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「クモはチョコレートの味」
ネットでは有名なガセネタです。
その由来は自衛隊のサバイバルハンドブックに
適当に記載されていた記述のようですが、
一番確かな情報は食べて見ること。
「蟲」というくくりからは離れますが代表的な「虫」
として、味わってみようと思います。
クモは節足動物の中では
昆虫よりヤドカリやカニの方に
近い共通祖先を持ちます
翅をもたず、呼吸器系は気管系ではなく
肺書といわれるエラ構造を体内にもちます。
そのため、持ってみると昆虫よりもずっしり重たく感じます。
今回は
ナガコガネグモ  Argiope bruennichi


ジグモ  Atypus karschi

ジグモの卵

を試食しました。
ナガコガネグモ
バッタに近い草の香りがある。主にバッタを食べているせいかもしれない。腹部、胸部ともに弾力のある外皮で肉質の噛みごたえ。カニに近い食感。甘味がつよく美味しい。
ジグモ
かなりみずみずしい。まさに蟹の味。美味い!卵を抱えており、ほぐれた卵がスクラブ状に口の中に広がる。大顎が鋭いので、除去してから食べた。土中に巣を作って生活しているので、土臭さを心配したが全く臭みもない。
ジグモ卵
蜘蛛の糸の卵鞘がつよく、プチプチ感が楽しめなかった。噛んだ卵鞘は羽化直後のセミのようにティッシュを噛んだような微妙な食感。表面処理をしていない節足動物のタンパク質ってこんなかんじなのだろうか。
タランチュラも以前イベントで食べたのですが、
まさに蟹の味。馴染みのある味なので、
初心者でもかなり食べやすいと思います。
世界ではカンボジアでよく食べられています。
山盛りのタランチュラを炭火に入れ、表面の毛を焼ききって
むしゃむしゃ食べる様子がとても羨ましいですが。
ここまで普及したのは
食料問題解決のため国が奨励してタランチュラを養殖した、
なんて話もちらっと聞きましたが、
真偽が定かで無いので引き続き調査していきたいと思います。。

私もこちらの某研究室に来て
はや半年。バッタの扱いにも慣れてきました。
今使っているトノサマバッタの生活史ですが、
まず卵から15mgで孵化し、一ヶ月ほどの間に4回から5回脱皮し成虫に。
このときメスはおよそ1.5g。100倍になっています。
そこから2週間から一ヶ月かけて性成熟し、卵を抱えたメスでは
大きいもので3.5gまで重量を増します。
今回のヒロイン
トノサマバッタ Locusta migratoria
4月16日生まれのこの子。

御年なんと4ヶ月半。同時期に生まれたバッタたちの最年長のババアです。
卵も3個から4個産んで、お疲れのようです。
と比較いたしますのは
今日羽化したばっかりの8月2日うまれのこの子。

ちょっとほっそりしています。
今回のテーマは
「年をとるとバッタの味はどう変わるか」
まずは実食
若いギャル(8月2日生まれ)
草の香りがあり、クチクラが柔らかく、腹部には甘味と脂肪のコク。ウインナーのようなかみごたえ、どれをとってもバッタ界No.1といえるでしょう。
イナゴなんかは目じゃないおいしさです。
ババア(4月16日生まれ)
固い。筋肉の塊。味はほろ苦さが加わり、まさにオトナのお味。ショウリョウバッタに近い味になった。油がすっかり抜け、ササミのようなパサパサしたものが口のに残る。クチクラもめっぽう固く、噛むのに苦労するほど。
判定
若いほうが美味い!
これは極端に年寄りなので、
卵を抱えた女ざかりであればまた違ったおいしさがあると思います。
(実験で使うので卵は貴重で、今は食べれません)
バッタは年をとるとキチンが発達し、硬くなります。
また、産卵で多くのエネルギーを失います。
鶏肉も若鶏は柔らかくおいしいですが、
年をとった鶏は結合組織が発達し、固くなってしまいます。
結論。
バッタも鶏も。若いのが美味い。
トノサマバッタは年二回成虫になります。
今の時期はもう二回目の成虫の時期。
運動能力が非常に高いので、
朝方の気温の低い時を狙って
長めの虫捕り網で捕獲しましょう。