』に記載がある。無農薬栽培の大豆畑で採集するが、江蘇省では1ヘクタール当たり300kgも採れ、市場で売ると数千人民元の売上げになる例もあるという。素揚げ、卵炒め、野菜炒め、スープなどの食べ方がある。江蘇省北部の灌雲県には、頭を切り落として肉を絞り出し、内臓を取り除いて作る肉団子がある。(wikipediaより)
このようにwikipediaに書かれては
ぜひとも幼虫も食べたいところですが今回は成虫を採集していただきました。
直火で翅と毛を焼き飛ばし、ポン酢で頂いた所、
中華食材の蛾の蛹、サクサンに似た豆系の香り。
焼いたものの毛が多く残っており、食感がモフモフしてしまった。
一方
セミ会で見つけたスズメガ科の
オオスカシバCephonodes hylas もスズメガ科の蛾。

スカシバガ科ではない謎の分類。
以前食べたヒメアトスカシバはスカシバガ科でした。
うぐいす色の緑の鱗粉はすぐにとれてしまい、洗うと一層
鱗粉はなくハダカに。そのまま茹でて頂きました。
他の蛾にくらべ内部は空洞が多く、比較的外皮も固い。他の鱗翅目のような脂質の香りやコクはなく、タンパクですっきりした味。ハチの成虫に似たイメージ。
食性の影響があるかもしれない。
同じスズメガ科でも
鱗粉の具合に差があり、味にも大きな変化が見られました。
食性、遺伝、ステージ、などなど
昆虫食材の味にはまだまだ謎がありそうです。

ハタケノウマオイ Hexacentrus japonicus

羽根が大きいだけで身のある部分は少なく、大きさの割に物足りないが、適度に甘く普通の味。草食性のバッタのような強い草の香りはなかった。味はコオロギに近い。
茹でると黄色くなる。
同じバッタ目でも赤くなるバッタ科と
赤くならないキリギリス科で分かれるようだ
秋のバッタ・キリギリスを捕獲して
チーズピザに乗せ焼くと
緑の虫たちが科に応じて赤や黄色にかわり
さながらモミジのよう。
Before

After

「秋の紅葉ピザ」と名付けました。

セミ会とはなんぞや!?


先週twitterを賑わせ、某大手新聞の記事にもなった「セミ会」
正式名称「セミを食べる会」は昆虫料理研究家、内山昭一さんによって2005年から始められた夏の恒例イベントです。夕方に集合した参加者は、虫取り網を持って成虫を捕獲し、
日没前後には羽化のため登ってくる幼虫を捕獲します。
とれたて新鮮のセミはその日のうちに調理され、参加者の胃袋に収まるのです。

セミって食べていいんですか?
セミを食べる文化は世界各地にあり、日本でも沖縄の一部地域で郷土料理として食べられていました。
台湾ではコオロギやハチノコ、バッタと同様に食材として現在も食べられています。アメリカではジュウシチネンゼミの大発生(文字通り十七年に一度)ではセミ料理のレシピが出回り、家庭で食べられるそうです。
カラスやイヌネコも大好きで、「ネコがセミを食べてしまったのですが大丈夫ですか」との問い合わせも内山さんのもとには届くそうですが、彼らにも
問題はないようです。
セミを食べてみたい!

セミを食べる方法として上記の「セミ会」に参加する方法があります。
今年は7月28日、8月4日、11日に開催されますがセミは日本全国どこでもいるもの。
わざわざ食べに行かなくても、自宅で、仲間でセミ会はできるのです。

「自分でセミ会」のガイドライン

1,食材探し
セミはどこに居るのでしょうか
まず
セミの声のする方に行ってください。
公園が望ましいでしょう。
里山にもいますが、傾斜地で足場が悪いのと、比較的高い所にとまっているので
公園での捕獲をオススメします。

できるだけ長い虫取り網で木にとまる成虫を採りましょう

成虫も美味しいのですが、セミ会の醍醐味は
やはり羽化のため土中から出てくる幼虫です。

日没前後、18時半から19時半の間に
幼虫は一気に木を駆け上がります。
深夜や早朝に出ると思われている方が多いのですが、
これらの時間帯に出てくるのはごく一部で、
日没のラッシュに捕まえるのが一番効率的です。

さて、
セミが木を登る速度はどのくらいでしょうか
動画をご覧ください。一分の動画です。

結構速いです
画面の両端は32cmですので分速32cm。

つまり、10分見逃したときには、
セミは3mも登ってしまっているのです。

むしとり網がせいぜい2mであること、
また、見やすい樹の幹の部分が大抵2m~3m以下の部分であることを考えると
セミが取りやすい場所にとどまってくれているのは「10分」であるといえます。

また、
セミのよくでる木、というのはけっこう固定されていて、
一度セミを見つけた木に目星をつけ、10分後にまた見に来ると
同じように何匹もセミを捕まえることができます。

このような木の見分け方は、セミの抜け殻の数でわかります。
木を見上げて、鈴なりの抜け殻がある木は「当たり」ですので
日没前にかならず見るようにしましょう

ということで
先ほどのピーク時間帯と、インターバル10分を
組み合わせると次のようなスケジュールになります。

2,セミ会のスケジューリング

17時半集合;成虫セミ取り
この間に抜け殻を取り除いておきます。

生きた幼虫との見間違いを防ぎ、効率的に捕獲できるようになります。
この時、
抜け殻が大量にある「当たり」の木に目星をつけ、
10分以内に回る300m程度の周回コースを考えておきます。

18時半 幼虫採り開始
「当たり」の木を中心に、懐中電灯で樹の幹3m以下の部分を照らしながら、
手で捕獲していきます。一本の木にかける時間は10秒以内が望ましいでしょう。

セミのいる木は10分後にはまた居る可能性が高いので、必ず覚えておきましょう
「10分の周回コース」によりセミの居る木に10分以内に再訪できます。

このインターバルを6回繰り返す「だけ」で、
だれでも簡単にたっぷりのセミが取れるのです。

3,料理方法

さて、いよいよ料理に入ります。

セミは昆虫の中でもかなり美味しく、様々な料理法で食べることができます。

「楽しい昆虫料理」「昆虫食入門」を参考にしましょう。

セミをはじめ昆虫は
ヒトと共通に感染する微生物、ウイルス、寄生虫の類について
ほとんど調べられておりませんので、念のためきっちり加熱しておきましょう。

セミ会では捕獲終了が19時半と比較的遅いので、手軽に食べられる
揚げ、天ぷら、唐揚げ、燻製の4種の加熱調理を行なっています。

3,場所決め
捕獲場所と、そこから比較的近い調理場所の確保が必要となります。
どなたかの自宅で行う場合、家主と同居人の許可

くれぐれも、くれぐれも

しっかりとりましょう。
こっそり行なって
脚が排水口ネットに残っていた時の言い訳は存在しません。

サプライズでセミを持ち込む場合も
サプライズがすぎる場合が多く見受けられますので
事前の了解は必須です。

4,仲間さがし
食べてくれる仲間がいるとセミ会は大いに盛り上がります。
私見ですが、
比較的女性の方が「食べてみたい」と好意的に受け入れるてくれるようです。

5,アレルギー
最後になりますが、アレルギー体質、
特に甲殻類アレルギーの方には
昆虫食はお勧めしません。

アレルギーのリスクはどの食材にも同等にあるのですが、
今まで食べたことのない食品には注意が必要です。

このガイドラインでセミを食べられた方が
アレルギーを発症されても
申し訳ありませんが責任はおえませんので
ご自分の判断でセミ会をお楽しみください。

ショウリョウバッタ Acrida cinerea

大型のバッタでメスの体長は14cm以上にもなり、日本で一番長いバッタ。
ショウリョウバッタは卵で越冬し、夏にかけて成長しますが、
同じ卵越冬のトノサマバッタと比較して羽化の時期が遅いようです。。
今年だと6月下旬にはトノサマバッタが成虫になっていたのに対し、
ショウリョウバッタは7月中旬でした。
旧盆のころよく見られることから「精霊ばった」が
名前の由来という俗説もあるようです。(wikipedhiaより)
加熱すると他のバッタと同じく
赤く色が変わり、エビの近縁であることを伺わせます。
このショウリョウバッタですが、
大型でトノサマバッタよりも採集しやすく、
これで美味しければもんくがないのですが、
茹でて食べると、枯れ草の香りがして、外皮が舌に残り
身は少なく物足りない感じでした。若干ほろ苦さもあります。
今まで食べたバッタ類では一番微妙な味でした。
揚げればそこそこ美味しいのですが、苦味があることも。
食用のバッタで有名なイナゴは、イネワラの香りが強く、
バッタ類で図抜けて美味しいわけではありません。
やはり美味しいのは
トウモロコシの香りがしてコクのある
トノサマバッタのようです。
とはいえ揚げると美味しくいただけるので
昆虫料理研究会の秋のバッタ会では
初心者でも取りやすい手頃なバッタとして
食べられいます。

ニイニイゼミ Platypleura kaempferi
幼虫が土まみれの小型のセミ。
6月下旬ごろに出るので、例年8月に行われるセミ会では成虫だけ捕獲していました。
アブラゼミより小ぶりなので外皮が食べやすく、いろいろな料理に使えそう。
7月28日に羽化中のニイニイゼミに出会ったので、
そういえば成虫以外食べたことないなぁと思い、味見しました。

茹でて食べると、とても柔らかく、するりと消えてしまう。
セミの特徴的な匂いは幼虫に多いため、
羽化直後の白いセミは結構味気ない感じですね。
色味がいいので様々な料理には向きそうです。
次に、
幼虫も食べたことがなかったので
その抜け殻を味見してみました。
古い歯ブラシでよく洗い、泥を落とし、
口に含んだところ、
ジャリジャリと取り残した泥が口に広がり、
とても食べられませんでした。
ちゃんとニイニイゼミの幼虫をいただくには、
羽化前の幼虫の皮を剥く作業が必要となるでしょう。。
食材としては使いにくいと思われます。
成虫は比較的低い位置で鳴いているので、
初心者でも捕獲が簡単です。
成虫をオススメします。
8月後半にはいなくなるそうなので、
セミ会の名脇役としてお使いください。
さて
我ながらよく撮れたと思う先ほどのミンミンゼミの写真
何かに似ていないかと。。。いうことで
見つけました。

キレてるキレてる!
ナイスバルク!
6つに割れた腹筋(脚)、
パンツ(抜け殻)
日に焼けた肌、
ドヤ顔、
大きく張り出した肩(翅)
完全に一致ですね。
ちなみに右のフィギュアは
バキに登場する筋肉の人。ビスケット・オリバ。
バキは格闘漫画から「バキ」という新しいジャンルを
築きつつあります。
先週の父子エア味噌汁には驚愕しました。
最終回まで目が話せません。
9月以降発売のフィギュアを4種あつめると
なんと
カマキリ師匠のフィギュアが完成する!
カマキリキャンペーン」実施中。
カマキリ師匠だけほしい。。。。

エビガラスズメの蛹 Agrius convolvuli

ゆでてポン酢でいただきました。腹部は青大豆の豆腐のような爽やかな香りでクリーム状。濃厚な味。胸部は弾力のある食感でタンパクな味。なぜか柑橘の葉のような香。外皮はやや口に残るが食べられます。
エビガラスズメ成虫

成虫はオスメス共に直火で炙り、翅と鱗粉を焼いてぽん酢で頂きました。美味しい。カイコのようなくさみもなく、納豆のような濃いアミノ酸系の味がします。メスは卵がプチプチしてより楽しい食感。成虫は暴れてハネが傷んでしまったので写真は割愛します。
エビガラスズメはボツワナのサン族が「ギュノー」と呼んで食しています。
納得の美味しさでした。(内山昭一 著 昆虫食入門 より)
鱗翅目の食用昆虫として、日本ではカイコが有名です。
生糸生産の副産物として比較的ラクに手に入るのですが、
食用昆虫の中でもあまり美味しくないと思っていました。
最近他の鱗翅目を食べていくうちに、
鱗翅目の中でもかなり美味しくない部類に属しています。
クワの強烈な土臭さが全面に出てしまい。
醤油などできっちり調理しないと難しい食材となっています。
カイコ、クワコ(カイコの原種)についてはまた別の機会に。